感情タグBEST3
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本編の続編です。間違って番外編を先に読んでしまったのですがここでやっと腑に落ちたことがいくつも…(^^;)
主人公の一整くん、本当に真面目。こんな人みたことない!いたとしてもきっと全然目立たない。村山早紀さんのお話しではそんな目立たなくても真面目に一生懸命に生きてる人を神様が掬い上げてくれるのです。
そりゃ、話が上手く転がりすぎでしょ?って突っ込みたくなる面もあるけれど、『情けは人の為ならず』みたいに善い行いが自分に返ってくるのかしら?と思わず村山さんの魔法にかかってしまうのです。(笑)
とにかくほっこりとして大好きなお話しでした。
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あったかい。
人との繋がりがとてもあったかい。
実際はこんなにうまくいかないだろうと思ったり、でもどこか、この世界もまだ捨てたもんじゃないよなと思ったり。
一整は当たり前に感謝ができる人なんだなぁ。
だからこそ人がついてくるんだな。
このシリーズとても好き。
途中、心痛い所もあるけれど、収まるところにしっかり収まって、ほっこりしかない。
微笑みながらあったかい涙が流れた。
幸せだー。
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このシリーズは悪い人が出てこないので、シリアスな話の合間に読んだ時にホッとします。
本への愛も伝わってくる作品で、こんなにとんとん拍子に素敵な企画が進んでいくことって現実では少ないだろうけど、心から羨ましく思います。
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桜風堂物語の続編です。
前回では描かれなかった人物の話が描かれてあり、とても楽しくよめました。こんな書店がまちの近くにあればとっても楽しいですね。
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以前投稿した、「桜風堂ものがたり」の第二弾的な話。主人公の月原一整が桜風堂書店の再生に取り組む。持ち上がったのは3人の作家さんのサイン会!しかし、小さな村では広い会場がなく、多くのスタッフを集める事もできない。そんな時、以前勤めていた銀河堂書店や村の人達から手伝わせてほしいと話があがる。
書店を愛する人と、地元を愛する人の温かい物語。
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村山早紀さんの紡ぐ文章は、詩のようで、静かだけど心に響く。
主人公自身が「(これが小説なら)こんな都合のいい展開はないぞって、絶対読者に笑われるよな」と考えるくらい、ご都合主義な展開。でも、それがまったく不自然ではない。
誠実に努力を重ねていれば、悩みに寄り添ってくれる人や、力を貸してくれる人が現れ、そしてその輪がどんどんつながって、広がっていく。そんなストーリーだった。
前編の『桜風堂ものがたり』はもちろん、両書に出てくる星野百貨店を舞台にした『百貨の魔法』も読んでいたので、百貨店にまつわるエピソードも感慨深かった。
ラストシーンには、「他人の(自分の大切な人の)幸せを願える人には、本人にも幸せが訪れる」ということを感じた。
この2冊で、桜風堂のお話は完結だそうだけど、桜風堂と登場人物一人ひとり、特に二組のカップル(?)の今後が気になる、余韻の残るエンディングだった。
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村山早紀 2作品目。
「桜風堂ものがたり」の続編。残酷な神様がどこかで見ててくれている、と感じる物語。
前作では、書店向けのメッセージが、本書では読書子に向けたメッセージになっている。「町の本屋が無くなって良いか?」、と。
書店員さんは、私たちにとって、”本”のコンシェルジュであり、本をトリアージする存在なのかもしれない。在庫スペース・棚という権力を使って。だから、銀河堂を訪れた一整は、文庫の棚を訪れなかった。そして、本屋と対極にあるのが、全ての本を順列なく並べたネット書店。
本書では、町の本屋さんは、世界でたった一つの夢の国への扉だった、と訴える。あの場所があったから、今がある、と。
現在の読者層は、きっと、この一言は身に染みて頷くと思う。ただ、十年後、二十年後、町の本屋さんが死語になったとき、どんな仕組みが、どんな人が、”本”のコンシェルジュになってくれるのだろうか? 今私たちは想像できるだろうか?そして、その役割もネット書店に委ねるのか? ”本”に出合うのが物語ならば、私たちは、どのような物語を、答えを出せばよいのでしょうか?
人に好かれるのも、愛されるのも、必要とされるのも才能。才能ある主人公の生き様は、歯車がかみ合ったかのように、夢のような展開を拡げていく。この幸運がないと、夢物語が回らないかのように。
そして感じる。これを”幸運”と呼ばずになんと呼ぼう。この本に出逢えたことを。
もうひとつ、本書では素敵な魔法が唱えられています。
感謝の思いや、嬉しかったこと、大切に思っているということは、言葉にして伝えておこう。そうすれば、いつか言葉は魔法になり、自分が大切にしている何かを守り、幸せにするかも知れないから。と。
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なかなかご縁がなく続編ようやく読めました!
この本は優しさが溢れており心がポカポカします(*^^*)
前作よりスッキリと物語がまとまっていたように感じて読みやすかったです。
本のあれこれの知識知らなかったことも多く勉強になりました。今度、小さな町の書店をみかけたら立ち寄ってみようかな♪
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暖かい風が吹いた。
書店員のその後の物語。オーナー、かっこいいじゃん!
銀河堂書店とのコラボ企画、ステキだった。
その後のその後も気になるなぁ。
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桜風堂ものがたりの続編です。
百貨の魔法も読んでいて同じ流れの
ファンタジー感がいいですね。
「物を買うことは、物語を買うこと」これも非常に良い。
桜風堂書店に新しく参加する事になった藤森、沢本来未が
活躍する続編ができないかなぁ と思っている。
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桜風堂ものがたり続編
人と人との繋がりに感動しつつ
登場人物が優しい人ばかりなんだけど、
中にはちょっと嫌なことも。
人間臭くて良かった。
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『桜風堂ものがたり』の続編。
作者さんとしては、当初考えていた物語を二冊にわけて刊行することになったようなもの、だとのこと。
『桜風堂』ファンとしては、同じ登場人物が出てくることに喜びを感じました。(特にやはり月原一整!)
月原一整が引き継ぐことになり、いろいろな問題点を解決してくれる仲間が登場するのも悪くはなかったですが、この本では、イベントの発案から当日までの流れの部分がよかったです。自分自身、去年、あるイベントに携わって大変だった経験があるからだと思いますが。
本屋さんにあまり足を運んだことがない人にこそ読んでほしいかな。
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幕間2〜ケンタウロスとお茶を
とても染みました。
編集者に夢を釣り餌のようにされて、自分の大切なケンタウロスのお嬢さんを漫画の中で死なせてしまった来未の苦しさは、読んでいて辛かった。
大切な夢や想いを、自らの手で汚さざるをえなかったことで、自分自身をも責めていた来未が悲しかった。
来未が桜風堂に一歩踏み出すことができて本当に良かった。
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「桜風堂ものがたり」の続編です。
前作で話の中心となった作家・団先生の小説「四月の魚」
たくさんの人々を動かし、小さな書店を何とか立て直した月原一整ですが、今作は時代小説の人気作家
高岡源の小説で奇跡が…
奇跡起こりすぎですけどいいんです‼︎
町の人が全員良い人すぎですけどいいんです‼︎
それがこのシリーズの良いところ(*´∀`*)
悪い人ひっとりも出ません笑
素直に癒されてください。
そんな人にオススメです♪
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続編から読んでしまったけど面白い!
桜風堂書店に来るまでに何があったのかが気になるので、前編も読みたい。
「店長がバカすぎて」を読んですぐだったこともあり、書店が舞台の小説の面白さをより感じられた。
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桜風堂の続編。
優しい話です。
本屋さんに行きたくなります。
ご都合主義っぽいけれど、元々ファンタジーを書かれる方だからか違和感なく受け入れられます。
そこがいいというか。
次の桜風堂夢ものがたりも楽しみ。
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『桜風堂ものがたり』の続編。前作よりもストーリーが明るく、とんとん拍子に話が進んでゆく印象。非現実的ともいえるけれど、そこがこの作品の良さなのだと思う。
前作と比べて、様々な読み手の姿を描いているように感じた。本を愛する人たちに焦点を当てて、その一人ひとりの物語を紡いでできたような作品だった。
もちろん、作品の芯には書店の未来への憂いと、まだまだ戦えるのだという希望が詰まっている。本を売るために試行錯誤し、仕掛けていく書店があり、それに応える読者がいる。
ネットやデジタル化によって煽りを受けている書店や書物であるが、逆にネットの力をうまく利用して本を売るということもできるのだと思った。
こうして感想をつらつら述べることも、もしかしたら作品を手に取る人を増やしているのかもしれないと思うと、少し嬉しくなる(私自身ブク友の方々の読んだ本を手にすることもあるし、ないとはいえないよね!)。
次は『百貨の神様』かなぁ。繋がっている世界の作品って、読みたくなる。ずるずると村山さんのワールドに引き込まれていく自分がいて、わくわくする。
Posted by ブクログ
続編なので、前のお話のその後が色々描かれていて嬉しかったです。このシリーズはこれで完結とのことで、お話はとっても楽しめたのですが、もう少し読みたかったなぁ…という残念な物足りない気持ちから星4つです。
Posted by ブクログ
・『桜風堂ものがたり』の続編。
・この著者の作品は基本的に不愉快な人が出てこないので安心感がある。
・町の書店が減ってゆく現状、読む楽しみを知っている人の減少。本たちへのレクイエムでもあり、かつもう一度そんな世界をという祈りでもある作品。
・ものごとが恐ろしいまでにうまくいきすぎるのに白ける人もいるでしょうけど、なんかなし余裕の削られてるきょうびこういうファンタジーがあってもいいでしょと思うしまあ登場人物たちの人徳ってことで。
・この本を読むと町の本屋に行って一冊買いたくなってきた。ので、これからちょっとでかけてきます。
▼桜風堂に関する簡単なメモ
【アリス】桜風堂にいついた三毛猫。キャラ的には『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』のハルな感じ。パートナーは透ということになるか。新参者の一整をとりあえずは認めてくれたようだ。
【卯佐美苑絵】銀河堂書店児童書担当。内気。絵が得意(おそらく天才レベル)で『四月の魚』のために宣伝用の絵を描いた。見たものを忘れないという能力を持つ。よく転ぶしすぐ泣く。月原一整に恋愛感情を抱いている。絵本作家になるのが夢。『星をつなぐ手』の表紙カバーの女性は苑絵だろうと思うが?横にいるのは当然一整とアリスだろう。
【卯佐美茉莉也】苑絵の母。元アイドルで今は子供服ブランドを世界展開している実業家として成功している。柏葉鳴海とはアイドル時代からの友人。
【桜風堂書店】桜野町の書店。主人の体調が悪く閉店も考えていたところに、職を失って旅に出た一整がやってきて、以前からブログ等で親しくしていたこともありそのまま引き継いだ。一整はゆくゆくはブックカフェにできればいいのではと考えているがどうなるかはわからない。店主は最後まで名前が出てこなかった?
【小野田文房具店】アリスによくしてくれる人々がいる店。最近沢本来未が滞在している。
【柏葉鳴海】元スーパーアイドルで今大女優。本好き。かつて脚本家として自分を鍛えてくれた団重彦復活の『四月の魚』を応援した人の一人。長いことエッセイの連載を続けている。卯佐美苑絵の母、茉莉也の友人。
【風猫】桜野町にある音楽喫茶。藤森章太郎がやっている。
【金田丈/かねだ・じょう】銀河堂書店オーナー。星野百貨店を興す原動力になった一人である伝説の人物。なんの用事か、わざわざ一整を呼び出した。
【鹿野有香/かの・ゆか】福和出版の若いが敏腕の編集者。耳も脚も早い。団重彦の担当で『四月の魚』出版の力になった。
【銀河堂書店】風早の街で一整が働いていた書店。他の作品『百貨の魔法』の舞台にもなった地元から絶大な信頼のある老舗星野百貨店内で百貨店の創業時から営業している。
【紺碧の疾風】遅咲きの作家、高岡源の人気時代物シリーズ。一整が入荷に失敗し悩む。
【桜野町】忘れられた観光地。《山間の小さな町に文化の香りが漂う》『桜風堂ものがたり』p.174。《ここは旅の終点ではなく、旅人が旅のその途中に立ち寄るための場所でした。》『桜風堂ものがたり』p.182
【沢本毬乃】来未の姉。桜野町の小野田文房具店を継いだ。本業は染色家でそこそこの知名度がある。コミュ力と行動力が高い。《だから、桜風堂でわたしは新刊を買うのよ》『星をつなぐ手』p.224
【沢本来未/さわもと・くるみ】たぶん市松人形のような少女、に見えるインドア派女子大生。傷心のところで姉の毬乃に誘われ桜野町に来て引きこもっている。漫画家志望で「ケンタウロスとお茶を」という作品でデビューするかもしれなかった。そういえば『ドラゴンとお茶を』という小説があったなあ。
【四月の魚/ポワソンダブリル】かつての人気脚本家団重彦が書いた本。銀河堂書店員月原一整が売るために仕掛けようとしていたが・・・。内容は異なるが、ある意味この本と似たような雰囲気の本ではないかと思われる。
【商売】《店というものはひとを呼んでからが「商売」だった。》『桜風堂ものがたり』p.300
【世界への恋文】団重彦にとっての『四月の魚』であり苑絵にとっての絵を描くこと。
【すずめ書店】沢本姉妹の地元にあった書店。おばあちゃんがやっていて来未はおばあちゃんに喜んでもらいたいと思い漫画家デビューを急いでしまった。
【芹沢結子】星野百貨店に新設されたコンシェルジュ。『百貨の魔法』の主人公でもある。この巻で一整が出会った。初めて会ったのにずっと昔から知っている気になる妖精めいた女性。
【船長】妙にタイミングのいいセリフを吐くオウム。
【大切】《わたしは、誰かの大切なものを奪うことはしない》『桜風堂ものがたり』p.170。タフでつよい三神渚砂のけなげな決心。
【高岡源】遅咲きの人気時代小説作家。山歩きが好き。一整に一方的ではあるが恩義を感じておりを気にかけてくれていた。桜風堂を気に入ってたびたびおとずれるようになった。
【団重彦】元脚本家でしばらく名前を聞くことがなかった人物。『四月の魚』で復活を果たす。
【伝える】《伝えることが大事なんだ》『星をつなぐ手』p.15。
【月原一整】主人公。銀河堂で働いていたが、とあるできごとの結果いられなくなり縁あって桜風堂を任されることになった。隠れた名作を掘り出す嗅覚を持つ。書評ブログ「胡蝶亭」を営んでいる。
【透】桜風堂書店にいる賢そうな、たぶん美少年。
【ハナ】桜野町の文具屋の猫。主人ともどもアリスをかわいがってくれる。
【福本薫】桜野町町長。桜風堂店主の幼馴染み。もともと出版業界の人。年齢不詳、白髪の美女。
【藤森章太郎】音楽喫茶風猫の店長。元編集者。妻は現役児童書編集者。引退はしたがいまだ出版には未練がある。沢本来未の救世主になったりする?
【星のカケス】一整のネット仲間。書店員で本の趣味も近くずっと交流がある。その正体は・・・
【星野百貨店】風早の商店街にある老舗百貨店。最近経営は苦しいらしい。この百貨店がなくなるときは商店街も運命をともにしそうな感じ。かつて一整が働いていた銀河堂書店が入っている。『百貨の魔法』の主舞台でもある。
【星祭り】桜野町で行われる鞠姫様の伝説に因む祭。
【万引き】万引きはその書店を殺す。あるいはその書店で働いていた人たちの人生を壊す。古本屋やけど本屋で働いていたこともあったのでそう実感する。もしこの世に万引きというものがなければぼくはかなりの可能性で新刊本屋を開いていただろうと思う。さて、万引きのせいでひどい目にあったこの物語の主人公、月原一整の人生は・・・
【三神渚砂】銀河堂書店文芸担当にしてカリスマ書店員と呼ばれる実力者。FM放送で番組を持っている。卯佐美苑絵の幼馴染みで自分の恋心を抑え彼女の恋を応援する。父親は夏野耕陽という著名な編集者で他に女ができて別れることになった。風早の街には母の実家があった。この巻でも《わたしは、誰かの大切なものを奪うことはしない》『星をつなぐ手』p.169と改めて考える。
【物語】《ひとはいつも、物語を探している。》『星をつなぐ手』p.98
【柳田六郎太/やなぎた・ろくろうた】銀河堂書店店長。業界では有名な人。妻は銀河堂書店のコミック担当。
【蓬野純也】ビジュアル的にもすぐれている人気作家。一整の従兄弟。すべてを持っている一見嫌味なタイプだが実のところかなり好人物。セントバーナードのようなと評される。渚砂の持つFM放送に出る機会が増えた。このままいけば二人はくっつくのかもしれない?
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桜風堂ものがたりの続編。
お伽話のようなあたたかいお話。山間にある潰れかけた小さな書店を若い書店員が引き受けていく。
本好きで書店好きとしては、本当にお伽話のようで、純粋にいいなと思います。
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桜風堂ものがたりの続編。
桜風堂書店の一整をはじめ、桜野町の人々や、風早にある銀河堂書店や星野百貨店の人々が、一丸となって、物事が進んでいく感じ。
今の書店業界の現状や話題がもりだくさん。
頑張っている人たちを神様はどこかで必ず見ていてくれているんだなと感じさせられる。
一整くんと苑絵さん、ふたりを取り巻く人々の気持ち。
これで終わりのようですが、二人がお互いの気持ちを理解した上で、桜風堂で一緒に働いていく姿も見てみたかったかな。
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都会の書店から
田舎の桜風堂書店に来た 月原一整
色々と困難を抱えながらも 前向きに歩んできた事が
桜風堂書店の未来を 明るいものとして行く
ホロっとする 良い話です。
いい話ですごく良かった。
Posted by ブクログ
前作は本屋大賞のノミネート作品だったと、あとがきを読んで知った。前作では、ちょっとうまくいきすぎかなと思ってしまったけど、続編を読んで、このシリーズはこれがいいのかなとも感じた。
星祭りの、町全体の高揚した雰囲気が好きだな。お客様たちが楽しみながら一整たちを助けるのも、素晴らしい優しさのつながりで、読んでいて気持ちいい。
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桜風堂ものがたりの続編。
ですが、前巻は途中で読むのを諦めてしまっているにも関わらず、続編でチャレンジ。
小さな町の書店を継いだ月原一整。
大きな書店と違い、小さいところは配本が少なく、経営も厳しい。
その局面から展開される物語。
巡り巡って良いことが起こることもあれば、起こらないことも多々。
この話では、素敵な巡り合わせがいくつも重なるけれど、物語だからと一蹴してしまうのは寂しい。
各地の書店が閉店の危機を迎え、活字離れが叫ばれる中で、
もしかしたら桜風堂のように、想いが重なり合えば起こせる巡り合わせもあるのではないかと信じたい。
まだまだ書店の力はあると願っている。
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『桜風堂ものがたり』は2017年本屋大賞第5位になった作品。
百貨店内の書店である「銀河堂」の書店員だった月原一整。
人づきあいが苦手な彼だったが、埋もれている名作を見つけ出す「宝探しの月村」とも呼ばれ、書店員仲間の信頼は厚かった。
ところが、店内で起こった万引き事件の責任を取り、店を辞める。
傷心の彼を迎えてくれたのが桜野町の「桜風堂」の老主人だった。
街の小さな書店「桜風堂」で一整が見出した一冊が奇跡を起こす。
『桜風堂ものがたり』は好きな本だったので、続編『星をつなぐ手』を手にした。
「桜風堂」書店を託された一整。
しかし、小さな地方の書店では、人気作の配本もなく…
そんな一整を支えてくれたのは、「銀河堂」の仲間やオーナー。
誠実な彼の人となりが再び奇跡を起こす。
『星をつなぐ手』は一整を支える人々を描いている。
たくさんの人の話を少しずつ…
一整の話を期待していた私には、ちょっと残念だったかな…
最近、”書店”や”本”を描いた小説が多いように思う。
読むたびに、書店や本にかかわる人々の大変さが身に沁みる…
この本で知ったこと
小さな書店には新刊が行き渡らないということは、珍しい話ではない。
一冊でもいいから欲しい、と切望する小さな店には、その一冊すら入ってこない。
中小の書店で、あまり売り上げが良くなく、新刊が配本されないような書店でも、
事前に、できれば早いうちに、客から注文が入れば、予約することができる。
欲しい本が、無事に発売日に入荷するそうだ。
客注といって、お客様からの注文は、それだけ強いのだ。
本の流通の仕組みは良くわからない。
ただ、書店で注文すると長く待たなければならない。
私は最長、2週間、待った経験がある。
そんな記憶から、欲しい本がネットでは翌日に届くのに…
と、思っていたけれど…
街の本屋さんが消えていくのは、本当に悲しい。
私には絶対に購入すると決めている作家さんがいるので、そんなときは「客注」という手があったのか!
と、思ったけれど…
私が2年前に引っ越してきたこの街には、すでに街の小さな本屋さんはなかった。
一度、消えてしまった小さな本屋さんは二度と戻らない…
切ない現実。
Posted by ブクログ
ある事情で銀河堂書店を辞め、縁あって桜風堂書店を任されることになった一整くんのその後を描いた作品。
前作『桜風堂ものがたり』は、なんともやり切れない現実を突き付けられて楽しいばかりの読書ではなかったが、本作はそこまでつらくはなかった。まあ、ままならない配本や露骨な営業担当など、実際経験したことでもあり腹が立ったが……。でも、前作でどん底まで落ちてしまった一整くんが元気だったり、昔の仲間と笑顔で再会したりと嬉しい場面も多かった。そして前作では語られなかったある人物のその後が描かれていて、胸のつかえがおりた。
人たらしたる一整くんの周囲に人が集う様は、まるで三国志の劉備や、水滸伝における梁山泊のようだ。ある種のファンタジーとも言えるが、これに近いことは現実に起きているらしい。現実も捨てたもんではない。
Posted by ブクログ
郊外の桜野町にある桜風堂書店を託され、昔の仲間たちとともに『四月の魚』をヒット作に導いた月原一整。しかし地方の小さな書店であるだけに、人気作の配本がない、出版の営業も相手にしてくれない、という困難を抱えることになる。そんな折、昔在籍していた銀河堂書店のオーナーから呼び出される。そのオーナーが持ちかけた意外な提案とは。そして一整がその誠実な仕事によって築き上げてきた人と人とのつながりが新たな展開を呼び、そして桜野町に住む桜風堂書店を愛する人たちが集い、冬の「星祭り」の日に、ふたたび優しい奇跡を巻き起こす。