【感想・ネタバレ】増補 経済学という教養のレビュー

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Posted by ブクログ

文系で最も科学的と言われる経済学だが、考え方や処方せんが論者によって真っ向から対立することもしばしば。そんなよくわからない経済学の見取図として、おすすめの良書。

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2011年01月18日

Posted by ブクログ

人文系の人(経済学の素人)が素人のために書いた経済学の本。で個人的には初めての経済学の本。
自身が素人であることを断った上でどの理論にも依ることなく俯瞰的な立場で経済学を論じる。
現代思想をメインステージに活動する著者らしいので文章展開もそれらしく教科書的でない風な点で面白く読める。直接の経済学とは繋がりそうにない「平等と不平等」をテーマにした導入部がユニークであるように思った。
簡潔に紹介されるミクロ経済とマクロ経済の関係がいまいちピンとこないままゴリゴリと進まざるを得なくなり(実際に文中で参考図書の紹介が多く、深入りしにくいところはそれでスルーしている)あらためて論理的思考を必要とする読書の厄介さを思い知った。
便利な入門書とは違う気がするが、特に文型人間が経済学と向き合うに当たってはタイトルの通り教養としての経済学を掴むのに役立つ。
09.1.31

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

冒頭で「インフレ」という言葉の解説があったんでかなり易しめなのかと思ったが、そんなことはなく。それなりに経済学をかじってないとしんどいかもしれない。僕はしんどかった。

しかし主要な経済思想を現状(2000年代中頃あたり?)に当てはめながら考えられるので、教養としては確かに良かった。参考文献をかなりの数挙げてくれているので、要は「これを足がかりに教養を付けてくれ」という本なのだと思う。きちんと勉強したい人向け。

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2013年05月12日

Posted by ブクログ

本書のテーマは、著者自身によって「素人の、素人による、素人のための経済学入門」と規定されています。その一方で、「あとがき」には、「「マルクス主義」を野辺送りにし、「近代経済学」を肯定し、その上で自由主義と左翼ラディカリズム、そしてポストモダンへの、自分なりのスタンスを定められたように思います」と述べられているように、マルクス経済学という不良債権を処理し、その思想的遺産のなかに引き継ぐべきものとしてなにがのこされているのかということを見定める試みともなっています。

小泉内閣における「構造改革」が人びとのが大きな共感を呼び、金子勝を中心とする左派の経済学者たちの批判を鈍らせることになった理由となった「モラリズム」についての考察は、興味深く読みました。ただ、本書が経済思想に焦点を当てた入門書であることを鑑みれば、「モラリズム」の思想的な系譜についてもうすこし立ち入って解説してほしかったという気がします。

マルクス経済学を学んだ読者が新たに近代経済学を学ぶための入門書としては、優れた導入になっていると思いますが、そうした読者がどの程度いるものなのか、よくわかりません。

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2019年04月03日

Posted by ブクログ

稲葉振一郎先生の新刊が出るので再読。「経済学という教養」についてあれこれと書かれている本だが、今から読むにはかなり厳しい本である。第一に、経済学入門としては、あまり筋がいい本とは言えず、これを主流派の経済学入門とするには、かなり厳しい。第二に、元はwebの連載をまとめたもので仕方ないかもしれないが、総花的でどうも纏まりが良くない。稲葉先生の「勉強ノートを公開してみた」という感じで、要点が整理されておらず、闇鍋みたいな経済学教養本。賛否で云うと否の割合が個人的に高い。

マルクス経済学について書いた部分をバッサリ切って、もっと主流派経済学について書くべきだったのでは?これだと「(マルクス)経済学という教養」要素の方が大きい。マルクス経済学の歴史について延々と書かれている第七章は正直なところ読み進めるのに苦労した。(その辺りの知識はなかったので大変勉強にはなったが)リフレ政策を推奨している部分も、アベノミクスがリフレ派の云うところの「財務省リフレ」(金融緩和+緊縮財政)へと変容し、黄昏を迎えているので今となっては懐かしい。稲葉先生にはアフター・リフレーションを踏まえた本をこの本の続編として書いて欲しいところである。

評点: 6点 / 10点

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2018年07月30日

Posted by ブクログ

<目次>
第1章こういう人は、この本を読んでください

第2章出発点としての「不平等化」問題
1日本社会の「不平等化」
2不平等と経済学

第3章素人の、素人による、素人のための、経済学入門
1ミクロ経済学ーマクロ経済学への入り口として
2マクロ経済学
(1)マクロ経済現象-総需要と物価
(2)マクロ経済現象の原因-市場の不完全性か、貨幣愛か
3マクロ経済動学
(1)二つのケイジアン
(2)三つのケイジアン
(3)不完全情報と不確実性
(4)バブルとは何か
(5)この節のまとめ
4この章のまとめ
補論金融システムという魔圏

第4章日本経済論の隘路
1「構造改革主義」は「市場原理主義」ではない
2資本主義の発展段階と「日本型経済システム」論
3「日本型経済システム」論(1)小池和男と青木昌彦
4「日本型経済システム」論(2)村上泰亮
5「日本型経済システム」論(3)青木昌彦と岡崎哲二
6「講座派」の復権
7「構造改革主義」と「新自由主義」

第5章左翼のはまった罠
1ケインズ主義へのアンビバレンツ
2敵は新自由主義か?日本型経済システムか
3罠にはまった左翼金子勝を例として
4経済モラリズムの罠

第6章市場経済と公益
1厚生経済学の視点
2「市場原理」再考

第7章マルクス経済学への最初にして最後の一歩
1貨幣の存在論
2搾取理論
3歴史の発展段階論
(1)史的唯物論
(2)帝国主義・国家独占資本主義論
4で、マルクス主義のどこが間違っていたのか?
(1)金本位制への固執
(2)疎外論

第8章経済学と公共性
1公共財と不平等
2マクロ経済と公共性
3おわりに-経済学と公共性

補章「経済成長擁護論」再び

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2011年09月21日

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