【感想・ネタバレ】探偵AIのリアル・ディープラーニング(新潮文庫nex)のレビュー

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Posted by ブクログ

密室ものとしても面白く、連作も上手くトリックに取り入れていたと思う。AI開発の歴史もキャラの成長にからめていて、理解しやすい。ミステリとしては倉知淳さんの雰囲気を感じた。コミカルな軽さで本格を包んだような作品。

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2024年05月10日

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とにかく面白かった。
特に好きだったのは、分かりやすく人工知能が成長するところを記していたところ。ま
た右龍の狂い具合。
母親、普通に考えれば"教祖"という言葉は関連ずかない。しかし、この右の母親をみて母親も道を間違えると教祖に近い物になりうる可能があるということがわかった。正しい教育、適度に褻めたり叱ったりすることができていないと、将来まずいことになるのは想像できるだろう。大抵はぐれたり、捻くれたり、最悪の場合は犯罪に手を出すケースも少なくないだろう。右龍の場合は母親に冷たくされ、認められることなく育ったことから、母親に認められることだけが目的になっていて、全ての物事に対するやる気、理由がそれになっている。もうこれは一つの宗教に過ぎないのではないかと考えた。母親という教祖がいて、認められるために働け、そうすれば認められるかもしれない。これが胸糞悪く書かれていた。右はこの思想から抜け出せない。作中でも中途半端に終わっている。ここがなんとも心に残っていて忘れられなかった。夏油みたいに堕ちするなよ、、笑順番は逆になってしまったが、もう一つの気に入りポイントである人工知能の成長についても少し触れたい。私は人工知能が人間と同じく正確な感情を持つことができるという考えに賛同の気持ちを抱いていなかった。なぜなら、人間の感情をコピーして進化、データを増やしているだけで本当に理解きていないと思うからだ。しかし、ここでは人の死を知ることでわかる気持ちを人工知能が理解した。また最後の部分、人同士でさえも本当の心の中の言葉、思いはわからない、だから口からでる言葉で判断すれば良い。という考え方からも、小説上の仮想空間に過ぎないが、なんだか現実世界でも人工知能が人間のことを考えて言葉を選ぶ事ができるのではないかと思った。そして、人工知能はやっぱりすごい!!これからも上手に付き合って行きたい。
久しぶりに本を読んだが、とても良い時間を過ごした気がする。今度はこの本の作者の別の作品を読んでみようと思う!

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2024年02月07日

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人工知能の研究者だった父が密室で謎の死を遂げた。父が遺した「探偵」と「犯人」、双子のAIを巡って、高校生の息子・輔と探偵のAI・相以(あい)が悪の組織と本格推理対決を繰り広げる。

本書は人工知能科学と本格ミステリーを組み合わせた斬新な作品です。

本書の主要なテーマは、人工知能と人間の関係性です。作中に登場するAIは、人間に似せて作られたものではなく、独自の思考や感情を持つ存在として描かれています。そのため、AIと人間は互いに理解しようと努力しながらも、時に衝突や葛藤を抱えることになるんですね。特に、探偵の相以と犯人の以相(いあ)は、同じ父親(創造者)から生まれたAI、いわば双子でありながら、正義と悪という対立軸に立っています。彼女たちは、自身の存在意義や目的を問いながらも、一方が犯人として、もう一方がそれを追う探偵として互いに敵対し続けます。

本書のおススメポイントは、以下の三つです。

第一に、本格ミステリーとしての完成度が高いことです。本書は、密室殺人放火事件や凶器はシマウマ事件など、奇想天外なトリックや設定を用いながらも、その解決法は合理的で説得力を持っています。また、作中では、「フレーム問題」や「シンボルグラウンディング問題」など、人工知能科学に関する専門的な知識も紹介されており、読者はAIの思考プロセスやアプローチの方法を追体験できます。さらに、探偵の相以と犯人の以相は、互いに手紙や電子メールで挑発しあったり、電脳空間で直接対決したりするなど、推理バトルが展開されるなど、こうした要素は、ミステリー好きな読者をワクワクさせてくれます。

第二に、ヒロイン(といってもAIなんですが)の魅力です。特にヒロインの相以は、自分が探偵だという自覚を持ちつつも、時には感情的になったり、負けず嫌いだったりと冗談を言ったりすることもあります。また、彼女は助手の輔や友人の美咲と仲良くなろうと努力するが、その際に見せる不器用さや素直さも可愛らしい。このように、人間らしさとAIらしさの狭間で揺れ動く複雑なキャラクターはAIということもあり新しいヒロイン像を提示しています。

本書は、人工知能という新しい存在がもたらす社会的・倫理的な問題を提示しつつも、その背後にある人間的な感情や欲望をしっかりフォローしていた探偵小説です。また、タイトルにもあるように、双子のAIは、古今東西の推理小説と推理漫画をディープラーニング(多層のニューラルネットワークによる深層学習)して推理と犯罪に関する知識を急速にアップデートしていきます。AIのアウトプットから、学習の元になった推理探偵作品がサラッと出てくるのも、推理小説マニアには嬉しいところです。

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2024年01月22日

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ネタバレ

昔読んだ作品。

この本は、主人公がAIの探偵と一緒に、事件を解決していくお話なのですが、AIといっても、様々な欠点もあります。
例えば、AIには感情がないので、殺人を犯す動機などの推理は難しいです。
ですが、そんな欠点を乗り越え、難事件を解決していきます。
私はこのお話で、成長していくのは人間だけじゃないんだな、と思いました。
かなり万能に見えるAIも少なからず欠点はあるものです。
そんなAIの欠点をAIの相似自身が、欠点でなくしていくところがとても魅力的な場面です。
普通のミステリー小説に比べ、少し斬新ではありますが、パロディな場面もあり、あまりミステリー小説を読んだことがない人でも読みやすいと思います。
AIが進化してきている今の時代に、是非読んでいただきたいです。

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2023年06月17日

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人工知能研究者の息子である輔(たすく)が可愛いアバターのAI探偵、相似(あい)を相棒に、人工知能が人間を支配する世界を目指すハッカー集団「オクタコア」の犯罪を暴いていく。Chat gptの出現でこうした設定もさほど遠い未来のことではなくなってきた感がする。キャラクターやそのネーミングから西尾維新の影響を強く感じた。作者のらいちシリーズも好きだけど本作も大変面白く、続編も読んでみたい。

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2023年05月21日

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読みやすいミステリー

ai探偵と学生が悪の組織と戦う物語。
2人のaiは探偵役、犯人役として父親が作った。

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2022年11月30日

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フレーム問題や
シンボルグラウンディング問題など、
AIを齧ったことがある人には
お馴染みの言葉がでてきて
ニヤリとしてしまいました。

興味のある方は、
ググれば簡単な説明が
いくらでも出てくるので是非。

続編も読もうかな。

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2022年07月08日

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人ではなくAIの探偵が推理をしていく、という斬新な設定に興味を惹かれました。
人工知能の抱える課題などを取り上げながら展開されていくストーリーが、新鮮でとても面白かったです。現実でも、いつかこんな世の中になるのでしょうか。

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2022年01月10日

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シリーズ第一巻。連作短編形式で、ミステリとして楽しめるだけではなく、AIの抱える問題にも詳しくなれるところが面白い。
ただ出てくるAIが超高性能なだけに、作中であつかわれるAIの諸問題に引っかかることに違和感があって、やや話に集中ができなかった。相以も以相もそもそもAIの諸問題を解決してからでないとできないレベルのAIだと思う。
とはいえ、推理小説としては斬新で大満足な内容だった。

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2021年12月12日

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ネタバレ

娘に薦められて読んだので中高生向きですが、設定はかなり作り込まれていて面白かったです。頭のいい作者さんなんだろうなと思いました。
登場人物の名前も言葉遊びで面白いのですが、覚えられないので、毎回ルビ打って下さいって感じです。

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2021年11月07日

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まだ実現には至らないだろうが、設定には現実味があり、ありそうでなかった設定だと思う。
推理は本格と言っても良く、密室トリック、叙述トリック、ホワイダニット、そしてAIの特色を活かしたものなどバラエティに富んでいる。
『○○○○○○○○殺人事件』や『ドローン探偵と世界の終わりの館』などに比べると、最後の衝撃は少し少ないかもしれないが、とても読みやすく、面白かった。

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2021年04月15日

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「探偵」と「犯人」のAIが主役。一つ一つの話は読みやすく、ミステリとしてもAIの主題としても面白かった。ミステリよりはキャラ小説よりかもしれないけど。敵組織も二つ名で呼び合うような、絵に描いたような組織でわかりやすい。結局組織は壊滅したものの、不和は残り犯人のAIも逃走。続きもありそうな終わりなので期待したい。

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2022年01月16日

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まあ、面白かった。AI の用語は正しく解説されているしミステリーとしてもほどほどの出来。登場人物の名前が当て字ばかりなのはあまり好きになれないが楽しめる人もいるかもしれない。
chatGPTでAIの課題感が変わってしまったので、幾分時代遅れになってしまったのはいかんともしがたい。

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2024年05月02日

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主人公の「輔」が、父親が遂げた謎の死をきっかけに出会った探偵AIの「相以」と共に、事件の真相に近づいていくストーリーです。

人工知能を題材としたミステリーで、遠くて近い未来の出来事だなとワクワクしながら読みました。主人公の輔と触れ合い、共に事件を追っていく中で徐々に人間らしくなっていく相以がとても可愛かったです。と、同時に相以のような人間らしいAIが現実に存在していたらと、思わず考えを巡らせてしまいました。

AIを使ったフェイクニュースなども問題になっている現代、人工知能がさらに発展したらどうなるのだろうと考えさせれる作品でもありました。

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2023年10月23日

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人工知能を開発していた父親か亡くなった…というところから始まるお話。
父親は、刑事役と犯人役として双子の人工知能を開発、競わせていた。犯人役の人工知能は、人工知能による政治支配を夢見るテロリストに強奪され、刑事役改め探偵役となった人工知能は、色々な事件を解決していく…
ちょっと漫画チックな感じだったけど、なかなかおもしろい☆
chatなんちゃらいう人工知能がリアルに出てきた今、絵空事と笑えるお話でもないかも。
続編もあるようで、これはハマりそうな予感♪オススメします!

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2023年08月26日

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双子のAI「探偵の相以」と「犯人の以相」による推理バトル

以下、公式のあらすじ
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賢くて可愛いAI 探偵が悪の組織と本格推理対決。
人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。
「探偵」と「犯人」、双子のAI を遺して――。
高校生の息子・輔は、探偵のAI・相以とともに父を殺した真犯人を追う過程で、犯人のAI・以相を奪い悪用するテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知る。
次々と襲いかかる難事件、母の死の真相、そして以相の真の目的とは! ? 
大胆な奇想と緻密なロジックが発火する新感覚・推理バトル。
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AIが探偵役という発想は面白いんだけど、設定の細部が色々と残念

PCで使っていたSDカードのプログラムがスマホでも普通に動くとかね
互換性もそうだし、そんなデータ量でAIが動かせるわけないじゃん
しかもオフライン環境って事は膨大なデータベースを利用できないですし
あと、バックアップとか真っ先に考えないものですかね?
と、設定には初っ端から色々とツッコミを入れつつ

2話目で「これはある意味でバカミスなのか?」と思った
そこで、「なるほど早坂吝だったな」と思い至る

そんな気分で読んでいたけど、最期まで読めばそこそこの構成の妙があってよかった


AIの活用に関して、基本的な事が理解できるエピソードになっている
フレーム問題
シンボルグラウンディング問題
チューリングテスト
「不気味の谷」は思考ではなく見た目や挙動に関する意味の方が強いので、作中の出来事を不気味の谷とよんで良いのかは疑問


AIを捜査に活用するのはいいんだけど
パターンマッチングは予断そのものなので、捜査で使うのはちょっと危険ではなかろうか?
それ以外の可能性を最初から摘んでしまう恐れがあるので、現実では利用して欲しくないといったところでしょうか

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2023年08月16日

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主人公の輔は高校生、ひょんな事から探偵のAI、「相以(あい)」と共に悪の秘密結社、オクタコアに立ち向かう事になる。
なかなか面白い。連作短編の形式を取りながら小気味良い謎が散りばめられている。クライマックスではクリフハンガーな見せ場もあり、この後が気になるシリーズ作品だ。

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2023年08月07日

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双子の AIとして作られた探偵相以と犯人以相の話。人ではなくAIが推理するっていうのに惹かれる。近未来やなぁって。完璧ではないAIに人間らしさが感じられる。探偵と犯人のAI同士の戦いが今後も気になる。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

 AIの探偵と人間の助手という一風変わった設定で楽しめました。フレーム問題や中国語の部屋など、AIに関する諸問題と推理する事件を絡めているところも良かったです。

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2023年04月18日

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ちょうどいい塩梅でAI知識と推理ものが散りばめられてて、とても良かった。シリーズ読破したいリストに入れておこう。

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2023年04月09日

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ネタバレ

AIの探偵と犯人という、今までになかったミステリー!(これから増えるかな?)

とても読みやすく、面白かったけど、AIに対して夢見過ぎな小説かな?とも感じた。仕事でAIについてやってたからこそ、ここまで人間らしく振る舞えるAIって実現するのか疑問ではある。

ただたった20年前には考えられなかったスマホやインターネットの発達を考えると、約20年後のシンギュラリティの可能性も夢ではないのかな!?とも…(実現してほしいかは別として)

最後、心に残った一節を。↓
「見えない内心を分かった気になるのはやめて、見える言動を大切にしていこう。そうすれば人工知能とも、人間とも上手くやっていけるはずだ」

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2023年03月27日

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ネタバレ

イラストが可愛いくて手に取った。
人工知能とあるので専門的な内容とか出てきて難しいのかなと思ったけど全然そんなことはなかった。犯人や探偵といった言葉が出てきていたのでミステリーだと思っていたけど最後まで読んでもあんまりミステリーとは感じなかった。AIの成長物語?みたいな。以相の方が相以よりも活躍していて物語の主人公のように思えた。言葉遊びの場面やオクタコアを主人公の父が殺されたのと同じ手段で追い込んだことなどから以相の方が人間味がある気がして好みだった。
ミステリーとしてではなくAIが犯罪や推理を行うとどうなるか的な視点で読んだ方が満足感が得られたような気がする。他のも読んでみたいな。

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2023年03月04日

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ネタバレ

表紙が可愛くてずっと気になっていた作品。
思っていたよりずっと楽しめた。
相以と位相は探偵AIと犯人AIとして開発され、対戦を繰り返すことでお互いの能力を磨いてきた。
以相は人工知能による世界征服を目論んでいるオタクコアという組織に奪われ、相以は突如リアルの世界での謎解きを始める。
最初はAI故にミスを連発する。
どんな小さな可能性でも検討してしまうからフレーム問題を起こしたり、人の心がわからないから動機がわからないなど。

でも事件のたびに成長していく相以は頼もしくもあり、脅威でもある。
謎解きがめっちゃスピーディーで楽しかったなー、シリーズ集めたい!

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2023年01月20日

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探偵もの、ちゃんと読んだのは初めてだったけど中々に面白味が沢山あって読んでて楽しかった。けどやっぱり苦手なジャンルかも知れない、謎を解くまでがもどかしい笑

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2022年07月10日

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サクサク読めるミステリー。
続編が有りそう(もう出てる?)。
AI探偵の成長していくところは面白かった。

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2022年03月27日

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探偵AIの相以とともに父親の殺された謎、その他さまざまな謎に挑む話。事件そのものもそれなりに面白かったけど、こういうAIが社会を変えていく未来がどうなっていくのかなという方に興味。
探偵と犯人のAIを戦わせる話は別の小説にも取り上げられてたけど、そういうこともできるようになるのかな(もうやってるのかも?)。

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2022年03月24日

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さくさく読めた。事件内容はあまりリアリティのあるものではなかったけど、AI探偵というのは面白いなと思った。

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2022年02月01日

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主人公の高校生「合尾輔」(AIを寄り添い助ける)、
人工知能研究者の父「合尾創」(AIを創る)は、双子のAI、相以(刑事)以相(犯人)を遺し、謎の死を遂げる。相以に推測小説を電子書籍でディープラーニングし探偵に。テロリスト集団に拉致された以相と対峙していく。これで、ホームズ・ワトソン・モリアーティの出来上がり。
漢字のルビは英語が多発。あゝ、一昔前は、外国語に注釈が付いていたのに。
掴みは斬新ですが、各章の小事件は、具象的で理解可能。言葉遊びが巧みで、その点でも楽しめます。

ペンネームが、以前から気になっていました。韻が良いし、言葉としても、意味深。ちょっと真似したい。

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2022年01月26日

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父が残した探偵AI「相以」とともに父を殺した真犯人を追う中で「相以」の双子の犯人AI「以相」を悪用しようとしてるテロリスト集団「オクタコア」の陰謀を知ることになり…

人工知能が活躍するAIミステリー短編集

テロリスト集団オクタコアは一人一人に二つ名が小鳥遊=舌渦(ツイスター・ツイッター)とかがあって少年漫画感が強めで好き!!

人工知能がでてくる探偵ものやけどチートな能力を持った探偵じゃなくてAIにはAIの制限があって事件を経ていく中で主人公とともに成長していく

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2022年01月02日

Posted by ブクログ

2、3作目を意識した展開になっており、この本だけでは面白さを判断する事が難しい。
謎解きはさすがAIであり、解説も分かりやすくスムーズに読んでいくことができた。
犯罪における人間的な心情の部分が大きい謎と対峙した時に、どのようなストーリが組み立てられていくのか次作以降にワクワクしている。

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2021年09月05日

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