【感想・ネタバレ】日本SF傑作選5 光瀬龍 スペースマン/東キャナル文書のレビュー

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Posted by ブクログ

子供の頃、夕ばえ作戦(うちの近所が舞台)とか北北東をソノラマ文庫のジュブナイルを愛読、「百億の昼と‥」は「果てしなき流れ‥」と「神狩り」と並び、最もカッコイイ日本SFだと思う。本書は宇宙もの中心のラインナップで、かっこよさよりはガテン系の装い。「東キャナル文書」の連作が趣き深いです。ハルキ文庫で買ってある年代記ものも読みたいです。

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2018年07月31日

Posted by ブクログ

懐かしい東キャナルシティ。
慣れ親しんだ語り口。
良いですねえ、好きですねえ。
なにもない砂漠、吹きすさぶ砂嵐。
数億年の過去と未來。

大人になってみると、大金のかかる宇宙開発にこういう雑な人達を使って良いのかなと思うところもあります。
大航海時代がイメージとしてあるのかも。

年代シリーズも掘り出して読み返そうかと思います。

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2018年06月27日

Posted by ブクログ

光瀬龍が新刊で読めるって嬉しい!(((o(*゚▽゚*)o)))
小学生の頃に鶴書房の本を読んだのが最初だと思うが、中高生の頃から一番好きな日本人作家として挙げてるのが光瀬龍だった。ザッツ・エンターテイメントなものも好きだけど、虚無的な感じも好きなんだよなー

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2018年04月10日

Posted by ブクログ

『百億の昼と千億の夜』に代表される光瀬龍の世界とは、私が思うに、とどめようのない衰退と絶望、そのなかでひとり抗う主人公というものだ。

かつて栄耀栄華を誇った世界である事が前提となるものの、必ずといって良いほど、作品のあちこちに、その世界が今吸いたいに向かっていること、滅びつつある事がうかがえる。

一方、短篇が多い光瀬龍の未来宇宙では、しばしば「東キャナル市」という火星の街が登場する。
この街もまた、かつては太陽系の中心都市ですらあったのに、今は見る影もない場所として描かれる。
たとえば、いったい誰を表したものとも知れない銅像の下でたむろする、老いさらばえたスペースマンたち。彼らの多くはサイボーグでもあり、もはやその時代では探検は行われなくなり、サイボーグの登場を必要とする場面もなくなってしまったのだ。
巻末にも収録されている、光瀬龍の幾つかあるあとがきの中で、この東キャナル市は、明確な設定がなく、夢の中に登場する街のように、どういう場所だかわかっているのに、どこか曖昧である、そんなところであるのだそうだ。

この選集には、『東キャナル文書』をはじめ、東キャナル市が登場する短篇や中編が選ばれているようで、その明確さと曖昧さがいずれも際立ち、読者を幻惑する。
幻のような火星人の存在が、東キャナル市と、「火星人の道」とともに現れては消え、消えては現れる。
いったいどれが真実なのか。それはなかなか読者の前に現れてはこない。

そのつかみどころのなさが、寂漠とした世界とともに、読む者を魅了してやまない。

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2018年07月11日

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