【感想・ネタバレ】裏の木戸はあいている 山本周五郎名品館IIのレビュー

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Posted by ブクログ

何度読んでもそのたびに、江戸時代の情景が光や影の様に眼前に広がり、想いを異なった形で伝えてくる。
秀逸と思う。
一時、江戸時代の鎖国が今の閉鎖的な日本人の原型を作ったのかなと感じ、嫌になった時間が有った。
しかし、歳を重ねて人生を歩んでくると、嫌でも「自分に流れて居る血」は日本人そのものだし、自然の風景は人口の手になるモノ以外は縄文弥生時代からの山地。

 周五郎がが描く世界は ほんとにちっぽけ・・今のIC,ネット社会が生んだ利器の社会と比べるととるに足らない空間かもしれない。でも人間が持つ力は大きく変わっていないことに気づかされる。
執念・怨嗟・憎悪・仁徳・孝養・・・ひとかけらの温もりが人の心を変える事が有るし、当てのない想いが数十年経って開花することもあるだろうし。。

最も自分が若い頃は、そう思ったが今の若い人は生まれた頃からネット空間が有った。その空気を知ってこの作品を読みこなせるのは稀有かもしれない。

今回は「若き日の摂津守」・・知的障害を演じるように教え込まれ、自らの武器とし はびこる周囲の静観し続けた結果が面白かった。

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2022年10月28日

Posted by ブクログ

国民的作家山本周五郎の珠玉の短編集。選者はあの沢木耕太郎。これが面白くないはずがない。様々なテーマ、舞台。山修の守備範囲の広さには驚かされる。

直木賞ほか文学賞を全て辞退したという山本周五郎。没後50年が過ぎても今でも多くの作品を簡単に入手することごできる。作品数から言えば司馬遼太郎と並ぶ国民的な作家であろう。

「ちいさこべ」「法師川八景」「よじょう」「榎物語」「裏の木戸はあいている」「こんち午の日」「橋の下」「ひとでなし」「若き日の摂津守」

本書は、沢木耕太郎が4巻に9作品ずつ合計で36編の短編小説を選んだもの。さすがにいずれもレベルが高い。映像化するなら「ちいさこべ」が良くまとめられている。

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2022年01月31日

Posted by ブクログ

沢木耕太郎セレクション「山本周五郎名品館2」.

色んなパターンの9編の短篇が収録されているが,どれも味わい深い.ハッピーエンドでない話もあるが,主人公はどれも不器用な人達である.
最後の「若き日の摂津守」がスカッとするなあ.

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2020年01月17日

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いいです。勧善懲悪、予定調和ながら泣かせる。日本人のベースは、こういった物語で作られていったのだろう。テレビドラマでもよく見られるわけだ。

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2022年02月08日

購入済み

武士と職人の江戸情歌

沢木耕太郎の選んだ周五郎作品集(I)「おたふく」が良かったのでこの(II)を購入しました。直木賞を辞退した周五郎のような、意地っ張りの武士、職人の男伊達が巧みに描かれております。「情」たっぷりで、演歌のような情感を感じました。でてくる男性よりも女性の方が魅力的だとの見方もあるようですが、読み方次第ですね。「おたふく」も是非お読みください。(完)

#胸キュン #ほのぼの #切ない

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2021年12月04日

Posted by ブクログ

「山本周五郎名品館Ⅱ 裏の木戸はあいている」山本周五郎 (編:沢木耕太郎)

山本周五郎の短編集。
相変わらずのクオリティ。
「ちいさこべ」。火事に焼かれて家屋敷と両親を失った大工の若棟梁。同じ火事で行き場を失った孤児たち、その面倒を見る娘さん。
三つ巴それぞれの事情が描かれるだけなんですけれど、こういうお話しが染みてくるのは、世界には理不尽な都合で孤独になったり死んでしまったり不遇になったり、自力でどうにもならないことが多くある、まあつまり人生は運不運次第の受け身なゲームである、ということが感じてくる年齢以降なんだろうか、改めて思いました。
「ちいさこべ」は何度もドラマにもなっているらしく、最近は現代に置き換えてマンガにもなっているそう。マンガをちょっと読んでみたい気もします。

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2019年03月23日

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