感情タグBEST3
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原田先生の本を読むのは、「たゆたえとも沈まず」、「常設展示室」に続いて、これで3冊目です。MoMAのアート作品に関わる人たちの人生、心情が胸に迫るように、美しく描かれています。またアート作品を言葉のみで表現できるのは素晴らしいです。いつかMoMAを訪れたいと思いました。
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とても面白かった。
MOMAで働く人と9.11、3.11が絡んだいくつの短編集。とくに一話目の「中断された展覧会の記憶」は福島とつながる話だけに、より実感が湧いた。フィクションでありながら、これに近いことが当時あったに違いないと思わせる話だった。
アートに感動することはあっても、ここまで人生や生活を動かすほどの感動にであったことはない。いつか見つけたいと思う。
主人公二人のアートに関わるひたむきさに感動した。
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ニューヨークで最初に訪れる美術館はMoMAなのか、そうなのか。アルフレッドが初代館長で実在するのが物語を膨らませているし、亡霊の様に現れた場面に子供の頃からの再会して一緒にチョコレートを食べた甘い思い出の場面と とてもよく出来てるって事、地元の福島県立美術館が最初に書かれるのは嬉しいって事。キュレーターだった説得力が作品に映されていて本物でした。絵画のサスペンスも好きだし、短編集も今回続けて3冊通しました。ホントありがとう
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原田マハといえばやっぱりアート小説。
自然災害と災害時に守らなければはらない芸術作品について知ることができる。
ストーリーでは福島原発だったけど、自然災害や戦争など、あらゆる場面で起こりうることだと思う。
MOMAのティムに再会できたことが嬉しかった^_^
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わー、なんてかっこいい短篇たち
ニューヨーク近代美術館—MoMAを舞台にしたアートに生きる人たちの物語。
「アメリカの美術業界のヒエラルキー、キュレーターたちの恐るべきエリート意識」を垣間見ながら、私の知らない世界をワクワクと楽しみました。
企画展の大変さ、
絵画作品を貸し出したり借りる大変さ、
アートに関わる仕事の大変さ。
これから企画展に行ったときは、企画からここに至るまでの苦労と、ここでその作品を見ることができるということに感謝して味わおうと思います。
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とても細かいところまで完璧で、原田マハさんの文章は素晴らしいなと感動しました
短編だけど、出てくる人物や出来事で繋がっていて、美術に疎い私でも興味が湧く、とても素敵な内容でした
特にロックフェラー•ギャラリーの幽霊が好きです
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短編集なのでサラッと読めるが、テーマ自体は少し重めのものもあった。
ただそれぞれの物語がMOMAという場所を通して緩く繋がっており、温かみを感じさせてくれるような雰囲気があった。
前向きな気持ちになれる。
「ロックフェラー・ギャラリーの幽霊」のSF感が新鮮でよかった。
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死ぬまでにMoMAに行こうと決意しました。
原田マハさんの本は、これまで自分が訪れた美術館や、目の前で立ち尽くすほど魅力的だった絵画達を反芻しながら、ずっと味のするガムのように美術館の思い出を楽しみながら読めるのでとても好きです。
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別作品の登場人物が登場していたりして、旧友と再会したような嬉しさを感じた。アートの持つ圧倒的な力を前に、人々が何を思い、行動していくのかが描き出されていて、読んでいて面白かった。
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◆中断された展覧会の記憶ー東日本大震災
アンドリュー・ワイエス『クリスティーナの世界』
◆ロックフェラー・ギャラリーの幽霊ー監視員とアルフレッド・バー
ピカソ『アヴィニヨンの娘たち』『鏡の前の少女』
◆私の好きなマシンーMoMA館長アルフレッド・バーとの思い出
◆新しい出口ーアメリカ同時多発テロ
ピカソ『アヴィニヨンの娘たち』『血入りソーセージのある静物』『影』
マティス『浴女と亀』『マグノリアのある静物』『窓辺のヴァイオリニスト』
◆あえてよかったーMoMA研修・コーヒーカップ
短編集はあまり得意ではないのだが、この作品は心の琴線に触れる深い作品でどの章も好きだった。
特に『私の好きなマシン』でのアルフレッド・バーの言葉
「ここにあるものはね、ジュリア。僕たちが知らないところで、僕たちの生活の役に立っているものなんだ。それでいて、美しい。それって、すごいことだと思わないかい?」
役に立つ機能的なものは自然と美しい形になるという視点が新鮮だった。
そして『新しい出口』での親友2人の会話。
ーー「アンリ パブロ」。企画は「セシル ローラ」
何気ない会話が2人の強い結び付きとローラの深い悲しみをよく表している。
最後の『あえてよかった』のコーヒーカップの仕掛けも「やられた!」と思った。
読後感が爽やかな一冊。
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MOMA(ニューヨーク近代美術館)を取り巻く職についている人物たちのお話で、その人達に一人ひとりに人生があってちょっとした悲しみや幸福がある
そんな人生のちょっとした一コマのような、不思議なほっこりするようなお話が多く、短編集ではあったのですが1話1話の満足感が高い物語でした。
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得意の絵画ものばかりの短編集。舞台は原田作品によく登場するMOMA。一番良かったのは『新しい出口』友人を思う気持ち、静かな希望を持てる余韻のある終わり方が良かったです。『あえてよかった』も短い作品でシンプルですが、オチもあってすごく良かったです。短編集ですが、他の短編に出てくる人が別の作品でも出てきて、また、他の長編に出ていた人も登場し、それぞれ別作品でありながらも、一つの世界観で作られているところが大好きです。
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忙しい時期での短編だったので読みやすさは感じつつ、どのお話も続きが気になってしまう。良い意味で。
ロックフェラーの幽霊のお話がとても好き。
MoMAにいきたい!
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MoMAに行きたい‼︎
自分の目で肌でアート達に会いたい。
短編集は読みやすくて美術に携わる人々の日常を感じることができる。さわやかな気分で読み進められた。
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MoMAをめぐる5つの短編。
あの日、あの時、あの瞬間に、たしかにこの人たちはいたんじゃないかと思わせるリアルな筆致に、心が痛くなったり、また癒されたり。
ゲルニカの歩んだ道のり、マシン•アートの源泉。
知らないことをマハさんの本を通して教えてもらうことって、やっぱり楽しいです。
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MoMAを巡る5つの短編集。
ノンフィクションのように読めますがフィクションです。
『中断された展覧会の記憶』
MoMAの展覧会ディレクターが、同館から日本に貸し出されていたワイエスの「クリスティーナの世界」を、東日本大震災の発生による放射能汚染の懸念から展示中断して引き上げるために福島に向かった話。震災当時、モランディ展をはじめいくつかの展覧会が中止となったのでそのことに着想を得たのでしょうか。ひとつの作品が移動することで多くの人や情報が錯綜する様子が、トラブルをきっかけに可視化されいく動きが面白かったです。
『ロックフェラー・ギャラリーの幽霊』
「一、二を争う「醜い絵」」であるピカソの「アヴィニョンの娘たち」の前に知らないうちに佇んでいた青年と監視員の話。前の話が重かったので、お茶やお酒を飲みながら気軽につまめる短編を置いてみた感じを受けました。
『私の好きなマシン』
原田さんはこの短編をとても大切に書いたのだろうなと伝わる穏やかな短編。MoMAがホワイトキューブの空間に初めて試みたこと、工業製品の展示によってアートの既存の概念を拡張したこと、そしてアルフレッド・バーという巨人の存在。建築家ルイス・サリバンの「form follows function(形態は機能に従う)」の言葉なども登場させつつ、MoMA、アートについて伝えたい気持ちがたくさん閉じ込められていました。
『新しい出口』
英語での副題が「Exit between Matisse and Picasso」、マティスとピカソの狭間の出口、マティスとピカソの大回顧展におけるふたりの仲の良いアシスタントキュレーター、その片割れが9.11で亡くなったことにはじまる話です。ナイーブで悲しい空気のなか、最後に題名通りにマティスとピカソのもとで最後に救いの光が色鮮やかに差し込むシーンが素敵でした。
『あえてよかった』
四つの短編をまとめて閉じるために置かれたといった話。重さも思いも緩急ついている四作が続いていたので、あっさりと読めて本を閉じさせてくれる柔らかい小編。読みやすかったです。
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すごく昔に読んだ楽園のカンヴァスに続き、原田マハ2冊目。アートへの造詣の深さに感嘆し、知っているようで詳しくは知らないピカソやマティスなどの有名画家や絵画への知識を深めるきっかけになる。MoMA初代館長であるアルフレッド・バーや、ワイエス、ジャクソン・ポロック、フェリックス・ゴンザレス=トレスといったアーティスト達も、この本で初めて知った。それに加えて、小説としての文章の心地よさも素晴らしい。いつか絶対にMoMAに行ってみたいと思える。
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MoMA(ニューヨーク近代美術館)を舞台にした短篇集。
戦火を逃れやってきた「ゲルニカ」。
ピカソの母国スペインが民主化されるまで飾られていたMoMA。
本作はそんなMoMAで働く人々を主人公とした短篇集です。
いつもながらアートを愛するマハさんにしか書けない傑作。
ヤバイ。
また美術館に行きたくなった^^;
次はポーラ美術館かなぁ♪
説明
ピカソ、マティス、ワイエス…。現代絵画の巨匠たちの代表作に材を取り、アートを愛する者たちの様々な人間模様を描き出す短篇集。
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今回はどんなアートに逢えるのかな?
どんな物語に逢えるのかな?
とワクワクしながら読んだ。
アートの背景にある物語と
登場人物にまつわる物語と
一度に二度楽しめる感じが、マハさんのアート小説はいい。
今回も新しいアートや物語に出会えたり再会もあって楽しかった。
メモ:クリスティーナの世界
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原田マハさんのおかげで美術音痴の私が少しだけアーティスティックになれる時がある
(いつも作中の芸術作品をググりながら読む)
権威MOMAの中にいる人々、警備員のスコットに焦点をあてた章は興味深いし
9.11と3.11が最終章と始まりでリンクしていることにも原田さんの想いを感じる
楽園のカンヴァスと暗幕のゲルニカを読んでおいてよかった
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「楽園のカンヴァス」と「暗幕のゲルニカ」を読んだ後に読むとさらに面白さが増します。
短編の中にもギュッとストーリーが詰まっていて、またまた美術館に行きたくなってしまいました。
9.11と3.11の描写は、やはり胸が痛くなります。
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原田マハさんの短編集
5編ともニューヨーク近代美術館MoMAに関わる人達のお話
『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』で登場する人物や絵画、史実が被るので、その後に『モダン』を読んだ方が良いかも?
原田マハさんの小説は好きだけど、短編集そのものが元々あまり好きではないので、いまいち入り込めなかった
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楽園のカンヴァスを読んだ後だったので、作中での登場人物がリンクした瞬間は思わず「え?!」と声が出ました。
"私の好きなマシン"が個人的には1番好きです。アルフレッド・バーが語っていた「ここにあるものはね、僕たちが知らないところで、僕たちの生活の役に立っているものなんだ。それでいて、美しい。それって、すごいことだと思わないかい?」という言葉、何度も思い返して少し涙が出そうになる。
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国立西洋美術館で「ピカソ」展を見た後に妻が購入していたのを思い出して手に取った作品。MOMAを中心にした短編集であるが、焦点は作品ではなくキュレーターにあたっているのが特徴的。作者のアート物は『楽園のカンヴァス』や『暗幕のゲルニカ』などの芸術家とその作品の歴史を描いた作品が好きな私にとっては少し物足りなかった。
その中でも最初の『中断された展覧会の記憶』が特に良かった。震災後の作品をNYから福島に取りに戻る杏子の心情と作品が上手くリンクしていて、美術館の桜という日本人が最も感情を投影するモチーフが作品に深みを与えていた。
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人の尊厳と生活を無慈悲に奪い去る大規模自然災害や人災、そういったものの中でも輝きを失わないアートという美しさの結晶の物語。そしてその結晶は、人の手によって作り出されたものであると考えた時、人間というのは常々絶望と希望の間をいったりきたりする存在だと思い知らされる。
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ニューヨーク近代美術館(MoMA)に纏わる作品5編を集めた短編集。キューレーターとして活躍した著者ならではの卓越した美術作品に関わる造詣の深さを存分に楽しむことができる。個人的には面白かったが、美術が苦手という人には少し難しく感じる作品ではある。
美術小説を読んでいてほぼ毎回思うことだが、挿絵として話題として取り上げている作品を載せてくれればまた読み味わう雰囲気も格別なものになるように感じる。気になるので調べはするが、その度に読んでいても途切れてしまうので…。