感情タグBEST3
なんか良い
中学の同級生の再会もの、
沢田と椎名の気持ちの
温度差やストーリーの進み方も
丁寧で読みやすく
一本の映画を見てるみたいで
面白かったです。
Posted by ブクログ
「逃げないなら、――お前を抱く」
アルバイト先で元同級生の椎名と偶然再会した沢田は、昔とかわらず自分にだけ懐いてくる椎名に愛しさを感じていた。
無口で人に媚びない、芯が強い椎名――その彼が自分の前では無防備になり笑顔を見せてくれる。
心の中の愛しさは次第に欲情にかわり、キスしたくて、触れたくて堪らなくなる気持ちを抑えきれず、沢田は自分にだけ懐く椎名の気持ちを利用して、ある選択を迫って…?
Posted by ブクログ
元同級生の再会もの。回想シーンがあることによって閉鎖的な空気感に広がりが出て息継ぎができます。水槽で泳ぐお魚の気持ちで言えば。
作者さんが言ってるように地味で、下手すると印象が薄い作品なのですが、攻の視点で状況が詳細に語られているので、読んでいるうちに自然と攻の気持ちに感情移入できる良さがあります。
攻の沢田はクールで大人に見えますが、心の中には意外にも執着やら抑圧された欲情やらを抱え込んでる直情型。
以前から椎名に抱いていた感情が肉欲をともなった恋情だと気付いたとたん、相手の友情を逆手にとって強気に攻める肉食系だったのには驚かされました。てっきりクール眼鏡かと。
Hシーンの、相手に有無を言わせない言葉責めに萌えまくり。
一方の椎名は、読んでいても沢田が好きで好きで仕方ないのがわかるのですが、ただしそれを友情だと思い込んでいます。Hを受け入れるのは、沢田を失いたくないから。母親のせいで性に対する嫌悪感が拭えない。沢田に恋しているのに、性愛は罪悪だと思っているのです。
始めは椎名を想う激情にまかせて一方的に抱きまくっていた沢田ですが、彼の真意を知ってスッパリHを断って元の清く正しい友達関係に戻ろうとします。椎名が好きで大切だからこその苦しみの決断が、痛いほど伝わってきます。据え膳食わずに我慢するくらい、愛してるからそこまで忍耐強いとこ見せちゃうんですね。
そして、椎名もまた濃密だった関係が遠のくにつれて、沢田が好き、ということの真の意味をはっきり知ることができるようになっていくのです。感情を表現するのが不器用で、沢田への想いを伝えるのも下手くそで拙かった椎名です。コインを置いたりすることでしか関心を引くことができなかった椎名が、精神的に成長してちゃんと性愛に向き合えるようになったのが良かったなと思えました。
ラストの愛あるHはもちろんよかったのですが、私的には冷静に見える沢田が、椎名好き過ぎて辛抱たまらん感じで大暴走しちゃう無理矢理Hがエロくてよかった。で、反省して「もうしません!」土下座みたいな、クール眼鏡らしからぬ失態ぶりも。