【感想・ネタバレ】ばけじょ！ ～妖怪女学園へようこそ～ １のレビュー

五味まちと

[ブクログ · ★★★★★]

これは中々に良い妖怪モノ、とお勧めできる作品
有体に言っちゃうと、さすがに『うしおととら』や『足洗邸の住人たち。』、『地獄堂霊界通信』には遠く及ばないけど、『バスルームのペペン』や『奇異太郎の妖怪絵日記』と言った、動きはあるけど、アクションものじゃない妖怪モノが好きな人はグッと来るだろう、きっと
女子キャラばかりなので、百合っぽさがあると言えばあるが、そこまで濃くはない
現実で、可愛い女の子らが楽しそうにしている姿に、ほのぼのとした気持ちになれる人なら、この『ばけじょ！ 妖怪女学園へようこそ』のテンションも十分に受け入れられるんじゃないだろうか
ヒロインの薬津みこが、学園でただ一人の人間、あとは全員が妖怪って状況も、良い意味でベタなので、ストーリーに入り込みやすい
また、妖怪っ娘らが抱える悩みも、彼女らの種族特有のものながら、どこか、人間も感じる苦しみでもあり、共感できる
青春は壁にぶつかってこそ、一人では壊せない厚さ、跳び越えられない高さでも、友人が力を貸してくれれば、大丈夫
個性的な妖怪のキャラクターにも霞まされず、自分の立場をしっかりと確立している薬津は中々に魅力的であり、そんな彼女が敬愛している先輩、新井あずきもまた、美しい
名前から察せる通り、彼女の種族は小豆洗い。名前は知っているけど、どんな妖怪なの、と感じる人は多い気がする
この作品には、そんな妖怪が多く登場し、読み進めるほどの妖怪知識が増えていくってのも、個人的にはオススメできる点だ
割とセクシーな描写が多いのだけど、師匠がねこぐち先生で、その師匠が福田宏先生なら、大いに納得だ。つまり、藤田先生と繋がりがあると言ってもいいのか？
なので、（２）の帯に、藤田先生の推薦コメントが入ったら、マヂに嬉しい
どのキャラも好感が持てるけど、（２）で出番が増えたら嬉しいのは、顔や雰囲気は怖いけど、実は生徒思いで、可愛い物好きな担任の鬼塚虎子先生
彼女の学生時代のエピソードや、現在の恋愛模様を読んでみたい
登場したら嬉しいな、と思う妖怪は鵺である
日本のキメラと言っても良い鵺だからな、恐らく、解離性同一障害のように、様々な性格が一つの体に詰め込まれているようなキャラになるのだろうな
この台詞を引用に選んだのは、みこの人としての強さを感じ取れたので。大恩ある先輩の言葉で強くなれたからこそ、今度は自分が人を助ける番。人を励ますってのは、簡単なようで、意外に難しい、でも、やらなきゃ誰の心も救えない