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地獄の一丁目
吉原の花魁が仕掛人として悪を討つお話の上巻。
主人公の彩乃は吉原でも位の高い太夫という花魁。
彼女を求める客は絶えない。
吉原というだけあって華やかだが客に見えないところでは女同士のいさかいやひどい目にあって命を絶つ女など暗い面も持ち合わせていた。
太夫である彼女は客を取りつつ花魁同士の仲裁などもやるいろんな人の橋渡しのような役割りもしていた。
そんな彼女が目をつぶれないくらいの事が起きると仕掛人としてその相手を討つということもしていた。
その成敗相手は旗本の男だったり御家人の生まれの男だったりいろいろいるが、とにかく共通しているのは花魁たちを見下していてその命の重さを何も感じていない者ばかり。
吉原の女たちが流した涙のために人ではなく夜叉として男たちを地獄に連れていく彩乃。
むしろ道連れといってもいいくらいの覚悟が彼女の中にあるのがわかるだけに読んでいて悲しくなった。