【感想・ネタバレ】こちら警視庁美術犯罪捜査班のレビュー

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Posted by ブクログ

タイトルから、いかつい刑事がうんちくを傾けながら悪いヤツを捕まえるのかと思われたのですが、そうではありませんでした。
いかつい男がうんちくを傾けるのは当たってましたが、刑事ではなく悪いヤツのほうでした。
捜査班は二人、岸すみれと部下の三田村豪気。豪気は素人ながらも着眼点は冴えたところがあり、最初は呆れられたものの、次第に頼りにされるようになっていきます。
この二人が詐欺まがいの事件を追い、黒幕である上述のいかつい男を追いつめていく話です。
その男、実はすみれと浅からぬ縁があり、警察官としては許せないのに岸すみれとしては…と葛藤を抱えながらの追及。
部下で相棒の豪気はすみれの心情を慮り、自分が頑張らなくてはと奮闘するのですが、空回りしたり、逆襲を許したり、もどかしいことこの上ない(笑) でもそこがまた良いのです。
すみれは時に叱咤しながらも優しく豪気を見守り、二人のコンビはこれからも美術犯罪を暴いていくのだろうと思えます。
美術にあまり明るくない私にも理解しやすく書かれていて、楽しく読めました。

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2019年09月29日

Posted by ブクログ

たった二人しかいない本庁捜査二課美術犯罪捜査班。美人上司と肉体派新人刑事のコンビが、美術品に絡む事件に挑む極めてカジュアルなタッチの連作短編集。
設定は至ってラノベっぽいが、そこは門井慶喜。ウンチクとひねりの効いた作品に仕上がっている。
取り扱うのは、なかなかレンブラントのエッチング、ロダンの彫刻、江戸時代の仏像、キリコの抽象画、ゴッホの自画像と、レパートリー多彩。

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2022年05月01日

Posted by ブクログ


新米刑事と抜群の鑑定眼を持つ美貌溢れる女上司のコンビが、狡猾な詐欺ビジネスを続ける美術品販売会社の犯罪を暴く美術ミステリー。
警察ものであるが、まったくそんな感じはさせないな。しかし、門井慶喜氏の美術ものだと、美術探偵の方が圧倒的に良い。本作は大分、軽め。
いつもの、湧き出る知識の泉がかなり抑えられてるような。もちろん、らしさは感じられたが、ちょっと物足りなかったな。

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2019年05月29日

Posted by ブクログ

美術品犯罪に対応する警視庁捜査二課の美術犯罪捜査班。
詐欺ビジネスが疑われる美術品販売会社を相手に、美術知識ゼロの新米刑事と美人女性上司が違法スレスレの悪だくみを暴こうとする。
両社の対決はどう決着するのか――。

門井慶喜の美術ミステリ・神永美有シリーズが面白かったのでそれを念頭に読んだのですが…ちょっとガッカリしました。

美術うんちくはかなり神永シリーズよりも控えめに説明されるので読みやすかったです。
漫画的なキャラが漫画的に行動し、さらに読み口を軽くしています。

面白さを感じた点もたくさんありました。
美術品の価値を決める要素が逆説的に作用してしまうという皮肉的なおかしさ。
絵を描いた当人によって真作が贋作に転じ価値観の反転をはかるという、人を食った展開。
芸術に金銭的な価値をつけることの妥当性を読み手に問いかけるかのような挑戦的な姿勢。

難解でとっつきにくい「美術」の世界を題材にしながらも、敷居を低くして読みやすくしようと心がけていると思われるのですが…モナリザを知らないアホな刑事(よく公務員試験に受かったな…)が無鉄砲に行動する展開はトゥーマッチすぎて脱力しました。
コミカルが過ぎてギャグになっちゃってると言うのかな。

その上、スリリングで読者を高揚させる章もあったのに、最後の章がいろいろ乱暴すぎて閉口しました。
捜査対象者が刑事の〇〇なのもおかしいし、〇に訴えて犯罪を防ごうとするのも変。
絵を〇〇〇ことを〇〇〇のもありえない。
伏字だらけになっちゃったけど。

こんな子供騙しのような話の帰結、読者を何だかバカにしてるのかなと思ってしまいます。
わかりやすく読みやすい、売れる小説を編集者から求められるのだろうけど、読み手もそんなバカじゃない。
美術犯罪捜査班なんてタイトルの本を手に取る時点で、読者も少しは美術に興味を持ってるだろうから、こんな浅い内容は期待してないと思う。

もっと違うやり方で料理すれば面白くなるのに、惜しい作品でした。

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2019年03月01日

Posted by ブクログ

新米刑事の三田村豪気が配属されたのは、警視庁捜査二課美術犯罪捜査班。そこは、美術品犯罪に対応する警視庁唯一の部署。やる気と体力は人一倍だが、美術にはとんと疎い三田村は、抜群の鑑定眼をもつ美貌の上司・岸すみれの薫陶のもと、にわか仕込みの知識を駆使して、狡猾な詐欺的ビジネスを続ける美術品販売会社の犯罪を暴こうとするが…。

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2018年05月28日

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ネタバレ

美術品に関する犯罪を取り扱う女上司の岸と、後輩の三田村が挑む事件簿。

美術品の知識が全くないけど、やる気だけは人一倍ある三田村。

違法ギリギリの商売が立て続けに起き、捜査を続けていくうちに明らかになる黒幕の正体。

岸の元旦那が関わっていることに複雑な心境と正義への気持ち。

ドラマっぽい話。

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2018年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こち亀みたいなタイトルが示す通りコメディ。
へっぽこ新米刑事くんと美人上司のコンビが、美術品詐欺事件捜査に。敵方の画商は実はいわくつき人物。

警察小説としては緊迫感なし、ミステリーとしては展開が雑、スケベな描写が痛いという欠点はあるが、芸術家の卵の心情が理解できそうでもある。参考文献リストが欲しかった。

最後の表紙イラストレイターの寄稿がおもしろい。

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2017年09月27日

Posted by ブクログ

美術犯罪捜査といっても高尚な(?)ものではなく、もう少しよくありそうな身近なタイプの詐欺を扱ったコメディタッチの連作短編集。けっこう捜査が乱暴です。キリコの話は面白かったな。寝る前とか、病院、銀行の待ち時間なんかのひまつぶし向き。

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2016年06月30日

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