感情タグBEST3
Posted by ブクログ
見た目残念、声イケボなラジオパーソナリティの恭太郎が通う行きつけのバー。
そこで毎日のように顔を合わせる仲間たち
ある日突然来店した不思議な女性にみんなが振り回される。
中盤くらいまでは話の柱を見つけられないまま進むが後半がすごい!
そんな伏線回収が潜んでいたとは、、
何がいいってそれぞれこキャラクターとバーの仲間のチーム感がいいです!
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道尾作品の中では、ポップな内容で、代名詞のどんでん返しもある程度予想できた範囲だったため、そこまでの驚きはなかった。
ただ、主人公の心情には共感できる部分がかなりあって、最後の展開には温かいものを感じた。
人はみな過去を背負って生きているのだな、と。
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あのときこうしていたら。ああしていたら。そんなことは考えても仕方がない。行動の結果なんて誰にもわからない。選択自体が間違いだったわけじゃない。それなら、いまをつくり変えるしかない。新しいいまをつくってしまえばいい。たとえ目に見えない透明な世界だったとしても、本気で願えば、人はそれに触れることができる。両足で立つことができる。僕はそう信じていた。
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あとは、『透明カメレオン』というタイトルが秀逸だなと。読み終えて初めて、そこに込められた意味がわかった。
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ラジオパーソナリティの声だけが良いイケていないお兄さんの話。
なんかめっちゃ面白いってわけじゃないし、めっちゃスッキリってわけじゃない。すごく伏線がきれいってわけじゃないし、最後も納得ってこともない。
でも、主人公の嘘がキレイだったからちょっと感動してしまった。つらいことも無かったことにできるんかなって。今の自分はつらいこと無いし、わからない。つらくなったときそう思えるかもわからない。でも、いい話だったと思う。
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主人公は人気ラジオのmc
容姿いまいちだが、美声の持ち主
印象に残ったフレーズ
「ああしていたら、こうしていたらを考えても仕方ない。結果なんて誰にもわからない。
今を作り変えるしかない、新しい今を作ってしまえばいい」
バーの常連の辛い過去をラジオで結果だけかえ、面白い話にして、笑顔を取り戻した
三梶恵との出会いをきっかけに物語が動き出す。
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ラジオパーソナリティの主人公と、
飲み仲間とのストーリー。
ある日、いつものスナック?に、
謎めいた女性が入ってくるところ
から、ストーリーが進む。
女性が仕組んだ作戦に加担してい
くが、作戦の裏には、女性の不幸
な出来事が関係している。
ラストは、道尾秀介らしいドタバ
タな展開だが、明るい性格の飲み
仲間にも語りたくない過去が分か
ってくる。
題名を透明カメレオンにした理由
も納得した。
Posted by ブクログ
声はめちゃくちゃ良いけど、容姿は冴えないラジオパーソナリティの恭太郎
彼が通うバー「if」にある日ずぶ濡れの女性が現れてから、常連客を巻き込んでの出来事に発展していく…
物語りの大半はドタバタ劇だしコミカル要素が強かったので、緊張感というよりも、この先どうなるのかなぁ〜と楽しく読み進めていましたが
まさか、読後に泣いてるなんて…
ラストまで読んで、恭太郎の心の強さ優しさが大好きになりました
想像してなかった感動作に出会えて、手にとって良かったなぁと思えた一冊でした
Posted by ブクログ
ラジオパーソナリティを務める素敵な声と冴えない容姿の持ち主・桐畑恭太郎は、仕事終わりにいつもの仲間たちと飲みかわすべく、行きつけのバー『if』へ訪れる。大雨のその夜、びしょ濡れになった美女・三梶恵がバーに迷い込んだことをきっかけとして、『if』に集うメンバーは彼女の殺害計画を手伝わされることに。
恵の計画に振り回される愉快な飲み仲間たちと恭太郎。恭太郎は傍若無人な恵に呆れつつも次第に心惹かれていき……。そんな道尾秀介先生の描くドタバタコメディと思いきや、最後にはまさかの結末が。テンポよく進んでいくギャグのような掛け合いも、このラストのためだったのかと思えるほど。
気になって読み返すと、いたるところに伏線があるのなんの。この作品を読み終えたあと、読者はきっと主人公の恭太郎が大好きになっていると思う。
どこか初恋の人の面影を感じる恵に恋をし、些細な勘違いから自己嫌悪に浸る、そんなガラスハートのチキン男。それでいて多くの人が立ち竦んでしまうような状況下でも、大好きな人のために立ち上がる姿が本当に愛おしい。愛すべきバカという言葉がこれほど似合う男がいるだろうか。こんな人になりたいと思える人物像を示してくれた。
Posted by ブクログ
同作者の「カラスの親指」に近い、冴えない奴らのドタバタ活劇
故に本編部分はどこか既視感がある上に、ご都合主義展開すぎてあまり好きになれなかったが、ラスト数十ページで世界は一転
ifに集う彼らの関係性、何故彼らが桐畑に義理を感じて協力するのか等の疑問点は解消され少しすっきり
「立ち上がり、前を向くために嘘の世界を作る」
賛否はありそうだけど、不器用で弱い部分に響く良いテーマだったと思う
となると、あまりに上手く行きすぎな不法投棄現場のいざこざも、
もしかして或いは…?と考えてしまうのは邪推が過ぎるか
Posted by ブクログ
ずっと、好きとは言いがたいのに読んでしまう作家でした。いくつかは凄く好きな作品もあったけれど、ひねくれすぎだと思う作品のほうが多かったから。でもこれはなんだろう、あったかい。変形版伊坂幸太郎みたいな印象も。
BAR ifはもともとあったはずなのに、ifを考える人たちの集う場になっていたんですね。ちょっとホロリ。自分を呪い続ける彼らに新しい「いま」をつくるラジオDJ、ええやん。
誰もが振り向く声とギャップが大きすぎる容貌は想像しづらくて、恭太郎をイメージできないから、どなたか具体例を挙げてもらえませんか(笑)。
Posted by ブクログ
引き篭もりっぽい恭太郎が何故かバー「if」の中でだけは伸び伸びと振舞う不思議さ。訳あり感全開で精神的にも危ない雰囲気が漂う恵にifのママや常連達が素直に翻弄される違和感。意味深に挿入されるラジオ番組内のトークなど、とにかく先への期待感を煽る仕掛けが満載の前半と、どんどん危険度が増していく中盤、そして意外な事実がどんどん明らかになる後半。
ラストはちょっと物足りなかったけれど、協力し合いながらも無理をせずゆっくりどん底から立ち上がろうとする人たちの描き方がよかったです。
Posted by ブクログ
イケボおじさんの奮闘記
2転3転コロコロコロコロ道尾ワールド炸裂!
でもなぁツッコミ所が多すぎて好みやないのよね、、、
真っ暗な山の中で香水の匂いを頼りに歩く?
親にブロック落とす?
ドタバタと展開がカラスの親指と似てる感じ
感動の長編?結局は騙された父親が1発殴りに悪徳業者へ行くことを娘が止めて?一緒行って?ifの常連が追っかけて、トラブルに巻き込まれ、最後なんで解放された?んで、実はみんな色々な悲しい過去があるってお話なので感動の長編ではないかな
結局のところなんで透明カメレオンなんでしょ?小学校の時のお話があったけど
Posted by ブクログ
面白かった。面白かったけど、私には物足りなかった。贅沢かな。
流石の伏線回収であったり、話の展開のスピーディさであった。
ボリュームの割には勿体無かったと思う。
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感涙必至のエンタメ小説と書いてあったので買った一冊。
心に傷を持った人達の話
中盤くらいまで、なんでこうゆう展開になると疑問があった。
途中のラジオで流したエピソードもこうゆうのが必要かな、これがちょくちょく話に入ってくるのかなとか、なんか興味がわかない流れてだなと思いつつ読んでいたが、終盤ですべて納得した。
終盤で伏線を回収
スッキリ終えると思ったが、なんかラストがスッキリしなかった。
その後どうなったかが気になる
嘘が多かった話だったが、嘘も使い方しだいで傷付いた心を癒す。そんな感じがした小説でした。
Posted by ブクログ
物語の雰囲気がとても好き
殺伐感がなく気楽に読むことが出来た
どことなく同作者の「片目の猿」を思い出させる感じだったなぁ
あの時あーしていれば結果は変わっていたかもしれない=「if」
Posted by ブクログ
ラジオで話をして人を前向きにできることはすごいだと思った。主人公は声がとても良いということだったが、そうできることは声が良いこと以上に素敵なことだと思った。
Posted by ブクログ
少しレトロな雰囲気の小説。まるで90年代の雰囲気。懐かしい感じで読むのが正解なのかな。
最後の種明かし⁈はなるほどねという感じだけれども、途中のイタズラと呼ぶには無茶過ぎる展開にやや離脱してしまった。
Posted by ブクログ
声と見た目のギャップが嫌な恭太郎とバーの仲間がある女性がバーに来たことにより騒動に巻き込まれる話。ドタバタ劇にハラハラしたり、バーの仲間が仲良くてホッとしたりしてたのに、最後急に泣きそうになった。そして何となく抱いてた違和感も解消されて良かった。
Posted by ブクログ
声は魅力的であるものの、容姿は冴えないラジオDJの桐畑恭太郎は、今日も放送後に唯一の憩いの場であるバー「if」に身を寄せていた。顔見知りの常連達と話をしていると、突然そこにびしょ濡れの女が入ってくる。「殺した――」女はそう言ったように聞こえたが、後日もう一度店に現われた女は、「コースター」と言ったのだと言い張る。そしてその場にいた常連客のレイカ(ゲイバーで働く美男子)を恭太郎だと思い込んでしまう。大ファンだという女に本当のことが言えず、なんとかごまかし切ろうとした恭太郎だったが、やがて嘘がバレ、その責任をとるため、女がたてたある計画に加担することになってしまう。
今までの作者の作品からすると、かなり色が違う。ほのぼのとまでは言わないけれど、読後感はハートウォーミングな感じ。「計画」は無理矢理な感じがあったので、「うーん」と思っていたが、最後の主人公や「if」のメンバーの種明かしでだいぶ作品の評価が上がった。
Posted by ブクログ
「道尾秀介」の長篇小説『透明カメレオン』を読みました。
「道尾秀介」作品は約2年前に読んだ『鏡の花』以来ですね。
-----story-------------
今夜も僕は、世界を作る。
少しの嘘と、願いを込めて。
ラジオパーソナリティの「恭太郎」は、素敵な声と冴えない容姿の持ち主。
バー「if」に集まる仲間たちの話を面白おかしくつくり変え、リスナーに届けていた。
大雨の夜、びしょ濡れの美女がバーに迷い込み、彼らは「ある殺害計画」を手伝わされることに。
意図不明の指示に振り回され、一緒の時間を過ごすうち、「恭太郎」は彼女に心惹かれていく。
「僕はこの人が大好きなのだ」。
秘められた想いが胸を打つ、感涙必至のエンタメ小説。
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ラジオパーソナリティの「桐畑恭太郎」を含めたバーの仲間たちが、「ある殺害計画」を手伝わされることになるエンタメ小説… 2013年(平成25年)から2014年(平成26年)まで学芸通信社の配信で、信濃毎日新聞、熊本日日新聞、高知新聞、秋田魁新報、北國新聞、神戸新聞に掲載された作品です、、、
ドタバタ的なコミカルな展開と、クライマックスまで引っ張る登場人物たちの意外な真実が愉しめるエンターテインメント作品でしたね。
ラジオのパーソナリティの「桐畑恭太郎」は、冴えない容姿と“特殊”な声の持ち主… 今夜も、いきつけのバー「if」で「輝美ママ」や、「百花さん」、「石之崎さん」、 「レイカさん」、「重松さん」等、仲間たちと過ごすだけの毎日を、楽しくて面白おかしい話につくり変えてリスナーに届ける、、、
「恭太郎」が「if」で不審な音を耳にしたある雨の日、びしょ濡れの美女「三梶恵」が店に迷い込んできた… ひょんなことから「if」の仲間たちは「恵」の企てた父親の仇の殺害計画を手伝わされることに、、、
しかし、自殺したと聞いていた「恵」の父親が生存していたり、父親の仇の「後藤」と思われた人物は別な人物だったり… と、「恵」の証言の中に嘘が散りばめられていることが徐々に判明するが、「恵」の意図不明の指示に振り回されながらも、一緒の時間を過ごすうちに「恭太郎」は「恵」に心惹かれていく。
そして明らかになる「恵」の過去… そして、「if」の仲間たちの過去、誰かの死や不幸や不運を胸に抱えた哀しい過去や「恭太郎」本人の秘密も明らかになる、、、
陽気な物語に隠された優しい嘘… 驚きと感動のラストでした。
面白かったのですが、、、
読む前に、ちょーーーっと期待し過ぎていたところがあり、まっ、こんなもんかな… という感じでしたね。
以下、主な登場人物です。
「桐畑恭太郎」
ラジオのパーソナリティ。冴えない容姿と特殊な声の持ち主。
「三梶恵」
バー「if」に迷い込んできた美女。恭太郎たちにある殺害計画を手伝わせる。
「輝美ママ」
浅草にあるバー「if」のママ。
「百花さん」
「if」の常連。有名店のナンバーワン・キャバクラ嬢。
「石之崎さん」
「if」の常連。害獣害虫駆除の自営業。
「レイカさん」
「if」の常連。ゲイバーで働くホステス。
「重松さん」
「if」の常連。「仏壇の重」七代目店主。七十歳。
「餅岡さん」
恭太郎のラジオ番組のディレクター。
Posted by ブクログ
名手道尾秀介さんが描くコメディタッチのドタバタミステリー。よくよく考えると、無理のある展開やツッコミどころも多かった気がするけど、それを軽やかに読ませる技量はさすがといった感じ。
主人公は美声を持ちながらも、さえない容姿とのギャップが原因で相手をがっかりさせてしまうラジオパーソナリティの恭一郎。
彼が通う行きつけのバーで常連たちといつも通りのやりとりをしているところに、びしょ濡れの美女がやってくるところから物語は始まります。
謎の導入自体は好きだったけど、キャラクターや文章、登場人物たちのやりとりのギャグっぽい感じが、個人的にあまりはまらなかった。
キャラとか文章のマンガっぽさに対し、それぞれが一応、いい年の社会人というのが少し違和感があったのかも。コメディっぽさが、無理矢理作られているように感じてしまいました。
後は主人公たちが巻き込まれる犯罪計画が、いずれも間が抜けていて、それを笑いどころなのか、あるいは伏線なのか、どう捉えていいかつかみきれなかったのも、すこししんどかった。
感想を書いていて思ったけど、自分って小説を読むとき、ジャンルや作品の雰囲気の軽さ、重さでなんとなく読む立ち位置を決めている気がします。
その立ち位置が固まらなかったので、ライト路線で読むか、シリアス路線で読むか、心の置き所が定まらず、フワフワしながら読んでしまった部分があった気がします。
ただ終盤の大立ち回りはすごかった。最初に書いたように細かいところを言うと、ツッコミどころや無理のあるところも多かった気がするのですが、それを気にする暇も無く、展開していくので自然と読み込んでしまう。
道尾さんはミステリの展開や伏線回収と人間心理の妙で読ませる人だと思っていたので、登場人物のアクションや行動で引っ張っていく技量もあるのか、と感心してしまいました。
そして、最後に至ると全編のコメディタッチな部分のわざとらしさすらも、一種の演出だったのかもしれないとも思えてきます。作品全体の雰囲気すらも一種の伏線にする大技もある意味あっぱれに思える。
個人的に面白い、面白くないの評価はちょっと難しい作品でした。ただ道尾さんの小説の技量を楽しめる作品であることは間違いないと思います。
Posted by ブクログ
とても長いストーリー。
主人公のキャラクターが優しくて
とても好きだ。
自分の弱さがむしろ大好きだと
素敵な声で語られたら
どんな容姿であろうと
その強さに惹かれてしまいそうだ。
ラストではじめて見えてくる風景は
コミカルな内容を覆すものだけど
読後感はとても良かった。
Posted by ブクログ
久しぶりに道尾秀介の作品を読んだ。
いつもの道尾節とクオリティ…
…なんだけど、こちらが慣れ過ぎてしまったというか麻痺してしまったというか。相当贅沢で過剰な要求をしていることは分かってはいるのだけれど、気持ち良くまんまと騙されたいという期待には今ひとつ応え切れていないかなぁというのが率直な感想。
視点が変わると、これまで語られていたことがオセロのコマがパタパタとひっくり返るように変化するのは気持ち良いのだけれども、擦れちまった道尾ファンはホラ来たやっぱねぇみたいな感じになっちまうんだなぁ。これが。
フツーに面白い、いや、かなり面白いとは思うのだけれど。
かつて、KISS、QUEEN、AEROSMITHの人気が下火になったみたいに読者側のもっともっとという要求は留まることが尽きないということって、こういうことなんだと改めて認識してしまった。
道尾さんすんません。
1UPライフにこっそりドラフォを仕込んでいるみたいな小ネタはツボ。
Posted by ブクログ
後半からは展開が進んだため、最後まであっという間でしたが序盤は手が進まずでした。
嘘により始まった物語の真実が明らかになり、自然と涙がでました。最初はラジオの内容が誇張しすぎていて、いい気持ちはしなかったけれど、悲しい事実や目を背けたくなるような本当のことを、少しの本当と少しの嘘でその結末の呪縛から解放できる優しい主人公でした。
恵さんのラジオネームは途中で気づいてしまって残念でした。笑
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面白かった
コメディタッチの軽いミステリー
しかし、最後の最後は胸打たれます。
ストーリとしてはハチャメチャ(笑)
ラジオパーソナリティの桐畑恭太郎は、素敵な声と冴えない容姿の持ち主。仕事が終わると、行きつけのバー「if」でママや常連客と飲むのが日課です。さらに、放送では、その「if」の仲間たちの話を面白おかしく作り変えてリスナーに届けている設定。
ある大雨の夜、びしょ濡れの美女(三梶恵)が入ってきて、「コースター」を要求。しかし、実際には...
彼女は恭太郎のファンで、彼女のイメージを壊したくない恭太郎はイケメンの常連客を身代わりを立てますが、
結局ばれてしまい、彼女から「殺害計画」を手伝わされることに。
その殺害計画においては、「if]の常連客も手伝わされ、意味不明な指示を受けます。
その指示内容の意味も、計画も徐々に明らかになっていきます。
殺害計画のターゲットは?
その真相は?
というところから、ついには、「if]の常連客達も含んだ奥多摩付山中でのドンパチ。
無事山中から殺されずに脱出できるのか?
といった展開です。
そして、ラスト、恭太郎が恵に語る「if」の常連客達の真実と闇、さらに恭太郎自身の真実。
ここがかなり反則!
ユーモア的な展開から、最後の最後で語られる真実は、胸を打ちます。
それぞれが抱えていた闇、哀しさ、苦しさ。
しかし、人は変わることができる
エンターテイメントとして楽しめました。
お勧め
Posted by ブクログ
ラジオパーソナリティの桐畑恭太郎は、その残念な容姿に似つかわしくない程の美声の持ち主で、自分がメインパーソナリティを務める「1UPライフ」はけっこうな人気番組となっていた。ちなみに34歳、童貞。
恭太郎は仕事が終わると、行きつけのバー「if」でママや常連客と飲むのが日課なのだが、ラジオで話す内容は「if」の人たちの体験談にアレンジを加えたものが多かった。
「if」にいるのは、会う度に髪型が変わるオーナーの輝美ママ、有名店のナンバーワン・キャバクラ嬢の百花さん、都内で害獣害虫駆除の小さな会社をやっている石之崎さん、美人ホステスのレイカさん(近所のゲイバーで働いており、本名は智行)、「仏壇の重」七代目店主の重徳寺重松(69歳)。
その日も、数人で飲んでいたところ、突然全身びしょ濡れの若い美女が入ってきた。彼女の登場をきっかけに、「if」の仲間たちはある殺害計画を手伝わされることになる。
彼女の名前は三梶恵。初めは意味不明だった計画も、会社が倒産して自殺した父親の復讐のために、その原因を作った不法廃棄業者を狙っているようだが、それでもまだ色々と謎が多い。しかし、恵がターゲットの男に連れ去られた事で、計画の謎が明らかになっていく。
実はターゲットだった男は恵の父親で、会社を倒産に追い込んだ不法廃棄業者に復讐しようとする父親を止めるため、業者に命を狙われていると思わせることで父親の無謀な復讐を踏み留まらせる計画だったが、結局奥多摩付近の山中にある不法廃棄現場に乗り込んでしまう。
それを追って「if」の仲間たちも助けに向かうが、逆に屈強な男たちに追われる事になる。何度も捕まりそうになりながらも、恭太郎がスーパーマリオ化したり、百花が機転を利かせたりしたことで、遂に業者の撃退に成功した。
山中での長い長い夜が明け、恭太郎は聞かせたい話があると恵を誘う。そこて、「if」のみんなの真実、恭太郎自身の真実が語られる。
面白かった。登場人物も個性的で良かったし、お笑い芸人のネタのような語り口や、恭太郎の変態的な行動も地味に笑えた。
あと、愉快な仲間たちだった「if」の面々が、それぞれ深い闇を持っていて、それが普段の雰囲気のせいでより一層引き立っていた。
「if」の仲間たちを観ていると、こんな風に都会で孤独に暮らして、仕事終わりにバーに通って、知らない人と寂しさを埋め合うような日々も経験したかったなぁと、少し羨ましく感じた。
透明カメレオンというタイトルの意味はまとまらなかったので、とりあえず無いものを有ると思う力、思い込み、不幸な色を幸せにな色に変化させる、人は変われる、そんな感じかな。
後半までかなり引き込まれて読んでいたのに、最後はちょっとあっさりしていて残念だった。恭太郎と恵がお互い曝け出して、心が通じ合えたんだとは思うけど、正直あれ?終わり?って感じで、物足りなさを感じてしまった。
Posted by ブクログ
大好きな道尾秀介の、そこまで好きじゃなさそうなジャンル。
途中何度か声出して笑っちゃった(笑)好きなジャンルではないしストーリーもコメディ満載の非現実感だけどテンポよくサクサク読めて後味も悪くない(印象も薄い)
Posted by ブクログ
他人を魅了する美声ながら容姿が冴えない『桐畑恭太郎』は、その特性を生かし深夜ラジオのパーソナリティーをしている。
いつもたむろしている馴染みのバーに突然現れた若い女性に、美男子と間違われたことから騙してしまい、お詫びとして妙な行いを強要される。それが彼女の父親を騙した男への復讐だと知った恭太郎は、バーの仲間と共にその計画を手伝うことにする。彼らは悪徳産廃業者を懲らしめることができるのか?
キャラが強めだし、ちょっとギャグ寄りなのかと思わせる文章。
本気ではないとはいえ、殺人計画になぜ手を貸そうと思ったのか理解に苦しんだけど、そういうことだったのか。
この著者らしく最後まで騙してくれたけど、カメレオンの消えた世界は悲しすぎる。