【感想・ネタバレ】満願(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

最近は研修で忙しく、久しぶりに読書の時間がとれた。大切な時間に何を読むかかなり悩んだ。久しぶりの読書が長編だとハードルが高く感じたので、短編で探すことに。そして目に入った短編三冠の帯。これは期待が高まる。

面白いの一言。これに尽きる。

特に「死人宿」は自分の好きなタイプの小説で良かった。イヤミス好きならお勧めです。
謎解きもありつつ、後半にかけて焦燥駆られる気持ちで読み進め、頁を捲る速度が早くなる感じ。最後も良かった。

その他には、「柘榴」の終わり方が印象的だった。
後半になるにつれて、段々と雲行きが怪しくなってくる感じが怖かった。
父親目線で語らなかったのが、あえて良かったのかも知れない。
全てを虜にする魅力かぁ。娘をも狂わせるとは。
親権について勉強して、作戦を立て、自らの体を傷つけて母親を欺く。それほどまでに父親を奪い自分のものにしたかった。
やってやろうという覚悟が凄いですよね。愛というか、魅了されて洗脳に近い気がするような。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

とにもかくにも後味の悪さといえばこの作品。短編集だが、どれもほぼ救いがないラスト。中でも「万灯」は特に秀逸。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

人の業を感じさせるミステリー短編集。
人間の欲望や闇が描かれていて、後味が悪いがクセになる作品。ホラーの様なゾクっとするオチが素晴らしかった。特に『柘榴』『万灯』はまさかの結末で思わず声が出たほど。
どの話もハズレなし。気軽に読めるイヤミスです。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

ミステリ短編集。どの作品も面白かった。最後の真相パートでの伏線回収では「やられた!」と思うとともに、後味の悪い読後感が堪らない。特に『万灯』は後半の展開のスリリングさとラストの衝撃が凄かった。『儚い羊たちの祝宴』を彷彿とさせる傑作短編集。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

前情報通り、最高のミステリー短編集でした…!

六篇の作品全て、息が詰まるほどスリリングな傑作。
特に『夜警』『柘榴』『満願』が良かったです。

米澤先生の本、他にも気になってるのが沢山あるから、連休中に買いに行こうかな。

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2024年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

各エピソードを読み終わるたびにちょっと頭を休めたくなる一冊でした。
銃を撃ちたい新米警官の話と、資源開拓する商社マンの話、めっちゃおもしろかった。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

6篇の短編集で、400ページ弱あるが飽きずに読むことができた。とにかく面白くてサクサク読めました!
それぞれいろんなテーマのバラエティに富んだ6作だった。

殺人の動機には犯人のいろいろな感情や出来事が織り交ざっていて、真髄は周りの人間には到底理解できるものではないのだと感じた。周りの人間がこうではないか、おそらく動機はそれではないかと色々詮索したところで、それはただの憶測であり無駄なことなのかもしれない。
全ての話において、読者を含め主人公が推理していたことが覆され、殺人をした本当の動機を後から知らさせることになりました。
罪を犯してしまった犯人の思いが、切なく描写されていてなんだか同情してしまいそうな作品もあった。

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2024年04月16日

Posted by ブクログ

かなり前に読んで面白かった覚えがあり、内容うる覚えだったので再読。どの話も人間のじっとりした感情が理屈を超えた展開を作っていて面白い。

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

どれもおもしろかった。
短編は話の展開が急過ぎる場合がありがちだが、そういうことがなかった。
意外な展開に、ぞっとさせられた。
これぞミステリーというもの。
米澤穂信さんの作品は初めてだったが、すごく読みやすくしっかりした文章だと感じた。
また機会があれば他の作品も読んでみたい。

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2024年03月14日

匿名

購入済み

どれもざらつく読後感でオチに一癖あって良かったです。

個人的には万灯が一番面白かったです。最初は取っ付き難い内容だなと苦手に思っていましたが、読み進めてみるとオチがどれよりも好きでした。

逆に評価の高い柘榴と関守は途中でオチが読めてしまって個人的には響かなかったかな…。

この本が好きなら同作者の「儚い羊たちの祝宴」にも好きな話が見つかるんじゃないでしょうか。

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2020年10月19日

Posted by ブクログ

登場人物の魅力ではなく、語り手のストーリーの面白さのみで推し進めていく本。短編なのに濃い。変に連作としてストーリーを関連付けないのが、各々の作品の良さがみれていい。

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2024年05月25日

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最初の警察官のお話で、グッと惹き込まれました。ええ!そういうことなの!?となりました。
他のお話も全て薄気味悪い感じのお話ですが、面白いです!!さすがです!

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2024年05月11日

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全6編の短編小説で、それぞれは独立した物語ですが、すべての物語の結末でなんともいえない感情になります。
特に夜警の物語が好きで、序盤の伏線から最後の結末まで完璧でした。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ


こちらも昔ハマっていてよく読んでいた作家さん。
たしか、「折れた竜骨」以来になるかな。
気づけば10年以上ご無沙汰していた。

さて、そんな超お久しぶりの米澤穂信作品。バラエティに富んだ6つの独立した小説が収録されている短編集。前回出席した読書会で出会い、タイトルはその評判とともに知っていたので、気まぐれに手に取ってみた。

まずは1番目の夜警ですっかりやられてしまった。
なさけ容赦なく本格派なミステリーだ。
読んでいるときはそうとも気づかないような些細ないくつもの伏線が、こんなに短い物語の中でひとつの事象に回収される。小気味良いとともに、物語としては胸をざわつかせる不穏な後味を残す。

2作目以降、キャラクターや舞台設定は全然違うし、ストーリーの構造もひとつひとつ全部違う。
だけど読み終えるたびにその種明かしにうわぁっとなり、やはり気持ちがざわついてあとをひいてくる。

その中でも夜警と万灯、最後の表題作、満願に特に気持ちを持っていかれた。

小説のはじめから最後まで、その物語の状況や人物の描写が、読み終えたときに過不足なく、揺るぎなくそこにあったと気づかされる。
定義はいろいろあって人それぞれ違えども、私にとっての本格ミステリーってこういうのだわ…と改めて思った。
めちゃくちゃ面白かった。

しかし前回読んだ辻村深月さんといい、追いかけたくなる作家さんが増えて困るな。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

米澤穂信先生の作品は毎回読みやすいですね。
短編集が得意な先生なので、さすがだなって思いました。どれも最後は驚く感じの終わり方で個人的に好きなのは柘榴は意外どな終わり方というか因果応報でもある終わり方でした。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

ミステリーの短編集
短編なので圧倒的な読後感というのはないけど読みやすかったです
ミステリーとしては死人宿、関守が面白かったです
ヒューマンドラマとしては万灯、満願が面白かったです

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2024年04月18日

Posted by ブクログ

初めてイヤミスというジャンルを読んだ。読む前は何でわざわざ嫌な気分にならないといけないんだと思っていたけど、確かに後味は悪いが、話に引き込まれて楽しめた。個人的には夜警、関守、万灯が好みだった。柘榴はちょっとエグくてきつかった。

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

短編なのにどの作品もとても丁寧で、話の中にすぐに引き込まれる。

一度引き込まれたら抜け出せなくなり、先が気になってまた読んでしまう。
終盤は「ここまで読んだらもう離さないぞ!」と言わんばかりのつかみ方で、読んだ後までゾゾッとさせる。
米澤さんの本は初めて読んだけど、引き込ませる力がとても強いと感じた。

星5ではないのは、自分の好きなミステリーではなかったため。
館のクローズドサークルがやっぱり好きなので、今度は『インシテミル』を読みたい。

米澤作品を読んだきっかけは、綾辻行人さんの『時計館の殺人』の解説を米澤さんが書かれていてとても共感したので。
Audibleにて。

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2024年04月09日

Posted by ブクログ

「満願」と言う題名、四国八十八ヶ所回る事を満願とも言うが、少しスピリチュアルな香りがする。6つの短編で構成されているようだ。
さて、内容はどうか、ページを開いてみた。

新人の小心ものの巡査のとる行動とエゴに対し、上司の柳岡巡査部長の葛藤が描かれた「夜景」。どんな職場でも適材適所はある。
証券会社社員の私と大学職員の佐和子、佐和子のエゴに脅威を感じる「死人宿」。遺書が誰のものか?ありそうにないことも起こり得る。
皆川さおりは大学のゼミで知り合った佐原成海と結婚するが・・・娘の夕子の異常さに慄く「柘榴」
バングラデシュで天然ガス開発に携わる伊丹、そして森下の仕事と人の命の天秤、そして犯罪を犯した者への制裁は・・・「万灯」
フリーライターの俺が都市伝説の仕事を請け負う。取材に行ったドライブイン店主のばあさんから話を聞く構成の「関守」

表題作の「満願」、弁護士を目指す藤井が下宿していた先の大家が、鵜川夫妻。畳屋を営む夫の重治は評判が悪く借金、肝硬変で入院してからは、金貸の矢場英司は妻の妙子に取り立てする。そして事件は起こる。その弁護を弁護士になった藤井が担当する。真実はひとつ。動機も明快だ。しかし、人の奥底に眠る思いの冷酷さが最も伝わってきた作品だった。

各作品とも登場人物のエゴに焦点を当てている。そしてその思いを成就させるプロセスを上手く描いている。各章の題名もよく練られている。ミステリー、ホラーの範疇ではなく、人の心の奥底を抉る秀逸な作品だった。
(注)四国巡礼はどこにもない。

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2024年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全六編の短編小説が全て違った方向で書かれたミステリー作品である。これは先日読んだ『真実の10メートル手前』と似たような方式であったが、『真実の10メートル手前』では同じ主人公が別々の話に登場すると言う形だったが、本書は本当に全く異なる作品が6つという形だった。
よくもこんな短い文章の中で心をざわざわさせるストーリーが描けるのかとただただ感心した。
全六編のうち私が1番好きだったのは「柘榴」である。
ある男を巡る女の争いを描いたものであったが、なんとも言えない気持ち悪さが残ったのである。続きを描こうと思えば、いくらでも書くことは出来たと思うが、敢えてあの書き方で終わらせる所に米澤さんの凄さが詰め込まれていると思った。
「関守」もブラックジョーク的な謎解きをしているうちに罠に嵌っていくストーリー性が秀逸だった。
星を1つ下げたのが、私の理解力が少ないのかもしれないが、本のタイトルになっていた「満願」が1番後残りが多い感じがして、モヤモヤのまま終わってしまった点である。
ここは様々な解説サイトも見てみようと思う。

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2024年03月27日

Posted by ブクログ

「夜警」と「柘榴」、「万灯」が面白かった。
始まりの夜警に、全部持って行かれた感はある。短編とは思えないぐらいのトリックにびっくり。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

以前に読んだことがあると思ったのだけれど、改めて本書を手に取り、再読。うまく表現できないけれど、とても引き込まれるミステリー小説。巻末の解説に「切実な」という一言が。さすが文芸評論家、ぴったりの一言だと思う。連続性ある短編集が流行る中、一つひとつが独立した読み応えある物語になっていて、満足でした。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

柘榴、やばすぎる、、、、。

それぞれが独立した短編であるため、隙間時間に読むのに非常に適している。短編はそれぞれ非常に面白く退屈することはないだろう。特に柘榴の結末は、「儚い羊たちの祝宴」を彷彿とさせる。

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

ひとつひとつテイストが違う6つのミステリー短篇。
ミステリーの幕の内弁当のよう。
ぞっとしたり、怖かったり、うなったり、ひとつひとつ心に確実に刻まれます。

「このミステリーがすごい!」(宝島社)
「週刊文春ミステリーベスト10」
「ミステリーが読みたい」(早川書房)
全て1位のミステリー3冠
山本周五郎賞受賞
というのも納得のおもしろさでした。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

王様のブランチきっかけで手にとった本。
短編集なのにすごく濃厚だった。ミステリー要素が短編ごとにガラリと変わって引き込まれるように読めた。
難しい言葉(漢字)が多いのが難点。
ググりまくった。

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

ミステリーと言えるほどトリックがあるわけではないんだけど、人の本質を考えることで真相に辿り着く話が多い短編集。

短編集といっても、1つ1つ丁寧に物語が作られているため読み応えがある。
最後の真相を知ってゾクっとすることが多いけど、好き嫌いが分かれる部分ながら、ミステリーファンなら多くの人が気に入る作風と思う。

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2024年03月15日

Posted by ブクログ

米澤さんはなぜ中央アジアや南西アジアが舞台の話を書くのがうまいのだろう?行ったことがないのに、その土地の空気感や明るさ、埃や水の質感まで手に取るように感じることができてしまう。その点で「万灯」が記憶に残る話だった。
「王とサーカス」を読んで米澤さん作品が好きになった方におすすめ。
「柘榴」は「儚い羊たちの祝宴」を思わせる雰囲気なので、こちらも羊たちから入った方は特に楽しめると思います。

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

心がざわつく短編6話

・夜警…警察官という職業。職業であるからしてそれに向いているから警察官である!と言うことは断じてない。過去の苦い記憶。新しく部下となった川藤はそれを思い起こさせる〝警官に向かない男〟であった。
ことの顛末と真相を知る時、交番勤務・柳岡巡査部長(交番長)と共にざわつく。

・死人宿…人里離れた山奥にひっそりと佇む宿。心を病み消えた恋人の行方を探していた男はその宿で中居として働く恋人と再開する。死にたい者が集まる宿で男は心を試される。自死を決意する人の心は強いのか弱いのか。分からないからざわつく。

・柘榴…美しい母は、生活力がなく殆ど家に帰ることのない父に代わり私たち姉妹を一生懸命に育ててくれた。
夫は滅多に家に帰っては来ないけれど、たまに帰ってきた時は父親として子どもたちをしっかりと見てくれた。
子どもたちもまた父のことが好きだった。
美しさに絡め取られた女の執念にざわつく。

・万灯…水、ガス、石油、私たちは自然の恵みの恩恵の中に生きている。ライフラインそれは命綱。
発展途上の地より採掘した資源を日本に持ち帰りたい。街の灯りを私の手により届けたい。
ただそのためだけに人生を賭けた男への審判がくだろうとしていた。
どこで間違ったのだろうか。境界線を超えた先に待ち受ける恐怖にざわつく。

・関守…日銭暮らしの売れないライター。編集者からの依頼。興味もない都市伝説系の数ページ。そっち系に詳しい同業の先輩に紹介されたのは、なんでもないカーブで起きる転落事故。訪れたのは険しい山間の峠にあるポツンと佇む茶屋。
じんわりと真相にたどり着く様に巻き込まれた男の運命を思いざわつく。

・満願…価値ある物は人によって違う。やがて弁護士となった私は、かつて下宿先として世話になった家人の弁護に関わることとなる。当時、下宿先の主人は私を快くは思っていなかった。優しかった奥さんはなぜ人を殺めてしまったのか。
他人から見れば〝そんなことで〟と思うようなことでも私たちはそれぞれに大切にしているものがある。その想いの果てにあるやりきれなさにざわつく。

今年の6冊目

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2024年05月21日

H

購入済み

夜警、死人宿、柘榴、万灯、関守、満願の6つの短編集です。個人的には、死人宿と満願が後に残りました。その他の4篇も標準以上です。
米澤さんの作品は、古典部シリーズしか読んでいませんが、短編も味があると思います。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

暗い。
イヤミスとかどんでん返し系とは違う裏切られ方。それはミステリーのそれではなく、人の憎悪からくるものなだけにめちゃくちゃ気が滅入る。
とにかく暗い内容。
文章は上手く読みやすい、テンポもいいし読者を惹き込むのが上手いと思う。
文章だけでここまで嫌な気持ちさせることは、小説としてはすばらしいんだと思うけど。

ただ、人には薦めない。
暗く重い、人にその擬似体験をして欲しいと思わない。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

短編集として非常に優秀な作品。どれもテイストが違うミステリとなっており、それぞれ異なる楽しみ方が出来る。ただ殆どが湿っぽいイヤミスになっており、個人的にはそれほど好きではなかった。

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2024年04月05日

Posted by ブクログ

米澤穂信さんの作品は初めて読みましたが、どれも引き込まれて、短篇では勿体ないと思わされる作品ばかりでした。人間の弱さや目を背けたくなるような一面が露わになり、なんとも言えない気持ちになりました。
作品としては面白く、比較的スムーズに読み進められましたが、私の好みかと言うと少し違うかなと思いました。

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2024年03月16日

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