【感想・ネタバレ】「南京事件」を調査せよのレビュー

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無かったら良かった、南京虐殺

死者の人数は30万でも千人でも、民間人が意味もなく殺されたのは事実。それが戦争なんだと思う。
戦争は軍人だけが戦って死ぬのではなく、民間人も蹂躙されて殺されていく。
戦争はしちゃいかんと、再確認した。

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2021年12月11日

Posted by ブクログ

【歴史に興味があっても、なくても読んでほしい】

「事実は小説よりも奇なり」
ぼくたちはすべてを見ることができなければ、聞くこともできない。残念ながら、自分自身の目で確かめられることだって限られてしまう。
だからこそ、真実を得るための「優良な本」が必要なのである。

様々な資料、調査を経て書かれたこの一冊は限りなく事実に近いものだろうと言わざるをえない。

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2021年03月07日

Posted by ブクログ

南京が陥落したときの従軍兵士の日記などの一次資料をベースに、徹底的な裏取りを進めていく過程を記録した著作。もともとは民放テレビのドキュメンタリー番組制作のために行った取材の顛末をまとめている。取材を通じて出会う様々な年代の日本人と中国人との対話を通じて著者自身葛藤していく様子もわかる。なるべく多くの人が読むべき本だと考えた。

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2021年01月06日

Posted by ブクログ

"南京事件はあったのか?なかったのか?77年前に起こった事実を調査し検証していくノンフィクション。著者の清水潔さんの本は「殺人犯はそこにいる」を読んでから、注目していた人物。この方が調査し検証してくださることで、信ぴょう性が格段に上がる。
調査報道ということは、どのような手順で調査し、裏付けをとり、事実認定を重ねていくのかを懇切丁寧に説明し実行していき、報道すること。とてつもない時間と労力が必要になる作業だ。
当時現場にいた人で、存命中の方を探し、その方々の証言や日記などの記録を調べる。残念ながら多く方は、お亡くなりになっている。日記に記載されている万年筆が、当時存在していたかも検証する。日記に記載されていた事柄についても公式に記録された別資料を当たり確認を重ねていく。

特集番組が放映されたとある。そちらはまだ未見なので、必ず見てみたい。
NNNドキュメント「南京事件 兵士たちの遺言」2015年10月4日放送

早速ググったら、動画がありました。"

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2018年11月25日

Posted by ブクログ

私はこれを読むまでは南京事件などなかったのだとか、一般人というのはすべて便衣兵だったのだ、30万人など当時の南京にいなかったのだからその数字は中国のでっち上げなのだという意見を信じたいという側の人間だった。それは現代の平和な日本に住み、優しくまじめな日本人を見ていてそんなことがあり得るのだろうかと考えていた。しかし、この本を読んで、兵士の日記や写真から人数の正確さは証明できないまでも日本兵が犯した殺戮は否定しようもない。人数は関係ないのだと思える。兵士の日記には切り取られて事実がわからない部分が何ページかあったそうだ。それだけでどれほどの恐ろしいことが行われていたのかが逆に想像できてしまう。これまで朝鮮への軍隊の出兵は日本人を保護するためと言われていたりするが、後々まで日本軍は兵を引くことをしなかった。朝鮮にも中国にも明らかな侵略だったと思える。私は戦国時代の日本を思い起こした。切腹と捕虜になるくらいなら自害するという考え方は日本人の独特のプライドの高さだと思った。もちろん戦争とはこういうもので日本だけがそうではないが、他国と同様日本人も相当なひどいことをしたという事実はしっかりと認めていく必要があり、決して消し去られるものではなく、また繰り返してはいけないと思った。被害者は忘れることは不可能だと思うけれど、それでも未来に向かって互いに手を携えていかなくてはいけないと思う。互いに自分たちの都合の良いように解釈するのはもうやめなくてはいけない。

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2018年02月15日

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戦争は悲劇しか生まれない。命の尊厳や人権を蹂躙されて精神が蝕まれる。それは加害側・被害側双方であり、どうもこの国は被害側の視点でしか語ろうとしない。それでいいのか、日本の加害もしっかと過去に刻み込まれている。そこを看過するのは罪深い。私たちは加害の出来事を知る学びを大切にすべきである。それが歴史、平和につながる歩みではないか。民族という大雑把なカテゴリーに固執する思想に持続可能性などあるものか。

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2023年06月27日

Posted by ブクログ

清水潔が南京事件(敢えてそう呼ぶ)の調査報道をしてるってそりゃ読むでしょう。素晴らしい一冊。 NNNドキュメントの該当の回も併せて観たのでわかりやすかった。南京事件は高校の頃に知って、歴史は語る側によって幾つもあるんだという事を理解できた思い出深い話題なので興味深く読んだ。まあ捕虜は1万人単位で殺してるなあというのが合理的な判断だと思う。この調査報道のスタイルはとても素晴らしいと思う。

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2022年03月30日

Posted by ブクログ

南京大虐殺は中学校の時に5行ぐらい登場した。先生が「あまり深堀りしません」と、ほとんどスルーだった。

大人になって、テレビで知って「嘘だ…信じたくない」と思って、祖母に聞いたのを思い出す。「日本人は悪いことしたの?」と。返事は「うーん、確かあったんだと思うよ。戦争は人が狂うから。」だった。

それから「第二次世界大戦は、日本がアジア圏を守るための戦争だったけれど、勝者に歴史を書かれて悪者にされた。」という説を容易く信じた。
おそらく、「信じたいものを信じてしまう」というやつだったと、この本を読んだ今は思う。かくいう私も、清水氏がいう「一点突破派」だったのだ。
人数がありえないから「捏造に違いない」と。
そして、日本人を何かと陥れようとしたり、敵視してくる中国人をどこか侮蔑の思いで見ていた。
近場に中国人がいてもどこか「日本人に、憧れる下級民族」みたいな思いがあったと思う。

そして、この本を手に取ったのも「捏造を肯定してくれるだろうから」という動機が潜んでいたのは否めない。

だけど、だけど。
読んでいる最中に、がっくり心が折れた。
この中のことに一つ一つ裏付けがあるのも、否定しようがない。何より、日本が「なかったことにしたい」ときの方法が今と全く変わってない。
愕然だった。

「自分の見たいものを見たいように見たい」や
「明確になっていないものを知りたい事実に基づいて早くジャッジしたい」という気持ちは、本当に「知る」ことに結びつかない、ということを、この本(清水氏)はしっかり教えてくれた。
事実がしっかりと中立に明確になったとき、それは自分にとって不都合な事実かもしれない。だけど、それこそを受け止めるということ。それが「知る」ことなのかもしれないと感じた。

日本人として、人間として、「過ちは繰り返せない」と痛切に感じた。心に残った1冊。

YouTubeに、この本が映像になった番組が出ていて、リアルに目視で内容を確認出来て、戦争は本当に人間を人間ではなくしてしまう、と感じました。

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2021年08月17日

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1937年12月、日本軍による南京大虐殺はあったのか、なかったのか。詳細な調査報道により事実を明らかにする著者の真骨頂がここにある。ただ、第5章以降は正直いらないかな...。事実を集積し、クリティカルに論ずることからは若干乖離している。また、他の虐殺についての言及もいらない。それは読者が考えるべきことだからだ。

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2020年05月31日

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清水潔のジャーナリズム、もっと具体的に言うと、取材や調査の仕方が徹底的で好きだ。だからこそ、彼が南京大虐殺に挑むとなれば、これを読まない手はない。真相が暴かれると期待する。しかし、今回はさすがにハードルが高い。既に関係者が殆ど生存しておらず、調査し尽くされてきた分野。自ず、過去の調査を辿り、そこで手に入れた日記を頼る事になる ー 目新しい事は、やはりない。

その日記が正しいかを追求しなければ、結果、日本政府の基本的理解の通り、虐殺はあった、しかし、数は諸説あるという結論に至る。そこで、調査停止。うーむ。

どうしたのか、そこから、虐殺否定派への抗弁となり、更には、自らを戦争加害者の孫、被害者の息子としと、奇妙なバランスを主張しながら、旅順大虐殺を紹介する。旅順の虐殺も、日本政府の歴史認識として、あったと認めているもの。清水潔、果ては、中国人を蔑視していた自らに気付き、反省と自己分析へ。その感情はわかるのだけれども…

究極の違和感は、結局、政府の歴史認識と同じ、虐殺はあったというスタートから一歩も動いていない、しかし、何故か、政府批判が混ざる点。あると言っている政府を批判しながら、自らも、あると言っている。戦争批判イコール、自民党批判?単純過ぎ。清水潔も衰えたか?うーむ。

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2019年10月02日

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戦後70年となる2015年に放送されたテレビ番組の取材が元になっている。大量に発生した投降者、捕虜の食料や水を確保できないことが虐殺の一因だと推測されるようで、当時の軍上層部の判断に戦慄をおぼえる。

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2018年10月21日

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日中戦争において日本軍が南京で中国の一般市民を虐殺したとされる南京事件。未だに「中国のねつ造だ」「中国のプロパガンダだ」と主張する人も多く、某大手新聞社もその見解を支持しています。著者の清水氏は従軍兵士の日記を基に可能な限り「事実」を追い求めて取材を進めています。そのプロセスは理詰めで飛躍がなく、非常に説得力のあるものです。本書を読んだ個人的な印象としては南京事件は”あった”と言ってよいのではないでしょうか。
南京事件の取材の延長上に、日清戦争で起こったもう一つの虐殺の件にも触れています。日本では教科書にもほとんど取り上げられることのない出来事であり、私も初めて本書を読んでその存在を知りました。
太平洋戦争を顧みる報道では「原爆・空襲・沖縄戦」などが多く、これは戦争によって被った被害者の視点と言えますが、日本が加害者となった事象についての報道はまだ数少ないのが現状です。その状況に一石を投じる一冊であることは間違いないと思います。次の一文が印象的でした「どれ程に長い時間が過ぎ去って、加害者側からはもはや消し去りたい歴史であっても、被害者たちは決して忘れることはない。戦争とは、つまりそういうことなのであろう」

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2017年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2017/12/27 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
2019/10/2〜10/5

丁寧な取材で定評のある清水氏が南京事件に挑んだ作品。難しい問題ではあるが、関係者の証言を掘り起こして真相らしきものに迫っていく迫真のルポ。
何を持って”大“虐殺とするか、が結局のところの問題か。一般人を殺害したのは間違いないんだろうし、それについては反省と謝罪が間違いなく必要だろうが、清水氏の取材でも結局のところ人数については触れられていない。全く無かったことにしたい日本と、少しでも被害を大きく見せたい中国。今になって確信的な証拠が出るとは考えにくく、このまま言い合いをしていても結論は出ないだろう。どこかで折り合いをつけないといけないんだろうな。(それは、某半島の国とも言えることだが)

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2019年10月05日

Posted by ブクログ

どうしても南京大虐殺は無かったとしたい戦後の人間であるが、この本ではまず第一史料に当たることの大切さと、それの検証を徹底していることに、取材、調査のあり方は評価すべきものがある。
それはいかに自分が、考えているようでも、他者の説に乗っかっていることを指摘されているようでもあるからだろう。
この本では、南京大虐殺があったか無かったかということを決めつけているものではない。
真実を知ることはより困難なことで辛くもある。そしてただ願わくばどちらにしろ戦争で亡くなった人らが安らかに眠れるよう、自国他国ともに政治的に利用しないで欲しいものである。

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2018年09月22日

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