感情タグBEST3
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タイトル通り鳥肌のたつような話が集められていて、普段の穂村さんのエッセイ集とは少し手触りが違います。独り暮らしの女性がある日目を覚ましたら部屋の中にシャボン玉が浮いてたという話と、作家の曾祖父が階段の踊り場で殺されてた話が特にゾゾゾでした。あ、あとあの、検索してもハートなんて動物が出てこないんですけど…(怯)。
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共感の嵐。特にあとがきの飲み会の話に共感してグサッときてしまった。コロナ禍以降、そういう飲み会もないのだけど。
製本に使われている糸が蛍光のピンク色だったりシュールなイラストがあったりと、装丁が個性的かつきれいですてき。
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鳥肌が立つような「怖いもの」がテーマのエッセイ。私はホラー苦手派だけど、大丈夫な系の怖さです。たしかにぞわっとしたりもするんだけど、なんだか笑える。
あらためて眺めてみると、この世は不思議に溢れているんだなあ。
楽しく読んでいただけなのに、自然と臆病な人の素敵なところが見えてきた。
些細なものも含めて色々なものを怖がる穂村さんは、すっごく臆病。でも、そんな穂村さんだからこそ見えてくるものがあって、感性があるのがわかる。
めちゃくちゃ怖がりだとしても、あるいはこの世が怖いものだらけだとしても、別にいいんじゃないかな。むしろそのままであってほしいくらいかも。と人生で初めて思えた。
私も、ホラーが苦手なままの私でいいや。みんなで一緒に怖がろうぜ。
穂村さんは、ファンタジーがすぐ隣にあるかもしれないっていうユーモア感覚を持っていておもしろい。だからあんな風にファンタジーと現実が違和感なく素敵に入り混じった短歌を作れるんだなあ。それにやっぱり文章がとっても上手。
やっぱり大好きだなあと思ったので、いつかサイン会に行きたいです。穂村さんは怖いかもしれないけど。
〈装丁のこと〉
引いちゃうほど怖くも気持ち悪くもないし、なんだか手に取りたくなる不思議な可愛さがあるんだけど、ちゃんと不穏さも感じ取れる。完璧なデザインだと思う!
装画の力はかなり強い。なんとなく怖いような可愛くも見えるような、気味が悪いとまでは思わないけどなんとも言えない違和感のあるこの絵。画家さんのチョイス、絶妙です。ピンクのような紫のようなアクセント色も近づきたくなる魅力がありつつあやしいし、抱えているぬいぐるみ?も可愛いけどなんか怖い気も…。まさにこの本にぴったり!
中の扉絵を見た感じ、この絵にはもともと乳首が描かれていたようだけど表紙では消したようです。大人の事情か何かの配慮かわからないけど、セクシー要素は本作にはないし間違った印象を与えたくないので、画家さんさえ不服でなければ英断だと思います。
さらに特殊加工でこの人物部分のみドットの凹凸加工がされていて、鳥肌が立っているように表現されていました。ちょっとキモいかと思いきやギリギリキモくない楽しさ。ドット同士の間隔の広さがすごくいいんだと思う。もっと狭かったら気持ち悪くなってた。これも絶妙です。
そして中身、非常に読みやすい本文デザインの中にまたこの画家さんの謎の絵が差し挟まれる……薄めの紙で。しかも文の途中とかでも全然かまわず急に……!それがワッとおどかされるような小さな気味の悪さがあって、素晴らしかった。でもやっぱり嫌な怖さじゃないんだよなあ。
しおりひもも、可愛い明るいピンクなんだけどなんか知らんけど普通より細いのがいっぱい何本もあってなにこれ意味わからんくてキモい!!(褒め言葉)
最後に目次があるのもなんか変な違和感があって、でもキレイで好きだった。これ怪談集だったんか?みたいな気分で振り返ることができた。
いやあ最高でした。と思って奥付見たらたしか祖父江慎さんだった。さすがだ。さすがすぎる。
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宅配で届いた本を暗がりで触って、うわすごい気持ち悪い汚れがついてるから後でエタノールで拭こう、と思ったのですがどうやら特殊印刷でした。
タイトル通りで大成功か。
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世の中にこんなに、こわいと感じることがあるとは。
とは言えど、『怖い』というより『コワい』と表現する方がこの場合しっくりくるような気がします。
目のつけどころが違います。歌人だからでしょうか。
穂村さん、面白すぎです。
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はっきりとは意識していなくても、言われれば何となくわかるような、いろんな「びくびく」をつづったエッセイ。愛が怖い、可能性が怖い、あなたが怖い…見ていた景色がひっくり返る瞬間の鳥肌を絶妙に心地よい筆致であらわしてくれる。
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装丁も挿絵もしおりも素敵。
くすっと笑ってしまうレベルからぞくっとしてしまう怖さまでいろいろ。
よそんちのこわさとか。
絶妙なタイミングで短歌紹介がなされていたり。
打ち上げの飲み会どうなったか知りたい。
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「他人という存在の扉を叩く行為は本質的には常に恐ろしい。何故なら、他人とは、自分とは異なる命の塊だから。そこには眩しいほどの未知性が詰まっている。それこそが恐怖の源であり、同時に喜びの源でもあるのだろう。」(他人に声をかける p.27)
「蜻蛉を喰いたいと蛙が云うのだ。おたまじゃくしの仇を討つと(中村みゆき)」(ヤゴと電卓 p.68)
「飲みこみて残らぬことの多しといふ血のつきたる猫の乳歯拾ひつ(横山未来子)」(落ちている p.107)
「だから、わたしは過去に遡って「これ以外の今」に辿り着く可能性を探さずにいられなかった。ドミノ倒しが別の道に向ってゆくような運命の分岐点を探していたのだ。そんなことをしても、どうしようもないのに。」(しまった、しまった、しまった p.139)
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違った種類の鳥肌話
「原材料という不安」
恐ろしい、、、、、
「ヤゴと電卓」
短歌という限られた字数で、すごい人がいるんだな
私自身、ビビりで初めての事、場所、人、が怖すぎる性格。
他にもこんな人がいるってわかって、実は安心した。
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文字通り「鳥肌」をテーマにしたエッセイ。表紙にイボイボがエンボス加工みたいに施されていて、それが鳥肌と気づき、遊びごころに感服。意図はわからないけど、細い3本の糸のスピンも変わっている。いろいろ調べていたら、綴じ紐も同じ糸をつかっているということで、凝視してしまった。
内容は、ぞっとしたとき、感動したときなど、いろんな状況で鳥肌は立つけれど、恐怖によって鳥肌が立つ状況について書かれている。
声を出して笑ってしまったのは、夜半に上司と泊まったビジネスホテルの一室で目覚めたら、テーブルの上に髪の毛の塊があって絶叫したというもの。上司の鬘だったというオチなのだが、その絶叫に驚いて起きて来た上司の風貌を見て、また驚愕したというくだり。夜中の3時に読んでいて大笑い。そんなわたしも、傍から見たら鳥肌ものだったかも。
毎度、穂村さんのエッセイは、感服と敬意と笑いと納得と、さまざまな感情を引き起こしてくれる。
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久しぶりの穂村さん。
『鳥肌が』。
本のカバーそのものに鳥肌が立っており、その時点で面白い。(無数の小さな凹凸がある)
本書はちょっとぞっとしたり、今考えたら怖いかも、というようなことをまとめたエッセイ。
よくよく考えたら怖い内容の短歌の考察を交えているのが個人的には嬉しい。
穂村さんの文章を読んでいると、ネガティブなことや、こわがりなこと、なんとなくちょっとダサいことが肯定されているような気がして、安心できる。
あまりに自身の恥ずかしい体験、格好悪い体験を赤裸々に、おもしろおかしく語るから。
(どなたかが解説に、その赤裸々さによって女心を掴んでいる、あざとい、と書いているのも読んだ記憶があるけれど。笑)
P.11
父の小皿にたけのこの根元私のに穂先を多く母が盛りたる 中山雪
P.41
ほんとうはあなたは無呼吸症候群おしえないまま隣でねむる 鈴木美紀子
P.75
ずっと以前のこと。電車の中で今までつきあった相手のことをぼんやり思い出していて、彼女たちが全員長女でしかも一人として男兄弟をもっていないことに気づいた時、ぶわっと変な汗が出た。外見のタイプなどはばらばらなんだけど、唯一の共通点が姉妹の姉限定。これって、これって、何を意味しているんだろう。それから数年後にできた恋人に弟がいることを知った時、何故かほっとした。やった、解けたぞ。呪縛。呪縛?いったい何の?
(私も末っ子しか付き合ったことないな、呪縛かな、と思うなどした)
P.224
子供の頃、友達の家に遊びに行くと、玄関のところではっとした。匂いが違うのだ。そう感じるのは、私だけではないらしく、Fくんの家は「ネズミのおしっこの匂い」だと云われていた。
だが、変な匂いがするのは、Fくんの家だけではなかった。程度の差はあっても、どの家にもそれはあった。それなのに、不思議なことに自分の家には感じない。慣れちゃったのかな。でも、たぶん、友達は感じてるんだろうかな。そう思って不安になった。僕んちはどんな匂いがしてるんだろう。
P.245
昔からこわがりだった。初めてのことやよく知らないことに対して、わくわくする、という気持ちより、こわい、という気持ちが先立ってしまう。海外旅行や習い事や同窓会はもちろん、飲み会なども苦手だ。素面の時とは場のテンションが変わるから。それが楽しい、というのはわかるけど、私には不安の方が大きい。
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リアルに怖い怪談(?)や、穂村さんのメンタリティゆえに感じる恐怖など、もろもろの怖い話があつまったエッセイ集(後者が多い)。
後者の怖さについて娘と話して共感しあった。どこに怖さを感じるかって、その人のある側面をかなりあらわしてる気がして面白い。
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わかるこれ怖いよね。え、これも怖いの?と思うような恐怖がいろいろ。時々ゾッとしたり、でもクスッと笑えたりと。
読みながら表紙のぶつぶつを
なでなでしてました。ふふ
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これを機にエッセイとかを読んでみたい。子供のおしっこが汚くないから、ためておいて後で流すと言うエピソードが面白かった。後はいつもと違う世界のように感じるエピソードも面白かった。
友達の家で、トイレマットの代わりに新聞紙をひいている家庭があって、ドン引きしたことを思い出した。
2020/08/30
電車で読むのに最適。
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小さな子供と大きな犬が遊んでいるのを見るのがこわい。自分以外の全員は実は......という状況がこわい。「よそんち」の不思議なルールがこわい。赤ちゃんを手渡されると、何をするかわからない自分がこわい......。
日常の中でふと覚える違和感、現実の中に時折そっと顔を覗かせる「ズレ」、隣にいる人のちょっと笑える言動。それをつきつめていくと、思わぬ答えが導き出されていく。こわいから惹かれる、こわいからつい見てしまう。ただ、その裏にあるものを知った時、もう今まで通りではいられない!?
ユーモア満載で可笑しいのに、笑った後でその可笑しさの意味に気がついたとき、ふと背筋が寒くなる。そんな44の瞬間を集めた、笑いと恐怖が紙一重で同居するエッセイ集。
「PHP」HP内容紹介より
日常の風景に対する認識が激変してしまいそうな怖さのあるエッセイ集.
先日見た映画のテーマに通じるものを感じる.
「未来が過去を変える」
過去が未来を変えるというのはよく言われるところ.その映画では、未来が過去を変えると言っている.すなわち、過去にあった事象に対する認識が未来に起こった出来事によって違うものに上書きされる、ということ.
これに近い感覚を本書を読んでいて味わった.
穂村さんの本って、何気ない日常が描かれてあるのに、書かれてないことに恐怖する、そんな感じなんだ.
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ぞわっと鳥肌が立つような、じわっと(当人にとってのみ)怖く感じることについて書いたエッセイ。ものすごく共感出来ることも多々あり。基本世の中にびびりながら生きている点に親近感を覚えます…。
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ほむほむこと歌人の穂村弘さんの‘恐怖’をテーマにしたエッセイ。講談社エッセイ賞受賞。
子供の頃から怖がりの私にはドンピシャな本でした。
次々繰り出される恐怖エピソードにいちいち共感、というか共震(恐怖なだけに(* ̄∇ ̄*))しまくり。
ちょっと怖がりで心配性な人のあるあるエピソードから、ある意味病的で読んでいると『鳥肌が』立ちそうなものまで。
共通するのは自分や他人、それを含む‘世界’の訳の分からなさ。分かっているはずのモノが突然分からなくなる、そんな恐怖。
私が一番怖くて面白いと思ったのが穂村さんの友人の話。
‘私の友人がある日ひどく怒っていた。
「ビール券なんか送ってきたんだよ」
「ビール券...」
「どういうつもりなんだろう」
「......」
「ふざけてる」
「......」
「もうあいつとは付き合わないよ」
「......」
(中略)
穂村「ビール、好きじゃないんだね」
友人「え、ビールは飲むよ」’
ご友人の理由は「ビール券=通俗的なもの」で自分が通俗的な人間と見られたのが許せない、というもの。
一見コントのようだがやっぱりオソロシイ、と思う。
彼には(もしかしたら読んでる方にもかもしれないけど)常識なのだ。
ぞくり、や、ぞわり。
日常の底が抜けかかるような、そんな気分になるエッセイ。
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いくつか、本当に鳥肌がたった。
何より衝撃的だったのがスピンである。
上を向いて読んでいたのだが、するりと蛍光ピンクの糸が手に絡み付いてきた。
現状を把握するまでのパニックは思い出すと楽しいものである。
「自分で自分をぽいっと捨てちゃうフラグ」
あぁ、幼い私の説明できぬ恐怖はこれだったのか。
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この本、いつものエッセイよりも、少し踏み込んだ感じがする。
おなじみの日常の中の暗黙のルールに右往左往する話のレベルが
常識と思うラインを少し逸脱しそうな、きわの部分に焦点を合わせてる。
読みながらゾクッとするような、
普通と見えていつの間にか違う世界に踏み込んでいる恐怖。
「そっくりさん」の話はかなり怖かったー。
挿絵の、気持ちがさわさわするようなタッチ。
つるつるして冷たさのある紙質も、内容を補完するようで。
1本と見せかけて、細い糸がたばねられていた栞も
読んでる途中に気付いてドキッとした。
「私の人生を四文字で表すならびくびくだ」の記述に爆笑する。
タイトルとしては、連載時の「鳥肌と涙目」の方が好きかも。
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豊かな想像力ゆえにいつもなにかに怯え、鳥肌を立てている。そんな穂村氏が日々見聞きするちょっと怖いお話の数々。
例えばビルの屋上で、そんな事は絶対にしないと理屈では分かっているけれど、気の迷いでふと飛び降りてしまうのではないか、そんな自分の不確実さが怖くて、だから屋上のフェンスは頑丈で高くないと嫌だ。そんな事を考えるのは私だけではなかったのだと安心した。
小心者同士だからか、穂村氏のエッセイには共感するところが多くて困るやら嬉しいやら。
でもこのエッセイで一番怖かったのは、時々唐突に差し挟まれる穂村氏自身の心霊体験だった。夜寝る前に少しずつ読んでいたので、深夜の心霊話は凄まじく恐ろしかった。
表紙がエンボス加工で鳥肌仕様になっているのも、不気味な挿絵も、隅から隅まで少しずつ怖い。そういえば、しおり代わりの紐(なんていうのあれ)が3本の糸で、これが何かの拍子に手の甲をスルッと撫でた時の「い、いま手に何が触った?」という気持ち悪い感触もなかなかの効果だった。
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日常にある、ふとした違和感を捉えることが、この作者は本当に上手い。(穂村弘短歌の魅力の一側面もそこにあると思う)
小さいころに読んでいれば、眠るときに思い出して布団の中で不安になってしまったかもしれない
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穂村弘は本当に面白い
グッと読み応えのある長編を読んだ後にホッと力を抜くのに読みたくなる
得体が知れないものは怖い ただ、穂村さんは知ってからもまた怖くなっている 笑
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深夜二時に車のミラーに映ったランドセルの小学生、なんてホラーなものから、道に落ちていた得体のしれないもの、正気を疑う友人の言動、集団や個人の触れてはいけないタブー、底知れない母の愛…など、こわいもの、と言ってもいろいろあるものだなあ、と感じた。