【感想・ネタバレ】高い窓のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2021年06月14日

メモ
他の作品とは違ったヒロイン?が印象的。(他の作品も含め、そもそもヒロインというくくりでいいのかは謎。)

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Posted by ブクログ 2020年04月10日

妙な一家の妙な依頼。細かいパーツが組み合わされ、最期に明らかになる事実。ヒロインが珍しく悲惨な目に遭わないので良い。

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Posted by ブクログ 2017年05月24日

この手の文学的要素が強い小説は読み進めるのがきつい時もあると思ってるけど、今回はミステリーとしても面白かった。
いつも通り、ハードボイルドな渋いフィリップ・マーロウも楽しめる。


資産家の老女エリザベス・マードックから義娘リンダを探す依頼を受けたマーロウだったが、マードック家には秘密があった…

...続きを読む---

70
「我々が芝生を横切って近づいていくと、女は気怠そうにこちらに目を向けた。十メートル手前から見ると、とびっきりの一級品に見えた。三メートル手前から見ると、彼女は十メートル手前から眺めるべくこしらえられていることがわかった」

155
「いや、その通りだ。私はショックを受けていてね。頭が少しうわついているんだ。コーヒーをもらおう。ろくに味のしないやつを。それから紙のように薄いハムと、黴臭くなりかけたパンで作ったサンドイッチを。いや、食べるのもまだ無理かもな。それでは」

397
「その家が視界から消えていくのを見ながら、私は不思議な気持ちを抱くことになった。どう言えばいいのだろう。私を詩をひとつ書き上げ、とても出来の良い詩だったのだが、それをなくしてしまい、思い出そうとしてもまるで思い出せない時のような気持ちだった」

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Posted by ブクログ 2016年12月25日

あいかわらず、最高にエンターテイメントとして面白い小説でした。他にも美点はありますが、まずそう言いたいです。主人公の魅力を十分に楽しむことができました。個人的に買って読むぞという時に、ワクワク感の伴う数少ない作家です。訳をされている村上春樹さんもそれが分かった訳し方をしていただいていると思います。
...続きを読む他のチャンドラーの小説と少し違って、筋や人物背景がきちんと描かれています。それを吹き飛ばす勢いが減じているのがありますが、主人公マーロウの魅力が損なわれるわけではなく、随所でその行動に魅了されました。そして全体的に謎がすっきりと解決されています。それは人によって違うのでしょうけど、私は良かったと思います。
探偵の仕事は、アニメなどで多数あるような、謎を一つの糸口にして明快に解決されるものではなく。この小説の主人公のように、泥臭い中で、一部の直感から導き出され、その結果は中途半端に煮え切らないものであるというものであること。それも他にない小説かなと思っています。

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Posted by ブクログ 2022年10月17日

2度も映画化されているという名作。ミステリとしての完成度も高かったです。ただし、ミステリ好きとしてこの作品を見て読んでいるわけではないので、そこまで謎解きやプロットが面白いわけではなく。
マーロウが出ている、それだけで話や文章が魅力的になります。
マール・デイヴィス嬢に対する騎士道的な扱いには涙が出...続きを読むるくらい。あまりにもロマンチックすぎる優しさですね。

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Posted by ブクログ 2022年10月03日

チャンドラー作品の読破2作目。
希少な硬貨の行方を巡るところから、次々と事件が発生。
翻訳が村上さんということもあいまって、とても文体が生き生きとしていた。

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Posted by ブクログ 2021年04月29日

3作目を読み終わった。そしてやっと気付いた。
マーロウは、ただお酒を飲んで殴られているだけじゃなくて、ちゃんと事件の真相に辿り着くし、ヒロインを傷付けることはない。
探偵ものだから、やっぱり殺人は起こるのだけれど、登場人物が魅力的だから、とても面白く読める(屑も出てくるけど)

そして、やっぱり皮肉...続きを読むっぽいところが、村上春樹訳にぴったりだなぁと思う。

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Posted by ブクログ 2020年11月01日

全体に地味ではあるが、複雑すぎないプロットで読みどころがわかりやすい点、マードック夫人やマールなど印象的な登場人物が多い点がシリーズでも出色。樋口有介『夏の口紅』はこの作品の影響を受けているのではないかと勘繰っているのだがどうだろう。

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Posted by ブクログ 2020年04月24日

マーロウは資産家の老女に呼び出された。行方をくらませた義理の娘リンダを探して欲しい。とても貴重な金貨をリンダが持ち逃げしたというのだ。

二度映画化。


2016.9.15発行 村上春樹訳 ハヤカワ文庫  購入

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Posted by ブクログ 2019年05月11日

登場人物の屑さが際立つ作品。
マーロウが私たちが思っている『探偵』業をしっかりとこなしていて、ラストも謎解きしてくれるので最後まで読むべきですね。
それにしても、レイモンド・チャンドラーは警察とお金持ちが嫌いなんだらうか?
翻訳が村上春樹氏なので日本語訳もそれっぽいですが、言葉の並びや文章感は勉強に...続きを読むなります。

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Posted by ブクログ 2018年01月05日

古い金貨をめぐる事件が発生し、私立探偵のマーロウが引き受ける。物語が進むに連れ殺人事件も発生する。運がいいのか悪いのか、マーロウは他の人に先駆けて死体を発見する。最後は見事に事件解決と相成るわけだが、その解決するシーンが格好いい。犯人を目の前にして、静かに真相を語るのだが、そこが人情味溢れる語りなの...続きを読むだ。また、犯人ではない、過去に利用された女の扱いもハードボイルドらしく男の優しさが滲み出てくる。なお、本書はそれほど長い作品ではないが、読むのに時間がかかった。チャンドラーの他の作品(訳者は村上春樹さんではない)を読んだ時にも時間がかかったので、もともと読み進めるのに時間がかかる作家なのだろう。

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Posted by ブクログ 2017年06月17日

非常に入り組んだ複雑な話だった。
マーロウは家出した若妻と
彼女が持ち出した金貨の行方を
追っていたはずだが、
次々と死体が彼の前に現れる。
誰が、何の意図を持って
事件を起こしているのか。
それら混沌とした幾つもの筋が
まるで本格推理の様に
最後は一つの解が明らかになる。
やはり独特の語り口は味が...続きを読むあり、
それだけでもよむ価値がある。
マーロウの立ち居振る舞いは
格好良くて痺れた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月30日

高い窓

著者:レイモンド・チャンドラー
訳者:村上春樹
発行:2016年9月15日(単行本は2014.12)
ハヤカワ・ミステリ文庫

村上春樹訳で読み直すフィリップ・マーロウ。本作はシリーズ3作目。これは読んだことがなかった(たぶん)。一般的にも、日本では全7作中で一番知られていないかもしれない...続きを読むし、発表当時もアメリカでの評判はよくなかったと訳者後書きには書いてある。しかし、僕にとってはとても楽しめた作品だった。珍しくマーロウが殴られて気絶するようなシーンが全くない。殺人は3回あるが、リアルな暴力シーンがなかった。そして、謎解きがちゃんとされている作品でもあった。

(設定)
裕福な未亡人ミセス・マードックから、亡夫が残した遺産の一つである希少で高価な金貨を取り戻して欲しいと依頼。息子の嫁が持ち出して行方不明になっている。見つけ出し、取り戻し、離婚させたい、と。
ミセス・マードックには、情けない息子が。彼は行方知れずの妻にぞっこん。
一方、ミセス・マードックはお金にケチで高圧的、独善的。長く使える若い女性秘書マールにもパワハラを。しかし、マールはその自覚がなく逆に恩義を感じていいなりになっている。一種の洗脳状態にも。
マーロウが調べを進めると、ミセスはもう金貨は返ってきたからいいという話になった。どういう事情か分からぬマーロウ。
依頼を受けた直後からマーロウのことをつけてくるドジな私立探偵の自宅を訪ねると、彼が殺されていた。また、ミセスのところに持ち出された金貨について電話で照会してきた古銭商も殺された。
ミセス・マードック、息子、秘書、出て行った嫁、その友人とその夫で高級ナイトクラブ経営者、「その友人」の愛人で大変な悪が中心となって話は進んでいく。

***(個人メモ、ストーリー全バレ注意)******

ミセス・マードック(裕福な未亡人)
ジャスパー・マードック(亡夫)
ホレース・ブライト(前夫)
レスリー・マードック(息子)
リンダ・コンクエスト(レスリーの妻)

マール・デイヴィス(秘書)
アレックス・モーニー(高級ナイトクラブ経営者)
エディー・プルー(モーニーの用心棒)
ロイス・マジック(モーニー)(モーニーの妻)
ルイス・ヴァニアー(ロイスの愛人)
モーニングスター(古銭商)
ヘンチ(酔っ払い)
ジョージ・アンソン・フィリップス(私立探偵、ヘンチと同フロア)
ブリーズ(刑事)

ミセス・マードックから、亡夫が残した遺産である、とある貴重な金貨を持ち出して姿を消した嫁のリンダを探し、取り戻して、離婚させたいと依頼を受けた(マーロウは離婚は扱っていない)。その金貨は転売禁止と亡夫が公に宣言していた。

息子のレスリーがマーロウを訪ね、母親が依頼したのでは?と内容を気にしている。マーロウは守秘義務で言わない。レスリーは高級クラブ経営者のモーニーに1200ドルの借金があることを自白した。

モーニーの邸宅に行き、ロイス(ミセス・モーニー)を訪ねると、金髪美女である彼女とその愛人のヴァニアーがいた。彼女はリンダと友人なので訪ねると、6か月ほどあっていないと追い払われた。

マーロウを尾行しているちょっとドジなやつがいたので、彼を捕まえて問い詰めると、フィリップスという私立探偵だという。自分はマーロウのことを以前の事件で見かけて知っていて、自身は腕が悪いので今依頼をうけている件について情報交換しないかと言う。彼の自宅に行くことを約束し、アパートの鍵を預かる。時間前なら入って待っていてくれという。

今回の盗難発覚は、その金貨を売る気があるのか照会してきた古銭商モーニングスターからの連絡による。マーロウは彼を訪ねる。とぼけていたが、結局、彼は800ドルで手に買ったと言い、マーロウが1000ドルで買い取ることを了承した。マーロウは帰り際、彼が私立探偵フィリップスに電話をしたものの、管理人がアパートの部屋に言っても返事がないことを盗み聞きして知った。

フィリップの部屋を訪ねると殺されていた。向かいの部屋から大音量のラジオ、酔っ払いのヘンチ、同居の女は殴られた跡。そのヘンチの枕の下からフィリップを撃った銃が出てきた。ヘンチはそれは自分の銃ではない、自分は別に持っているがそれがない。さっき鍵をかけないで2人で酔っ払って出かけたから、その隙に誰かがフィリップを殺して銃をすり替えたのでは?と言う。マーロウも彼が殺したのではないと思うが、結局、彼は逮捕される。

刑事のブリーズが、マーロウにこの事件との関わりを執拗に訪ねる。マーロウは守秘義務を盾に依頼主のことを言わない。言わなければお前を逮捕すると脅されることになる。
マーロウのもとに金貨が郵送されてきた。手書きの活字体が特徴。のちにそれはフィリップスが送ったことが判明する。
マーロウはミセスを訪ねて1000ドルで買い戻す話をするが、ミセスは相手にしない。
マーロウは送られてきた金貨が25ドルの価値と質屋に言われ、15ドルで預ける。

モーニングスターを訪ねると、彼は死んでいた。殴られたショックで死んだ感じで、とどめ前に死んだと判断。それでも殺人は殺人。彼は救急通報だけして去る。

ブリーズは引き続きマーロウに詰問する。しかし、ヘンチのアパートのオーナーは向かいにある葬儀社の経営者(イタリア人)であり、彼から金髪で背が高い女が出入りしていたとの証言を得る。

エディー・プルーという男から電話があり、呼ばれた。モーニーの経営するクラブへ向かう。モーニーと用心棒のエディーに会う。モーニーは、最近、ロイスと結婚したが男がたくさんいる、しかし、ヴァニアーというろくでなしは許せないと言う。彼を近づけないでくれと"依頼”してきた。彼との話が終わった後、レスリーが現れた。どうやら最初からここに来て歌っているらしい。彼女に金貨のことを聞くと、盗むわけがないと否定、離婚は25000ドルくれたらしてやる、と言い放った。ミセスは強欲で、秘書を虐待しているし、とんでもないと罵る。

ミセスからは、金貨は出てきたのでもう探さなくていいと連絡を受けていた。
マーロウは、彼女を訪ね、自分自身が身柄拘束されるので、依頼のことを刑事に言いたいと言うが、彼女はダメだと言う。しかし、やりとりをする中で実は金貨を持ち出したのは息子だと言い出した。モーニーに博打で負けたお金を借金していて、その抵当として持ち出した。しかし、事情を話したら返してくれた、と。
マーロウはその話を疑った。

ヘンチが殺しを吐いたという。イタリア人葬儀社経営者に会いにいくと、ヘンチを説得し、一度認めて裁判で否定しろ、弁護士はつけてやるという条件で納得させた。彼がヘンチにそう言ったのは、自分のダメ弟が同じアパートに住んでいて、警察にウロウロされるとまずいからとのことだった。

マールがマーロウのアパートに運ばれてきた。童謡している。ヴァニアーを殺してきたという。しかし、彼女のバッグに入っていた銃は発射された形跡がなく、弾丸もサイズ違いで撃てるわけがなかった。彼女は、ミセスとヴァニアーの関係を説明した。マールはミセスの前夫の時代から使えていたが、前夫が彼女にセクハラをした。そのことについてヴァニアーが弱みを握っていて、ミセスから長年にわたり金をせびっていた。今日もその金を届けに行ったが、もう最後にしたいとのミセスの言葉を聞いて自分が殺したと言う。マールはミセスに虐待され支配されているのに、自分はとてもお世話になっていて恩返しをしなければと思い込んでいる。マインドコントロールされていた。医師を呼び、マールを診察させてアパートで休ませてヴァニアーの部屋に向かった。

マーロウがヴァニアーの部屋に入ると、彼は銃で頭をぶち抜かれていたが、ソファにいて、ソファ外にたれた手の先に発射された銃があった。自殺に見えなくもない。そこにモーニーとロイスが来たので隠れて聞いていた。2人はもめていた、お互いそれぞれ相手が殺したのではと疑っている感じでもあった。モーニーはロイスの指紋を銃につけるように仕向け、そのまま連れ出して去った。マーロウは銃の指紋を拭き取り、死後硬直しているヴァニアーの指の指紋をダメ元で銃につけた。死後硬直ぶりからして死んだのは昨日であり、マールでないことは確かだった。
偶然、ある写真を見つけた。高い窓から男が落ちそうになり、後ろに女がいる写真だった。

いよいよ決着をつけに、ミセスとその息子のところに。
1.マーロウの推測
・ヴァニアーと歯科技工士のティーガーは、例の金貨を歯科技工の技術で偽造して売ろうと計画、カモとして間抜けな広告を出していたフィリップスを雇った。ロイスはヴァニアーとフィリップスの仲介役であり、当初はロイスは犯罪とは無関係だった。
・ミセスの息子に金貨を持ち出させた
・フィリップスはマーロウがミセスの屋敷に出入りしているのを見つけて尾行した
・偽造金貨をモーングスターは本物と思い、マーロウが持ちかけた1000ドルで買う話に乗った
・モーニングスターは犯罪の臭いがするため、フィリップスを脅した。フィリップスはヴァニアーに対して犯罪じゃないかと言う
・ヴァニアーはフィリップスを消し偽造金貨を探したがなく、モーニングスターのところでも探したがなかった。モーニングスターは殴ったらそのまま死んでしまった
・ミセスの息子には偽造金貨の一つを本物だと言って返却した
・ヴァニアーを殺したのは、ミセスの息子だ
・なお、フィリップスが弱気になりマーロウに相談を持ちかけたのは、エディー・プルーにつけ回されてびびったから。エディーはロイスとヴァニアーのことを調べている時に彼女がフィリップスに会ったため、どういう人間かを調べるべくつけ回していた
2.ミセスの息子の説明
・ヴァニアーのところにいくと、まずいことになっているが、俺が捕まったらお前も巻き添えにしてやると脅された
・自分の銃をヴァニアーの頭に当てたが、彼が自らの銃を出しかけたのでそれを取り上げ、彼の銃に持ち替えて彼の頭につけた。撃つつもりはなかったが、弾が出てしまった。その銃は、ヴァニアーがフィリップスを撃った後にすり替えたヘンチの銃だった
3.ミセスの説明
・前夫とマールはおかしなことになり、マールは前夫を窓から突き落とした。しかし自分はマールをそのまま雇い、大切にしてやった。
・それについてヴァニアーが秘密を握っている、写真がある、と脅してきた。決して見せようとしないため、写真などあるわけがないと言いながらもお金を渡し続けた
4.マーロウの反撃
・写真を見せた。後ろに写っているのはマールではなくミセスだ

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Posted by ブクログ 2022年09月06日

前二作に比べて地味だが、ミステリー要素が強く、暴力描写もないので、落ち着いた雰囲気が新鮮。脇役に至るまで登場人物のキャラクターが濃いので、彼らと対峙するマーロウの駆け引きも殊更ウィットに富んでいる。相変わらず緻密な描写が積まれているが、人物も情景も自ずと立体的になり、一度味わうとこの文体から逃れられ...続きを読むない。終盤は所謂ご都合主義的展開だが、収まるべく所にきちんと収束する。とある文芸評論家の方が『ハードボイルドは男性用のハーレクインロマンス』と評したようで、マーロウの振る舞いに痺れる私的には言い得て妙な気も…。

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Posted by ブクログ 2016年12月04日

清水俊二訳を読んで以来の再読。何年振りか。

私立探偵フィリップ・マーロウは資産家の老女に呼び出された。行方をくらませた義理の娘リンダを探してほしいとの依頼だ。極めて貴重な金貨をリンダが持ち逃げしたと老女は固く信じているのだが…。老女の息子や秘書の振る舞いからは、なにやら裏がありそうな気配が窺える。...続きを読むマーロウは調査を始めるが、その行く手に待ち受けていたのは、脅迫と嘘、そして死体―二度の映画化を果たしたシリーズ中期の傑作。待望の新訳。

とは言え、映画は二作とも観ることが困難なようです。素人から見ても「これは」という場面もありました(あとがきで指摘あり)が、全体的にはまずまずでした。

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Posted by ブクログ 2016年11月22日

村上春樹によるレイモンド・チャンドラー翻訳シリーズの第5弾。過去4作品も全て読んでいるが、やはり私立探偵フィリップ・マーロウのシニカルな語りと緊張感溢れる推理の構築の仕方は面白いし、村上春樹自身がチャンドラーから強い影響を受けていることもあり、翻訳された文章のリズムの綺麗さは言うまでもない。

本作...続きを読むはマーロウシリーズの中では確かにミステリーとしてのプロットの正確さが強く意識されており、「高い窓」というタイトルが意味するところが次第に見えてくる様子にはワクワクさせられる。

あとがきによると、チャンドラーの長編で村上春樹が未翻訳のものはあと2本残っているという。残り2本についても楽しみに待ちたい。

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