【感想・ネタバレ】アジア辺境論 これが日本の生きる道のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読書中のメモ
●独裁制の反対は民主制ではない。民主制はいとも簡単に独裁制に転じてしまう悪い面を持っている。みんなが難しいことを考えるのに疲れたとき、シンプルな政策を提示する者に政治をゆだねてしまう
●独裁制の反対は共和制。共和制とは、法の制定者と実行者が別ものである統治形態ー立法権と行政権の分離
共和制の統治機構は様々。条件は重大な決定は立場や判定基準の異なる複数の審級を経由し結論までに長い時間をかけること
●倒産したら終わりの会社経営と国政を同様に考えてはならない。独裁で迅速な判断ができることを至上命題としてはならない。国政は会社経営と違って間違えたら取り返しがつかないのだから。
●憲法22条「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」。自民党の憲法改正案では、「公共の福祉に反しない限り」を削除しようとしている。(他の条項とは逆の動き)これは自民党の人々が都合が悪くなったらいつでも日本を捨てる権利を確保すること。自由と言う概念はいつのまにか機動性(モビリティ)概念に置き換えられ、機動性の高い、グローバルに活躍できる人材だけが高く各付けされる現状は奇妙だ
●機動性が高い人間というのは周囲にその人がいなくなっても困る人が誰もいないということ。なんでそんな人間の評価を高くしないといけないのか
●独裁を目指す行政府は立法機関の威信の低下をめざす。ゆえに、自民党は議員候補には無能なイエスマンをわざと選んでいる。そして議会不要論が蔓延する
●自民党新人議員はイエスマンばかりで党の言うなり、派閥を作る力を持つ者はもちろんいない。議員はとにかく拍手喝采してればいいという独裁の典型へ近づく。中国や北朝鮮と変わらない
●日本の司法権は弱すぎる。高裁で国に不利な判決は出ない。高度に政治的な問題は裁判の範疇外とされる
●日本の自衛隊員 インド洋の補給活動、イラク復興支援にあたった56名は帰還後に自殺した

感想
世界の自国ファースト主義化、日本の政治や社会のあれこれに対する考察と批判、なかなか勉強になるところあり、なるほどと思うところあり。
2017年出版の本だから、コロナで世界が大きく変わったため古く感じる面もある。

しかし、これからの日本は韓国台湾と協力すべきというアジア主義については、今ひとつピンとこなかった。
基本的にはいい話なんだけど、学者っぽい理想的なものの見方に鼻白む論がそこここにあった。
現実ではなく楽観的な目で印象や見通しを立ててしまってるのでは……と疑問が湧いた。
いい話、聞いて賛成してくれる人が増えるといいね
としか言えない。

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2021年12月01日

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