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Posted by ブクログ
宮下奈都のエッセイ。寒村留学制度を利用して北海道トムラウシ地区に一家で1年移住した際の生活を日記形式で記録したもの。
日本でも有数の厳しい自然環境、1年の3/4が冬といってもいい地区、最寄りのスーパーまで数十キロ、テレビも高速ネットもなく、携帯がギリ届く(それも場所による)
そんな過酷な環境でしんどい生活を送っているのかと思いきや、なんとも楽しそうで、日々がみっちり詰まっていて、自然は厳しくも美しく…幸せそうだなぁと。本当に幸せそうだなぁと。
なのに、なぜ1年で帰ってしまったんだろうか。いや読み終わった後ならわかる、本に書かれていない仕事や教育や生活のことでどうしようもない選択だったんだろう。宮下さん自身パニック障害を持っておられるようだし(本文に記載もある)、ご主人の仕事もあるだろう。
だけど、読んでいる時はもうただただ「いや、帰るなよ、みんな居たいんだったらそのまま住んでおいたらエエやん」と忸怩たる思いがこみ上げてくる。ノンフィクションだけに余計になんというか…。
登場人物たちが実に良い。悪いヤツいない(あえて書かれてないのだろうか)。特に校長先生と宮下3兄弟がとにかく面白い。長女きなこ(仮称)がずぬけて良い!
寒さが徹底的に苦手な俺なので、トムラウシは絶対無理だろうが、温かいところ、それこそ沖縄の島なんかに移住してみたくなる、そんな良質なエネルギー満載のエッセイだった。また絶対読み返そうと思った。
Posted by ブクログ
面白くて仕方なかった。笑ってしまうから公共の場では読めない。「はじめからその話をすれば良かった」「ウミガメのスープを仕込もう」とはタイプの違うエッセイ。日記みたいでもありTwitterみたいでもあり4コマみたいでもある不思議なエッセイ。次男の名前がコロコロ変わったり、長女の不思議な発見があったり。
北海道で柔軟な発想を得たからこんな素敵な文章が書けるのだなと思った。(※元々能力はあり、努力はされているという前提です)