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Posted by ブクログ
背筋がひんやりとする怪談はもちろん、山の情景の表現が美しい!!山登りを擬似体験できます(笑)
それと同様に怪談もしっかりしてるので普通にこっわ!!!となるし、たまに感動系のお話もあって強弱の付け方が◎
一つ一つの話の書き方も工夫がしてあるので飽きずに読めた。
シリーズ化しているようなので引き続き読もうと思います。
登山の楽しみが増えます
登山も怖い話も大好きですが、本書はそのどちらにおいても優れた良書だと思います。山怪も面白かったのですが、登山者目線の山歩きの楽しさや厳しさがリアルに描かれた安曇先生の作品が好きです。
また怪現象でありながら、亡くなった方や山の不思議なものへの敬意が感じられ、ついひきこまれます。
Posted by ブクログ
山好きな作者が自分の足で各地を回って取材した、山に関する実話怪談集。
怪談自体も背筋がゾクッとするものが多く、夏には最適かもしれない。
しかし、登山をしてる身からすると、この小説の凄さは山の描写が繊細で自分が歩いているかのように景色が想像されること。春夏秋冬それぞれの日本の山の持つ雄大さと、繊細さ。そこにほんの少し怪談が合わさると、なんだか異世界にでも迷い込んだ様な感覚に陥ることができる。
その意味では、他の現代怪談集とは一味違う作品。
Posted by ブクログ
前作を読み終えた途端、2冊目を渡された。
山登りをする人はほとんど怪異に合っているのかってくらい、怖い話がわんさか出てくる。著者は、この本を読んだあとに、山をもっと好きになってくれればってあるけど、好きになるかな…怖いが先にたつかな…。
山の怪異って、ずいぶんはっきり知覚できる話が多い印象だった。日本の怪談は、音は聞こえるけど姿ははっきり見えない、確認できないけど感じられるみたいな、霞がかったような話が多い(ように感じる)けど、この本には、前を歩いている親子が、すれ違った登山者が、実は!ってパターンもあって、会話したり一緒に山登りしたりしてんだよねえ。
怪談って、ある程度パターン化していて、途中まで読むとだいたい話の展開がわかってしまうんだけど、わかっててもやっぱり怖いし、最後まで読んでしまうよね。
Posted by ブクログ
目次のところに簡単な日本アルプスの地図が載ったが「これはいらないのでは?」と思った。イニシャルでぼかしている話もあるし、載っていない山もある。
個人的にはミステリーではないのだから位置関係や距離感はぼんやりしている方がいいのではないかと思う。分かる人はイニシャルだけでもすぐに気付くし、イメージが湧かない人には実名と詳細な地図でも実像は伝わらない。
中身の話は相変わらず面白い。
しんみりくる話もあるが、前作よりややホラー寄りになったのではないかと思った。前作は心がほんわかする話がもっとあった気がするが、今作は連れて行かれる(引っ張られる)怖さのある話が増えたように感じた。中立(=不思議なだけ)の話も減って、害意や敵意を感じる事象が登場する話が多く、悪い意味で普通の怪談集になってきた感じがする。
山ならではの「ただ不思議な現象に遭遇した」話が多くても良い気がする。
また、山や自然の描写は変わらず上手く、どの話にも含まれているので、その点はこのシリーズの特徴として良いと思う。本作は山小屋の描写も多くあってそれも良い。
Posted by ブクログ
山は好きだが根性と体力と技術がないので、登山は学生の頃の強制登山くらいしか体験がないが、
相変わらず文章を読むだけで山岳の風景がありありと目に浮かぶ。
山の厳しさと美しさ。その爽快さと剣呑さ。
そして今回も、柔らかい気持ちになる話と怖気に鳥肌が立つ話が盛り込まれている。
手を差し伸ばされて救ってもらえるのならまだすも誘い込まれてあの世に連れて行かれるのだけは遭遇したくもない(泣)