【感想・ネタバレ】バッタを倒しにアフリカへのレビュー

大量のバッタやゴミムシの描写や写真があるため、虫が苦手な人は注意して読んでください。
ちなみに、私はこの本を読み、作者のバッタを愛する気持ちに触れ、虫に対する苦手意識が和らぎました。そういう意味では、虫が苦手だけど、克服したい人におすすめできる1冊かもしれません。

この作品はノンフィクションです。しかし、2年間かつ年間380万円という厳しい条件の中で、知恵を振り絞り、どうにかしてバッタに出会うまでの冒険物語として楽しめます。
また、作者が研究者として歩み始めるまでの物語としても楽しめます。
個人的には、バッタを追い求める生活の中でこぼれ話として紹介される食生活の話が面白かったです。

昆虫が好きな人はもちろん、わくわくしたい人、異文化に詳しくなりたい人、実験・研究について知りたい人、人生に対するやる気がほしい人はぜひ読んでみてください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭から「ダイジョーブか…」と3回くらい呟いてしまった。ぶっちぎりに変わり者な著者である。バッタの触り過ぎでバッタアレルギーて…バッタに食べられたいて…
緑になったウルド浩太郎はさながら王蟲に対峙するナウシカである。顔しか轢かれなかったけど。
ぶっちぎりに変わり者だけれど、別次元の天才ではないようで、学者ではない一般人にも分かるように、エピソードを加えたり例えを用いたりしてとっても面白い「若手研究者のアフリカ滞在記」になっていて、読者がおいていかれない。置いていかれるのは激しいバッタ愛にだけ。優しい昆虫学入門書でもある。

ババ所長の懐の深さが物凄く頼もしい。思わず「ババ所長の本当の自然クイズ」を保存してしまった。環境や設備をどんなに整えても、計算が正しくても、自然には簡単に勝てない。
現地青年助手のちゃっかりティジャニにもほっこりしつつ、「ガバージュ」という、モーリタニアの女子児童を太らせる風習など、アフリカ文化を学ぶこともできる。

どうしたって行き詰まってる場面でも失わない根拠のない自信。こうじゃなくちゃフィールド・ワークはつとまらないんだろうな〜。

知るは楽し。続巻も読みたいと思います。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

面白かった。読んでよかった。
子供の頃からの夢が「バッタに食べられたい」だとまえがきに書いてあるのを見て、どんな変態さんかと思った。
読んでみればプロのエッセイストかと思うほど面白かった。
写真が豊富でどれも良く、緑色の全身タイツ姿でバッタに身を捧げている一枚もあった。有言実行の変態さんだと思った。
「バッタを倒すぜ〜」も読んでみたい。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

デットオアライブ!
悩んでいる時に読みたい本。

安心してください。バッタ研究の話は殆ど出てこず。
何故かという理由もある。
その周辺の話がめちゃくちゃ面白い。
大学行くなら京大だな、と思ってしまう頭脳どうこうより気持ちほだされそうなエピソードもある。
2巻目には研究について進展あったのか気になる。続編早速読みたい!流れがうまい。

【虫画像抜き版】発売だと?
光文社新書のXからの情報

【5月17日発売】虫が苦手な方に朗報です。あの25万部突破の新書大賞受賞作に、【虫画像抜き版】が加わります。通常版より100円お得になってもいますので、これまで躊躇していた方々はぜひお買い求めください!

バッタを倒しにアフリカへ【虫画像抜き版】 (光文社新書)

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

はい、続編が発売されるということで今!読んでみましたよ!
本とコさんの真似じゃないですよ!

いやーもうめちゃくちゃ面白かったです

バッタ学者を目指す著者は自分の可能性を信じて「神の罰」とも称される空を覆い尽くすサバクトビバッタの大群を求め西アフリカのモーリタニアへ

そこでパートナーとなる運転手ティジャニや偉大な男ババ所長と出会い奮闘する冒険(フィールドワーク)の日々が描かれています

もう、とにかくおバカ!著者もおバカだしティジャニもおバカで笑うしかない
バッタバカです
釣りバカ日誌ならぬバッタバカ日誌です

だけどこの本に書かれていたのは、バッタのことだけではありませんでした

ここには「夢」を持つことの素晴らしさ、喜び、効果が書かれていました

大きな夢でも小さな夢でもいい、夢を持つことで努力が苦にならなくなる
叶わなくてもいい、夢に向かって進むことで自分が成長し、夢を語ることで味方が増える

夢に向かって闇雲に突き進む全身緑タイツの男に続くのだ!

少年少女よ!バッタをいや夢を追え!

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

痛快ドタバタ研究アフリカロードムービー(本)!!
ゼミの課題本で載っていたからと読んだけど面白すぎて一気読み!
これぞ「研究者VR本」であーる

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2024年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと気になっていて、やっと読めました。面白かったです。ドライバーのティジャニやババ所長とのやりとりが好きです。困ってる人がいたら手を差し伸べる。当たり前と思ってても出来てるかな?バッタ研究だけじゃなく、色んな事が詰め込まれたエッセイでした。

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2024年03月18日

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ネタバレ

自分は博士課程を修了し、その後3年間のポスドク生活で修業生活を経験しました。そして2年間の素晴らしい海外留学!今となってはいい経験だった。論文もたくさん書いたし、ヨーロッパを満喫!でも2年後の就職のことはずーっと頭の片隅に。。運よく2年後に教員として採用してくれた大学に感謝。そこからも怒涛の引っ越し生活。研究者は必要としてくれる場所に行くべきなんだろうね!バッタ博士のパッションは心地よい!自分にはその勢いはあっただろうか?あの留学中の研究からさらに発展している。研究者のパッション、若い研究者に伝えよう!⑤

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2024年03月16日

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中学生以上におすすめしたい。今年1番の本。
研究を邪魔するハリネズミに独特な名前をつけて、次々飼い始めるところ気に入った!
作者と同世代にはツボ。

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2024年02月24日

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社会人になった今、私、今ソウルを燃やして生きてる?ってよく思う

自身も僻地で留学していたこともあり、あの瞬間の、すべてが上手くいかないもどかしさ、寂しさ、いてつく不安と焦り、それでもはやる冒険心、立場や国が違う人と何かを共有していることに出会う喜び、報われた気がした瞬間のしびれる多幸感、世界の明るさ美しさ、
そんなものがたくさん思い出された。

白眉の面接官の話、なんだかうるっとくる。
ずっと過酷な環境で孤独と不安を抱えて、全身全霊で研究されていることへの感謝。
人類として、大きな主語を持って生きていきたい。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

若きバッタ研究者のアフリカでの奮闘ぶりが軽妙に語られる。
思いがけないことの連続も、新たな発見のごとく、自虐をまじえつつ前向きに進む姿が、楽しくて元気をもらえる。
頑張ってる姿に応援したくなる。 
将来の保証のないことには尻込みしがちだが、好きなことがあれば挑戦してみるのも良い。
もちろん、相応の努力は必要だけど、そこが人生の大きな分かれ道。若い人、頑張れ❗️

オーディブルにて

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

子供の頃から「バッタに食べられたい」という夢を持った著者がモーリタニアに単身乗り込み、バッタを倒しに行くが、バッタ、モーリタリア、経済状況と様々なものに振り回される。
好きな事を突き詰めるとは。その楽しさを感じられる一冊。

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2024年02月10日

Posted by ブクログ

昆虫を愛しバッタに食べられたいと思うあまりアフリカへ赴きバッタの大発生を研究する著者の軌跡
大発生したバッタの群れは農作物に甚大な被害を与えるため実態を解明し予防に繋げる意義がある
本書内でも財政面で苦労をされている描写があるが、最近は大学の予算や科研費削減のニュースを聞くことが増えてきて、研究者の方々が支援されてほしいしいろいろな研究ができる世の中であってほしいと思った

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2024年01月28日

Posted by ブクログ

ファーブルに憧れて昆虫学者を目指すエッセイ。バッタについてこんなに情報を入れるのが初めてで興味深いし、著者の語り口調や目線が面白くてどんどん読み進められた。
誰に対しても誠実に向き合う著者に、すごく好感も持てた。
最後に書かれている
「夢を語るのは恥ずかしいけど、夢を周りに打ち明けると思わぬ形で助けてもらえたりして流れがいい方向に向かっていく気がする。夢を叶える最大の秘訣は、夢を語ることだったのかな、と今気づく」というところが忘れたくない箇所。
著者のように夢中になれる対象が見つかることは幸せだな、と感じた。

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

夢を貫くことの大切さを教えてくれる
勇気もらえる一冊

すごい人ってだいたい人に恵まれていると自覚してしている、すごい

モーリタニアの人はタコは食べないけど
日本にタコを送ってくれてるんだとはじめて知ってスーパーでタコを見ると感慨深い
親近感がわく

ファーブルってフランス人だったのか
今さらちょっと気になる存在になる

バッタ以外のプチ情報がいろいろ心に残った

そして
秋田県の方なのに、なんか関西風味な文章
読み進めやすい

バッタは倒せたの?
アフリカ救えたの???って最後なるけど
他の本や文献で詳しく説明しているのかな?

それでも読みたい1冊

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2023年09月27日

購入済み

面白すぎた

あまり本を読む機会がないのですが試し読みで気になったので、初めて電子書籍で買ってみました。内容に引き込まれ、サクサク読めてしまった。昆虫は苦手ですが、最後まで読み切れました。買ってよかったです。

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2022年01月11日

Posted by ブクログ

バッタに喰われたい、という信念のもと昆虫学者を目指して奮闘する筆者の手記。あふれんばかりのバッタ愛(時々罵倒)、アシスタント・ティジャニの強烈な個性、ことごとく砕かれる筆者の希望。それでも夢を諦める事なく目標に向かって突き進む姿に、最後まで読むスピードが落ちなかった。
モノや贅沢が溢れている昨今、少しの幸せを見落としている。いかに自分の環境が恵まれているか立ち返るために、もう一度読もうと思ったくらいだ。文章が笑いに満ちており夢に向かって進む若い人にも読んでほしい本。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

面白かった〜!
バッタを愛しすぎた著者が無収入になりながらもサハラ砂漠でバッタを研究し続けた数年の記録。
語りが面白い上に彼が経験してきたことが色々とすごい。
文化の違い、砂漠の洗礼、色眼鏡、無収入、大旱魃、サソリ等々…そんなものに慌てながらも乗り越えていく著者のガッツはそりゃ誰もが応援したくなるわ…と感じた。
個人的に一番の学びポイントは「バッタ→相変異を示す、イナゴ→示さない」、ショウリョウバッタはイナゴの仲間だということ。あと蝗害の「こう」はイナゴのことだと思っていたので、「神の罰」はバッタではなくてイナゴの大発生のことだと思っていた。恥ずかしい。バッタよ…おまえだったのか…神の罰は…
確かこの著者の方、かなり大きい発見していたよね? その発見については触れられていなかったけど続刊に記載があるのかしら。そちらも読みたい。


⚫︎あらすじ
バッタの群れは海岸沿いを飛翔し続けていた。夕方、日の光に赤みが増した頃、風向きが変わり、大群が進路を変え、低空飛行で真正面から我々に向かって飛んできた。大群の渦の中に車もろとも巻き込まれる。翅音は悲鳴のように重苦しく大気を振るわせ、耳元を不気味な轟音がかすめていく。このときを待っていた。群れの暴走を食い止めるため、今こそ秘密兵器を繰り出すときだ。さっそうと作業着を脱ぎ捨て、緑色の全身タイツに着替え、大群の前に躍り出る。
「さぁ、むさぼり喰うがよい」
(光文社公式HPより引用)

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

大学院を出て博士号を取得したものの、研究を職業とするには、そこからさらに論文を出し、認められなければ、研究者になれないという。
そんな境遇に立つ作者が人生かけて、サハラ砂漠へ行き異国の研究所で客人として滞在させてもらいながら、バッタの野外観察をするお話。
フランス語が公用語なのに、フランス語が話せず、ジェスチャーと単語で乗り切り、現地の食事を食べ、ドライバーやガソリン代、機材をなんとか、賄い、研究をやり切るパワーがすごい!
何より、失敗談など満載で、ユーモアに溢れていて面白い。

いろいろなことをすぐに諦めてしまう自分ではあるが、この本を読んで、人生ネバーギブアップ!と、思えた。

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2024年04月14日

Posted by ブクログ

バッタの写真は見るのが辛かったけれども、読み物としてとても面白かった。
私の知らない(昆虫)研究者の世界。

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2024年04月12日

Posted by ブクログ

 熊の次はバッタかい! この4月に続編が出版と知り、本書読むなら今でしょ!と手にしました。
 芸人のギャグみたいな表紙写真(出来損ないの仮面ライダー?)、裏には「その者緑の衣を纏いて砂の大地に降り立つべし‥」の文言。ナウシカかよ!とツッコミを入れつつ読み始めました。

 なんと著者は、ご立派な昆虫学者で、学会で多くの受賞歴があります。アフリカではバッタが大量発生し、作物へ壊滅的な被害をもたらす深刻な飢饉問題がありました。バッタにまとわりつかれ、食べられたいと変態的な夢をもつ著者(絶対Mだ!)は、人類を救う研究だと確信し(風の谷ですか?)、単身アフリカのモーリタニアへ。本書は、日夜フィールドワーク研究に勤しんだ日々を、可笑しくも真面目に綴った一冊なのでした。

 バッタの前に、言葉、環境、文化・風習など、数々の倒さなければならない"巨神兵"(やっぱりナウシカ?)がありました。中身の具体と悪戦苦闘ぶりは省くとして、失敗をものともしない、この悲壮感のない前向きな姿勢はどこからくるのかと、つくづく感心します。もっとも、こうでなくては研究者は務まらないのでしょうがね。間違いなく知的好奇心の塊のような方です。

 サバクトビバッタの相変異(群れを成すと体色を変えて獰猛化し、植物・農作物を喰い荒らすモード)の解明と防除技術の開発に従事する著者の、笑いあり、夢と異世界知識あふれる一冊でした。おすすめです!

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2024年03月26日

Posted by ブクログ

軽妙な語り口で書かれ、とても読みやすい学術書。バッタの大群なんて日本人には馴染みもないけど、それでも遠き異国のサハラ砂漠の環境を整えるため、必死でバッタを研究している日本人がいることが知れて、とても有意義な読書だった。

努力は必ず報われるというわけではないけど、夢を叶えた人たちは、すべからく努力してきたという事実を改めて胸に刻んで、今後の自分の人生の糧にしたいと思う。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

ドキュメンタリー。ニッチなバッタ研究家のエンターテイメントとして読めた。ババ所長の器の大きさはなんだろう。好きな事に熱中しそれを天職にする事の素晴らしさって…見習いたいです。

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2024年03月20日

Posted by ブクログ

好きな事ができるのがどれだけ幸せなことか  
辛い時支えてくれる人がいる有り難さ
夢は見るものではなく叶えるもの

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

私は昆虫には全く興味がない(むしろ苦手)な方なのだが、筆者のユーモアを交えた文章が面白くて、気がつけば一気に読んでしまった。

モーリタニアにバッタの研究をしに行くのだが、バッタのことだけじゃなくて途中ハリネズミが登場したり、日本とモーリタニアの文化の違いや現地でのトラブルについて書かれていたりもするので昆虫に興味がない人も飽きずに楽しめる本だと思う。

それにしても、モーリタニアと日本は何から何まで全然違う。平気で給料の二重取りをしたり賄賂を渡さないと嫌がらせを受けたり、お金のためなら何だってする彼らに対してもっと怒っていいんだよ!!と言いたくなる場面がいくつかあってモヤモヤしたが、きっと私も日本人だから同じことをされるんだろうなぁ。

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2024年03月05日

Posted by ブクログ

タイトルが気になって購入。
ひさっしぶりに新書を読んだけどコレはなかなかの面白さ!軽快なテンポで進む物語は著者のセンスなのか。
ポスドクという言葉も初めて知ることができた。日本の研究者にもっと資金援助をしていかないと海外に出て行くばかりになるなと危機を感じた。
かなりふざけた雰囲気の著者だが決めるところはしっかりと決めていて地頭の良さが伝わった。

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2024年02月22日

Posted by ブクログ

それが何かはどうでもいい、何かに夢中になりここまでアホになりたい(褒めている)。
そう思わせてくれる逸品でした。

真面目にレビューをすると、前野ウルド浩太郎さんのすごいところは、頭に浮かんだ数々のアイデアをやってみよう精神で次々現実に行動し、結果(良い悪い関係なく)を出し、それに対してまた修正を加えながら形にしていくことだと思う。そして何より迷いと不安で揺れそうになりながらも心では必ず何か手があるはずだ、それは実現すると信じて疑っていない。そして出会った人々に感謝をし良いところは吸収し自分の糧にしている。

多分好きではない、むしろ関心がない、というかこの世に存在すること自体知らない人もいるかもしれない"サバクトビバッタ"。私もこの本を読むまで興味もなかった"サバクトビバッタ"。こうやって感想を書くことで、iPhoneで"さ"を打つと変換履歴で出るようになってしまった"サバクトビバッタ"。
彼が1人でただただ夢中になっていたことが、彼の情熱と一緒に時を経てコタツムリ族の私の目の中に来てくれたことから見ても、アホの力は測り知れない。

だから多分彼の望み通り、死ぬまでには、バッタに喰われることができると思う。
その時を見たいと不覚ながらも思えてしまいました。
とても面白かったです。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

アフリカや中近東でしばしば大発生して甚大な被害をもたらしているサバクトビバッタを研究されている方の著書。
表紙の怪しげな写真からイロモノな方かと思ってしまったが、夢を求めて無給でも研究を続ける生粋の研究者だった。
専門のバッタの話題はもちろん、研究の地となったモーリタニアの人々や社会の話、ポスドクの悲哀などがおもしろく巧みに綴られていて、ついつい読み進めてしまう。
現地でペットにしたハリネズミの写真が可愛い。
この方に限らないが、ポスドクの方の経済事情はなんとかならないものなのか。
バッタというニッチな研究に目を向けてもらうには、こういう方の個人的な活躍があってこそだなと思った。
モーリタニア現地の研究所所長さんの言葉が響く。「辛いときには上を向くな。自分よりも恵まれない人がたくさんいる。辛いときほど自分が恵まれていることに感謝するのだ」

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2024年03月14日

購入済み

気軽に読める虫の話

バッタ等の昆虫が苦手な方にも読みやすい内容。研究結果や論文の内容にはあまり触れていないが、その分素人にも分かりやすく楽しめる作品になっている。
馬鹿馬鹿しくも夢を追いかける筆者に感動を覚える良い本でした。
お勧めです。

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2022年05月30日

Posted by ブクログ

『本書は、人類を救うため、そして、自身の夢を叶えるために、若い博士が単身サハラ砂漠に乗り込み、バッタと大人の事情を相手に繰り広げた死闘の日々を綴った一冊である。』(本文より引用)

自分は根っからの昆虫マニアではないが、語り口調がユーモラスで最後まで楽しく読めた。
砂漠で行動を共にする研究チームをドラクエのパーティーっぽく表現するくだりや、日本では素敵スポットと思われがちなオアシスの真実の姿は……!?というくだりにはニヤッとさせられた。

虫の写真がいくつか掲載されているが、そこまで画質が高くないため、大の虫嫌いでなければギリギリ耐えられるレベルかと思う。
ちなみに虫以外では、研究の仲間たちや現地での食事風景、野生の可愛いハリネズミのすがたなどが載っている。

アフリカでの生活ぶりや研究にまつわる事件、研究仲間との交流などのエピソードがメインコンテンツで、滞在記やエッセイとしての色が濃い。
同著者の『孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生』の方がバッタの生態に関する記載は充実していそう。
ただ、現地の風習、砂漠環境での過ごし方など、学術書では省かれるであろう内容がむしろ自分の興味には合致しており、ただ笑えるだけでなく、得られるものも多かった。

年若い外国人であるためか現地スタッフにナメられてしまい、何度も約束をやぶられた筆者がとある作戦を実行するエピソードが特に印象に残った。
アフリカとまではいかずとも、進学や就職などで新しい環境に飛びこむ際には、筆者の前向きな姿勢や機転が参考になるのではないかと感じた。

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2023年11月12日

Posted by ブクログ

バッタを研究する著者の研究の物語。自分のやりたいことを求めて、アフリカのモーリタニアに行き、無給でありながら研究を続けていく。
内容とはあまり関係ないが、やりたくもない仕事を金のために続けたり、違和感のある環境に無理に適応しようとしたりしているよりも、やりたいことをやる方が、継続する方法を考え、より充実した人生になると改めて思った。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

読む前は題名を読んでもピンとこなかったが、読み終わったら、モーリタニアの文化、サバクトビバッタ、蝗害、昆虫学者、そして筆者について理解できるようになっていた。
夢に突き進む姿には、人を惹きつける魅力がある。読書離れしているといわれる若い子達にこそ、文体は軽いが中身はしっかりとしたこういう本を薦めると、何か感じるものがあるのではないだろうか。

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2024年04月20日

Posted by ブクログ

アフリカのモーリタニアに渡り、人生をかけてバッタの研究をした体験記

蝗害の解決という非常に重要だが日本視点ではニッチな問題に対して、現場に赴き、リスクを取って研究し、更にはそれが楽しそうという、まさにこの方はこの為に生まれてきたのではと思わされるような内容でした。語り口も絶妙で、面白いブログか何かを読んでいる気分になりました。

自分が夢中になれて、社会的にも意義がある。
そんなことに巡り会えるのは、本当に素晴らしいことだと思います。

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2024年04月06日

ネタバレ 購入済み

作者のバッタにかける情熱が凄い

研究者という仕事の過酷さを知ったが、作者自身がユーモラスな方で、内容が重すぎずサクサク読めてしまった。
研究者として絶体絶命な状況であっても、どうにかして現地で研究を続けられるよう考えて、乗り越えられるのが凄い。発想力も凄い。

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2022年06月11日

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