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生命を振り返る
これが最終巻。残念だなー。ファンタジーの体をとっているけれども、とっても良いキーワードがわんさか言葉に溢れているので、子供に読ませても安心の作品だった。
悪しきは人間が形付けるもの。それを悪だと認識したらその存在になってしまう。一辺倒な物事の見方と考え方を考え直せば世界が広がる。
お見事
王道のファンタジーの美しい終わり方。
幻獣という曖昧な者は、現在の人々の心にある不安に通じる。
先生がだんだん色々崩壊していった(www)以外、とてもお見事だった。
Posted by ブクログ
完結。 最後の花畑がよかった。 幻獣は人間の恐怖や脅威、感情、からくる具象化。 それを信じる心理。だから、科学が発達した現在にはいないんだね。 子供だけが、イマジナリーフレンドを見たりするのは、子供がまだ科学に無知で純粋であるからかな。
Posted by ブクログ
この巻で完結ですか。自分としては消化不良な部分があったので、もう少し続けて欲しい気持ちがあったのだけど……
「東から来る何か」、そしてタッツェルヴルムと併せてそもそも幻獣とは何か、そして幻獣と人間の関係性とは何か、そういった考察が中心となって描かれているね
幻獣の正体については序盤から言及されていた部分ではあるのだけど、突き詰めていく事で魔術の時代から科学の時代へと移り変わっていく転換期なのだと改めて思い知らされる内容になっている
タッツェルヴルムは前巻の時点で見る者によって姿が変わる幻獣と紹介されていたけど、本作ではその理由を上手く料理しているね
タッツェルヴルムによる高山病を酸欠だと理解しているニコ、それを毒だと理解していたツィスカ。
自然現象が姿を変えたものが幻獣であるならば、自然現象への理解が深まれば幻獣が生きる隙はなくなっていく。ニコが知識によってタッツェルヴルムの毒が効かず、知識を身に着けたアニがタッツェルヴルムと接することが出来たように
幻獣を診療するツィスカ達は治療のために幻獣を理解する必要があるけれど、理解を深めれば深めるほど幻獣が生きる隙を無くしてしまうというのは皮肉な話
そういった人の理解が幻獣の有り様に影響するという現象を端的に現していたのが今回登場した「東から来る何か」となったわけだね
理解が及ばぬモノへの恐怖が「化け物」を作り出してしまう。人間の理解が幻獣に影響を及ぼし過ぎてしまう
けれど、ツィスカが幻獣を助けるためにはやっぱり幻獣を理解しなければいけないんだよね
まるで探偵のように「何か」への理解を深めようとするツィスカ。これはツィスカが科学と魔術の境目の時代にいるからこそ出来る行為。そして理解の先に「何か」を病気を取り除く方法が存在していたわけで
「東から来る何か」という驚異に対して医療従事者としての対処を全うしたその姿は、時代が変わり幻獣が生きる隙が減ろうと変わらぬ診療をし続けるのだろうと思えるものだったね