ドラマ化決定で話題。これは著者が経験している本当の話。同じ大学に通う青年と交際を始めた主人公・こだま。だけど、何をどうやっても彼の性器が入らない。いつか入ることを夢見ながら、入らないまま二人の絆は深まっていく。18歳だった私は38歳になり、兄弟のように植物のように安心で清潔な暮らしを営むのもいいと思えるようになった。セックスをするのは当たり前?結婚して子供を産むのは当たり前?「普通」というイメージに当てはまらない幸せが、ここにある。心も体も痛い描写がたくさんありますが、痛みをユーモアに変換して生きていく強さを感じます。衝撃的なタイトルを上回る、新しい視点をもらえる作品。
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面白い
有名な少女まんが「君に届け」のさわこみたい。筆者のことを単純にたとえるならそんな感じだった。もう少し、ダークな部分もあるかもしれないけど、根本は同じ。自信はない、プラスの自己像もない、けれど健気で、純粋で、人の裏をよむことをしない主人公。
家族とも、夫とも、職場仲間とも、性の面で一夜限り共にした相手とも、不器用にしか付き合えない。
「こんな私ですみません」
という低い自己肯定感が常に見え隠れする。
この人の救いがあるところは、人を蹴落として自分をよく見せようとか、自分だけうまい汁を吸おうとか、そういう、「自分が自分が」というところが全然ないところと、ありのままをさらけだす正直さと、空想の面白さだと思う。そういうところがあるから、暗い出来事や性的なことを書いても、どこか澄んだようなほの白さがあって、すうっと読めてしまう。浮気を繰り返した過去があっても、どこか憎めない。
著者自身が必死に生きてもがいてきた事実が、痛いほど伝わってくるからだ。
夫に愛され、夫を愛している著者は「ちんぽが入らない」事実があっても決して不幸ではない。
ちんぽが入らない、子供を持たない夫婦があったって、いいじゃないか。
自分の幸不幸は決して他人には決められない。世間的な尺度がどうであろうと関係ない。私たちは人と違うけど幸せよ、そう声高に叫んでも非難されない世の中になれば、日本はもっと生きやすい国になるだろうと思った。
Posted by ブクログ
装丁に一目惚れし、即行で手に取り
改めてタイトルを読み込んだ時の衝撃…
大変なものを見つけてしまったと
思わず周りをキョロキョロ…
しかし店員さんの手書きPOPや
試し読みサンプルによる激推しで俄然興味を持ち、
先日やっと古本屋で購入!三時間で読破しました。
話題になっているだけあり、
もう知ってる人が多いとは思いますが、
内容は全くイヤラシイものではなく
実話による著者こだまさんの切実な叫びです
文章がとても読みやすく、
こだまさんの言い回しが面白くて笑ってしまう場面も
正直多々ありました
しかし深刻な展開になると改めて感じる
"現実の残酷さ"に胸を突き刺されます。
作られた物語のような、奇跡が、全く起きないのです。
どんどん突き落とされます。
普通に生きられなかった、だけどその残酷な日々が
いつか無駄ではなかったと思える日が来る。
それだけで意味のある人生だった。
普通とは何か、夫婦とは何か、幸せとは何か、
そんな深い深いお話でした。
Posted by ブクログ
すごい、すごい、すごい小説を読んでしまいました。この題名を見た時、官能小説かと思ってしまった。違います。もうこれは純文学です。学校の先生を目指し、そして先生になってからの主人公の悪戦苦闘の日々を心苦しく読んでしまいました。こだまするほど言いたい、一気読み間違い無しの鳥肌小説、題名だけで判断してはいけない大傑作でした。
匿名
一気に読みました
タイトルがインパクトがあり、いつか読んでみたいと思っていて、やっと購入しました。文章の運びが良く、読んでいて全く飽きる事なく、大変重い悩みを読みやすくサラッと書いていて、最後まで一気に読了しました。
Posted by ブクログ
読み終えて思うのは、この本に感じるのは透明感だということ。
不思議な本すぎる。
まさに一生に一度しか書けない文章だ。(その後も書いてらっしゃるけど)
いっきに引き込まれて読み終えた。
最初は田舎もんの娘の世間知らずの流されてく様に恐ろしさを感じ、我が娘にはこうならないように口酸っぱくして躾けなければ...と、ちょっとこの本に嫌な予感を感じていた。ちんぽがはいらないっていうのも意味がわからなかった。なんかの比喩か?みたいな(後半に行けば行くほど深刻な状況を理解できた)
嫌な方向には進むんだけど、すごくその後が気になるし心配、全体的に辛いんだけど、所々に希望が光るっていうか。フラットに不幸を享受してるな、とか。
人生の濃縮青汁ジュースみたい。
それにしてもこの性格で教員という職業を選択してるのが意外だ。
賛否両論あったようで、気分悪くなったからメルカリで売りましたという意見が来たという所には笑ってしまった。
私はこの本に出会えて幸運だったな。胸糞悪くてメルカリで売るような感性じゃなくてよかった。
Posted by ブクログ
インパクトのあるタイトルで、読む前はほとんど下ネタの本かとおもったが、そんなことはない 夫のちんぽが入らないという悩みはそれぞれの悩みに置き換えられるし、人生はそれがすべてではなく、それ以外のところでどう前向きに生きていくか 悩み続けたからこそのこの人の言葉が、悩みを抱えている人の肩の力を無意識に抜いてくれるだろう
Posted by ブクログ
タイトルは衝撃的ですが、とてもいい本です。
作者の方はブログから同人誌、そして書籍化された一般の人です。
私もブログから惹きつけられて、生まれて初めて同人誌を購入したほど。
内容は作者の実話です。
事実は小説より奇なりといいますが、本当にそうだと思う内容です。
ブログが元になっており読みやすく、届いたその日に一気に読みました。
ですが、文章はとても面白く優しく切ないです。
ご本人の真面目な、真面目さ故の面白さが文章に溢れ出ているように思います。
タイトルで惹きつけておきながら、中身のしっかりとした文章力とその内容、このギャップにも魅了されます。
このタイトルのまま書籍化することにした出版社の方、さすがプロだと思いました。
Posted by ブクログ
もう、やられた。
こだまさん大好きだわ。
このタイトルでこの素晴らしい内容
まずギャップに驚き。
こだまさんの波乱万丈な人生に
「本当にノンフィクションなの?」と、
また何度驚いたか。
そして、
生徒さんのミユキちゃんとのエピソードでは涙、涙。
旦那さんとのコトにおいても
壮絶なのにユーモアもまじえて描いてあり
笑ったり驚いたりで忙しい。
人それぞれの考え方を尊重する
当たり前であってなかなかできない
このご時世。
人として大事なことが詰まった
沁みる一冊でした。
Posted by ブクログ
この作者は面白い。
オイルを塗り続けることの健康被害について考えたり
大仁田こそ流血すべきという筆記には
密かにファンになりそうなほどだった。笑笑
読み進めていくと、意外な展開だった。
まじか、と思った
個人的に、グッときたのは
自殺してしまいたい人の考え方に触れることができた気がするからだ
自殺したいと思う作者とが書いた本を
自殺しないでと思いながら読むわたし。
とても勉強になった。
子供を産むってなんだろう。
産むことが当たり前だと思っちゃいけない。
いままでの人生で起きてきたことが当たり前だと思っちゃいけないと、学びました。
Posted by ブクログ
2019/12/08
ほんと初見のひとはタイトルで引いちゃうだろうと思う。わたしもそうだったんだけど、ほんと内容が良かった、大号泣。なりたい自分になれなくて、それに近づこうと努力してそれを諦めざるを得ない状況になって、諦めたくなかった思いがあったのに、それでも諦めてしまった上での後書きを読んだらほんとにつらい。ただアレが入らないってだけの安直な話じゃなくて、読んで良かった。
切ない想いに、、、。
この本のタイトルを耳にしたのは数年前になりますが、今回購入し、読んでみました。夫婦一緒に居る意味や、夫を支える強い精神など、また、度量の深さや生き方に
感動し。切ない想いにもかられます。一気読みしました!
とても笑えてとても泣けた
作者と同年代でとても興味深く読ませて頂きました。私は結婚し子供も育てましたが、それでも妻とはこういう物だとか母親はこうでなくてはという思いに随分と苦しめられた気がします。
作者の子供を持たないという選択肢が周りからどれだけ悪意の無い言葉や態度を取られ苦しんで来たかは想像を超える事と思います。
かつて子供を持たない友人に私もその様な事を言ってしまったのだろうと思うと後悔が絶えません。
色々な事を乗り越えてなお支え合う夫婦愛が本当に羨ましく素晴らしいなと思います。
私は結局セックスレスで離婚してしまいましたし…出来てもしなくなる、したくなくなるのならどっちが幸せか分かりませんよね。
食欲を満たす為に外食するのと性欲を満たす為に外で発散して来るのはそんなに大差無いのではとこの歳になると思います。
どんな問題にせよ、世間体や普通や一般といった物差しが多かれ少なかれ個人を悩ませる。本当はそれぞれが自分らしく生きる事こそが大事な事なんですけどね。
読んで良かった
タイトルを見て気になり購入。
間違いなく重いテーマにもかかわらず、入らない描写がどうしてもせつなく笑ってしまいました。
当たり前とされている事が当たり前に経験できない事が、こんなにもずっしりと、人生に影響してくるのだということを、見せてくれた先生だと思います。
Posted by ブクログ
ずっと気になっていましたが、やっと読めました。とても良かったです。最後まで読んで、タイトルにすごく納得しました。
文章も読みやすく、前半は思わず笑ってしまうほど面白かったです。
Posted by ブクログ
小説と思ってしまったけど、
これは事実でエッセイなのだ。
作者の自己肯定感の低さとか、
どんどんと堕ちていく感じとか
読んでいて気持ちが暗くなったけど
引き込まれる文章や気になる結末ですいすい読めた。
この夫婦は夫婦というよりも、
何かでがんじがらめになっていて、
仲間で
共犯者で
家族で
兄弟で
不思議な関係。
Posted by ブクログ
まぁーーーー、夫婦関係に年季が入ったヒビ割れのあるストーリーを期待したのに。序盤で、あっ、これは逆のやつ。あったかい話になるのではと不安がよぎった。
筋違いの落胆は、散々ちんぽが入らなかった結婚生活の中盤にさしかかりガッツポーズに変った。よーしきた。落ちろ落ちろ。
…もう人としてゴミだなと自分を呪う。
実際、歪みきっていても心暖まるストーリーだった。
作者の言う、身近な人にほど大切なことが伝えられない病。それを私の妻も患っている。彼女の苦しみを、この夫のように泰然と受け止められない。私も渇いているし、悔しいし力不足を散々悔やんできた。そんなダメ夫100%目線で読んでしまい、100%ブーメランで返ってきてさらに落胆。お釣りも出ない。
妻に入らず風俗で紛らわす夫に対し、それでも尽くす気持ちを捨てなかった作者はバリカンを持って夫の髪を刈る。
── 夫の頭は、カラスに食い荒らされた玉ネギのようにデコボコになった。
笑ったー。油断した。
ふと漫画家のカレー沢薫先生の夫が頭をよぎる。
なんだよ。どうしてみんな笑えるんだよ。
笑えない自分だけが置いて行かれた気分。渇き。
私も身近な人ほど大切なことを伝えられない病人だからなのか。そうなのか?
そうなのか…と1%くらい思った。
デコボコ夫婦まで、いや出来た夫まであと何冊本を読めばなれるかわからない。
Posted by ブクログ
本が出版された当時、話題になっていたのを知っていた。読みたいなーと思いつつ、なんとなく先延ばしになっていた。
ようやく手をつけ読み始めた。
止まらなかった。
はじめは、自分とは全然関係のない人の話だなあと外側から覗くように読んでいた。中盤アリハラさんのぶっ飛んだ話に驚嘆しつつ、気づいたらかつての自分の精神状態とリンクしていた。
何この本。
と、思いながら読み進めていたらまた思わぬ方向にすすんでいく。
苦しい。
苦しいけど目が離せない。
これは一つの人生。
当たり前のことは当たり前じゃない。
知らずに人を傷つけているのかもしれない。
読書はいろいろな事を教えてくれる。
Posted by ブクログ
ひりひりする。
タイトルに嘲笑い、発売当時に仲の良い先輩と「ノリで」買ったことを覚えている。
最近、家に本を置く場所がなくなってきて、整理していたときに久しぶりに手に取った。
「もうこんなふざけたタイトルは手放そう」と思い、最後にどんなんだっけと読み返したのがだめだった。
ああ、ひりひりする。
この作者の生きてきた人生。分からないようで分かる、異常なようで、誰にでもありうる普遍的な生きづらさ。「普通」という呪いにとらわれて苦しむつらさ。
「どうしても入らない」という精神性。家族との関係。
そして、最後の手書きの迫力。
誰の人生もみな、「名作」になるのかもしれない。ひっそりと耐えて生きてきたこの人のように。
読み終えた後にはやっぱり、まだ家に置いておこうと思わされた。
(そして再読すると、あの時は知らなかった乗代雄介さんの名前があとがきに載っていて驚いた。いまや芥川賞ノミネート作家…!)
誰にも悩みはある
タイトルからして中々購入出来ないでいましたが今回思い切って読んでみることにしました。リアルにタイトルどおり現実の悩みを抱えて生きてきた内容でした。誰にも相談出来ず仕事でも心が崩壊してしまいそうな出来事があってもなんとか踏ん張ってきた作者を応援したくなりました。夫婦には他人には分からない様々な悩みがあるものです。自分の人生は自分だけのもの!楽しく謳歌させなくては勿体ないとつくづく考えさせられました。
Posted by ブクログ
壮絶ですね。
面白おかしく書いていますが、どうしようもない現実とどう向き合うか。そして心の弱さが生々しい。
客観的な書き方なので、すらすら読める作品でした。
Posted by ブクログ
現代版「人間失格」とでも言えるような1冊でした。面白かったです。人に言えないことを抱えて、それでもなんとか人間のかたちを保ちながら生きている。そんな素敵な夫婦だと思います。
Posted by ブクログ
赤裸々な...というと聞こえがいいかもしれない。
自分のせいではないのに。夫以外の人とはセックスができるのに。
それでも夫婦関係を続けることができるっていうのが、まずすごい。精神的に支えあっている。実際夫が性病になっても、社会に適合できなくても支えている。
でも、では、夫は?
外の女で性欲を発散してポイントカードためて、性病もらってきて...ヒモのような状態になって
夫婦の在り方はもちろんひとそれぞれ。でも、できれば、できる限り分かりやすい形で幸せであってほしいと思う。
Posted by ブクログ
この感想が適切かはわからないけど、すごく良かった。なぜ適切かわからないと濁すか。それは、作者はきっと自分の人生について、夫を含めて最終的には肯定的に見ているように見えるのだが、読者である私からだと主人公だけが我慢しすぎてかわいそうだと思ってしまうから。
教員、そして家庭生活の日々の中で唯一の捌け口だった、日記を書いていたサイト。主人公はサイトを訪れた相手の欲のままに抱かれるが、ずっと後になってから最初に会った男に指摘されるまで、実はそのサイトが出会い系だと気付かない滑稽さ。たとえ主人公がその日記に日々の苦しみを綴っていても、結局はそういうキャラ作りだと思われてしまう。これってなんて酷い話なんだろう。
酷いのは夫もだ。入らないからって自分だけ咥えさせて顔射して寝る??夫とその後一緒にお風呂に入り、顔を洗っているとかならまだ愛があるけど、そんな性行為で主人公が得るのは虚しさだけだ。
顔射する人間は女性の尊厳を傷つけていると思う。もっとも、主人公がそれで快感を覚える性癖なら何も問題ない。しかしどうもこだまさんの文章を読むと、そこに主人公が快感を得ている描写がないのだ。だからかわいそうという感想が浮かんでしまうのかもしれない。
主人公がセックスで存在意義を感じるのはいい。それは勝手だ。しかしなぜ主人公に関わる全ての男、そして夫は、自分だけの欲求を押し付けばかりで、主人公と共に気持ちよくなることを考えていないのだろう。どうしてそんな男に囲まれた人生でも、主人公は肯定的に捉えられてしまうのだろう。
ここまでが、読んで悲しくなったところ。
「良かった」というのは、多くの女性が感じるであろう心の機微を文章にしてくれたこと。私も存在意義を感じたくて、気持ちよくないセックスをしたことだってある。そのとき感じた充実感と虚しさをここまで文章にしてくれた作品は今まであまり出会ったことがない。
そしてその二つの感情を私が抱いていたのは若かりし頃の話だ。この主人公で言えば、処女を捨てた頃合いか。決して結婚してからではない。過去には自暴自棄なり、教員になってからも傷つき辞めた私も、今では人並みの幸せを夫と得ている。
そう、これがすべてフィクションであるなら、私は問答無用で☆5を付けた。痒いところに手が届く最高の文学だから。ただ、実際にこの日本を生きる女性の随筆だからこそ、☆5は付けられなかった。
Posted by ブクログ
まず率直に、男女の愛の形は人それぞれで世間一般のいわゆる「多数派」の意見を当たり前のことのようにぶつけるものではない。と改めて思った。
自分にとっての当たり前が目の前の他人には通用しないかもしれない。
付き合っているからセックスする、できるのが当たり前ではない。ましてや好きな人とだけできないこともあるのだ。
私は好きな人とのセックスが辛いという体験をしたことがない。幸せなものだと思っていた。
そうでない人もいる。また自分の知らない世界を知ることになった作品だ。
この本ではセックスだけでなく、主人公こだまが心に秘めた荒んだ思いがたくさん詰まっている。
誰かに辛いと言えないこと、悩んでいると言えないこと、自分の悲しみのはけ口がないこと。
それがどんどん自分を追い込んでしまうのだ。
総じて悩みを打ち明ける相手がいること、時分のストレスを解放することが自分を楽にできるのだと感じた。
寂しい、苦しい心の闇はその人の言動行動に現れる。
まだ非行などで反抗できる人のが生きやすいのかもしれない。何も言えずに抱え込んでしまう人よりは。
いつか自分にも起こるかもしれないこと。
他人事ではない。
自分の当たり前を相手に押し付けずに生きてゆきたい。
Posted by ブクログ
タイトルとは裏腹に、重たい内容でした。でも、文調はわかりやすく、楽しく、ニヤリとさせられる表現が散りばめてあって一気に読めました。私も結婚して15年。子供なし。人ごとではなかったので共感を覚えました。
仕事に行き詰まっていたり、夫婦のあり方に悩んでいる方にオススメです。ただ、内容がリアルすぎて苦笑、の連続でした。この感覚、昔あったよなぁという照れくさいような、呆れたような、不思議な感覚を味わえると思います
。
Posted by ブクログ
仕事のできる彼は家庭の事で人に言えない悩みを持っているかもしれず、いつも明るくて優しい彼女は自分の性別に違和を感じているかもしれず、責任感が強く、いつも人に優しくありたいと願っている担任の先生は、ちんぽが入らないのかもしれない。
いつだって人を傷つけるのは、想像力の無さから生まれる悪意の無い一言で、そんな言葉で傷ついた人を救ってくれるのは、世の中のふつうを押し付けず、ありのままを受け入れてくれる人の存在なんだと思う。
話の内容は重いが、軽妙な語り口でとても読みやすい作品。タイトルで忌避せず、是非多くの人に読んでほしい。きっと明日から少し人に優しくなれる。
Posted by ブクログ
初めてタイトルを見たとき、なんて破廉恥な!という印象とともに、表紙の優しげなイメージから人間らしい弱さと暖かさを感じた。
セックスレスの問題は単にセックスをしないだけではなく、挿入できないという、夫婦において致命的とも言える問題があったんだ、と独身のわたしは気付く。
著者のこだまさんが夫さんと出会い、一度もセックスできないまま、それでも結婚に至ったというのがまず感動で。男女の関係においてセックスは重要だけれども、それ以上に心のつながりがあったのかなぁと思った。
といっても、2人の結婚生活があま〜く描かれてるわけでなく、自身の仕事の辛さや不器用さ、病んでいく姿には共感してしまった。マヒしてしまうのだ。
退職後は病に倒れ、前向きに頑張った不妊治療も続けていくことが困難になり、夫までもがパニック障害になる。
生きていれば何かしら問題にぶち当たり、うまく回避できることもあれば、まともに受けてしまうこともある。この夫婦を不器用だと笑えるだろうか。病院に行けば済む話だという人もいるかもしれないが、自己肯定感が低い著者にとって、それはハードルが高いと言える。
では、自己肯定感が低い人間が悪いのかというと、そんな風に片付けてしまうのはあまりに冷たい。
多様な生き方が増えてきているにも関わらず、結婚したら子どもができるのが当たり前という世間の考えが苦しめていることはまだまだ多い。
こだまさんはこうして表現することで、吐き出すことができているけど、もっと自分だけの殻に閉じこもって苦しんでいる人はたくさんいると思う。そういう人たちの励みになったんじゃないだろうか。
女性の性に対する前向きな表現が一歩前進したとも言える。
Posted by ブクログ
タイトルから色物系かと思ったが、実話であり、文学的な内容でした。
ユーモアを交えたドラマでした。
また、少子化問題や子供のできない方の想いが込められている作品である。
ドラマ化決定。話題沸騰!
“夫のちんぽが入らない"衝撃の実話――彼女の生きてきたその道が物語になる。
2014年5月に開催された「文学フリマ」では、同人誌『なし水』を求める人々が異例の大行列を成し、同書は即完売。その中に収録され、大反響を呼んだのが主婦こだまの自 伝『夫のちんぽが入らない』だ。
同じ大学に通う自由奔放な青年と交際を始めた18歳の「私」(こだま)。初めて体を重ねようとしたある夜、事件は起きた。彼の性器が全く入らなかったのだ。その後も二人 は「入らない」一方で精神的な結びつきを強くしていき、結婚。しかし「いつか入る」という願いは叶わぬまま、「私」はさらなる悲劇の渦に飲み込まれていく……。
交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った“愛と堕落"の半生。“衝撃の実話"が大幅加筆修正のうえ、 完全版としてついに書籍化!
いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて二十余年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間 に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。
何も知らない母は「結婚して何年も経つのに子供ができないのはおかしい。一度病院で診てもらいなさい。そういう夫婦は珍しくないし、恥ずかしいことじゃないんだから 」と言う。けれど、私は「ちんぽが入らないのです」と嘆く夫婦をいまだかつて見たことがない。医師は私に言うのだろうか。「ちんぽが入らない? 奥さん、よくあること ですよ」と。そんなことを相談するくらいなら、押し黙ったまま老いていきたい。子供もいらない。ちんぽが入らない私たちは、兄妹のように、あるいは植物のように、ひ っそりと生きていくことを選んだ。(本文より抜粋)
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Posted by ブクログ
経験談や治療などの話かと思ったが、著書の半生のエッセイだった。
すらすらと読みやすい文体であっという間に読み進められる。
結局なぜ入らないのか、謎のまま終わったのがもやもやする。
Posted by ブクログ
ネットのインタビューかなんかで知った本。
18歳で出会い、そのまま結婚したものの、付き合い当初から彼のちんぽが入らない、入れても半分、痛みと多量の出血を伴う…他の人のは入る。大きさの問題か?本当に著者は悩んだだろう。加えて、仕事のトラブルからの病み、免疫系の病気…。他人だけど、勝手に幸せになってほしいと願うばかり。
おもしろかった
もう少しはやくよんでいたらいろいろと人生感もちがっていたかもなと思った。
タイトルに戸惑いがあって店頭では手にできなかったのでブックライブで読めてほんとうによかった。
考えさせられる作品だったので是非いろんな人に読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
文章が巧い。初めて読んだときは、なんだこの人!?と、想像と違った内容に少し嫌悪感のようなものを抱いてしまったのだけれど、今になって再読してみると、ものすごく肯定的になり、最後の数行に頷いてしまった。私の受け取り方が変わったのかわからないけれど、この夫婦の答え、この人の生き方に、何も誰も関係なく人間としてただただ必死に生きてきたんだな、生きてるんだな、と感動するのみ。逃げてるようで、向き合ってきた人。でなきゃ、これは書けない。
あと、本の装丁が美しくて手放したくなくなる。あとがきのしかけも。
再読 2020.4.24
Posted by ブクログ
ちょっとだけ信じ難かったが
でもやけにリアルな感じがした。
エッセイだった。まじだった。
色々と心に来るものがあった。
どん底を持ってると人は強くなる
確かにそうだと思う。
読み終えたあと、心にズドンと重い得体の知れない物が居座っている。
あとがきはよりもっと「先」を見せてくれた。
全体的に良い本だったけど
自分はこれを読む状態ではなかったなぁと
そこだけ後悔。
元気な時、余裕がある時
また読み返してみよう。
Posted by ブクログ
友達に薦められて。タイトルは衝撃的だけど、あぁそういうことか。ちんぽが全てではないよな、と。人間のいろいろな部分を見せつけられて考えさせられた。作者は元教員。共感できる部分も同情してしまう部分も。
Posted by ブクログ
この本が出版されてから、本屋さんには
若い女性の店員にこの本のタイトルをわざわざ言わせようとする男性客が押し寄せたり、
冷やかしの電話がたくさんかかってきたそうです(アホか)
そんな話を先に聞いてしまっていたため
売るためならどんなタイトルだってつけてしまう出版社にあまり良い印象を持てずにいました。
もともと同人誌に掲載されたと言うこのお話。
このタイトルをつける必要性はどこにもない内容だったけれど
このタイトルでなければ売れなかっただろう。
実際ここに書かれているのは『入らない』ことなんて
たいしたことではないと笑えてくるくらい
生きることに苦労を重ねる夫婦の話だ。
とても読みやすくユーモアのある文章なので
うっかりすると何か感動的な話を読んだ気になってしまうが
夫婦が流した血と涙の重さはズシンと心に響いた。