【感想・ネタバレ】少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を巡る大学生達の話。
主人公の大学生の青年は亡くなった友人の足跡を辿るため、大学へ進学した。しかし困窮と勉学の日々に追われ、元々の目的を忘れかけていた。
そんな日々の中で突然ある少女に出会い、彼の物語が動き出す。

というこんな話だけど、上手いこと出てくる人物の全てが映画に関わっている。また映画を中心に話が進んで行きます。

物語の2/3は正直パッとしなかったけど、主人公
が自分のやるべき事に目覚めてからは、その情熱に当てられ、めちゃくちゃ面白くなってきた。

途中までは森見さんの作品に似たような感じがあったけど、最後は全然違ったね。
情熱がたぎるいい作品でした。
ここまで情熱の苦しさを切り取った作品も無いかもしれない。

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2017年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初読みの作家さん、書店で平積みされてるのに惹かれ購入、ジャケットも好み。
この一肇(ニノマエハジメ)氏、ラノベ出身で『魔法少女まどか☆マギカ』のノベライズを手掛けているとのこと。

まず文体と主要キャラ造詣、これには大きな既視感がある。ジャケットからも想像に容易いが「夜は短し恋せよ乙女」を連想せずにはいられない。今時の若者が決して使わないバンカラ言葉、ヒロインの容姿に言葉遣い、貧乏苦学生の暮らしetc…パクリ感は否めないものの、そこに「映画」に魅入られた人々がミックスされる。

「映画」にかかわる作品として重い浮かぶのは「探偵映画」我孫子武丸著、海外版として「フリッカー、あるいは映画の魔」セオドア・ローザック著などを思い出す。主人公の秘匿されたる停滞の原因が、「映画」に魅入られ自死を遂げた親友の「死」の真相究明というミステリ的構造を謳っており、中盤までは延々と繰り返される苦学生バンカラストーリーに、どうやって解決(オチ)をつけるのか、半ば作品としての成立に疑いを持ちつつも我慢しながら読んだ。

しかしながら親友の未完の短篇映画の最後のカットを撮りきる件にくると、スピード、サスペンス、キャラ立ち、全て停滞を感じていたものが急激に輝き出して、一気に解決へとなだれ込んだ。

正直、いくつかの仕掛けは仕込まれていて、それは今さらの手法ではあるが、自分は気付けなかったし見事な着地、解決と評価した。時代を築いた一大コンテンツ「まどマギ」のノベライズを手掛けただけのことはあると納得した。(まどマギもミステリ的どんでん返しに富むストーリー構成であることは周知の事実でしょう)

ただ残念なのは最後の最後、ヒロイン「さち」の在り様をファンタジー然として、無理やりなハッピーエンドで締めてしまったことである。ハッピーエンドは嫌いでないが、もう一捻りが欲しかったと思う。

まぁ個人的趣味をあるが、そこそこ楽しめる作品でありましょう。

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2017年07月27日

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