【感想・ネタバレ】無花果の森のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

あぁ〜、やっぱり小池真理子さんは、良いわ!すごい事件が起きるとか、犯人探しとかなくても、もう、グイグイと読まされてしまう。小池真理子さんは、美しい文を書くけれど、それは決して女らしいとか綺麗とかいうことだけではなく、丁寧さと、深みのある力強さと、リアリティがあるので、恋愛ものでも、ミステリーでも、ホラーでも、良い意味で、品の良い味わいがあるのです!

私自身は「何もかも捨てて見知らぬ地へ行く」ということをする勇気もないし、幸い、逃げなきゃならない事情に陥ったこともないけれど…。それしか選択はないと思えるほど…だけど、死ぬことは絶対考えない、という主人公の泉の心情に、終始いろいろと感じながら読んでいました。

女性画家の八重子も、“世界お人好し選手権があったらグランプリ”になるくらい”の(笑)おかまのサクラも、言葉は乱暴だけど、心根の優しさがあり、とっても良い味出してたなぁ。

黙々と、ただただ生きていった泉に寄り添い、ラストは…良かった。泣けました。

印象的だったところ少し。(人生ってワード多くなっちゃった)
ーーーーー
失うものなど、もう何もなかった。だからこそ生きのびることができる、というのは、人生の途方もない皮肉だった。

自分が負わされた傷。図らずも自分が悪魔になって相手に刻みこんでしまった傷。それらを隠蔽し、風化させ、忘れてしまったような顔をしながら、飄々と生きていく以外、方法がないのが人生なのだ。

あたしはね、理由が何であろうが、女に暴力をふるう男は全員、死ねばいいと思ってんだよ。同じクズでもいろんなのがいるけど、そういう男は最低のクズだ。

子を作れば、何かと悩みのたねになるし、作らなかったら作らなかったで、後悔のたねになる。人生は難しいさね。

まじめに答えられると腹が立つから、笑ってりゃいいのよ。あんたも馬鹿ね。

変わり身を早くしなくちゃ、生きていけないじゃないの。人生これすべてサバイバルよ。
ーーーーー

0
2023年02月17日

Posted by ブクログ

追い詰められた時
あでもなく辿り着いた土地で
彼女にとっていい出会いがあり
悲しい別れもあったけれど
ハッピーエンドもありで
最後、サクラの存在が良かった。
サクラバーに行ってみたい

0
2023年09月03日

Posted by ブクログ

よかった。
泉の追い詰められている感じがリアルで自分も逃げ回っているような気持ちになった。
キャラの強い人たちが周りに多いけれど、それもなんだかよかった。
サクラのバーに行ってみたい。

0
2023年07月24日

Posted by ブクログ

「ドラマ的展開」が面白く、どんどん読み進めてしまう系統の物語だった。人間ドラマ+微サスペンスという風情。

有名な映画監督を夫に持つ新谷泉は、度重なる夫からの暴力に耐えかねて、ある日夫が不在のうちに家を出た。
そして流れ着いた寂れた地方都市で、老齢の女性画家の家での住み込み家政婦の仕事に偶然ありつき、身を潜めて暮らし始める。
夫に探し当てられるのではないかと怯えながら暮らす中、主である画家の付き添いで行った街のゲイバーで、かつて関わりのあったある男と再会してしまう。

後ろ暗い雰囲気が全開で、泉の怯えが文体からも伝わってくる。
そんな中「ある男」の塚本と再会したことが、泉の人生をがらりと変える。
彼とは良くない因縁があり会いたくない相手だったが、とある犯罪の濡れ衣を着せられて逃亡した末にこの街に流れ着いたという泉と遠からずな事情を抱えていたことが、2人を引き寄せ合うエネルギーとなる。

泉はある意味とてもラッキーで、逃亡先で出逢った画家の八重子やゲイバー店主のサクラなど、まっすぐに「良い人」ではないものの情が深い人たちに恵まれて、人生が好転していった。
人生の流れを左右するのはやはり出逢いなのだと思わされる。

個人的には、もっとゴタゴタ一悶着も二悶着もありそうな気がしたけれど、わりとストレートにあっさりした流れだったように思った。
やじうま的感覚で、ゴタゴタを少し期待してしまったのかも。笑
厚みのある本だけどあっという間に読み切った。
住み込み先の庭に成る無花果がところどころ効果的に現れて、物語にそこはかとないエロティックさを添えていた。

0
2023年01月09日

Posted by ブクログ

登場人物が少ない事もあり、主人公の泉には全篇通してかなり感情移入しながら読み進める事が出来ました。

夫から理不尽な暴力を受けていた泉 無実の罪を着せられて逃亡する塚本。
理不尽な事が許せない体質なので2人の逃げ隠れしなければいけない状況がもどかしく辛く可哀想で堪りませんでした。

泉が身を寄せた家の画家、天坊八重子と塚本が世話になったおかまのサクラの2人の人物描写も見事で絶えず脳内映像で動いていました。

泉と塚本の行く末が気になり一気に読み進めましたが、しっくりと来るラストで読後感も満足です。

0
2021年01月27日

Posted by ブクログ

どこかで見たようなベタなストーリーだけど、なかなか好きな話でした。
先も読めて、最後も予想通り。
でも好きだなぁ〜

0
2015年05月16日

Posted by ブクログ

ありそうでない、なさそうである、
全体的にそんな感じ。
恋も日常も。

なので、映画化された理由がよくわかる。
小池真理子さんの中では好きなほう。

0
2014年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良かった、ハッピーエンド。かな?
鉄治が泉の元から離れたあとは嫌な予感ばかりして、その割には残りのページ数が少なくて笑。八重子の死が分かった時は、すごくショックを受けている自分がいて、八重子が愛されキャラだったことに気づかされた。サクラもいて良かった。

0
2014年05月29日

Posted by ブクログ

いただき本

DVから逃れひっそりと暮らす女性と、無実の罪をきせられた男性。
ここに老人の画家やサクラちゃんなどが絡む。
男女がそれぞれの暮らしを仕切り直すまでの話。
案外サラッとした感じ。

0
2023年08月18日

Posted by ブクログ

絶望しながらも、生き抜くのだという意思は揺らがない新谷泉の新しい場所「岐阜大崖」。実在しない場所という事だが、なんだかリアルなさびれ方で、数駅離れたところにありそうな感じが凄い。

起こることは、八重子が「安手のドラマ」と言い切るようにまさにそんな感じなのだけれど、登場人物一人ひとりの描写がしっかりあって物語を追うのが楽しかったです。

八重子の物言いも性格も好きです。ここまでスッパリ割り切っている(ように振舞って生きている)のはカッコよく思えました。

0
2023年04月07日

Posted by ブクログ

無花果って、実の中に花が咲くって。知らなかった。そんな無花果に象徴されるウェットな物語。前半部分、夫のDVからの逃避行、住み込みの家政婦になる所までは結構面白かったけど、後半の恋愛パートになってからは一気にメロドラマ風。作中にも「安手のドラマみたい」というセリフがあったがまさにその通り。しかし毒舌バアサンの八重子と、その友人オカマじいさんのサクラがかなりアクセントとなって話を彩って?くれたおかげか、読後感は悪くない。

0
2019年02月26日

Posted by ブクログ

表紙の無花果のイラスト(と思ったら実は写真でした)が綺麗だったので、そこまで惹かれるあらすじじゃなかったけど購入。小池作品にある大人のしっとりとした色気と激しい情熱を押し込めたような雰囲気が好きです。
とにかく八重子とサクラが良いキャラだなぁ。2人ともただ主人公を助けるための脇役じゃなくて、ちゃんと歳を重ねるごとに刻まれていく良い感じの小狡さみたいなのもあって、味わい深いキャラクターだなと思いました。
個人的に鉄治に魅力を感じなかったので2人の恋愛に関してはさらーっと読み流しました。それよりも泉が岐阜まで逃げてきて鉄治と再会するまでが面白かったです。大崖に関して、岐阜って大垣の他にも似たような地名があるだと東海地方民なのに知らなかったので調べてみたら、大垣をモデルにした架空の地名だったんですね。地方の都市という感じの描写に懐かしさを覚えます。

0
2016年08月19日

Posted by ブクログ

全篇通して暗い。暗すぎる(;´Д`)
気分が落ちてる時に読むもんじゃないです。
殆ど恋愛小説っていうより、逃亡劇。
あと主人公が尽くし過ぎて、こういう不幸な尽くすタイプの女って身近にいるなあて思った。
八重子とサクラがいい味出してる、原田夏希チャン主演の映画の方を観たい!

0
2015年06月14日

Posted by ブクログ

やっぱり小池真理子作品は好き。
でも内容的には物足りない。
泉の絶望と鉄治の絶望。。。設定が弱いのかな?
そこまで悲観しなくてもなんとかなるんじゃないの?って感じ

0
2014年10月16日

Posted by ブクログ

夫のDVから逃げて、正体を隠してひっそりと暮らす…… 、悲壮な感じのスタートだったのに、優しい人たちに囲まれて穏やかな物語展開。
こんなに上手くいっていいのか。
夫ともあっさり離婚しちゃったし。
ただ、優しい物語なので、読んでて悪い気はしない。

0
2014年07月13日

Posted by ブクログ

DV、寂びれた街、逃げる男、画家、隠れる女、おかま、雨、映画監督、ちょっと現実から離れてゆっくり読みたい本です。

0
2014年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

#bookoff
普通かな。。恋愛小説の気分ではなかったのと、そういう状況心境の時始まった恋って長続きしないよ私は…という個人的感想が散らついてしまった。

0
2014年07月20日

「小説」ランキング