【感想・ネタバレ】本当はひどかった昔の日本―古典文学で知るしたたかな日本人―のレビュー

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Posted by ブクログ

古典文学を、残虐性という面から抜き出して、昔の日本人の価値観や習慣が現代と比べていかにひどかったのかを記述した一冊。 ”昔は良かった”という論調に対して、”そんなことはない、昔の方が今よりずっとひどかった”という主張となっている。

残虐性という性質上、なかなか学校では詳しく扱えないという事情からか、知らないことがたくさんあり、内容が新鮮で面白かった。本書内で著者も述べている通り、現代人のやった程度の事、思いつく限りの残虐な行為というものは、とっくの昔に誰かがやっているものである。

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2017年05月18日

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なかなか興味深かったです。
昔は良かったなんて、幻想。。。
あとがきにもありましたが、未来を今を前向きに見ることが出来そうな感じです。
本の中身はもっとおどろおどろしいところもありますが。
学生の時、古典は苦手だったけど、今と感覚が違うから理解できなかったから。けど、そこが面白いんだなと歳をとると理解できるのか?!
作者の他の本も読んでみよう。

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2020年01月19日

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昔は良かったという嘆きを覆してくれる、昔はもっと酷かったという話。古典に書かれた実証であるが、ひどい話に暗さはなく、さばけた語り口が良い。古典に興味が湧いてくる入門書でもある。2018.4.22

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2018年04月22日

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ある程度、古典や歴史の狭間でうごめいているのは
わかっていたけど、これだけの量で畳み込まれると、
やっぱり昔って酷いこと沢山あったんだなぁと、
現代に生きていることに感謝してしまう。

生類憐みの令が実は、捨て子、捨て病人の禁止をも
決めていたって知らなかったです。
あぁ読みが足りなかったな。もっと勉強しなくちゃ。

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2017年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生類憐みの令で、「捨て病人」が禁止されたと聞いてビックリ。じゃあそれまでって…
( ̄∀ ̄)
古今東西、現代日本よりラリホーな地はない、ということで、明日も頑張ろう。
軽い読み物の体裁を取っている割に、巻末の参考資料は古文・漢文に同種の文献・サイト、とすごく充実しています。

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2017年02月21日

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<目次>
はじめに
第1章  捨て子、育児放棄満載の社会~昔もあった大阪二児餓死事件
第2章  昔もあった電車内ベビーカー的論争~「夜泣きがうるさい」と子を捨てるようなシングルマザーに迫る村人たち
第3章  虐待天国江戸時代~伝統的「貧困ビジネス」の実態
第4章  本当はもろかった昔の「家族」~虐待の連鎖も描かれていた「東海道四谷怪談」
第5章  マタハラと呼ぶにはあまりに残酷な「妊婦いじめ」
第6章  毒親だらけの近松もの
第7章  昔もあった介護地獄から舌切り雀の実態
第8章  昔もあったブラック企業~リアル奴隷の悲惨な日々
第9章  昔もいた?角田美代子~家族同士の殺戮という究極の残酷
第10章  いにしえのストーカー殺人に学ぶ傾向と対策
第11章  若者はいつだって残酷~「英雄」か「キレやすい若者」か
第12章  心の病は近代文明病にあらず
第13章  動物虐待は日常茶飯~そして極端なペット愛好
第14章  究極の見た目社会だった平安中期
第15章  昔から、金の世の中

<内容>
2014年刊の単行本の文庫化。大塚ひかりさんは、古典を解釈するだけでなく、現代の世の中に反映させることに長けている。なので、こうした人が先生なら、「古典」の授業はとても役に立つ(役に立つだけじゃダメなのかな?)。そして、現在世相をバッサッと斬ってくれる。例えば、平安中期(摂関政治の貴族文化全盛期ですね)は、「見た目が90%」どころか、100%だった可能性が。もしも美容整形の技術がこの時代にあったら、現代の韓国社会顔負けの「美容整形」ブームだったかも。また、ブラック企業はいつの時代もあったとか、介護地獄やストーカーや心の病も現代特有のものではない、と読み解く。ときどき世の論者と言われる人たちが、訳知り顔で「現代社会特有の~」と言っているが、人間いつまでも変わらない生き方をしているんだ。「絆」と言ったって、昔から「ひきこもり」はいたし、「少年犯罪」は残酷だったし、何も変わりはなかった…。安心すべきか、対策もないな、と諦念すべきか…

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2016年10月01日

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ネタバレ

<目次>
はじめに
第1章 捨て子、育児放棄満載の社会~昔もあった大阪二児餓死事件
第2章 昔もあった電車内ベビーカー的論争~「夜泣きがうるさい」と子を捨てるようなシングルマザーに迫る村人たち
第3章 虐待天国江戸時代~伝統的「貧困ビジネス」の実態
第4章 本当はもろかった昔の「家族」~虐待の連鎖も描かれていた「東海道四谷怪談」
第5章 マタハラと呼ぶにはあまりに残酷な「妊婦いじめ」
第6章 毒親だらけの近松もの
第7章 昔もあった介護地獄から舌切り雀の実態
第8章 昔もあったブラック企業~リアル奴隷の悲惨な日々
第9章 昔もいた?角田美代子~家族同士の殺戮という究極の残酷
第10章 いにしえのストーカー殺人に学ぶ傾向と対策
第11章 若者はいつだって残酷~「英雄」か「キレやすい若者」か
第12章 心の病は近代文明病にあらず
第13章 動物虐待は日常茶飯~そして極端なペット愛好
第14章 究極の見た目社会だった平安中期
第15章 昔から、金の世の中

貴族と比較して、庶民。
わざわざ書き記されているのだから、残酷が一般的な証拠というのには留保必要。
また庶民、武家、江戸庶民、地域差、時代差で留保をつけず古典の庶民はというのは言い過ぎ。
親孝行第一主義の浸透、仏教間の浸透もグラデーションだろうし。
とはいえエピソードの面白さは間違いない。
またこういう見方は「古典に生きる」ひとつのやりかただ。

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2018年06月12日

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捨て子ネグレクト満載、夜泣きがうるさいと子を捨てるよう迫る村人たち、伝統的貧困ビジネス、家族の虐待の連鎖、妊婦イジメ、独親だらけ、介護地獄、ブラック企業、家族同士の殺戮、ストーカー殺人、残酷な若者、心の病、動物虐待、見た目社会、金。

昔は良かった、のイメージだけの昔を、リアルに教えてもらいました。子供向けのお話、などではかなりソフィスティケートされていたのですね。

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2018年04月09日

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人間関係で最近話題になってるヒドイ話(ネグレクトやマタハラやストーカー)は、実は遥か昔からある、 と著者が古典を引き合いに出して説明する本。 確かに昔は人権なんて言葉なかったろうし、ヒドイ話はたくさんあったんだろうなと思う。 ただ、夜泣きで村を追い出される話にはちと驚いた。そこらへんはおおらかだと思ってたから。 まあ人間そう変わらないよね。 ただ、古典の記述は記述として、そこからの結論の出し方に著者の思い込みが多々入っているようにも思えた。

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2017年12月25日

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とかく、昔はよかったと(特にお年寄りー読み手も含む笑)口にしてしまう人々に、著者は古典を解説しながら、そんなことはありませんと、解き明かす。
『古事記』から始まり、『日本霊異記』『宇治拾遺物語』、果ては『枕草子』『源氏物語』まで、日本の古典を渉猟し、原文と現代語訳を並列してくれる。
そして、育児放棄や児童人身売買、ストーカー殺人や動物虐待の話など、古典にも記されており、けっして現代だけの事件ではなく、いずれも昔からあった出来事で、昔のほうがむしろ残酷だったと、著者は明かす。
それにしても、巻末に掲げられた主要参考文献の膨大さには、圧倒されてしまう。

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2017年10月24日

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まあまあ、興味深い読書ではあった。
自分は、教育勅語に代表されるような体制迎合優等生的な儒教道徳へのアンチテーゼとして読んだのだが。
結果として、古典文学に日本人の残酷さが沢山見出されるんだなーと感心した。
ただ、古典文学だけをワラント(こんきょ)にしたクレーム(主張)は、理論的には弱い。
逆に、近現代の話です統計などを引用している部分は、実証的です面白い。
コンセプト上上記のような弱点が不可避ではあろうけど、もう少し他の資料にあたるなりなんなり、根拠面を補強してもよかったのではないか。
一々そんな文句をつけるのは野暮か?

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2017年05月08日

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人間のモラルは、時代が進むにつれて、良い方に進歩していくと。どこかで聞いたことがあるけども……。
たかだか1500年ぽっちでは、人間の良しあしなぞ、変わらないのでは……とさせられた一冊。
古典の入門としても最適か。

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2017年01月05日

Posted by ブクログ

言われてみればその通りだが、ちゃんと言われないと認識できないもの。読んでてもそりゃそうだ。となって納得感がある。昔話を現代語のニュースで報じたような分析があって面白い。こうやってキチンと分析してもらわないと、虐待やハラスメントを素通りして古典を読んでる自分達が、日本文化の集大成であるなら恐ろしい。

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2016年12月12日

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美談ばかりに触れていては見方が偏るので、こういう露悪的な視点も必要。そうは思うものの、読んでいて気分の良い本ではなかった。実際のところ、各時代・各地域で虐待や暴力などがどのくらいの頻度であったかなんてわからないし。

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2016年11月16日

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