【感想・ネタバレ】あしたはれたら死のうのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最初の方は、主人公の同級生達のいじめがあまりに幼く羞恥すらも感じたのですが、後半につれて謎が解けていき、最後の十数ページは号泣してしまいました。
これは私が家族に恵まれているからこその感想なのかもしれないので、もしかしたらあまり感動できない方もいらっしゃるとは思いますが…

(以下、少々ネタバレ入ります)
この物語の『わたし』である遠子と志信は、“面白くて、優しい、無責任な人間”の被害者だと感じました。“面白くて、優しい、無責任な人間”とは即ち、遠子にとっては父親、志信にとっては母親の元恋人のことを指します。
遠子はヒステリックな母親を疎み、父親といる方が快いとすら感じていました。父親はヒステリックでもなく、怒りもせず、冷静に話を聞いてくれるからです。しかし、最終的には母親のヒステリーが心配故のものであると気づきました。
一見腹立たしいことを言う人の方が、自分のことを想ってくれている場合も多いことに私自身、改めて気付かされました。
志信の方も同じです。
遠子も志信も遠子の母親も花子さんも、全員“無責任な人間”に人生を狂わされています。
何故“無責任な人間”が面白くて優しいのかといったら、それは責任を取るつもりがないからです。だから、なんでも好き勝手できるのです。相手の後先も考えずに優しくできるのです。
これからの人付き合いを考えさせられる話でもあるなと思いました。

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2022年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「あしたはれたら死のう」と日記に書いた翌日、遠子は、ある少年と共に、橋から飛び降り自殺を図る。遠子だけは命をとりとめたが、遠子は数年分の記憶と感情を失っていた。
なぜ「わたし」たちは死のうとしたのか、遠子は本能的な使命感で、「わたし」たちの自殺の原因を探っていく。

(以下ネタバレあり)

書き出しが、「帯広という街の名前の由来は、少女の性器という説がある。」で始まる衝撃。
この小説は淡々と謎に迫っていく感じが小気味いい。
特に志信くんの秘密がだんだん明らかになっていくのは驚き。愛する人に裏切られ、紙飛行機を壊すことになり深く傷ついた志信くん可哀想です。
しかし、石川さんが志信を真に愛していた云々の描写があったけど、完全に金を払って体を許す関係があったんでしょ。
16歳の高校生と淫行とか、犯罪ですから。承認欲求が強い志信くんの未熟さと不安定さを大の大人が利用するなんて、純愛でもなんでもないでしょ。
石川悪くない的な描写に違和感たっぷりです。

最後もすっきりした終わり方のようだけど、遠子の学校関係の描写も入れると良かったのに。一度川で自殺未遂した女子高生が、その後再び川で死にかけるって、大ニュースだよ。学校も対応大変だろうし(担任の先生「またかよ・・」とか落胆してしまいそう)、千晶の話だけ出して、シロとつっかの話に触れないのはなんとも悲しい。
結局遠子はあんまり友達と思っていなかったのかな。

「あしたはれたら」が平仮名なのが、何らかの意味があるのではと思ったが、何にも意味なくて残念。

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2016年12月11日

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