【感想・ネタバレ】村上春樹、河合隼雄に会いにいくのレビュー

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久しぶりの再読。3回か4回目かというところで、今回が最も理解できたと思う。
私自身の年齢が半世紀近くなったからか、夫婦についての話題に釘付けだった。これからどうしていこうかな。その決断のためにまだまだ読むべき書籍が沢山ある。

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2023年08月21日

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誰しもが少なからず、精神的な病、瑕疵やしっくりこないことを持っていると思うのですが、この本にはそういったものを解消したり、緩和したりするためのヒントが書かれているように感じました。

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2021年11月15日

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ネタバレ

日本におけるユング心理学の権威である河合隼雄さんと村上春樹さんの対談集。村上春樹さんの「約束された場所で (underground2)」の最後にも少し対談集があったのですが、それが面白かったのでセットで読みました。

村上春樹さん自体はかなり僕と違った価値観を持つ人だと思うのですが、その自分とは大きく異なる価値観を部分的にでも共感させる文章力はさすが☆そして、相手のことを最大限に尊重しながら受け止める側に撤する河合隼雄さんはホントすごい!!

「苦痛のない正しさは意味の無い正しさ」「早い対応、多い情報の獲得、大量生産を目指す時代だからこそ、対応性の遅さや情報量の少なさ、手工業的しんどさが人間を癒してくれる」とかもすごく良かったけど、矛盾の話が一番良かったかな~♪以下、特に心に残った箇所を抜粋します☆
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矛盾をずっと抱え込みながら、答えを焦らずに実際的解決策を見出してはいくが、その矛盾にはずっとこだわっていく。矛盾の存在やその在り方、解消の方法などについて考え、言語化していく。しかし、決して解決を焦らない。そうしているうちに、最初は矛盾として捉えていた現象が、異なるパースペクティヴや、異なる次元の中で矛盾を持たない姿に変貌する。それを持とうとするのです。

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2021年03月16日

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言語で分析する方法は、下手をすると、傷を深くするときがある、と河合隼雄が話していて、逆に言語化することで、意識してなかったらことに気付くことで傷が深くなるのか、と思った。
伝えるのが苦手なのに辛いことがあると頑張って何を悩んでるのか言語化しようとしてたけど、無理に言いたくないことは言わなくていいって言ってくれてる気がして気持ちが少し楽になった。

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2020年11月07日

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いくつか興味深い点について振り返っていく

<コミットメントとデタッチメントについて>

コミットメント(献身、かかわり)とそのマイナス方向の性質としてのデタッチメントは、日常における全ての出来事(人間関係、仕事、趣味)についてかなり重要な意味がある。その関わりの深さで人生のシェイプが決まるよな、とも思う。

元来人はアウトプットしなくては生きていけないと思うし、コミットメントとはアウトプットという概念の1つ下の階層にあたるという意味でも、かなり重要度が高いよなと思う。

<箱庭療法について>

河合隼雄さんといえば箱庭療法なんだなと、何冊か著書を読んで印象づいてきた。

患者に箱庭を作らせ、できた箱庭からその人の精神状態やおかれている状況を読み取るという、変わったアプローチの療法なのだけど、その抽象度が鍵なのだという。

アメリカでは臨床心理のケアを行う際、言葉を用いた論理的なアプローチで患者の精神状況などをとことん分析しようとする傾向があるらしいが、言葉を用いて自分の症状を認知させるようなやりかたを取ると、患者としては逆に傷ついてしまうことがあるらしい。

そこで箱庭を用いた分析アプローチを利用することで、ことを用いずに具体的に患者の精神状況を把握することができるという。

詳細を記載されているだろうからないが、これはやはり経験則に頼るところも大きい治療法なのではないかと察する。

<人間の暴力性について>

村上春樹は戦争以降、日本は平和憲法などを用いて徹底的に暴力性を排除し、その結果として現代人は自分の内に潜む暴力性に気づかず成熟し、その暴力性が顔を出した時に悲惨な結果になってしまうような事件などが怒っている状況について言及していた。

自分はお笑いがとても好きで、中でもサイコパスが現れるよな内容のものを好んだりする傾向があるのだけど、これはここでいう暴力性に対する認知のことなのだなぁと勝手に納得した(笑)

この本は、現代人が生きるにあたって突きつけられる巨大なトピックをかなり本質に近いところで扱っている。

河合さんも村上さんも、職業的にも人柄的にもそこに対して
バシッと答えるようなことはしないけれど、やはりかなり鋭い目線を持っていて、そういうことを認識しておくと、どういうことに自分が悩んでいるのか、突き当たるかという状況に対してメタ認知できる状態になるので、かなり良いと思った。

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2020年07月14日

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村上春樹作品は今まで1作しか読んだことなく、これまでストーリーテリング=小説と思っていた私には、何が何なのかよくわからず終わってた。大きく今見方が変わった気がする。
心のタガが少し外れた。
生きるとは自分の物語をつくること、につながった。

2016.6.12


もっとずっと読んでいたい対談だった。お二人の対話で話題は全然関係ないのだが、自分の深い部分が癒やされていくという感覚がある。
最初に読んだ時から今までの間に村上春樹の本は随分読んだ。
夫婦とは井戸堀りというのと暴力性についての項が響いた。

2023.10.7

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2023年10月07日

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河合隼雄と村上春樹がアメリカで行った対談の記録。河合隼雄はユング派だけあってホーリズム的な傾向が強いのだけれど、村上春樹は作家だけあって言語的に理解していこうとする。とはいえ村上春樹もすべて言語に依存して把握しようとする人でもなく言語や精神を支える身体感覚を大切にする人なので、河合隼雄とは波長があって会話が弾んでいる感じが伝わる。
対談のタイミングが『ねじまき鳥クロニクル』の発表直後だけあって、ねじまき鳥の話が多い。また湾岸戦争やオウム事件との時代的な近さも感じる。ねじまき鳥で暴力や歴史というものが前面に出てきており、その理由を村上春樹は河合隼雄との対話の中で見い出そうとしているようにもみえる。
短いけれど読み応えのある対談集だと思う。

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2024年01月24日

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心理学者の方は、確固とした強い心を持っているのではないかと思っていたけれども、映画の登場人物に感情移入して批評なんてできない、と言っていたのが印象的だった。
二人とも全ての事象の本質を決めつけずに、様々な角度からものを考えていくスタイルが似ており、村上春樹の鋭い提案?を、河合隼雄が優しく包み込み、すーっと滑らかに結論づけていくようなイメージだった。

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2023年09月23日

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村上春樹は、絶対悪とか、絶対善みたいな共通認識が固定されてしまうことをよくないと考える人なのだと漠然と感じた。

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2023年08月01日

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2人の対話は、単純に面白かった。この中に、「ねじまき鳥クロニクル」と「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」への言及があった。いずれも読んでない。長編最新作を読み始めていたのだが、まあまて。このどちらかを先に読もうと思わせてくれた。

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2023年05月20日

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結婚して幸せになるなんて、そんな馬鹿な話があるか。結婚とは共に苦しむこと。「井戸掘り」をすること。それを、こんなに面白いことはない、という。

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2022年03月22日

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心理療法士の河合さんと、村上春樹さん、両氏の結婚に対しての発言も面白い。

河合さん
「愛し合っている2人が結婚したら幸せになれるなんて言う馬鹿な話はない。そんなことを思って結婚するから、鬱になるんですね。何のために結婚して夫婦になるかと言ったら、苦しむために、井戸掘りするためなんだというのが僕の結論なのです。井戸掘りは大変なことです。だから別にしなくてもいいんじゃないかと思ったりするんですよ」

村上さん
「結婚とは、むしろお互いの欠落を暴き立てる過程の連続に過ぎなかったのではないかと。結局のところ自分の欠落を埋めることができるのは自分自身でしかないわけです。そしてその欠落を埋めるにはその欠落の場所と大きさを、自分できっちりと認識するしかない。結婚生活と言うのは煎じ詰めていけば、このような冷厳な相互マッピングの作業に過ぎなかったのではあるまいかと、この頃になってふと思うようになったのです。」


「癒しのために小説を書く」と言う村上春樹氏の発言がとても興味深かった。


村上春樹作品の遷移
1. アルゴリズム、デタッチメント
2. 物語を語る
3. コミットメント(人と人との関わり合い)

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2021年04月14日

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村上春樹によって私が癒されることはないけれど、あいだに河合隼雄を挟むことにより、村上春樹の思考と言葉によって癒されることがあると分かった。メンタルとフィジカルが物語にどう関わってくるのか、意外と小説について語られている部分もあったのでよかった。

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2021年03月21日

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"「何かのメッセージがあってそれを小説に書く」という方もおられるかもしれないけれど、少なくとも僕の場合はそうではない。僕はむしろ、自分の中にどのようなメッセージがあるのかを探し出すために小説を書いているような気がします。”(pp.79-80)

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なるほど。あらゆる活動はそうかもしれないと思い始めた。何かルーツ(根っこ)のようなものでつながっている。それは言い換えれば、自分の中にあるメッセージのようなものかもしれない。

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2020年11月09日

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村上春樹氏と心理学者である河合隼雄氏との対談。村上氏自身のコミットメントが強く生じたオウム事件や阪神大震災まもない時期、名作『ねじまき鳥クロニクル』を書き上げた時期ということもあり、談話内容はなかなかに興味深い。おふたりの話は高度で非常に観念的であり哲学的でもあるので、読者側で反芻して咀嚼する必要があるがおふたりの思考は深いところで繋がりあっているのがよくわかる。箱庭療法に対する日米の違いのエピソード(言語的左脳的な米と、非言語的右脳的な日)は、文学や心理など目に見えない「魂」といった類を扱う者らの文化論として示唆に富む。

特に関心を惹かれたのは村上氏のアメリカでの大学講義の話であった。『ねじまき鳥クロニクル』の見解を「一読者としての見解」として紹介すると、アメリカでは「お前が作者なんだから作者の意図だろう」と突っ込まれるのに対して、日本だとすんなり受け入れられる。村上氏らしいスタンスだが、解釈が難しい作品だけに、私もやっぱり後者の気分(そもそも解釈する必要があるのかという意見も日本ならあるかもしれない)。

後書きが河合隼雄氏なのも面白い。

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2019年09月27日

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メディアと小説についてお二人が述べている、第二夜が好きです。

小説のメリットは、その対応性の遅さと情報量の少なさと、手工業的しんどさ。にある。(メディアはその反対で、そのスピードにのみこまれる。。)

「フィクションは力を失っておらず、何かを叫びたいという人にとっては、むしろ道は大きく広がっているのでは…」

と、春樹さん。

そして河合隼雄先生は
「小説や映画を見るときに、主人公と同定しちゃって一喜一憂している場合が多い」
と仰っていて、すごく嬉しく感じた。

「深く病んでいる人は世界の病を病んでいる」
それで社会に発言するようになったという河合隼雄先生。

なんだか本当に似ていたんですね、お二人の考えは。。

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2019年08月08日

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“結婚とは井戸を掘る作業である。” 村上春樹のこの言葉をさらーっと受け取りポジティブに捉えてたけど、もう一度読んでみたらもっと”苦しいこと”なのだと気付く。

結婚とは、自らの足りないところを補うのではない。むしろ相手の欠落した部分を認識する作業であり、そこからどう関係性を築いていくか、そこからは井戸を掘る作業なのである。ものすごく苦しいことであって、何度も夢見て結婚する人はそれを放棄している。

我が国での結婚における困難は、アメリカ的なromantic loveを追求する一方で結婚を社会的なもの、個人の完成として見る矛盾が存在するから。romantic loveは、性的関係を築いた時点で永続的ではなく、どこかで井戸を掘る作業に移行しなくてはならない。もしくは、romantic loveを他で満たす/ エロスを異性に求めず、ビジネスないし研究に打ち込む。

まあ、要はとっても苦しいことなんじゃないかという、村上さんと河合さんの見解。

上記の対話にもある 自分の欠落は人で補えるものでない、ということに関して、欠落は自分しか補えない。その補う作業、ないし癒す作業が村上にとっては執筆であり河合隼雄にとっては臨床心理である。

“その人にとってものすごく大事なことを、生きねばならない。しかし、それをどういう形で表現するか、どういう形で生きるかということは、人によって違うのです。生き抜く過程の中に、個性が顕在化してくるのです。人は普遍性をどう生きるか。”

人生とはこれに尽きるのだと、改めて感じさせられた。よき対談だ〜

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2019年08月07日

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▢村上春樹(小説家)と河合隼雄(臨床心理士)の対談集
河合隼雄は日本人初のユング派臨床分析家の資格を取得した臨床心理学者。京都出身。
その河合氏のところに村上春樹がでかけ、2晩ビールや食事をしながら、何の準備もなしに語り合った対談集です。
難しい言葉はあまり使わず読みやすいため一日で読破。話題は日本全体のことから身近な出来事まで幅広く、お二人の海外暮らしの経験により、日本の良さや特徴にも気づかせてくれます。
共通のテーマとして、癒し・物語・言語・イメージ等様々なワードが出てきます。読者の知識や経験によって、理解度は分かれるところです。
お二人の所見から、読者それぞれが生きる上で何かしらのヒントを得られるような本になっていると思います。


ワード
癒し・個人主義・コミットメントとデタッチメント・言語とイメージ・物語・暴力・死・夫婦関係

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2019年03月24日

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タイトル通り、知識人がこぞって話したい思う河合隼雄さんに村上春樹さんが会いに行き、対談した様子をおさめた一冊。
さすが、日々思いを巡らすお二人の会話は、、やはり難しい…。しかしわかる部分も一部あり、また再読するときに更に分かることが増えればいいな。時期的には『ねじまき鳥クロニクル』を書き終えたあたりで、作品についても触れ、さらに地下鉄サリン事件にも話は及ぶ。夫婦の関係性等、様々話は交わされ、いつしかその場にいるような気持ちになった。
本書1995年時点の二人の未来予想も遠からず近からずだからスゴい…。

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2023年05月02日

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暴力性が必要っていうのはなんかわかる気がする。物理的に相手を殴るとか刺すとかいう意味じゃなくて。暴力的なものから癒やしが得られることってよくあるしなー。感覚的な話が多くて、お二人だから通じ合える内容であるように思うので、正直理解するのは難しかった。

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2023年03月03日

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この本の感想は、言語化が難しい...。すごく面白かったのにこの思いを文字に起こせずすごくモヤモヤしている。もう一度じっくり読みたい。

拙い言葉で一部書き綴ると...。
色んなパターンで西洋と日本の違いを見比べた時に、あるものをあると認識するのは簡単だけど、ないものをある(逆も然り)と認識するのはすごく難しいなぁと思った。

「治るばかりが能じゃないんですよ。そうでしょう、生きることが大事なんだから。」というフレーズにグッときた。

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2022年07月30日

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村上春樹も河合隼雄も何冊か本を読んで知っているつもりだったが、この対談ではテーマが次々と繋がりながら広がっている。分かったような分からないような。

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2022年05月09日

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村上春樹さんの、小説のベースとなる考えが垣間見れて興味深かった。どちらかと言うと河合隼雄さんの治療のしかたの方に興味を持った。国内の第一線でやっている人でも色々なことを模索しながら治療していることがわかる。

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2021年10月18日

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両者ともにアメリカに在住経験があるからか、考え方がかなり似ていると思った。村上春樹の独特な文学観と、河合隼雄の臨床心理学がうまく調和していて、日本社会の根底にある諸問題を深く考察している。ちょくちょく日本と欧米の比較も入っていたところも興味深かった。

対談とは関係ないが、対談文の下にそれぞれのコメントも記載されているが、場所的に読みづらい。

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2021年09月17日

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部分部分では興味深い対話内容もありましたが、全体的に淡白な印象でした。また、もう少し普遍的なお話が聞けたらよかったなと思いました。

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2021年08月09日

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村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』までの気持ちの移りよう(随分大雑把な括りだけど)がわかる。
でも、もっと重要で詳しいことが書いてあったと思うんだけど読み取れていないかも。

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2021年07月23日

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デタッチメントの確立の先に深い意味でのアタッチメントがある。完全なデタッチメントを目指そうとしても人間はそこまで強くない。かといってアタッチメントの割合を高くしていって人に依存するようになると長続きしない。羊4部作やノルウェイの森で語られ続けてきたテーマだけに共感するものがあった。

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2021年02月17日

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村上春樹が小説を書く理由が自分の中に内在する葛藤を整理する為というのには納得出来た。
河合隼雄のカウンセラーとしての患者の向き合い方が優しく中立的だと感じた。
貴重な2人の対談は理解できない部分もあったが面白かった。ページの前後にお互いの考察が書かれていたが読みにくかった。

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2020年02月15日

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『ねじまき鳥クロニクル』を書き上げた村上春樹が
心理学者の河合隼雄と対談したもの

とても観念的な内容なのでじっくり読まないと理解できない
さらにお互いが補足したいことをフットノートに上下段に加えているので
とても読みづらいというか 
読みたいのだけど対談内容を集中して読みたいのにそちらも気になる

『ねじまき鳥クロニクル』について書かれてあるところが多く
再読したくなってしまった
2巻で完結とするか3巻で完結とするか読者に委ねている

前書きが村上春樹
後書きが河合隼雄

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2020年02月14日

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いわばふたりとも完璧に「上がった」人。「もはやもがく必要がない」。親しみやすそうと思わせながら存分に権威を享受している。
と、皮肉な目線も持ってしまうが、結構示唆的な対談。
というか春樹論はかなりこれがベースになる。
「春樹自身による春樹認識」として。

源氏物語、漱石、大江健三郎、村上龍、と日本文学の流れを着実に意識している。
アフォリズム、デタッチメント、コミットメント、と自身を細分化するなんて、暗中模索の作家では不可能で、かなり意識的に描き続けてきた作家だ(それが石原千秋いわく自己神話化)。
「ねじまき鳥クロニクル」は受け入れられるの時間がかかる、というアーティスト的な言い方をしているが、自身で深めていくのに時間がかかる、自分はこのテーマを続けていくという表面でもあるだろう。
小説のよさは、対応性の遅さと、情報量の少なさと、手工業的しんどさ(あるいは個人的営為)だ、という。まさにそのとおりとひざを打つ。

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2019年06月16日

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