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諸星ワールド
短編集のような仕様になっているけど、一本の長編でもあります。
バイオテロによって荒廃した未来の世界が舞台の、SFのようなホラーのような物語。ちょっとコミカルな部分と哀しく怖い部分もある、諸星ワールドでした。
Posted by ブクログ
バイオ戦争後、遺伝子が狂い始めた。
動物と野菜の掛け合わせ、人間と野菜、人間と動物・・・
そして人間の支配から機械が逸脱しはじめる。
諸星大二郎らしい作品で、とてもよかったです。
Posted by ブクログ
バイオテロのせいで人間と動植物の遺伝子が交じり合ってしまった未来っていう設定にすでに脱帽。
短編集に見せかけて、最後は一気に1つの話にまとまっていくのもびびった。
人間鳥と人間植物が色っぽい。
Posted by ブクログ
久しぶりに買った諸星大二郎。
やっぱすごいわぁ。
こんな世界を作り出せるって、いったいどんな頭をしてるんだろう。
日々どんなことを考えてるんだろう。
他のマンガではケチュア語とかボルヘスのことも出てくるから、ものすごく教養が深いんだろうな。
手塚治虫のマンガもそうだけど、諸星大二郎を読むと、マンガが出来ることの可能性の広さに驚くばかり。
表現の可能性かな。こんなこともできるんだ!って。元気出る。
憧れる!!
生態系が壊れてしまった未来の地球。
遺伝子が混ざり合って、人間の顔をしたトリや、人間の姿をした植物や、オオカミの姿をした人間がいる世界。
また過去の「バイオ戦争」によってすべての人に別の生き物の遺伝子要素が濃く出る可能性がある。
薬で抑えたりでするが、「あれ」が出ると人間ではなくなり、荒れ地に出なくてはならない。
肉食動物の「あれ」が強くでたもの。
草食動物の「あれ」が強くでたもの。
「あれ」の出方で生き方が変わる荒れ地。
ヒョウになっちゃった妻に、ウサギの夫は食い殺されたんだろうか・・・・。
遺伝子で生物としての性質は変わっても、心はせめて人間で、と祈ってしまった。
科学が発達して、遺伝子操作も容易にできる時代。
商品改良のための掛け合わせが簡単にできる時代になったからこそ、生物の「固有さ」も薄れてしまっていく気がする。
未来の地球の行く末を想像して怖くなった。
個人的にアンドロイドのサトルくんに感情移入。
Posted by ブクログ
遺伝子操作の乱用で、生物の遺伝子が無秩序に入り混じるようになった世界が描かれている。
収穫量を上げるため、農園では家畜と野菜の掛け合わせ品種が栽培され(ブタジャガとか)、鳥が人の言葉を喋る。
しかし、人間の予期せぬ所にも影響が出始める。魚に耳が生え、雑草が人間の形をとる。…果ては、人間に他の動物の遺伝子が発現するようになる。
そんな世界の短編集。
養鶏場と幕間劇の「サトル」シリーズが面白い。
最終的に人間も動物の生体に戻っていく。「生物都市」の原点回帰ともいえそうな作品。
私たちはどこへ行くのでしょうか。
恐怖と笑いと混沌と
遺伝子が狂った未来の地球が舞台。古い鳥追いロボットと鳥人間の関係が切なかった。花や羽根が映えた女性が妖艶で美しい。サメ男は絵が怖すぎる…。諸星大二郎のSFすごいなあ。
Posted by ブクログ
何度目かの読み直しにつき記事編集。
SF短編連作。
進歩し過ぎたバイオテクノロジーの悪影響で、
人間の中に他の生物の遺伝子が入り込み、
ヒトが単なるヒトではなくなっていく未来の世界。
最初のうちは
軽いギャグに「フフフ」なんて笑っていられるんだけど、
読み進めるにつれてどんどん怖くなっていきます。
それにしても、人魚の少女がカワイイ。