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「馬鹿と天才は紙一重」を地でいった英国SF作家の短編集。思わず「くだらねーw」と一蹴してしまいそうなネタを膨らませ、読者の少年心に訴えかける作品が持ち味。
「神を殺すための兵器を生み出す科学者」や「極限まで巨大な音で演奏するオーケストラ集団」など冒頭から面白設定の話が続くが、ラスト3話はどれも必読。
特に「蟹は試してみなきゃいけない」は、思春期まっただなかにいる蟹の若者たちの青春を描いたお馬鹿SFの傑作。蟹の生殖行為や本能をここまで面白く解釈して書けるのは天才としか思えない。
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日本オリジナルの短編集。巻末の解説にもあるが、ベイリーの短編は一つのアイデアを著者の豊かな想像力で膨らませて、見事な作品に仕上げている。難しいアイデアではなく、もし◯◯が△△だったらというifを広げている感じだ。例えば、表題作は、もし神を殺せる銃があったらだし、「邪悪の種子」は、もし不老不死になったらを描く。希望がない作品が多いが、これはベイリーから人類への警告なのかもしれない。「蟹は試してみなきゃいけない」はその中では異色。蟹を通して人類の存在を茶化しているように感じた。人もやはり動物なのだと。単純に文字面を追って楽しむのもよし、深読みして哲学的なことを考えるのもよし、様々な楽しみ方がある本だ。
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秀逸の一言に尽きる。
ドラマが展開して心揺さぶられるSF、ヴェールに包まれた全体が明かされるまで、波乱に満ちた仰々しい物語が徐々に進んでいくSFなどもあるが、これは特大のアイディア1発で真っ向からガツンと殴られるような、そんなSF。表題作『ゴッド・ガン』なんぞ出オチもいいトコの超短編なのだが、それ故に「ベイリーが合うか合わないか」の判定としては非常に優れている。これが1作目に配置されてるのは面白い。
特に惹かれたのは『地底潜艦〈インタースティス〉』の見事なオチ、『邪悪の種子』の完成度の高さ。
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な ん じ ゃ こ り ゃ(爆)
奇想のSF作家・ベイリーの面目躍如と言うべきか、良くも悪くもベイリー節満載。SF初心者は近づくな危険!(笑)
同じくベイリーの短編集「シティ5からの脱出」を読んだときとほぼ同じ感想なんですけど、ワン・アイディアを徹底的に突き詰めた、非常に純度の高いSence of Wonderが詰まっています。ただし、SFとしての純度の高さと、物語としての完成度は、別物です。物語の完成度を求めてはいけませんヽ( ´ー`)ノ「うひゃー」とか「どひゃー」とか言いながら、○○の一歩手前ギリギリまで暴投しまくるベイリーの奇想に気持ちよく酔いしれつつ読み進めるのが、ベイリー作品の楽しみ方です。
というわけで、かなりマニア向けの作品で読む人を選ぶんですが、初読の「災厄の船」「邪悪の種子」の2編が、完成度が高いのよ。ベイリーなのに。
この2編が収録されているので、普通なら☆3つのところを☆4つとさせていただきました。ベイリー、ちゃんとした話も書けるんだ・・・(笑)
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SF。短編集。
こういう刺激的な短編小説、大好きです!
「大きな音」「ブレイン・レース」「蟹は試してみなきゃいけない」「邪悪の種子」が好き。
なかでも、「ブレイン・レース」がベスト。異星人メディカルSFだけで終わらず、ホラーとしても面白い。
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英国の奇才バリントン・J・ベイリーの日本オリジナル短篇集は全10篇収録です。単行本初収録の作品ばかりなだけに、SF好きには待ちに待った一冊なのかもしれません。
解説曰く、「ワン・アイデアを極限まで拡大し、それを古いSFの設定に落としこむところがベイリー短篇の真骨頂」とのことで、常人においては到底考え付かないような奇抜な考えに溢れた短篇集でした。まさに「奇想、爆発」な一冊。
そんな奇想天外な10篇のなかでも、「空間の海に帆をかける船」(表題みたときに、コードウェイナー・スミスのあの作品を思い出しましたが、少しばかり似ているだけですね…)は、空間を高次の海と捉えたアイデアが刺激的で、アイデア傾注の作品の中ではとりわけ好きな一作。
しかし、一番おもしろかったのは、蟹(異星生物らしい)の半生を愉快で哀愁漂う作品に仕上げた「蟹は試してみなきゃいけない」でした。この作品かなーり好きです。
それにしても本当にワン・アイデア勝負の作品ばかりで、なんだかおもちゃ箱を開けるときのようなワクワク感につつまれながら楽しめた一冊でした。