【感想・ネタバレ】こんな街に「家」を買ってはいけないのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

家ではなく、町をみるという視点が、斬新でした。1番は家だと思っていたのですが、同じような家はどこにでもあるので、現在ではなく20年、40年後もその町が栄えているのか、新陳代謝がいいのかという観点で見ないと、老後不便な町になり、買い手が見つからずそのまま住むということも考えなければならないと思いました
日本で空き家が増加している最中、次々にタワーマンションが建つ異様な光景という表記にうなづきます。新興住宅街は子育てにいい環境で選ぼうとしていましたが、先々のことを考えて住む場所を選びたいと思います。

別の本の「家を買いたくなったら」でも言っていた、家を買うことを目的にせず、どんな生活をしたいのかという観点で家を選ぶ。
というメッセージが、とても勉強になりました!

0
2021年12月09日

Posted by ブクログ

こんな街に「家」を買ってはいけない
はじめに――子供の声が消えた首都圏郊外住宅地
ということで始まるこの本ですが、要は、戦後の高度成長経済時代、都会で住宅が不足し、社会全体の価値観として、とにかく我が家を所有したいという一心で、自分自身が置かれている時代の一瞬を切り取り、買ってしまった「財産としての家」が、数十年の年月を経て、不良資産と化してしまっている。
そのような事態になってしまった日本の戦後の歴史、そして過去、現在、未来のデータ分析予想、今後日本社会が課題解決に向けての処方箋が書かれた本でした。
内容は
第1章 住宅街が崩壊する日
第2章 全国に2000もあるニュータウンという厄介者
第3章 戸建ての維持に悲鳴を上げる人たち
第4章 人気が上昇し続ける住宅地の条件とは
第5章 相続が「負の財産」になるとき
第6章 戸建て住宅街に将来性はあるのか
第7章 戸建て住宅街からの脱出法
第8章 住宅を賢く買うには
第9章 不動産に対する考え方を変えるとき
おわりに――マイホームという蜃気楼
今後、我々が考え方として持っておかなければならないこと、「不動産が財産である、という幻想」「不動産はバランスシートの考え方で所有」「本当に必要なのは人生の舞台としての不動産」ということ。
それと、私がこの頃つくづく思っていることですが、物件を市場化する場合、売りたい人と買いたい人を丁寧につなぐビジネスモデルがいいと思っています。
結局、両者の間に存在する「情報の非対称性」を解消するため、物件情報をあらゆる角度で分析・評価する「知見」を公共化する、そのため、その分野を構築するについては税金が投入されてもいいのではないかと思います。
とにかく、社会的な課題解決に向け、日本社会が培ってきた「知見の総合化」、そして、新たに発生した「市場」は丁寧なプロセスが構築されている。
このことの社会的システムが構築されていけば、そのノウハウは、どういう分野でも適応可能ではないかというのが私が現在到達している知的限界であります(笑)。

0
2017年01月21日

Posted by ブクログ

家を建てるならどんな街がいいかヒントをもらえるかなと手に取ったが、大半は空き家問題について書かれていた。
70年代、住宅需要が拡大した時代に競うようにして買った郊外の戸建て住宅が、人口減少やライフスタイルの変化に伴って急速に価値を落としてきていることが、辛辣に書かれていた。「家はマンションとは違って財産になる」と信じて購入し、必死にローン返済をしてきたが、車がないと不便なので、子世代は帰って来ず、高齢者は生活の負担が多い。でも売りたくても値崩れして売れない。そんな厳しい事例もあった。
なんとなく、「いつかは戸建て一家屋」という憧れがあったが、「財産」ではなく「不良債権」になる可能性もあるなら、そのような思い込みに近い憧れは危険だと思った。
この本が出されたのは、コロナ流行前。今は働き改革も進み、もう少し郊外住宅地や一戸建てに対する考え方は変わってきているかもしれない。
それでもこれからの時代は「所有」するより、楽しんで生活できるかにこだわっていくべきだと思った。

・子世代の負担にならないか
・街に歴史があり、住んでいて楽しいか
・子どもから高齢者まで3世代にわたって人口がある街は新陳代謝ができている
・家の価値より土地の価値
・家だけでなく街のサスティナビリティも必要

0
2021年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不動産会社で不動産の買収、開発などを手掛けてきた筆者が現在の日本における住宅事情を分析をまとめたもの。とても分かりやすい説明で、簡潔に主張がまとめられており、納得させられる。未だ誰もが持っていてもおかしくない高度成長期における不動産に幻想に強く警鐘をならしている点は非常に勉強になった。

心に残ったフレーズ:
1.家は地域で買いなさいが鉄則。
2.住宅もコモディティ商品の時代。
3.ニュータウンとよばれる郊外の住宅地では高齢化と人口の社会減が生じている。
4.戸建て住宅をバリアフリー化しても家の周りがバリアフリーでないニュータウンもある。
5.買ってはいけない新興住宅地。東京までの通勤時間が一時間を超える、1970-1980年代に開発された、駅からバス便、丘陵地にあり傾斜がきつい、近隣に観光地など人が集まる場所がない、地域内にめぼしい産業がない。
6.持続可能性が見えるユーカリが丘。

0
2020年10月11日

Posted by ブクログ

住宅評論家の牧野氏が、文字通り田舎の一戸建ての家を買うことに異を唱える一冊。

話が分かりやすくかつ具体的で、とても参考になった。

0
2019年01月21日

Posted by ブクログ

示唆に富む話。経済合理的。共働き、富裕層が購入できる一等地地域以外の住人は、資産価値などない土地しか購入チャンスはないという厳しい戦略的な結論かと思います。

0
2018年10月29日

Posted by ブクログ

かつて住宅は資産であり、子どもに相続するものだったが、核家族化によって主を失った親の家は空き家となり、固定資産税や管理費がかかる負担にさえなっている。時代が移っても新たな世代が住み続ける地域を選ぶ視点が必要との指摘は正鵠を射ている。住宅がコモディティ化したという時代を迎えたからには、住まい方を考え直さなければならない。

1996年頃に共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、現在は62:38になっている。1997年には容積率の緩和などの大都市法が改正されるなどしたこともあり、住宅の選択は、駅からバス便の郊外から、都心部のタワーマンションへと変化した。

著者が勤めていた三井不動産が開発した緑園都市や山手台(西が丘、領家)は、1990年前後入社の社員の目標でもあったが、すでに売却してタワーマンションに移っている。現在の緑園都市の中古住宅の価格は4000万円台。

住宅地の将来は、人の出入りで評価できる。人の出入りがあることで平均年齢と経済活動が維持され、各年代が均等化される。1970年代につくられた佐倉市のユーカリが丘は、長期にわたって少しずつ分譲したため、若い家族が購入し、人口も年々増加している。

0
2018年10月31日

Posted by ブクログ

「家」を買うということへの価値観の崩れる一冊。確かにその通りだと感じる点は多い。

街の「新陳代謝」。家は「地域」全体をみて買うのが正しい選択。地域全体で魅力づくりをしていくのが不動産価値の維持・向上につながる。というのは納得。

住宅は「財産」ではないという考え方の転換。これからの未来を、この視点で考え直すことは必要。過去の価値観にとらわれず、どのようなライフスタイルで生きたいのかということを考え直さねばならない。

0
2017年03月15日

Posted by ブクログ

リバースモーゲージでも資産価値が下がると当事者の死後、相続人がローンを引き継ぐことがあるというのは知らなかった。また、毎年、資産評価を行うことも。
これからは「負」動産にならないように気をつけねば。

0
2017年01月11日

Posted by ブクログ

新年(2017)早々読み終わった本です。昨年末に2040年にはあらゆるビジネスモデルが終焉する、という衝撃的な本を読みました。その本の著者が、不動産に関する本を書いていることがわかり、取り寄せて読んでみたのが経緯です。

数年前に読んだ本がきっかけで「なぜ、以前すごい価格で売り出されていたスキーリゾートのマンションが、10万円で売られているか」のカラクリが分かりました。結局は、ババを把まされるということでした。トランプのババ抜きと同じで、誰かにババを渡さない限りゲームに負けてしまう(不動産的にいえば、永遠に維持費を払い続けることになる)のです。

この本も趣旨としては同じようなアドバイスがなされています。しかし、少し厄介なのは、その不動産が相続するものであったり、自分が苦労してローンを組んでやっと手にしたものであることです。かつて住んで懐かしい思い出が詰まっている住居を、不良資産・不良債権とは思いたくないですよね。しかし、そのような感傷的なことはさておき、具体的に問題を先送りしておくとどうなるのか、新法(空き家特措法、2015.5)施行により、どのような影響が及ぶのか。現在払っている固定資産税にはどのような特典(本来の6分の1へ軽減)があるのか、知っておくべきことが満載でした。

以下は気になったポイントです。

・空き家が増加する背景として、1)戦後一貫して増加し続けてきた人口が2008年を境に減少、毎年20万人減少しているにも拘らず、毎年100万戸が着工している、2)人口構成の極端な高齢化、3)ライフスタイルの変化(p20)

・郊外の高級住宅地の人気が凋落した理由は、都心部で高級仕様のマンションが数多く誕生したから(p25)

・1996年頃を境に、専業主婦世帯と共働き世帯は逆転している、91年くらいでほぼ同じになり、2000年を超えたあたりから差が激しくなった。2015年現在では、1114万世帯vs687万世帯(p34)

・1997年に大都市法の改正が行われて、容積率の緩和、計算方法の変更、日影規制の緩和により、マンションを大量に供給可能となった(p56)

・木造住宅は、しばらく人が居住していないと、建物の劣化スピードが早まる。(p74)

・2014年8月に広島で発生した大規模土砂災害は、新興住宅地で広島市内に通勤するベットタウンとして発展してきた、1960年代後半から開発された(p85)

・ニュータウンは都市郊外部に面的に拡大してきたが、今は超高層マンションのように、立体的に伸びるニュータウンとなっている(p90)

・買ってはいけない新興住宅地として、1)東京までの通勤時間1時間超、2)1970-80年代に開発、3)駅からバス、4)住宅地内の傾斜がきつい、5)近隣に観光地なし、6)地域内に産業がない(p92)

・不動産価格の高騰を享受できたのは、戦中世代から団塊世代まで、1950-60年代の人たちが割りを食っている(p98)

・タワーマンションは、新築時は、修繕費は安かったが、25年も経過すると何倍にも増額、さらに修繕に対して追加負担(p101)

・今は、孤独死や自殺があったら、重要事項説明書で告知が必要(p102)

・賃貸する場合のポイントは、毎日必ず使う水回りの「清潔度アップ」である(p142)

・不動産屋のチラシで、古屋ありといった表示は、たいていの場合、築20年以上の家屋があり、買い手側で取り除いてくれといった意味(p196)

・家賃を払うとは、費用として捨てているのではなく、「効用を得るためのもの」である(p206)

・コモディティになると、価値は急速に下落する、郊外戸建て住宅地の不動産価格が下落しているのは、当たり前の商品になってしまったから(p209)

・自宅が財産かどうかは、住んでいる間の家族の効用、そして最後に売却した場合の売却益がどの程度のものになるかで判断される(p213)

・4000万円を20年の元利均等返済、金利1.5%、返済額は毎月19万円、年間で231万円、効用が20年続くかという判断となる。(p214)

2017年1月3日作成

0
2017年01月03日

Posted by ブクログ

題名は直接は郊外の新興住宅地のことで、これは事前に調べていたので「やっぱり」としか思わなかったが、著者はもっと長い目広い視野で「同じ論理でタワーマンションも買ってはいけない」という。これは鋭い指摘だった。
その論理とは、街に新陳代謝があるのか、ということ。郊外の新興住宅地の問題は、同じ時代に同じ年代の人がいっせいに更地にして住宅を建築したことで住人が同時に一様に年をとってしまうことにある。土地も二世帯住宅(三世代居住)できるほど広くなく、区画の分譲も空きなく売り切るため次の世代が住む余地がない。そういう物理的な制約に加えて、心理的にも住み続けたいと思わせるような絆はない。お父さんは都心部の職場へと往復するだけの何十年間。子供は習い事や学習塾、都心の私立校へ電車通学、友人とはネットでつながりとなれば、育った街に戻りたい理由はない。なので子世代は都心のタワーマンションを買う。
ところが、20年後30年後には、今のニュータウンと同じことがタワーマンションで起きるようになる。タワーマンションはニュータウンが横に広がったところを上に伸ばしただけで、同じ世代が同じ時期にいっせいに入居して同様に年をとっていく、三世代住居にならず街として成り立たない点が同じだから。

0
2016年12月06日

Posted by ブクログ

家の作りを重視する本が多い中、この本では「地域」を焦点に記載されている点が面白い。また、時間経過に伴う家の存在意義についても書かれており、自分の理想の「家」とはどのようなものか、を考えるきっかけとして大変有意義であると思う。

0
2016年12月05日

Posted by ブクログ

バブル時代、都内の土地価格の高騰から宅地開発が都内から郊外へ広がり、通勤時間1時間以上が当たり前になる中で、サラリーマンが住宅取得に奮闘するさまを描いた1991年のTBSドラマ「それでも家を買いました」の話が何度も出てくる。1970年代から全国で開発が進んだいわゆるニュータウン=「郊外の新興住宅地」の暗い行く末(というか現状)が何度も強調され、気分も暗くなる。新興住宅地のため歴史も文化もなく街としての魅力にかけ、皆が同世代で移り住んでいるため皆が同じように高齢者となり、立地が不便なため(共働き夫婦も多い)現代の子育て世代は寄り付かず、それらの影響から借り手も買い手も見つからない。今住んでいる人たちにとっても悩みの大きな話であるし、その子供世代(=親が亡くなったあとにどうするか)にも頭の痛いテーマである。
中身としては概ね一般論が述べられているだけで新しい発見はなかった。今をときめく武蔵小杉のタワーマンションを現代のニュータウンと評していたのは興味深い(元々は大手メーカーの工場の海外移転に伴い生まれた土地が開発された場所なので、歴史も文化もない。狭い土地に縦に伸びた宅地であり、通勤時間帯の混雑は満員電車に揺られたバブル時代の新興住宅地と同じ)。

0
2021年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少子高齢社会の影響が顕著にあらわれる郊外住宅地に広がる問題が取り上げられている。共働きが当たり前の世の中では通勤に時間をかけていられないのは納得。どうすれば都心部に流れていく若者を引き止められるか。若者に魅了ある場所をつくる(働く場所、子育てしやすい場所、娯楽の場所など)のも一手かと。不動産は一生ものではなくそのライフステージ毎に適したものへと移っていく方が賢い選択かもしれないと説かれている。家はその家だけでなく、地域も含めて評価する必要がある。

0
2019年12月27日

Posted by ブクログ

30年、40年前の郊外分譲地ブームだったところが今はスラム化しており、都心から電車で1時間、さらにバスにのらないと通勤できない分譲地は価値がなくなっている。買うのなら覚悟をもて、ということか。

0
2019年01月20日

Posted by ブクログ

近未来の日本を予測する牧野友弘さんの一冊ですが、住宅問題をえぐっている割には都心部での賃貸を勧めるのでは、もうけたがりのセレブだけしか得にならないと言っているのと同じだけに、ガッカリです。
やはり、どれだけ精確な分析ができても、そこからめざすべき方向がどちらを向いているのかが肝要です。

0
2018年01月14日

Posted by ブクログ

一言で言うと「駅から遠い不便なところに家を買ってはいけない」ということ。
まぁ、当たり前と言えば当たり前なのですが。
今の私たちには、昔の人たちがなぜそんなに家を買いたがったのか、その気持ちがわかりませんが時代が時代だったのでしょう。
自分の家や親の家のしまい方について考えさせられました。

0
2017年02月10日

「暮らし・健康・美容」ランキング