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Posted by ブクログ
時代は江戸。出戻りのおふくは口入れ屋の娘。口入れ屋とは、今で言う就職斡旋業のようなもの。奉公人と奉公先を引き合わせるのが仕事。
ただ、良い女中が見つからないときはおふくが駆り出される。様々な奉公先でおふくが奮闘するお話。物語は単発で読みやすい。おふくは奉公先で様々な癖のある人物と出会う。中にはわかりやすく意地悪なイジメをする雇い主も。
どの話も面白かったけど、「名医」と「昨日みた夢」「粒々辛苦」が好きかな。
とにかく主人公のおふくの性格がまっすぐで良い!地味ながらも、人間らしく悩みながら生きる、魅力的な人たちが沢山登場して、時代は全く違うのに共感できる部分がとても多い。おふくが良い子すぎないところも、感情移入しやすくて良いのかも。
これは良本です。早く続編出してくれないかな。宇江佐さんの他の作品もチェックしてみよう。
Posted by ブクログ
まず…この作品は文庫で読んで欲しい。単行本未収録作品が掲載されています。
江戸市井人情物の新展開、なんと江戸時代の「派遣小説」である。エエとこ目をつけるわ宇江佐先生。
つましくも明るく明日に希望を持つ庶民の暮らしを描く市井人情物。読者層は、現代を一生懸命生きる中でのしんどさつらさを読書で息抜きしようとしている人たちである。であれば、それこそ江戸時代の派遣会社(口入屋)なんてのはうってつけである。
しかも主人公は、色んなやっかいな事情で1年間の派遣期間を全うできない派遣社員の代打を請け負うという苦労人。前の旦那は店の金を持ち逃げして行方をくらました20代のバツイチ、食べるのが趣味…。読者層の食指をそそるにもほどがある(笑
続き読みたかったなぁ、毎度毎度作者の逝去を残念に思う。
Posted by ブクログ
シリーズ化前提だったのだろうな。
で、この本の最終話が次巻の1話目だったりしたのだろうな。
続きはどんな展開になったのだろうか。
いろんな伏線もあるっぽいし。なんとも惜しい。
良質な市井ものシリーズのひとつになっただろうに。
返す返すもなんとも寂しい。
Posted by ブクログ
面白かったが、いろんな家や商家に入り込むおふくちゃんに、その家の主やお内儀にピシッと意見したりして欲しかったなぁ〜と、少し物足りなさが残る。
でも宇江佐真理さん、やっぱり良い本をお書きになる。もっともっと読みたかった…