感情タグBEST3
Posted by ブクログ
best of 古谷実。
古谷実は、漫画界の太宰だと思う。
稲中はメロスだ。
稲中意外の作品はみな根暗だし。
ラストの展開でハラワタが煮えくり返るほどにこの漫画燃やしてやろうと、今までの時間返せと、怒り狂い、
ラストのラストにその怒りがはじけ飛ぶほどの爽快感を味わった。
棺桶に入れてあの世でも読みたい。
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最後らへんで、茶沢さんの言葉を受けて、「一瞬 そんな、“普通”な未来を、本気で手に入れられるかも知れないと思った」って主人公のセリフがあるんだけど、この言葉が凄く重く感じられた。
Syrup16gの曲で「イマジン」という曲があるのだけれど、その曲がまさにこの言葉をあらわしてる。
主人公に対して、茶沢さんや色んなキャラクターが「大丈夫、住田(主人公)は今ちょっと“病気”なんだ」と優しい(と思っている)言葉をかける。
この言葉が主人公の、分かってもらえない感=孤独感を助長している。
主人公は全く病気では無い。少なくとも僕はそう解釈している。
どこまでも普通で、ただ人よりも多くの事に気づいてしまっているタイプだ。
彼が茶沢さんに最後まで心を開かなかったのも「住田君は今ビョーキなんだよ」という言葉。ここで茶沢さんが理解してくれてないことを完全に把握。
誰一人理解をしてくれない孤独。主人公は最後まで一人ぼっちだった。
承認でなく理解を求めていたはずだ。
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古谷作品の中でも一番好きな作品、の最終巻。
読んでも明るくはなれません。
むしろ絶望的になります。
でもその絶望の無限ループでもがく住田が素敵。
ラストはネタバレするから秘密だけど、とにかく「絶望」。
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優れたギャグ作家は同時に優れたホラー作家で
ある事が多い。笑いと恐怖を感覚する神経は
同一だからだ。両者は紙一重であり根本で繋がって
いる。
古谷実も破壊的なギャグでムーブメントを巻き
起こした「稲中」以降の作品において人生という
最高のホラーショーを描き出している。未来への
漠然とした不安、焦燥、諦念、絶望。
主人公は酷な現実から逃れられず親を殺す。
ラストは否定する向きもあるが突き放した完結が
余韻を持たせ作品の完成度を高めた。
Posted by ブクログ
そして、この事実を知ってしまった後にどう生きるのか、それが私達に与えられた課題なのです。少なくとも私は、絶望してなお、主人公のような選択はしたくない。そう強く思いました。
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この不快感と絶望感。
雑誌連載で読んでいた時の衝撃は凄かった。
影響を受けている漫画家さんもいますね。
毒気が強すぎて、良い結果になっていないことが多いですが。
映画を観て、再読しました。
私は映画のラストを支持します。
時代は変わったのです。
絶望の果てにどう生きるのか?
そういう物語を読みたいです。
Posted by ブクログ
ヒミズ映画化されるということで再読してみました。
何よりも普通に生きたかった若者が
どうしようもない父親にたまに顔をみせては金の無心
母は男と出て行き
一人残される
一人学校にも行けず孤独な夜を幾度向かえた夜に
父が「母はどこだ」と訪ね出て行ったというと
「そうか」と情けない後ろ姿を見せる
長年の恨みを持っていた若者はついに犯行に及ぶ
実の父親を殴り殺してしまった
その日から彼の普通に生きたいという
未来は消えた。
彼には愛する人も近くにいたし、友人もいた
罪を償い普通に生きる人生もあったはずなのだ
だけど彼自身が自分を許せなくあのような
救いようもない完結になってしまったのだろうか
彼が最後まで見ていた化け物はいつ生まれたのかな。
Posted by ブクログ
すごい作品だった。悪人を殺すのは善行なのか、悪行なのか。現代版「罪と罰」ともいうべき、重いテーマの話しだった。絵は、それほど巧くないのだけど、時々ハッとするような一コマや、細かい描きこみがあったりする。まだまだ続きが見たいような気はするけれども、この作品はあのまとめ方で、良かったのだと思う。
「・・・君が死んだら・・・この先悲しくてやってられません」
「・・・大丈夫だよ・・すぐに忘れるよ・・」(p.159)
Posted by ブクログ
面白かったです。
前半、少しギャグを入れている所を見ると、描いているうちに作者の気持ちが変わったんだな、という事が切に伝わってきます。
哲学的だけど、けして「何かを教えられる」終わり方の作品ではないと思う。
結末の有り無しは、やはり自分自身の中で考えていく事が大事なんだなと思いました。
Posted by ブクログ
おやすみプンプンが鬱漫画だとか言われているけど
自分的にはこっち。哲学的にも完成度的にもこっち。
二十代の頃に入れ込み、何度も読んだ作品だったが、
そのうち所持していること自体ががしんどくなり、
手放してしまった。が、今でも染み付いている物語。
一度取り憑かれてしまったら、
人間はこうも逃れられないのか。
残された茶沢さんの気持ちを想うと居た堪れない。
日見ず。
救いようのないラストだけど、
もちろん幸せな結末を願ってはいたけれど、
この終わり方、正直好きです。
Posted by ブクログ
図
感情移入をしていただけに、ああいう結果をとった住田にへこむ。
時代の流れとかもあったのだろうけど。
台詞をそのまま使っていたりするのに違う印象を受けるのだな。
作家性で片付けられる問題ではない。
映画版も漫画版も特殊な力をもったドロドロ青春もの。
希望があるのは映画。
Posted by ブクログ
この作品は映画を先に観てから読んだから漫画版のラストに複雑な思いが…。漫画を先に読んでいたなら映画のラストに複雑な思いを抱いていたのだろうか?
Posted by ブクログ
若い身空でこの作品に出会った時は、本当に心の底から気持ち悪いと思ったものだが。
読み返すと、後続の古谷作品に共通する不快感の走りがそこここに。
実写映画化もある事で。再読にはちょうど良い時期。