【感想・ネタバレ】初版 金枝篇 上のレビュー

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Posted by ブクログ

森の王、聖なる王とは。
王殺しと再生の供儀の意味。
大地を肥沃にするために、それを維持するために穀物霊である王をリニューアルしていく。

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2019年07月31日

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膨大な世界各地の民族の風習を整理分類し、その行事や習わしの共通性を明らかにしようとした民俗学の名著は、とにかく想像力を掻き立てられる面白さに満ちていた。個々の事例も興味深く、特に2章における王とタブーの話が印象に残っている。曰く、各地で王とは神の代弁者として権力を持つものの、代弁者であるが故に少しでも身体的不具の予兆があれば殺されて新たな王を立てる習わしがあったとのこと。また神聖であることと不浄であることはタブーという点で根源的に同一であり、そこに論理的整合性が隠されているという指摘には感心させられた。

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2015年01月03日

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表紙裏
「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。

目次
第一章森の王
第二章魂の危機
第三章王殺し

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2012年11月17日

Posted by ブクログ

王の入れ替わりに際して古き王を殺すという儀礼慣習に、旧体制の抜本的な破壊を見出してるのかな、と考えながら読んだ。組織的群体を、一本の巨木と捉えて腐り落ちた枝を剪定する様が。

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2011年06月17日

Posted by ブクログ

古代のイタリアで、囚人が神聖な森で黄金の枝をとれば、国王と対決できて、勝ったら王様になれるって話なんだけど、何で黄金の枝?何で前の祭司(王)は殺さなきゃだめなの?って話です。
例がものっそい量あります。(正確かどうかは見極めが必要)
王様の魂はか弱いから厳重にタブーで守ったり、ほかの所に隠したりしてるよ~
でもって王様はもともと木の精霊で、衰えが見えたら次の再生のために一旦殺されるよって話だった。

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2011年03月30日

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書かれた当時の「未開」や「野蛮」といった視点はまぬがれていないが、比較的ニュートラルで押し付けがましくない(とはいえ、
考え、見解は示される[「仮に私が正しければ、」p540など]。一般的には小説作品に近い感覚で読めるし、読み飛ばしても十分面白い。忘れることは忘れてしまうが、残るものはずっと残る(これって神話的)。個人的には、第三章の第四節から七節ぐらいまでにはどうしても興味を持てない。

第一章第一節の終わりに全体を貫く問いが示されている。「なぜ[イタリアのネミの]祭司は前任者を殺さなければならないのか?」「なぜ殺す前に、「黄金の枝」を折り取らなければならないのか?」の二つである。この二つの問い、および金枝の物語を念頭において読み進めると、全般にわたって注意深く詳細な証明のための例示になっていることがわかる。しかし、それらのフォークロアに惹かれれば、彼の証明しようとすることが何であるかや、その「資料操作のバイアス」[※背表紙の解説]などには関係なく面白いはず。だからニュートラルで押し付けがましくなく、小説のように読めるひとには読めるだろう。フレイザーのこの資料の「食い散らかし」感が好き。

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2013年04月23日

Posted by ブクログ

岩波だと五冊だけどちくまだと2巻でコンパクト(分厚いけど)。欧米の物語の根底にあるのはこういう感覚なんだなぁ。

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2015年08月07日

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