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Posted by ブクログ
先月に発生し世界中を騒然とさせた金正男暗殺事件。もともと謎多き人物であった正男氏に対し、メールあるいは直接の対面を通じて行われたさまざまなやりとりをまとめたものが本書である。正男氏との接触は世界的に見ても例がすくなく、ましてや「渦中の人物」となった現在は、広く知られるべき貴重な資料であるといえるだろう。じっさい、ワイドショーの解説においては、本書からの引用も見受けられた。さて、肝腎の内容であるが、なんといっても気になるのはやはり政治的な主張。通信はつねに傍受されるおそれがあり、また行動もつねに監視対象となっているため直接的におおきな主張はしていないが、それでも正男氏がつねに強い改革志向を抱いていたことがうかがえる。オビ裏には「反世襲、反核開発、反原発。」との文字が躍っているが、このような先進的な主張が、独裁者の代名詞である「金王朝」のプリンスから発せられたことは大変な驚きである。悪の象徴といった正日氏や正恩氏と比べ、正男氏はネット住人に「まさお」の名で呼ばれるなど人気があったが、じっさい本書を読んでみても、正男氏が正恩氏とおなじ遺伝子をもっているとはとうてい思えないほどで、とても感じの良い人柄がしのばれる。生まれてきた家が悪かったのかなとも思ってしまう。ただ、暗殺されたいまとなっては、正男氏の真の姿はもはや誰も知ることはできないであろう。また、正男氏は本作の出版について、もうすこし時間を置くことを要望していたという。時間的な開きを考えると、本作が暗殺の直接的な契機となったとは思えないし、じっさい本書の出版とは関係なく、数年前からずっと暗殺計劃が存在していたことが報じられているが、やはりそういう人物であるからこそ、もうすこし慎重に記すべき部分もあったと思われる。また、せっかくなのだからもっと写真や図版を載せてほしかった。
Posted by ブクログ
しばらく積ん読になっていて、事件を機に読んだ。
事件を知る前に読めばまた感じ方は違っただろうか。
紳士ではある。結構著者は頻繁に返事が必要なメールを送り、それに対して金氏はちゃんと返している。最後は相手を気遣う言葉を必ず添えて。
指導者になったら、あの国は変わっただろうか。中国の思惑にもふれている。
Posted by ブクログ
難しい問題だ、しかしながら、この本の内容が真実であれば私は、金正男、と父親である金正日の事を誤解してたようだ。
自由を生きる事をがこんなに困難な事が実際にあることを思い知らされた。