あらすじ
「リセット」という一言で、世界は、三日分死ぬ――能力者が集う街、咲良田(さくらだ)に生きる時間を巻き戻す少女・美空と、記憶を保持する少年・ケイ。繰り返す日常は、若者たちに何をもたらすのか!?
※本書は、二〇〇九年六月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY』を加筆・修正し、改題したものが底本です。
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世界中のすべての断言には、嘘か、信仰か、感情が混じっている。(195ページ)
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悲しみの感度が良好だということは、つまりそれだけ優しいということだ。人の優しさには、無条件で肯定されるだけの価値がある。(302ページ)
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河野裕の猫と幽霊と日曜日の革命を読みました。
サクラダリセットの1冊目でした。
主人公浅井ケイが住んでいる咲良田にはいろいろな超能力を持っている人がいます。
世界を最大3日戻すことが出来るリセットの能力、一度経験したことは絶体に忘れない能力、日時を指定して相手にメッセージを送ることができる能力、猫と情報を交換することが出来る能力、5分間だけに限定されるが他の能力を無効に出来る能力。
この物語はそのような能力を持った高校生たちの物語でした。
河野裕らしく複雑に絡み合った物語でしたが、面白く読みました。
読み終わって思ったのは、ゲーム機でのリセットや、カードゲームでの矛盾したカード能力間での強度や発動タイミング順序などの体験がなければ、この物語に実感がわかないだろうなあ、ということでした。
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能力者の集まる街「サクラダ」
ともすれば危険な能力者たちは「管理局」によってしっかりと管理され平和な日々が続くサクラダの中で起こるちょっとした事件のお話。(が今後続いていくと思われる)
主人公は過去のすべてを記憶できる能力の持ち主の男子高生と、時間を巻き戻せる(リセットできる)女子高生。
しかし女子高生は時間を巻き戻したことすら記憶を失うので、この男子高生とコンビを組むことで初めて能力が意味を持つといった仕組み。
非常によくできたSF作品でありジュブナイルだった。
そして決して大事件にはならずあくまで登場人物のなかだけで収束する事件を描くのは、「ハルヒ」から続く角川文庫らしい作風といえる。
僕はこういうの大好きです。
続きも読んでいこう。
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登場人物の“能力”や、時間の巻き戻しがあるため、読み始めはかなり混乱した。けれども、読み進めるうちに面白くなってきた。
リセットに影響を受けない人物が存在することで、リセット後(やり直し)の世界が微妙に変化していくのが、面白い。
浅井ケイ、春埼美空などの会話が哲学的?で不思議な空気感。
浅井ケイの一度見聞きした事を忘れない能力は、便利な反面、可哀想。人間は辛いことがあっても、徐々に忘れることで生きていける事もあるのに、忘れることができないという能力は残酷だ。
本作だけで物語は一応の完結をみるが、引き続き、2巻以降も読んでみたい。
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正に河野さんという内容だった。彼の作品はどこまでも優しくて暖かさを感じる。それでいて、登場人物が皆どこか歪んでいながらも強く生きているのを感じる。、
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特殊設定ものはミステリ業界において今となってはなくてはならない枠組みになった。
ラノベ風の作品も、特殊設定を盛り込んで(ファンタジー系を多いからなのかもしれないが)その限定された条件下で事態を終息させていく。
本作では時間を遡る能力や記憶を保持し続けることのできる能力など、様島な特殊能力を持った土地に暮らす若者たちの活躍が描かれる。
映画化もされた人気シリーズだ。
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最初この表紙を見た時このタイトルは、どういう事?って思ったが読んでいくうちに謎が解けていった。
伏線がいくつかあり、まさかの展開も多々あったので読んでいても飽きなかった。
主人公が過去に起こしてしまった過ちに責任感、後悔し続け、世界を幸せにする事だけに能力を使う事に決めた。
ミステリー要素、恋愛要素もありとても楽しめた作品だった。
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終盤で一気にめちゃくちゃに掻き乱された。
フィクションのせかいに多々ある乱暴な優しさがだいすき。
先に階段島や北野坂のシリーズを読んで、著者の作品は語り口がややこしいから各世界の在り方楽しみ方を掴むまでにやや時間が掛かると思っていた(読解力が弱い)。
一巻でこんなにしっくり来てすき!ってなるなんて意外だ。とても嬉しい。
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淡く薄い描写が光る作品。サクラダリセットのころは合わないと感じていたが、静かなイメージを言葉にし、幻想的で不思議なストーリーに心惹かれてしまいました。その中で、ラスト主人公の選択は読めながらも魅力的で、読み進めていくシリーズとなりました。
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階段島シリーズと同じく、特殊能力の存在を前提にしつつ人間の本質を問うような作品です。
一見するとライトノベルの雰囲気なのですが、自分の感覚と全く違う切り口で物事を捉える河野氏の視点が新鮮で引き込まれます。
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力を持つ事、使う事。その意味と責任。取り返せない事。
きっと優しい事ばかりじゃないけど、それを求めて進む強さ。
哲学的な雰囲気だけど、優しい物語なんだね。
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サクラダリセット原作本第1巻。
映画を観て基礎情報を知っているからさらっと読んでも設定がわかったが、これが最初だとキツイのではないか。映画を観て魅力を知らなかったら、読まなかっただろうし、挫折していただろう。春埼のところはずっと黒島結菜が思い浮かんだ。それほどぴったりだったということだろう。野々尾や非通知くんもいいキャラだった。連ドラとかがよかったな。アニメも気になる。とりあえず、映画のDVDが欲しい。
このシリーズはかなり好きだ。
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河野作品らしいキャラで気に入った。元がスニーカー文庫なので敬遠してたけどだいぶ加筆修正入ってるのかな?タイムリープものは戻った後の記憶があるかどうかが重要だけど、報告義務があったりして面白い。全部覚えてるなんて疲れるだろうな。
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セーブにリセット、まるでゲームの設定ですが、制限を加えることでミステリーとして成り立つ素地を作り上げてますね。いろいろ深読みしすぎな感じもしますけど。
前知識なしで読みましたけど、サクラダは地名なんですね。
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なんてことはない、摩訶不可思議なボーイ・ミーツ・ガールなお話だ。
優しい世界の作り方を探して、今日も彼は三日飛ぶ。
生まれ変わったら、幽霊になってみたい。それもまた一興。
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やはり美しいレトリックだ。新海誠監督の「新海モノローグ」のように、「河野レトリック」とでも勝手に名付けたくなる、特徴的な修辞が心地よい。そして本作でも、著者らしく、突飛な設定を前触れもなくぶっ込んできた。とはいえ、多少の戸惑いはあれどそれはすんなり受け入れられるし、その上に広がる本来ファンタジー的なはずの物語も、まるで日常系青春小説の如しだ。特殊能力が日常的な世界での一種のミステリーは、お伽話のようですらある。誰もが優しい世界はなくても、そうありたい世界を見られるのは、物語の幸せだ。
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この街、咲良田で生活している人の大半は、何かしらの能力を持っている。
しかし、街から出るとその能力は失われるため、特に問題なく毎日が過ぎる。
特に力の強い能力者たちは能力管理局の監視下に置かれるが、少しは自由になるために浅井ケイは、学校ではボランティア部で管理局の手伝いをしている。
浅井ケイの能力は、全てを記憶する能力だ。
そして彼とペアを組むのが春埼美空、彼女の能力は三日以内に設定したセーブポイントまで時間をリセットこと。
時間を巻き戻すと春埼自信も、巻き戻った時間の記憶を失ってしまうが、ケイはその間の記憶を保ったまま時間を遡ることができる。
ボランティア部の顧問、津島、管理局側の人間だが、からの依頼は「事故で死んでしまった飼い猫を生き返らせてほしい」というものだった。
ケイは生き返る、という言葉が引っかかるもこの依頼を受ける。
管理局に協力するようになった二年前、春埼のリセットにより世界を改変したことで友人を一人失ったからだ。
猫を追いかけていくうちに、別の事件に巻き込まれていく。
シンプルに面白い。ありがちな能力バトル物ではない。
登場人物たちの会話のテンポが良い。
すべて説明されない人物設定があり、性格に深みがある。
7カ月連続刊行、ってことで、これからの続編に一巻目で詰め込まれた設定が描かれていくのだろう。
実写映画化&アニメ化進行中だそうで。
今、イチオシの作者である。
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一度角川スニーカー文庫から出されているものを読んでいるので感想は割愛。以前読んだときよりも文章が洗練されているように感じるのは、加筆・修正されているからでしょうか。読みやすくなったように思います。それとも結末を知っていて読んでいるからそう思うだけなのかわかりません。改めて読むと、今後の展開を知っているので、思わず泣いてしまいました。しかし表紙は以前の方が好きでした。そこが残念。
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伏線が綺麗に回収されていって清々しい。
階段島シリーズでも感じたが、河野先生の作品は、絶対に現実でありえないフィクションの設定なのに、実際に現実で起きている感覚になる不思議。
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2018/4 8冊目(通算60冊目)。アニメになっていたので気になっていたのが読もうと思った動機。「能力者」が普通に暮らしている咲良田を舞台に、所謂完全記憶能力を持つケイと時間を巻き戻すことが出来るリセットの能力を持つ春埼が「死んだ猫を蘇らせたい」という村井という女性の依頼を受け紆余曲折を経て、仲間になるという話の筋。「階段島」シリーズよりは読みやすいけど、何か主人公が斜に構えた感じで嫌な感じがするが、まあこれから読むうちに慣れてくればいいかなと思う。2巻目から話がどう展開するか、読んでいきたいと思う。
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機会があって一巻をいただいたので、読んでみました。
ちょっと村瀬さんの能力の仕組みを理解するのに細切れに読んでたのもあって?となったところもあったけど、面白かったかと。
まだこの巻だけじゃ分からないところもあるので、折角なので続きも読んでみようかな。
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この頃アニメが放映されているので楽しく視聴しているのですがちょっとん?と思う所を補完するために読んでみました。まあでも私はアニメの出来は結構良いと思うんですけどね~ 構成とかも。
革命家村瀬さんのお話からスタート。…確かにこれ、一話でやったらワケワカランだわ…。私はスミレさん?が好きなので物語の大分初期に居なくなったのにも関わらずその後の影響力が強い彼女の今後の活躍に期待中。でも今時点では故人なんですけどね…
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ミステリーなような青春小説のような不思議なお話。昔の話はさわり程度しか出てこないので、シリーズなんだなと思う。世界観が面白い。
2017/3/23