【感想・ネタバレ】甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実―のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

松井の敬遠、それにかかる明徳や星稜の監督、選手への丁寧な取材から、当時関係者がどの様にあの出来事を捉えていたかがよく分かる内容。あっという間に読んだ。

0
2020年04月03日

Posted by ブクログ

今年の『文庫王国』で、本著者の近刊がチャンプになってたけど、そういえば本作、持ってるけどまだ読んでなかったな、という訳でまずこちらから着手。こっちも確か、発売年の『本の雑誌』でランクインしてたはず。まずタイトルから、松井の凄さが思う存分語られるものかと思ったんだけど、あにはからんや彼の出番は殆どなし。敬遠を支持した監督、実行した投手、松井の次(5番)を打った選手。そのあたりが中心に、取材が行われていく。ある意味”事件”たる本案件が、章を追うごと、次第に浮かび上がってくる展開の妙もさることながら、もっと興奮するのは、”自分だったらどう考える?そしてどう行動する?”っていう、裏のというか、実はそれこそが真の狙いと思われる問いかけ。正直、その事実だけを聞かされたとき”え!?フェアじゃなくね?”って、反射的に感じてしまう自分がいたんだけど、その公正性というか価値観は、色んな身分で関わった人それぞれの声を冷静に聞いて、そこで初めて判断すべき問題。日常的に繰り返される判断を、単純なものに落とし込む危険を本書に見た。そんな味わい深い読書でした。

0
2018年12月11日

Posted by ブクログ

とても面白い本。1992年夏の甲子園での明徳義塾対星稜の一戦を丹念に追ったルポである。著者は明徳の選手がこの試合を後悔しているという予想のもと取材を始めるが、その前提は早々に突き崩されてしまう。表れたのは、「高校野球」はこうあるべきというマスコミの誘導。そして、「野球」と「高校野球」という似て非なるものを目指すそれぞれの立場。
選手・監督だけではなくそれを世に伝えたマスコミ関係者まで取材し、現代にいたるまで横たわる学校スポーツの問題を丁寧に描いた作品だ。

失望
誤解
前夜
伝説
挫折
沈黙
真相

第18回ミズノスポーツライター賞最優秀賞
著者:中村計(1973-、千葉県、スポーツライター)
解説:最相葉月(1963-、東京都、ノンフィクションライター)

0
2018年12月03日

Posted by ブクログ

第18回ミズノスポーツライター賞 最優秀賞受賞作。中村計の『歓声から遠く離れて』という本を読み、中村計の書く文章に益々興味が湧いたので、出世作である本書を読んでみることにした。

「松井5敬遠」に関わった星陵、明徳義塾の両監督、明徳義塾のピッチャー、松井の次の5番打者、松井秀喜…、多くの関係者に取材し、中村氏が感じた一人一人の人間像を、そして野球観を描き出す作品である。

中村氏は言う。
「美点と欠点。ともに示すことで、その人に重さを与えることができる。もちろんのこと瑕疵を書くときも悪意があるわけではない。人間が持つ美しさと愚かさに惹かれるからこそ、自分自身、書くことをよしと思えるのだ。」

馬渕、山下両監督や、5番打者の月岩、明徳義塾のピッチャー河野…。こうした人たちと交流し、筆者が感じたままに「人間的魅力(良きも悪きも)」を描出していた。人の欠点を書くことは簡単だ。しかし、人の欠点を魅力的に書くことは難しい。それをやってのけるのが、中村計という人だと、この本を読んで再確認した。筆者の「人間好き」な性格がよく出ていると思う。

0
2014年08月25日

Posted by ブクログ

「真実とは?」に焦点を当てた非常に素晴らしい作品です。

いろいろな立場から松井秀喜5連続敬遠をみつめていて、このアプローチは本当に面白いですね。真実にたどり着く唯一の方法なのかもしれないなあと思いました。

本書を読み終えて、松井秀喜はこの敬遠を出発点として、本当にすごい選手だったなあと感慨深く感じました。

0
2014年03月03日

Posted by ブクログ

あの明徳義塾との5連続敬遠の試合はすでに20年以上も前だったのか。当時の真相を追求するドキュメンタリーだが、あの騒動は意外にも松井以外の様々な関係者に影響を与えていた。
明徳義塾への試合中の嫌がらせにとどまらず、宿泊先のホテルなどにも相当な嫌がらせがあったとか。
確かにあの時は真っ向勝負が見たかったと思うが、ルール上認められているのだから野球というスポーツの戦略の一つとして認められるべきであり、そこまで非難される言われは本来ない。
つまり野球とは1人、2人強打者がいるだけでは勝てないゲームなんだと、そういうルールになっているわけだ。
ただ、当時学生時代だったが世論・風当たりは相当なものだったと記憶している。
そして、この本を読むと、当時の5敬遠という決断は、実はかなり高度な判断によるものだとわかる。
実際に実行して、生徒もそれに皆ついてくる、というのは簡単な事ではない事が良くわかった。

0
2013年08月05日

Posted by ブクログ

高校野球史上もっとも有名な試合の一つ、松井秀喜5連続敬遠を取材したノンフィクション作品。悲劇のヒーローである松井秀喜氏はもちろん、明徳と星陵の両監督や選手、そしてあの試合を担当した解説者や、当時記事を書いた新聞記者など、多方面への取材により、あの日の真実に迫っている。

いまだにあの試合がメディアで紹介されるとき、高校野球らしくないとかスポーツマンシップに反するなど、否定的な論調が多数を占めている。しかし、本書を読んでわかったのは、必ずしも野球関係者の間では、否定的な意見が多いわけではないという事だ。

特に強豪校と言われる学校は、甲子園で優勝する事を唯一の目標とし、尋常とは思えないような練習量を積んでいるのだ。相手が高校生だからといって、勝負の世界にきれいごとを求めるのは、そんな事情を知らない我々のワガママなのだろう。

あの世代の明徳の選手たちから、50歳になったら星陵と再試合をやりたい、という話が持ち上がっているそうだ。でも残念ながら星陵サイドは、あまり乗り気ではないらしい。ぜひとも2024年の夏、できれば甲子園球場で、もう一度あの試合を見てみたいものである。

0
2013年06月15日

Posted by ブクログ

高校野球は野球とは違うか。
高校野球は好きで見ているけど、それが教育の場かなんて考えたこともなかった。野球は野球だろうと。
読んでみて、野球経験のある監督さんたちのコメントの方がやはり説得力があると感じた。
それと、正々堂々潔く、勝てない相手でも正面から勝負することを教えることがよい、それが教育だというのも疑問。現在の日本の状態を見ると、こんな教育が国を弱くしているように感じられて仕方なかった。

0
2012年09月14日

Posted by ブクログ

松井秀喜が甲子園で5敬遠されてから10年
関係者を取材し書かれた書籍
当時5敬遠は衝撃的でしたが、あの出来事は関係者
の中ではどうだったのか知ることができました
そして今まで知らなかったことも知ることができました
よかったです

0
2024年01月08日

Posted by ブクログ

高校野球を高校生が野球やってるだけの話と思えばこんな狂騒は起きないんだろうけど、人生とか清々しさとかと無理無理くっつけるから見る側と選手監督の感覚がズレていくのかな。
マスコミが煽って作ったストーリーと内実がここまで違うのか驚いたが、日常のニュースもそんなものなのかもしれない。

0
2017年07月30日

Posted by ブクログ

この事件がきっかけで高校野球が一時期嫌いになったぐらいだったので、選手のその後に興味があって衝動買い。とても興味深く読ませてもらった。わたしは当時から5連続敬遠は極めて正当な作戦であると考えており、ブーイングと帰れコールで試合進行や校歌斉唱を妨害するほどの”汚いプレー”とは全く思っていない。当時の報道からはわからない「新事実」も載っているので、一緒になって心の中で帰れコールをやっていた人も是非読んで欲しいと思う。

0
2017年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1992年夏の甲子園。ひとつの伝説が生まれた。
「松井秀喜 5連続敬遠」
野球に詳しくない人でも知っているだろう。

松井秀喜を有する石川県代表星稜高校と、高知県代表明徳義塾の試合、そしてその裏で何が起きていたのか。事件から十年後、彼らと同年代の著者が、ひとりひとりを丁寧に取材して組み立てたノンフィクション。

松井の全打席敬遠を指示した明徳義塾の馬淵監督。従って敬遠した河野。敬遠された松井の次打者だった月岩。当事者たちはどう思っていたのか。

これを読んでからYouTubeで動画を見るとものすごくおもしろい!

野球好きでもそうでない方も読んでみてほしい一冊。

0
2014年10月22日

Posted by ブクログ

松井5連続敬遠は色んな意味で明徳の代表する偉業となっており、高知県民である私はいつも複雑な気持ちになる。なぜあんな事をやってしまったのか、この事について調査した著者は素晴らしいと思うし、本を読んでみて、敬遠をしてしまったメンバーの様々な背景がわかり、一概にあの敬遠は高校生にあるまじき行為だとは言えなくなった。

0
2013年09月24日

Posted by ブクログ

なんかつらつらと読み切ってしまった感じ。割り切れないできごとを割り切れないままに書いてあるような印象。真実というほど真実ではないというか… まあ確かにそんなにすぱっとはなあ 個人的には馬淵支持。

0
2013年09月10日

Posted by ブクログ

ノンフィクション。

日本が揺れた松井秀喜5打席敬遠のドキュメンタリー。

明徳が悪者扱いをされている印象が強かったが、関わった人達の話から明徳は悪者ではないと思えた。

勝つことに徹底したやり方が果たして悪いことなんだろうか?答えは多分出ないのかな…価値観の違いなのかもしれない。みんな純粋だった。野球にかけていた。それがすごく伝わってきた。

特に星稜の五番を打っていた月岩さんの話は心に残った。

やっはり試合の後はいろいろな葛藤や後悔があったようだ。(今でも?)葛藤の末の言葉であるだろうがこの言葉が印象的だった。

「あそこで打って、有頂天になっていると…将来のことを考えると、打てなかった方が良かったと思います。」

松井選手の夢の実現にはどうすればいいかという質問の答え

「…逃げないことじゃないですか。好きだと思えることからは。」

やっぱり努力してきた人は言葉の重みが違う。

0
2013年07月10日

Posted by ブクログ

本書の面白さはちょっとしたディテールと著者の人間性にあると思う。取材対象のどんな細かい仕草や言い方であっても見逃さず、それらを一つ一つ描いていくことでその人物が多面体となって浮かび上がってくる。また、松井への取材で夢見心地になったり、取材先の居酒屋の前を2往復したりする著者の「素人くさい」部分も同時に書き込まれているからこそ、読者はこの「5敬遠」事件の真相を自分が追っているように思えて没入できるのではないだろうか。

0
2013年05月13日

Posted by ブクログ

松井の連続敬遠を題材にして、
その周辺を、丁寧に描いてある。
緻密な取材の賜物だろう。
周辺の人物模様が面白い。

0
2012年12月07日

Posted by ブクログ

甲子園、球児たちの夢を伝説に変える場所。球史に刻まれた一戦、1992年夏、星稜vs明徳義塾。
松井5打席連続敬遠を監督・元球児たちが語る、封印された記憶。

星稜、明徳の監督、選手はもちろん、当時あの場所にいた解説者やアナウンサー、記者などの声を取材しているところが素晴らしいです。
馬淵監督のイメージが読前と読後でガラリと変わりました。

0
2012年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

多角的に色々な関係者を取材し、客観的に書かれた優秀なルポだと思った。旧選手、マスコミ関係者、当時の映像等々、丹念に調べてあり好印象。しかも、時々、主観もまじえつつも、冷静な視座がキープされ、よくマスメディアに見られるように最初に描いた筋書をなぞっていないのがよかった。一面的、あるいは限られた方向からの取材に終始した東海村原発事故の本読んだ後だったので、なおさらよさを感じた。

勝負に真摯だからこそ敬遠したのだという見方にはっとさせられ、自分の短慮を反省した。

0
2012年07月26日

Posted by ブクログ

丁寧な取材をしていて、よけいなバイアスもあまりかかっていないので、とても読みやすい。
当時、敬遠され続けた松井は、悲劇のヒーローとなり、敬遠し続けた河野は、世紀のヒールとなった。
しかし、2人以外にも当事者はいたわけで、私が思ったのは、「松井、河野よりも苦い想いをしている人間がこんなにもいたのか」と驚いた。
動画サイトで、当時の映像を見ることができるが、この本を読んでから見直したら、よりよいと感じた。

0
2012年07月12日

Posted by ブクログ

その試合の後で教え子たちにかけた監督の言葉に、ぎゅっと胸が詰まりました。
「星稜らしく、散ってしまったな。」

それは、監督自身が13年前の教え子と甲子園で経験した、簑島高校との延長18回の激闘の末の敗戦に重ね合わせて言った言葉。
野球にうとかったわたしでもその試合は鮮明に記憶しています。
いまも何かにつけ、甲子園の名勝負として紹介されることの多い試合です。

そして今回この本で取りあげている試合は、また違う形で星稜が甲子園の悲劇の象徴みたいになってしまった時のことです。

わたしの祖父と同じ根上町出身の松井秀喜選手は、それだけでとても身近で親しみを感じる相手。毎年夏に帰省すると、地元の寺井駅の構内の売店では「ゴジラ松井クッキー」を売っていたほど、地元では大ヒーローなのです。(その売店も、JRの合理化の波なのか、もう数年前になくなってしまったけれど。 )

メジャーリーグにまで飛び出してしまう「怪物」が、あの静かなほのぼのした町内からよく誕生したなあ、と思わずにはいられません。プロに入ってからの飄々としたインタビューの態度。言い終わったとき、下あごをぐっと噛み広げる独特の表情。ますます、おもしろい人だなあ、と思って、今もスポーツニュースに出てくるとつい注目してしまいます。

簑島高校との激闘から13年後の夏の甲子園。石川県代表として甲子園にやった来た星稜高校。
4番で主将の松井選手に対し、対戦相手の明徳義塾高校は全ての打席、5連続敬遠を選ぶのです。
大会前から「怪物」として名をはせていた高校生ばなれした強打者松井選手は、その試合、バットを1度も振ることなく、伝説になってしまうのです・・・

「高校野球らしく堂々と戦え」という明徳義塾の監督に対する非難、松井選手の次の打順を打つバッターに対する「お前が打っていれば勝てたのに」という無言の声。

この本は、当時の両校の選手や監督、そして、松井選手本人など当時のことを知っている人物にインタビューをして、当時の事実や選手の偽らざる心情をまとめています。

5打席連続敬遠なんて、松井選手はさぞかし悔しく甲子園を去ったことだろう
とか、
監督のサインにしたがって勝負から逃げるような球をミットに投げ込まなければならなかった投手だって、本当は松井と勝負したかったに違いない、
とか、
全て、ギャラリー側の視線にすぎないのかなぁ。
なんて、思いました。

スポーツ選手として、競技に取り組みながら考えていることは、同じ目標に向かっていても、そのやりかたとか、何を信じるか、とか、そんなものは自由なんだということを思い知らされました。

勝負事だから当然勝つことにこだわるのも信念。そのための戦術としてルールを越えなければ何も間違いではない。
特に高校での野球の場合、「甲子園」という明確な目標が描きやすいので、たんなる高校生のいち部活を超えている世界があるということは、なんとなく感じられるところではあったものの、そのそれぞれの毎日と人生は、壮絶なものがあるのだなあと。
(この印象もまた、ギャラリーとしての視線に過ぎないけれど)

この本の著者の方もまた高校では野球をやっていたそうで、自らのエラーで勝利を逃して現役生活の幕を閉じてしまった、という思い出があるそう。それで、同じ野球経験者として、彼らの気持ちがわかってやれるのでは、とこの取材を決意し、自力で当時の関係者にアタックし、インタビューをしたというところがおもしろいと思いました。

質問ひとつにしても、単なる、話題としての問いかけしかできない場合と、”こんな場面では、選手なら、監督ならこう考えるんじゃないか?”という前提のもとに話しかけができるというのは貴重だと思うから。

それでさえ、取材者が予想するのと全く違う種類の答えが当時の選手や関係者から帰ってくることがあって、つくづく、話は聞いてみないとわからないものだなあと感じました。
しかし、いくら「あの試合」から相当の年月が経過し、それぞれ大人になって当時の選手達が、「過去の思い出」として振り返った上で話してくれたとしても、あの暑すぎる甲子園のグランドに埋めてきて、絶対に、一生取り出さない想いも、あるんだろうなあ。

高校野球は「ひたむき」とか「さわやか」とかよく形容されますが、ぜったいそんなことだけではすまない。渦巻くいろんな世界がある。
選手の想い、監督の想い、そして甲子園という場所が象徴する一瞬のきらめきと重圧と運命のめぐりあわせ。この中で、ただ上手くなること、勝つことに向かって、それぞれのやりかたで、3年間を部活とともに生きている野球部員たち。甲子園はそんな人たちの舞台なんだな。あらためて重たく恐ろしい場所だ!

今年も地方大会が始まって、そして甲子園の幕が開ける。この時期にこの本を読んでよかったと思いました。

0
2012年07月08日

Posted by ブクログ

記憶に残る甲子園での5連続四球についてのノンフィクション。プロ野球と異なる魅力を高校野球に感じる人は多い。一つは職業ではないからだ。無意味に見える攻守交代の全力疾走はじめひたむきさや純粋さに好感を覚える。だから、何をやっても勝てばいいということに反発を覚え、敗れても大きな拍手を受けるのだと思う。私立高校に有名になって存続するという宿命があり、そのためには県外から有力選手を集めて勝利を最優先という論理は分からなくもない。ただ、例えば今治西高校と明徳義塾高校の試合を観ていると、指導者の目指すところが大いに違うことを感ずるのである。2016.5.6

0
2016年05月06日

Posted by ブクログ

甲子園での松井五連続敬遠。

雨トークで『甲子園大好きすぎる芸人』的な企画をたまたま見て、翌日本屋いったら偶然この文庫本があったので手に取りました。

星稜、明徳両方の関係者にインタビューを行って当時の思い現在の心境などを聞いていくんですが、テレビの報道とはまた違った内情が明らかになっていきます。

高校野球好きなら更に楽しめると思います。
★3

0
2014年08月10日

Posted by ブクログ

1992年夏、松井が5打席敬遠されたあの出来事を、星稜VS明徳義塾両サイドへの取材をもとに書かれたものだった。

0
2014年07月06日

Posted by ブクログ

話題になったな〜くらいの印象だったお話。関係者には色々なことがあったんだな。という感想。個人的には全打席敬遠はありかなと思いました。

0
2014年05月24日

Posted by ブクログ

松井にも野球にもそれなりに関心があったので読んでみた。綿密な取材によって甲子園での星陵-明徳の監督や選手たちや心情を描き出していくところは興味深かった。しかしこれは著者を含むマスコミの反省文だと思う。思い上がった独りよがりな観点から取材を進めていくうちにそれがマスメディアによって作り上げられた勝手なストーリーであることに気づき最後は反省で終わる。いまひとつの後味。

0
2014年03月27日

Posted by ブクログ

甲子園での有名な試合、松井秀喜を英雄にした試合、五連続敬遠の関係者にインタビューをして、当時の報道、発言の裏を取り、真意を問い、各人のその後を追っている一冊。

当時の報道が真実ではなかったことはわかるが、この本には結論がないと思う。取材をしただけ。

ただ、松井を全打席敬遠して勝てるのは、松井以外を押さえ込める力のある相当レベル以上のチームでないと取れない戦術であったことだけは分かった。

勝つことを純粋に追い求めるのか、勝負することに行くのか、難しい問題ではある。負けて泣くのは選手、負けた選手に同情するのが観客。追い求めすぎたらどうなるのか?そういう問題であったのであろう。

0
2014年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

試合直後は敬遠の是非が問われたけど、時間の経過と共に「よくよく考えたら五打席連続ヒットと一緒じゃね?五番が打ってれば余裕で勝てたやんけ・・」みたいな風潮になり、一部で戦犯扱いされていた星稜の五番打者(当時)月岩。そんな月岩にも直撃取材を試みている問題作とも言える一冊。

0
2014年05月01日

Posted by ブクログ

高校野球と野球は似て非なるもの。
なにか高校野球に特別な神聖さを見出し、潔癖になっていないか。
高校野球はあまり興味がなくとも、三年間すべてをかけて取り組んできた部活の最後の瞬間を知っている人は、興味深く読めると思う。

0
2012年07月27日

Posted by ブクログ

ノンフィクションは著者の内面をさらけ出すものだとは思うが、すこし感情の入る人物に偏りがあるためか、僅かにそれが邪魔に思えた。

内容については、高校野球を野球の1つと捉える側と、全く別の教育の一環であるとする側との、どこまで行っても相容れない議論に著者が身を投げ入れるもの。
後者の側であった著者が、関係者の話を聞くうちに前者の側に変化していくことになる。その過程において、後者の立場の関係者に厳しい評価をするようになっていっているが、どちらも誤りではなく、その人の関わり方の問題であるから、あとすこし俯瞰的な立場からの検証があってもよかったのではないか。
場面や状況によっては、どちらも正解に、もしくは世論に沿うことがあり得るものであるだけに。

この一般論についての考察が今後の作品で為されれば、読んでみたい。取材姿勢には非常に好感が持てた。

0
2012年07月08日

「ノンフィクション」ランキング