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日本史の教科書にもたびたび登場する生野銀山。その開坑は、807年と伝えられる、兵庫県は姫路の北の山間部に位置する場所。この生野銀山を舞台として、炭坑夫として働くことになった雷太、彼を取り巻く3人の女性たちのと悲しく切ない人生模様が綴られていく。
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物語の中心にいる3人の女性、名士の娘の咲耶子、芸妓の芳野、そして、女中の志真のうち、かなり芳野に肩入れをして読んでいた。きっと、咲耶子が幸せになるのだろうな予測しつつも、何とかして芳野が幸せにならないかと心の中で地団駄していた。詩や小説や歌でもそうなのだけれど、僕は女性の登場人物に感情移入することがほとんどだ。何でだろう。命が輪廻しているだとしたらならば、前世は女性だったのかな(一応断っておくけれど、現世で女性になりたいと思ったことはただの一度もない)。
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明治の生野銀山を舞台にした物語。歴史小説でありながら、恋愛小説でもあり。日本が変わりつつあるなかで雷太が抱える負の部分はとうてい想像できないけど、どう彼が立ち向かうのか後半が気になるところ。