感情タグBEST3
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Audibleで聞きました。私自身、腰痛で悩んでいたので、夏樹静子のご自身の腰痛体験を治すためにあらゆる方法を試される過程、最終的には、心身症と闘う入院生活の描写が面白くて一気に聴き入ってしまいました。まずは、今通っているカイロプラクティックを丁寧に続けたいなと思います。
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器質的疾患がない脅威の3年に及ぶ腰痛の犯人とは!といった実話ミステリーとしても大変面白く、また作者がプロとしてあらゆる治療、それこそまずはの整形外科・筋トレから温熱療法、鍼灸やカイロプラクティック、気功・祈祷まですべて試す!
しかも中途半端ではなく少なくとも10回は試し、しかもまったく依存しないところが(つまり宗教に走る的なこともなく)非常に痛快です。
恐ろしきは人の無意識ですよね…自分も夏樹さんなところがあるのでリラックスすることに真剣にならないようにしないと…。
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以前読んだことあったけど、最近の私は椅子が怖いので、かぶりつくように読みました。さすがの筆力。記録としても秀逸。ラストがハッピーエンドでなかったら、私のような読者は救われない。つまり、救われました、かなりね。
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平木英人医師の「慢性疼痛」(筑摩書房)を読んだので、文庫本を買い再度読んでみた。(『椅子が怖い 私の腰痛放浪記』改題)
売れっ子作家夏樹静子さんの腰痛の発症から克服までの長い戦いの壮絶な経験を記した本。
前半は、これでもかというほど腰痛の苦しみ、そして治療の挑戦と、その失敗・挫折について綴ってある。・・・それにしても、世の中にはこれほどまでに多くの治療法(?)が存在するのだと驚く。
後半は、心療内科医平木英人との出会いと、その治療、そして腰痛の克服が綴られている。
著者も半信半疑・・・というか疑っていた心因性による腰痛。
痛みはすべてが身体的な不調で起こった結果ではないということを、あらためて考えさせられる。
腰痛の体験者、治療に当たる人など広くを対象とした本。
未読の方には、平木英人医師の「慢性疼痛」(筑摩書房)と併せて読まれることをお薦めしたい。
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著名な文筆家であった夏樹静子さんが原因不明の腰痛に突然なってしまい、その完治を目指して彷徨う闘病記です。
五里霧中、暗中模索の状態で壊れていく患者さんの心を見事に「当事者」として書き連ねた書籍です。
文章から筆者の性格が本当に伝わってくる「嘘偽りのない文章」が満載です。
■ 購入対象者
・腰痛で悩んでいる方
・今はまだ元気だけど少し不安のある方
■内容
一人の患者さんが経る「渡り」の現実です。
色んな方法を紹介されては試し、紹介されては試し、と繰り返すも効果が中々見られない。
社会生活から引き離され、焦りや不安が怒りへと変わる。
「渡り」の患者さんが誰もが陥るこの悪循環にやはり筆者の方もはまっています。
1つだけ思ったのは、こうした「渡り」となる患者さんは確かに色んな方法を貪欲に求め、試されます。
ですが、基本的には
「専門家にお任せ」 ⇒ 丸投げ
「受ければ良くなる」 ⇒ 結果保証の意識
という、西洋医学にありがちなパターンに陥っています。
逆を言えば、「渡り」の方に最も多い典型例だと思います。
自分にとって納得のいく理論を妄信し(作者の場合は筋肉の弱体化)、検証されてもその結果に納得せずにひたすら妄信する。
その理由は「心因性」というものを受け入れたくないから。
「私がまさか、そんなはずはない」
これも、患者が落ちる典型的な落とし穴です。
これは、今悩んでいる方はもとより、自分が「渡り」にならない為の予防本としても活用できるかと思います。
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勝間和代さんのメルマガで紹介されていて、読むことにした本。前半の闘病中に書かれている記録は、自分の腰がおかしくなるんじゃないかと思うぐらい生々しかった。筆者の筆力を感じたし、この力があれば、仕事を休憩したくなくなる気持ちも分かる。結果的には治ると分かっていたが、様々な治療を試していて、本当に治ったのか疑問に思うぐらい、治らない。
潜在意識は何をしでかすのか分からない奴で、恐ろしい。
「作品にはそれぞれに読者に迫ってくる力があって、それを受けとめるだけの力がない時には読めないものだと気付かされた。」
パワーがあるうちに、色々な本を読んでおきたい。
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センパイに勧められたのだが、言われたとおり置くこと能わずグイグイ一気読みさせる筆力! 夏樹氏本人の3年にわたる謎の腰痛との闘病記だが、西洋東洋医学と除霊系まであらゆる治療を試しても悪化していく痛みと恐怖と絶望の描写の凄さ。そして、本当の原因がわかり、それを受け入れていくまでの変化。大長編を読んだ気分。
私自身も走り続ける性格であり、自分の感覚ばかり信じるきらいがあるので大いに反省しつつ、10年も治らぬ肩の痛みももしかして…と思ってみるのである。
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腰痛の描写が恐ろしい。
痛みが読み手にも伝染しそうなほど。
たまたま自分の腰痛の調子が悪いタイミングだったので痛みが増しそうで読み進めるのが怖かった。
8合目ほどまではひらすら著者が腰痛に苦しむ描写ばかりで何を試しても良くなる兆しもなく、このまま終わってしまうのではないかと思った。
担当医にあたる描写などもあけすけに書かれているが、それほど痛みが辛く酷いものだったのだろう。
よく耐えたものだなと思う。
著者は様々な支えがあったから乗り越えられたものの、もしもこれが孤独な人間だったら…と思うとゾッとする。
心の負荷がこれほどまで身体へ直結するものだとは知らなかった。
本質とは逸れるが、複雑な感情や高度な知能なんて持たない方が人間は幸せだったのではないだろうか。
心身症やうつなどはそれらの副産物だとしか思えない。
こんなリスクを抱えるくらいならもっと単純な別の生き物でいたかったと思ってしまった。
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「謎002」のあとがきだったかで宮部みゆきがこの本を紹介していたので、読んでみました。
過去数回ぎっくり腰を経験している私には他人事ではありません。
痛みの様子の表現がもう怖くて怖くて仕方ありませんでした。
そして、こんなにも人の身体に「心」が現れるのかと驚きました。
完治なされて何よりです。
実は夏樹静子は読んだことがないのですが、今度フィクションの方も読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
ミステリー作家として著作も多く、名の知られた作家なのに
なんと夏樹静子を読むのは初めてだったりする。
で、これはミステリーでも小説でもなくノンフィクション。
1993年から3年間、著者は原因不明の激しい腰痛に悩まされる。
椅子にも座れず、外出さえおぼつかない。
何よりも「原因がわからない」ということが問題で
ありとあらゆる医療、体力増強、神懸り的な事さえ試していくのだが
ようやくたどり着いた「腰痛の原因」とは?
「背中から腰に鉄の甲羅を貼りつけられたような」苦しみのなか、
何よりも心を打たれるのは著者の「創作に向かう姿勢の誠実さ」で
(それが逆に彼女の病状を追詰めるのだが・・)
夏樹静子の小説作品も読んでみたくなった。
この作品にしても個性的な医者、編集者、あやしげな治療師もいたりして
いくらでもユーモラスに書けそうな題材なのに
そうはしないあたりに著者の真摯さを感じてしまう。