【感想・ネタバレ】暁天の彼方に降る光 (上)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これで完結かと思うと、読むのが勿体なくて中々手が付けられませんでしたが、誘惑には勝てずに大事にゆっくり読もうと本を開きました。
大事にゆっくり……ゆっくり噛みしめるように……だめだ、ゆっくりとか無理!!
結局続きが気になって、先が知りたくて一気読みしてしまいました。

大きく分けて国貴編と和貴編で構成されています。
それも二編ともそこで区切るか鬼か!? という意地悪な引きで下巻へ……となっていて、これは上下巻揃うまであたためてて正解だったと思いました。
今から読もうと思っていらっしゃる方は、ぜひ揃えてどうぞ。

さて、内容についてですが、正直私は国貴にそれほど思い入れがないので、何か久しぶりの登場だなぁくらいの気持ちで読み始めたのですが、気づけば没頭。清澗寺一族、おそろしい子!!
兄弟の中ではある意味で一番受難というかドラマチックというか、とにかく色々な意味で不憫な子である国貴ですが、相変わらず苦境に立たされていました。
愛の逃避行に出掛けたは良いけど、安住の地なんてなかなか有るはずもなく、上海からアメリカに移住したと思ったらそこで差別に遭い、失意の内にヨーロッパへ。
希望いっぱいでフランスにたどり着いて職にありついたものの、ここでも再び国貴に忍び寄る魔の手が……。
ちょっともう不幸のバラエティボックスっぷりが凄くて、可哀想通り越してこの子なんとかしてあげて!! 状態。魔の手から逃れるために、フランスからも逃げだそうとしたら、今度はとんでもない事故に巻き込まれて茫然自失のまま下巻へ。

は? え? ちょ、待って??? ここで引くか普通!?


そして後半は和貴編でした。
終戦後、こども達も独立し、深沢とふたりきりになってしまった時間と身体を持て余している和貴の苦悩物語です。
周囲が各々の人生を切り開いていく中で、どうも和貴だけが時間が止まっているような感じがしました。端的に言えば【この子、何冊費やしてもちっとも成長してないな】ってことなんですが、今回も相変わらず妙に意固地にぐずぐずうじうじしています。
深沢との衝突の根本的理由もずっと変わっておらず、いい加減にしろと尻を蹴り上げたくなるくらいなんですが、これが和貴なんで仕方ないよねと思えてしまう清澗寺マジック。

家出を諦めて帰宅したところでお約束のように誘拐されるんですが、この誘拐犯が半端なく気持ち悪いです。
和貴の立場じゃなくても鳥肌が立つほど気持ち悪い。行動、思考、その全てが斜め上言ってて、話し合いとか一切通用しないタイプでした。
そんな男に辱められ、徐々に絡め取られていく和貴が『深沢たすけてよぉ』的なところで下巻へ、です。
えええぇぇぇ!? これもここで次に引っ張るんかい!?

最後は清澗寺家唯一の爽やかさんである道貴編。
短いコスプレエッチで糖分補給といきたいところですが、読んでて何でこんな恥ずかしいんでしょうかね。クライディオの気障っぷりが少し苦手なので、このなりきっちゃってる二人に鼻白んだというか、あー……そう、まぁ仲よくて何よりねという感想です。

取りあえず、切迫したこの2CPの続きが気になるので、さっそく下巻を読みたいと思います。

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2016年05月17日

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