【感想・ネタバレ】阿含経典3のレビュー

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Posted by ブクログ

増谷文雄の最古仏典抄訳シリーズの最終巻。これまでのより長めの文章が収められている。
どうもこの「阿含経典」を読んでいるだけでも、ブッダの言葉(とされている言葉)にはたまに相矛盾する発言があるような気がするのだが、どうなんだろう。
「大いなる死」は、ブッダ最後の旅を描く長編。中でも「捨命」の章が印象的だった。自分は「いまより三ヶ月のちには、般涅槃する(死ぬ)だろう」と予言し、そのときブッダは「生きる意志を捨てた」と書いてある。死への決意。もちろん自殺ではなく病死するのだが。
するとその瞬間、大地におおきな地震が起きる。どうやら如来が生誕したり、悟ったり、生への意志を捨てたり、実際に死んだりしたとき、いちいち大地震が起こるらしい。まわりの人はちょっとたまったものではないですな。
仏教の魅力は、<苦>とそれの滅尽の最終形態としての<死>という、このふたつのイメージのサイクルのストレートさにある。自殺を奨励しているわけはないが、死への親近感のようなものが初めからあって、惹かれる。

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2012年10月27日

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