感情タグBEST3
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短編集
生活してれば大なり小なりの窮地に追い込まれることは普通にある。
なんとか誤魔化せないか?責任転嫁出来ないか?主人公たちも窮地に立たされて心が乱れ、なんとか凌ごうとアタフタする。
けれど冷静になって考え直した時に、自分がとるべき道だったり、今まで気付けなかった事が見えてくる。各短編のラスト…主人公たちの行動や考えに ほっとした気持ちにさせてもらえた。
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上手い。巧みだ。
短編だけにリズムが良く、次々と読み進められた。
途中でネタには気づくんだけど、まるで航空機の着陸のように予想された着地点に綺麗に落ち着く様がまた良い。
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「自薦Theどんでん返し3」を読んで長岡弘樹さんを知り、第一作目のこの短編集を手にしました。
5編の短編集です。どれも評判通り構成がしっかりしてて内容が素晴らしく面白かった。
「陽だまりの偽り」を手にして正解でした。
「傍聞き」も是非読んでみます。
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『教場』で話題の著者だけれど以前に短編を読んで面白かった記憶があったから安心して読めた。ハズレがなくどれも面白かった。相性がいいようだから他の作品も読んでみたい。『教場』は映像を先に見てしまっているからほとぼりが冷めた頃に読んでみたい。
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短編5作品収録
いずれの作品も楽しめました
考えられたストーリー、奥が深いというか
短編作品の評価は高いらしく、他の作品も
気になるところです
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長岡弘樹の初単行本の文庫化。
物忘れのひどくなった事を知られまいとする男と、同居の嫁。
市役所に勤める男と、同僚たち。
昇任を控えたシングルマザーと、反抗期の息子。
身代金目当てに誘拐を企てた男と、さらわれた少年の母親。
荒物屋を営む男と、不良に絡まれた受験生の息子。
普通の人々の、日常の中に起きた事件を描いた短編集。
不可解な出来事の裏に、ひやりと冷たい計算や、温かい愛情が隠されている秀作揃い。
表題作の『陽だまりの偽り』と、『重い扉が』が特に良かった。
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おおおっ! 短編であるがゆえのスピード感、緊迫感に驚かされた。そして主人公が老人だったり母子だったり歩けない幼児だったり緑内障の父親だったりと何かを抱えた人たちだ。長岡氏は短編の名手だな・・・。
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事件や事故に巻き込まれたときの
保身や欲望など、誰しもが持っている心の動きを
リアルに描いた短編集。
どの話も、短いのにずっしり心に来る。
うまいなぁ
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5作の短編集。
著者は「傍聞き」で注目を浴びて、私も例にもれずそれから読み、このデビュー作集を読むことになった。
しかし、こちらの短編集のほうが好きだ。
5作それぞれテーマなどはバラバラであるものの、どれも甲乙つけがたい良い出来。余裕があるけど冗長ではない文章に、少しこちらの予想を上回る調味料がかかっている。「傍聞き」よりも著者のスゴさを感じるのだが。
どれもいいが「写心」が一番好きかな。
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いいお話だ。楽しみにしていた作者さんの短編集だ。
冒頭の表題作「陽だまりの偽り」は痴呆がはじまりつつある老人と息子嫁が主人公。加えて、警察も色を添える。少し出来すぎる感じもあるけど、きれいなエンディングがいい。嫁の淡々とした感じもいいし、すべてOKの短編。良かった。
「淡い青のなかに」は事故隠蔽と息子の絆。変な話だが、いろんなことが重なって、なかなか奥深さを感じる作品だと思う。評価は微妙だな。
一転「プレイヤー」は人事話。ラストの真実が驚きの結末。ミステリー要素たっぷりの作品だ。
誘拐したが母親が子を捨てるという驚きの展開「写心」も不思議な魅力。しかし、設定が少し暗くて非現実かな。
「重い扉が」も少し出来すぎ。というか受験生がそう簡単になぁ~って感じ。
でも、ひとつひとつの作品は着眼もオチも新鮮でとてもすばらしい。こんな新鮮な作品はかなり久しぶりだ、満足。
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素晴らしい!ミステリ要素とドラマ要素のバランスが絶妙!
特に一話目の『陽だまりの偽り』は良かった!
どの話も途中まではミステリの展開だが、最後にはキッチリ心がほっこりした。
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孫への送金用現金を紛失した老人が嫁に物忘れが酷くなってきたことをを気づかれまいと画策する表題作、非行で警察の厄介になった息子を迎えにいった母が帰り道に人をはねてしまう一編、市役所の人事と不審な転落死が絡む一編、借金返済のため幼児誘拐を謀る犯人と母親の一編。四本から成る短編集。
構成に無駄がないのもさることながら、犯罪そのものより、誰もが陥る可能性がありそう、と思わせる心理描写、とくに「魔がさす」瞬間を切り取るのが巧い。
長編で是非、キャラクターを追いかけながら読みたい作者。
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表題作のほか「淡い青の中に」「プレイヤー」「写心」「思い扉が」の5編からなる、「偽り---嘘」をテーマにした短編集。
傍聞きの時と同様、ミステリータッチに進めながら、ちょっとした見栄や、人生のかかった大事な時に、簡単な嘘を重ねてしまい、誰もが隠したくなるようなことを描き、その偽りから生み出される人の温かさを表現する。
嘘からはじまるストーリーは、悲劇が描かれることが多いが、この作品は最後に人の温かさや前を向いて歩いて行けるようなポジティブさを描いてくれていて、なんとなく清々しい気持ちにさせてくれた。
ただ、結末の弱さや、登場人物への共感、魅力といったものが足りないと感じられた。
とはいえ、これはデビュー作とのこと。
次の「傍聞き」へ十分生かされていると言うことだろう。
なにせ「傍聞き」はテーマといいホントに面白かったので。
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日常の些細な出来事や謎を解く日常ミステリーの短編集ですが、その謎を解くとあたたかい雰囲気になれるハートフルミステリーと言ったらいいのかな、そんな短編集です。、「陽だまりの偽り」「淡い青のなかに」「プレイヤー」「写心」「重い扉が」の5つのうち「プレイヤー」だけちょっとその範疇に入らない作品だけど、表題作「陽だまりの偽り」は物忘れのひどくなってきた老人が、嫁から預かった金を紛失することで、嫁の温かい気持ちがわかりほっとすると同時に、物忘れは他人事でなくなかなか切実な気持ちに(笑)。
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短編ミステリー集。収録5作のタイトルと主人公は以下のとおり。
「陽だまりの偽り」痴呆気味の老人
「淡い青のなかに」中学生の息子を持つキャリアウーマン
「プレイヤー」市役所職員
「写心」地方の写真館のカメラマン
「重い扉が」商店店主
「陽だまりの偽り」が断トツに良い。痴呆症の兆しを嫁に気取られたくないプライド高き老人が、自分の不自然な行動を隠そうと小さなウソを重ねるなかで抜き差しならない窮地に追いつめられていく。ヒッチコックのサイコスリラーのような気配を漂わせるストーリーには、あっと驚くうれしい結末が用意されている。先に読んだ『傍聞き』の4編とあわせた9編のなかでも、これがマイ・ベストです。
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巻末の解説にもあるように各話どれも完成度が高くてよかったが、
私は傍聞きを先に読んでからこちらを読んだので、どうしてもこの本の話のどれも傍聞きよりも劣ってしまうなと思ってしまい評価を☆3にしました。
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人の行動には何か理由がある。何も分からなければ「なんでこんなことをするのだろう?」と思ったり、「この発言はなんだ?」と思ったりもする。しかし、そこには何かしらの意味が含まれている。本書はそうした日常生活の一部を切り取り、ミステリーに仕立て上げた表題作含む5編収録の短編集。
全て登場人物の職業や置かれた立場も異なり、一編ずつ新たな気持ちで読むことができる。伏線はあるが、長編のように複雑に絡み合わずにサクサクと読み進めることができる短編ミステリーならではの醍醐味を味わうことができる。
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陽だまりの偽り…‥ 記憶が曖昧になりつつある老人と嫁の話。痴呆を隠そうとして、本当に引ったくりにあい、その事で、嫁と心の交流が始まる。
淡い青のなかに……シングルマザーの葉子は素行の悪さが目立つ息子修児に手を焼いている。万引きで補導された修児を迎えに行った帰り道に人をひいてしまう。母をかばい、無免許の罪を被ろうとする修児と一旦はそれを受け入れながらも、母として思いとどまる。怪我人は実は泥棒だったが、事故を通じて、親子が立ち直る。
プレイヤー……自殺か事故かで その後の役所内での立場が変わった。その真相は。
写心……借金苦で、誘拐した子供の母親に、お金を渡すから、子供をそのまま育てて欲しいと頼まれる写真家。難病で、弱っていく子供を見るのが辛いと訴えられ、隠し撮りした心からの笑顔の写真を渡す。
重い扉が……目が見えなくなっているのに気がつかない父とその事で様々なことが起こり、距離を置いてしまった息子の話。
短編で読みやすい。
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デビュー作ということを知らずに読み進めたが、表題がテーマの短編集で日の当たるところから足を踏み外す人の心理に迫る描写はさすが。短編なので、いいところで終ってしまい、もっと内容を掘り下げて色々と知りたくなってしまった。写心が好きな作品かな。
傍聞きも是非とも読みたい。
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日常生活の中で、心の弱い部分に触れる短編ミステリー。
人間の弱さ、ぬくもり、保身、欲望、誰も身に覚えのある心情をたくみに描き出した5編となっています。
■陽だまりの偽り
物忘れが多くなってきた老人が、嫁から預かったお金を紛失。どこで紛失したのか?
保身のために彼が付いた嘘
そして明らかになる真実
といったところで、結果嫁さんの温かい気持ちが最後浮き彫りになり、ほっこりします。
■淡い青のなかに
自宅前でおこしてしまった人身事故。不良のレッテルを貼られている息子は母親の事故の身代わりを画策。
会社の出世が絡む母親は保身を図りたいが、息子の提案を受け入れるのか?
どう隠すのか?口裏合わすのか?といったところで、母親と息子のとった行動は?
■プレイヤー
市役所が管理する駐車場から人が転落死。
管理責任者の責任が問われます。
本当に駐車場の管理不十分が原因なのか?それとも自殺か?
役所の人事が決まるその中、管理不十分であれば、責任を問われ出世ラインから外されます。
その死の真実は?
そのカギを握る役所の人物の目撃証言!
これは、ちょっとうならされました。
想像の右斜め上を言った感じ(笑)
■写心
幼い子供を誘拐した犯人が母親に身代金を要求。
しかし母親は身代金の受け渡しを拒否。
目論見が外れた犯人がとった行動は?
母親が子供に身代金を支払わないその理由は?
誘拐犯がとった行動が気持ちをほっこりさせます。
けど、こんなこと本当にあり得るか?
■重い扉が
息子との関係に悩む父親。
そんな息子が友達と商店街で不良に絡まれ、友達は瀕死の重傷を負います。
息子の証言で犯人が絞られますが、最後の最後で息子は証言を拒みます。
その理由とは?
これも最後は温かい気持ちになる終わり方。
ということで、殺人とか非日常の物語ではなく、日常ありがちな場面でおこる心の弱い動き、気持ちに対して、紆余曲折ありながらも最後は心温まる終わり方となっています。
お勧め。
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短編5編。「赤い刻印」がなかなか面白かったので読んでみたのですが、初期の作品のせいか今ひとつこなれていない印象を受けました。面白かったのは「プレイヤー」だけかなぁ。
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長岡弘樹の連作短編ミステリ。
デビュー作に限りなく近い雰囲気を持った作品集だった。
悪くなっているわけでもないが、特に良くなっているわけでもない。
ただ、舞台や人物設定が前作よりやや軟質なこともあり、今回のほうが印象はやや弱いか。
今後に期待。
3+
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「傍聞き」で長岡さんのファンになり、2冊目を購入。たまたまだが、前回読んだ「陽だまりの彼女」に続き、またまた「陽だまり」のつく作品を読むことになった。最初の「陽だまりの偽り」と最後の「重い扉が」はまぁまぁ良かったが、短編ゆえ仕掛けが弱く、少々物足りない印象を受けた。「写心」は設定がありえにくく△。個人的には「傍聞き」の方が良かった。
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それぞれに人の心に隠されている機微とその表出の仕方が絶妙。
謎解きも全てそこにかかっている。
登場人物がいかにも現実でも遭遇しそうな”厭な奴”なので
少々辛かった。
だが、だからこそ傑作なのかもしれない。
Posted by ブクログ
ミステリに分類したが、人は死なない系なので正直ここに分類していいのか迷う。
ただ、小さなミスリードによって、ラストに小さな驚きのようなものを毎回与えてくれる作者だという認識でいる。
長岡弘樹の本は『傍聞き』から入ったが、こちらも同じテイストであった。
日常の中の人々のちょっとの不思議を描いている。
個人的には表題作である『陽だまりの偽り』の本当に温かい雰囲気が好きだった。
大きな驚きなどは期待しない方がいいが、ちょっとした時間に開きたくなる作品だと思う。
個人的には好きな作風のため、他にも読んでみたい。
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物忘れがひどくなった老人、中学生の息子と意思疎通が図れない母親、市役所の駐車場を管理する課長、写真館の経営が苦しくなった店主、息子が傷害事件に巻き込まれた荒物屋店主。事件に巻き込まれるのは些細なきっかけだが、その裏にあった勘違いや思い込みや・・・というのが5つの短編ミステリーに共通したストーリー。これでデビューした著者のためておいたアイディアを書き並べたのだろうが、そのひねりの部分だけを見せられた感じで、小説としての楽しみに欠けた。
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5編の短編集。
どれも読みやすいが、中でも「陽だまりの偽り」がとても心温まるいい作品。嘘を隠すために嘘を重ねてしまう人間の悲しい性を描きながらも、作品のテーマは別のところにある。
さらっと読める良い短編集です。