【感想・ネタバレ】侵蝕 壊される家族の記録のレビュー

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感情タグBEST3

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怖い
壊れたヒトに壊されていく家庭
壊れたヒトは壊れたヒトをつくる連鎖
自分にも起こるかもしれない恐怖
ヒトの壊れた怖さがゾクゾクする

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2023年11月19日

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ネタバレ

知らず知らずのうちにシロアリに家が喰われていくように、家庭が壊れていく様を描いていてただ、怖かった。
「死刑にいたる病」もそうだったけど、苦しんでいる描写が読んでていて苦しくなった。

落ちは少し意外だった。
1回読んだ後だと、また違う感じで読めそう。

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2023年08月06日

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初めて「角川ホラー文庫」を買って読んだ。

 きっかけは「死刑にいたる病」の巻末に載っていた。特別な経緯はありません。ホラー小説と言うだけで、作品を前にしてブルブルと震えながら読み始め、何故か途中で止めようとは思わなかった。

 物語:皆川家は現在、女四人で暮らしている。留美子は、付き合っていた男性の紹介で小姑たちに、「ふしだらな女」呼ばわりされていた。お腹には既に小さな命が宿っていたからだ。「わたし、絶対に彼と結婚しますから」それから留美子は順調に三人の娘を生んだ。三人目を産んだ九年後、四度目の妊娠で検診の結果、男児だった。

 あの日の事故を境に、生活のすべてが一変した。以来、留美子は心を塞ぎ「よき母、よき妻」であることをやめた。―智未(長男)のいない我が家なんて、もう見たくない。

 玄関先でうつむいたまま、留美子はため息をついた。小さな爪先が視界に入った。顔をあげる。途端、留美子は目を見開いた。目の前に、四、五歳見当の男の子が立っていた。男の子は「トイレ…貸して、下さい」と言い、留美子は場所を教えたが、男の子は間に合わなくて漏らしてしまった。
 両方の拳を握り、その場に立ったまま、粗相をした自分を恥じて声もなく泣いていた。
 その姿に、思わず留美子は胸を衝かれた。

 ちいさい子に、こんな泣き方をさせてはいけない。子供が他人の前でこんな風に声を押し殺して屈辱の涙を流すだなんて、あってはならないことだ

 ひどすぎる。この子の親は、どこでどうしているんだろう。靴も履かずに子供一人で徘徊させているだけでも異常なのに、こんなに痩せさせて、お風呂にも入れず、トイレにも行かせないなんて。
 その後交番に届けたが、留美子は、亡き長男のこともあり、親が見つかるまでの間だけ預かることにした。

 子供に名前を聞くと「朋巳。山口朋巳」という。

 勿論、家族の反対があったことはいうまでもない。事故で亡くなった智未は、留美子に溺愛されていた。朋巳が皆川家に来てから三週間、荒んでいた皆川家は、なんとなく落ち着いてきた。ある雨の日の午後、長女琴美が自宅の軒先に立っている女を目にとめた。何とも言えぬ風貌に、琴美は思わず身を引いた。

 皆川家の人たちは、女がⅮVを受けていたと勘づいた。
 「あのう、もしどこへも行く当てがないのでしたら、よかったらー」と声をかけてしまったのが悲劇の始まりだった。
 朋巳の母、山口葉月が住み着いた。巻末に、この小説は単行本『寄居虫女』を加筆、修正の上、改題し文庫化したものです。と書いていた。

 冗談キツイぜ‼
 あらま、読書は楽しい!

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2022年08月28日

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ネタバレ

「みの多い皆川さん」こと皆川美海。その家族が洗脳され壊されていく。
由衣は、美海の異変にいち早く気づいたのだろう。しかし、その時の由衣と美海の間はぎくしゃくした関係だった。美海は、何かを話しかけようとした由衣を無視した。事件後の美海と由衣との親友関係が修復する描写がほしいところでした。
怖いホラー・サスペンスでした。

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2022年02月26日

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実際にある事件で、占い師が家族を洗脳して住み込んでしまう様に、この小説でも化粧の濃い女がある家庭を破滅へ追い込みます。
手口がリアルで、こんな風に洗脳されていくんだなって思った。

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2017年12月30日

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【2024年87冊目】
幼い息子を失い、魂を失ったような皆川家。真面目な長女、一歩置かれたような次女、ワガママな三女と家に寄り付かない父親に、錯乱する母親。そんなある日、母親が小さな男の子を保護したことで、家族の均衡は崩れ出す。互いに憎しみあい、罵詈雑言を口にする皆川家に寄り添う謎の女と男。家族はひとつにならなくちゃ――ね。

さすが櫛木理宇さんでしたね、鬼怖い。表紙が怖かったので、覚悟はしてましたが、途中の描写は本当に勘弁してくれよと思うほどでした。依存症シリーズを拝読していたので「いや、からの〜?」って思いながら祈るように読んでましたが、想像していた+願っていた以上の展開でひっくり返りました。さすが、ただでは終わらない…!

結構読んでて眉間に皺を寄せる内容ですが、ミステリー的な要素としても非常に良かったと思います。人間て、危ない存在になる可能性が、常に横にあるみたいな生き物なんだなぁと思ったのと、感情を描くのうますぎだろと思う感じでした。

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2024年04月16日

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怖かった…ヒトコワがやっぱり最恐だな。
北九州の事件が思い出されるくらい、徐々に洗脳されて掌握されていく、まさに侵蝕でした。
ただ、終わり方は意外でした。
てっきり最悪な終わり方をするのかな〜と思ってたましたが、意外な形で終わりを迎えて、ほ〜んて感じです笑
やっぱり櫛木理央作品はどれを読んでも面白いです。

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2023年07月17日

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ネタバレ

読み進めるのにとてもエネルギーが必要で、読み終えるのに普段の倍くらい時間がかかりました。
洗脳?マインドコントロール?され、少しずつ侵食され壊れていく様を見るのが本当にしんどかった。

葉月がいきなり呆けた状態になって事件が解決するので、少し唐突で消化不良感があった。
でもそのくらい葉月も切羽詰まった状態だったということなのかな?
葉月が元の肌がわからないほど濃く白塗りをしていたのも、大人は欲しがらなそうなフェイクパールのピンキーリングやビーズ細工を盗んでいたのもそういうことか!と納得。

最後はもう少し、美海と学校の友達や先生とのやり取りが深掘りされていると良かったと思う。
信頼できると思って真実を打ち明けた崎田先生に裏切られたのは本当に辛かっただろうな。

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2022年08月14日

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ネタバレ

最後の参考文献のページを見て、やっぱりあの事件が元になってたのかとさらに心が沈みました。
幕間と皆川家の時間が重なり合う第四章からエピローグ、私は泣かずにはいられなかったです。ホラーで泣いたのは始めてかも。
山口葉月がなぜ長きに渡って色んな家庭に寄生することになったのかまでストーリー掘り下げられてたらもっと良かった。
情状酌量の余地なんかないくらいあの女は酷いことしてきたけど、そう至る背景を見てみたかった。
そもそも理由も無く、なんとなく家庭を壊し続けていたのなら、余計山口葉月という女に恐怖を覚えたことと思う。
読み終わったあと、少しの間だけホラー、イヤミス小説読むの辞めようと思った。
それだけ辛すぎる展開が続く本でした。

家族への愛を失いそうになったら、過去に自分をたくさん愛してくれたことをたくさん濃く思い出して、憎悪をかき消せるくらい強い心を持ちたいと思えました。
実際、皆川家と同じ状況に自分が陥ったらそれは無理かもしれないけど…。
にしても美海ちゃん、最後まで本当によく頑張った。
始めてハグしたい衝動に駆られるほどの登場人物に出会えました。
小説の中の人物とはいえ、この先どうかみんなに幸あってくれと願わずにはいられないです。

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2022年04月28日

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ネタバレ

ずっと重苦しい。
光は見えない。
家の中、密室。

人間誰もが、もっている「孤独感」「弱さ」に、そっと寄り添う、手をさしのべる女。
少しずつ、確実に心を身体を蝕んでゆく。
優しく、強く、縛りあげる。

人の心を簡単に壊せる方法を知っている女にかかれば、皆、彼女にすがりつく。従順になる。

人間が壊れてゆく描写がとてもリアルで、読んでいてとてもハラハラした。

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2021年12月24日

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家族が他人によって、マインドコントロールされ結果、家族崩壊をする話。
お互い憎しみ合い、自分たちで考えることをやめ、主犯格の命令に従うだけの奴隷と化していく姿は恐怖。オバケや幽霊よりも生きている人間が怖いと感じた。

理性を保ち、正常な判断をするには
適切な食事と睡眠が必要不可欠であると知った。
とは自分の悩みを話せる信頼できる人を周りに置くことも大切。
被害者と加害者は表裏一体の時もあることを知った。たしかに世間のニュースでも「恨んで人を殺した」などあるし、自分が常に安全圏にいるのではなく、被害者にも加害者にもなりうる存在だと気付かされた。

自分は他人に支配される訳ないと思っていたが
案外そうでもないかも...
自分の悩みや苦悩を全部さらけ出すのは快感であり、聞き上手な人はそれを受け止めてくれるためペラペラと話してしまうが、
聞いてくれている相手は、実際胸の内でどのように考えながら聞いているのかわからないな、と思い
日々の生活でもプライベート過ぎることは本当に信頼できる人のみに話そうと思った戒めの本になりました。

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2021年04月15日

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見ず知らずの他人が家族の誰かに取り入って家の中に入り込み、いつの間にか支配し家庭を壊していく。話だけ聞くと信じ難いけれど、実際に似たような事件がかつて起きたというから驚く。

不眠による判断力の低下、甘言、暴力と脅し、あらゆる手を使って他人を意のままに操るマインドコントロール。本当にそんなことが可能なのか分からないけれど、葉月の術中にはまり、互いに憎しみ合う家族の姿がもどかしい。何より身勝手な父親に腹が立つ。

葉月の異様な厚化粧には何か意味があるのかとは思っていたけれど、そう来たか。ちゃんと伏線が張られてたー。
他人に家を乗っ取られる恐さを描いた話だと思っていたら、ちゃんとミステリーだった。

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2020年11月30日

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ヤドカリ女!人間の壊れていく過程をマジで感じ怖くなりました。他人の家庭をジワジワ侵食することって出来るんですね。怖かったです

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2020年09月06日

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続きが気になりすぎて時間忘れて一気読み。
薬物とか催眠術とかそういう反則技抜きで、リアルな手法で主人公の家族が洗脳されていく様子たるや!
いやー、すごいもの読ませてもらった。
実写化希望。

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2019年10月11日

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子供を巧みに使ってある一家に入り込み、いつの間にかその家庭を崩壊し乗っ取っていく恐怖の寄居虫女。平凡な女子高生の皆川美海の家に、その女はやって来る。美海の家族は、いかにして『侵蝕』されていくのか…。

真っ白のロングワンピースに、肘まである白レースの手袋、白フリルが満載のポシェット、そしてもちろん靴下だってホワイトという、これだけでもだいぶホラーな出で立ちなのに、年齢不詳なまでの厚塗り(白塗り)メイクだって言うんだから、怖すぎます。
しかも皆川家が『侵蝕』されていく途中の寄居虫女が憎たらしいったらありゃしない。自分の家なんだから、こんな奴ら蹴散らしちゃえよ!と思いながらも、先が気になって一気読み。角川ホラー文庫だったけど、生きてる人間が1番怖いのかもしれません。

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2019年09月11日

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皆川家に入り込んだ山口葉月。
その女が家を家族を侵食していく。

朋巳くんの心の解れ、圭介の幼さ、葉月の弱さが見え始めてからは一気に読み終えてしまった。
それまでは、苛立ちや恐怖で読み進めるのが怖かった。

葉月…。
もっと違う形で美海と会えてたら、もっと違う形で、この家に入り込む理由があったのなら…。

実際にあった事件のことを考えると、そう容易く言うことは出来ないし、葉月たちがしてきたことは許せることではないけれど、小説の中だけは、こう言わせてほしい。

幸せになれる道は他にたくさんあったと思う。

北九州一家の本も持ってるから、それを読もうと思う。
それで、ちゃんと異様なことだって実感したいと思う。

そうしないと、きっと自分は、葉月みたいな人に実際会ったとしたら、自分はいち早く取り込まれてしまうと思うから。

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2018年04月08日

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家族が洗脳されていくのがじわじわ侵食されていく感じ。途中から気になって一気読みでした。女の正体には気づかなかったので驚きました。眠らせてもらえないのが一番の拷問なんだな。実際の事件でもそうだったんだろうか?

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2017年07月08日

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なかなか面白かった。ホラー文庫だけど、そんなにホラーではなく。
ちょっと終わり方があっけなかったというか、剥がれていくところ、「葉月」の終わりをもっと書き込んで欲しかった。
170626

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2017年06月26日

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洗脳によって一つの家族が壊されて行く…
こんなことって本当にあるのかな!?と思いつつ、実際似たような事件をいくつかニュースで見たことがあるので、興味深くあっと言う間に読み終えた!

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2024年05月02日

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人間誰しも完璧でない。
歪みを見つけては、そこに上手く入っていき、その人の望むことを与え、次第に自分の思い通りに動く操り人形へと変えていく。
洗脳にかかるなんて意志が弱いなって思っていたが、それは決して人ごとではない、誰にでも起こり得ることなのが、なによりも怖いなと思った。

情景を浮かべやすい描写が多く、あっという間に小説の世界観に引き込まれ、あっという間に読み終わってしまうような本でした。

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2024年01月28日

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ネタバレ

ずっと、どうして私はこんなにも嫌な話を読んでいるんだろうと思いながら読んでいました。これをただのフィクションとは笑えないような事件が世の中には実存します。単行本発行時のタイトルは『寄居虫(ヤドカリ)女』だったそうですが、文庫本タイトルのほうがより実存している感がある。

マインドコントロールの恐ろしさ。なぜ侵蝕されてしまうのかが少しわかったように思いました。

とはいうものの、映画で私がいちばん苦手なのが「老けメイク」。映画のみならず某テレビ番組を観ていても老けメイクにひっかかる人に「なんでやねん、わかるやろ!」とツッコミを入れたくなるため、この犯人にはドン引き。声にも年齢は表れる。違和感バリバリじゃなかったかと思うのです。

犯人のことはさておき、マインドコントロールの行程にはちょっとメンタルやられそう。今もどんよりした気持ちです。

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2023年08月21日

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こんなにも警察も学校も行政も親戚も頼れない事あるって思うくらい四面楚歌の状況の方が恐ろしい。なかなか重め。

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2023年02月09日

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ネタバレ

段々と壊れていくさまが怖くて飛ばしてしまった
まだミステリーは早いみたい
内容としては段々と崩壊していく家族と最後に別サイドの目線でフィニッシュ
個人的には行なった理由を説明してくれたほうが楽なので良かったけど、その分、ホラーとしてはブレちゃうみたい
エンタメって難しい
元気なときしか読めない本です

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2022年07月11日

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純粋に怖い。あり得ないと思いつつも、今までに起きた事件とか見る限り、あっという間に中に入ってきて普通の家庭が侵蝕されて凄惨な事件に発展してしまってるのかと…
やっぱりマインドコントロールされて、その上睡眠取れないと正常な判断できなくなるんだろうな。

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2020年07月16日

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けっこうエグい内容ですね~
最終的な結末は、意外なものでしたが、単純ではないという部分では、読み応えがあり、面白い内容です。
エグい描写が多くて、刺激的ではあります~

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2020年04月21日

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目星をつけた家庭に入り込み、家族の一員となり、その家族を意のままに操る不思議な女の話。人間って命令されたり、共感されたり、睡眠を取り上げられると、いとも簡単に壊れてしまうんだなあ、と恐怖を覚えた。

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2019年05月26日

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内容が長い割にラストはあっさりで、少し物足りなく感じました。
でも、クリーピーの様な得体の知らない感じが良かったです。

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2018年09月09日

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もしも自分の家族がこのようになってしまったら、と想像するだけで恐ろしくなってきます。
血肉いっぱい系のホラーと違い、家族間、自分の大切な人などがだんだんと壊れていく、そういった恐怖を感じられる話です。
グロいものが苦手な人も読めるかと思います。
ラストの展開が非常に驚きのあるもので、シンプルに楽しめると思います。

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2018年09月01日

Posted by ブクログ

最近、泣ける本を読んでいなかったなぁ。。。と思いつつ読み始めたら、

うん?。。。なんか違う。。。。

なんか、怖い。。。痛い。。。恐ろしい。。。背中がぞわぞわする。。。

本の表紙をよく見ると、なんと、「角川ホラー文庫」と書いてある!



平凡な家族が、洗脳によって崩壊していく様子が、

痛々しく残酷でおぞましい。

最後は、泣けなかったけど、変な寒気を感じました。

暑い日にいかがでしょうか。。。

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2018年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

無味乾燥な改題になっちゃった。でも内容は葉月の化粧同様に濃く、正常な思考を奪われて大切な家族を大切に思えなくなっていく様が恐ろしい。この手の事件は現実起きているし、愚かと笑えない不気味さがある。子どもを亡くした喪失感につけ込まれたら、留美子みたいにならないって保証はないなぁ。
美海の最後の切り札かと予想していた菜の花畑の思い出に隠された真実に唖然。父親最低。まさかのどんでん返しにもびっくりだった。
「加害者でもあり被害者」という言葉がこの上なく重く、人生を狂わされてしまった多くの人を思うとやりきれない思いが胸に沈殿していく。なかなかハードな一冊だった。

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2016年06月24日

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