【感想・ネタバレ】ビッグ・ノーウェア(下)のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

複雑な人間関係と残虐な事件が結末へ一気に集束していく。まとめ方がうまい。全編を貫く鬱屈したアメリカ、腐敗したアメリカの姿は心に残る。

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2012年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「暗黒のLA4部作」の「ブラック・ダリア」に続く2作目。

読み始めは苦戦したものの、途中からどんどん面白くなり、「ブラック・ダリア」を凌ぐ面白さだった。

主人公のうち、ダニー・アップショー、マルコム・コンシディーンの二人がうちに秘める自身の弱さと、それが露呈することへの恐怖感が、特に自分には共感できる部分だった。

そして、チョイ役と思われたバズ・ミークスの漢気(警察などの体制側にはそんな人は出てこない)に涙が出る。生き延びて欲しいと思った。

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2022年08月22日

Posted by ブクログ

『ロス暗黒史』4部作の第2册目。動物に噛み切られたような跡が残る惨殺事件が続く。事件に執念を燃やすLA保安官事務所のアップショー。ハリウッドにはびこる赤狩りのための特捜チームに加わったLA地方検事局のコンシディーン。LAのギャング、ミッキー・コーエンの元で情報収集家をやる元腐敗警官の“バズ”ミークス。赤狩りと惨殺事件の共通点が明らかになるにつれてLA市警殺人課警部補ダドリー・スミスが動き出す。

『ブラック・ダリア』よりも複雑でさらに登場人物が多くて大変だった。1940年代のアメリカの人種差別と腐敗が恐ろしい。

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2010年08月15日

Posted by ブクログ

集積回路におけるムーアの法則を思わせるのが、フィクションにおける残酷描写の暴走ぶりです。
特に映画はVFXの飛躍的な進歩によって、ショッキングシーンの歯止めが無くなった感があります。
そんなフィクションに親しんでいる我々ですから、今さらいくら暗黒シリーズと言っても、20年以上前の小説に過度の刺激はないだろう、と思ったんですが、なんの。
後半の盛り上がりぶりは、人間性の奈落に向って、読者の襟首掴んで暴力的に覗かせるような迫力です。

巧いなあ、と感じたのが、鼬の使い方で、その凶暴な生態の描写が非常に巧み暗喩となって小説全体の基調低音となっている。

最終章でのアメリカン・ヒーロー物(というかアンチ・ヒーローですが)的な終劇のさせかたは、伝統芸も出来るんだぜ、という芸域の広さを感じさせますね。

ダドリー・スミスの悪魔的な造詣が冴え渡り、このキャラクターは、もっと世に知られても良いのでないか、と感じました。
デカクて強くて凶暴で悪賢く、自らの信念と欲望だけに忠実な悪魔。
アメリカではフォロワーとかあるんでしょうか?
ちょっと知りたいですね。

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2011年10月13日

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