【感想・ネタバレ】和漢診療学 あたらしい漢方のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月22日

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西洋医学と東洋医学を比べながら、具体的な症例を紹介しながら漢方の解説をしてる本面白い。西洋医学の薬で治らなかった心因性咳嗽が漢方で治ったから東洋医学も知りたいと思った。

寺澤捷年
1944年東京生まれ。1963年都立両国高校卒業。1970年千葉大学医学部卒業。1979年千葉大学大学院中枢...続きを読む神経解剖学専攻修了、医学博士。1979年富山医科薬科大学附属病院和漢診療部長。同大学医学部和漢診療学講座教授、同大学医学部長、副学長(病院長)などを歴任。2005年千葉大学大学院医学研究院和漢診療学教授。2010年より千葉中央メディカルセンター和漢診療科部長。日本神経学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医。和漢医薬学会理事長、日本東洋医学会会長、東亜医学協会理事長を歴任


身長は中ぐらいで、表情も明るく、一見すると元気そうである。ふくろう症候群は正式な医学病名ではないが、この病状をよく示しているので、わたしは好んで用いている。初診時に、立ちくらみや 車 酔いをしないかどうか 尋ねると、「あります」との答えである。お 風呂 に入り 浴槽 から立ち上がったときに、とくにめまい感があるという。そこでわたしはさらに、天候が悪化するような日に朝起きるのがつらくなる傾向はないかと聞くと、「はい、学校を休みたくなります」とのことであった。低気圧は体のなかの水の量を多くするので、このようなひとでは症状が悪化するのである。顔面は少し赤みがあるが、両足は冷えている。

六〇代の主婦。口臭と 口内炎 を訴えて八年前に大学病院の和漢診療科を受診した。ご主人からも口の臭いを指摘されていた。漢方医学では脈、 舌、 腹 をみるのが手順であるが、舌をみると色調は正常であるが、舌のこけ( 舌苔)は黄白色で非常に 乾燥 している。そこで口が 渇きませんかと問うと、「はい」とのこと。目のゴロゴロする感じはありませんかと質問すると、一日に数回、目薬を用いているという。この口臭は 唾液 分泌が減少したために 口腔 内(口のなか)に雑菌がはびこり、このために起こっているものと考えられた。西洋医学でシェーグレン症候群(乾燥症候群)と呼ばれる病気であるので、この 疾患 に 特異 的な血液中の 抗体 を検査し、眼科で 涙液 の分泌と 角膜 の 損傷 状態を検査してもらうように手続きをした。なぜかというと、涙が出ない状態でまばたきをしていると目の表面の角膜に傷がついてしまうからである。そして 清 熱 補 気 湯 を処方した。

免疫学 の領域に関係する薬剤のなかに、生体 応答 調節剤BRM(Biological response modifier) がある。これは体内での免疫反応の 歪みをなおす作用のあるクスリをいうが、漢方方剤にはこの作用を持つものが多数報告されている。 柴 苓湯 が有名であるが、漢方医学がときに「体質を改善した」とされる事例の背景には、このBRM作用に基づくものがあるとわたしは考えている。ここに示した清熱補気湯も唾液腺や涙腺の働きを良くする作用とともに、BRMとしての作用があると考えられる。

漢方医学的にみると、脈の力は弱くない。舌に厚い 白 黄 苔 があり、 腹壁 には力がなく、みぞおちに筋肉のこわばりと圧痛( 心 下 痞鞕)が認められた。手足の冷えはなかった。そこで注目したのは「仰向けに寝ていると咽に痰が詰まった感じがする」という訴えである。これは 気鬱 を示すサインである。「胃のあたりがもたもたする」のも気鬱のためであろうか。「めまい」は 水 滞 を 示唆 している。そこで、これらを改善する 茯苓 飲 合 半夏 厚朴 湯 を選択した。

この「弱質」を絵に描いたような四〇代の女性患者さんが、当病院の 泌尿器科からの紹介で約一年前に受診した。ともかく体がだるくて、どうにもならないとの訴えである。どれくらいだるいかというと、朝起きて出勤のための 身支度 をしている途中で疲れてしまい、横になりたくなるというのである。このような状態は一七歳ごろからあり、しばしば日常生活に支障を 来していた。当科を受診する前の一年間ほどは 口唇 ヘルペスが月に一度、ひどいときは月に三回も起こっていたという。 風邪 もひきやすく、しばしば 膀胱炎 にもなった。冬には手足が冷え、夏でも冷える。たちくらみもしばしばあり、お風呂の浴槽から出るときは、急に立ち上がらずに中腰の状態で、しばらく体を手で支えてから出るようにしているという。以前からむくむ傾向があり、最近では足の裏がむくむ気がするという。一年前にインフルエンザにかかったが、体温は三五℃しかなかったともいう。

漢方医学は、二〇〇〇年にわたる経験の蓄積から成り立っている。血液検査もなければレントゲン写真の技術などまったくない時代の 医術 であるが、それ 故に人間の持つ五感を 研ぎ澄まして、患者さんの心と体をマクロ的な「全体性」の視点で詳細に観察している。しかも、こうしてとらえた心身のゆがみを治す具体策も書き残してくれているのである。この人類の 叡智 を十分に活用しないのでは、宝の持ち腐れである。

そのイメージを図示したものが図 14 である。この図から、人間存在は大自然のなかにある小さな 閉鎖 空間(小宇宙)であることがわかる。そして呼吸は大自然のエネルギーを体内にとりこむ重要なことがらであり、食物も自然界から与えられる。この体内の気の量と 循環 が順調であることが、天寿をまっとうする 秘訣 なのだ。後の第七章にくわしく論じるように、西洋医学は「心と体は別のもの」という 心身 二元論 で成り立っているので、ここで東洋と西洋の大きな相違が生じてくるのである。

その治療方剤を「 駆 瘀血 剤」と呼ぶ。 桂枝 茯苓 丸、 桃 核 承 気 湯、 大黄 牡丹 皮 湯、 当帰 薬 散、 疎 経 活 血 湯、 加味 逍遥 散 などが代表的な方剤である。この瘀血病態の科学的研究については第五章にくわしく記したので、ここでは省略するが、女性の性周期に伴うさまざまなトラブルを改善する効能がある。加味逍遥散が有効であった具体例は、第一章の症例八「介護疲れ」に掲げた。

ともかく漢方医学の古典には、女性の 愁訴 や悩みを解決する方剤が多い。なぜなのだろうかと考えたが、韓国ドラマ『チャングムの誓い』の日本語版の監修をさせてもらって気づいた。皇帝の健康を維持するのはもちろんだが、宮殿の 後宮 にはおおぜいの女性がいた。この人たちが健康であることは、とても重要であったのだ。このためにさまざまな 試行錯誤 がなされ、多くの方剤が開発されたのだとわたしは考えている。

その後に、大脳の深い部分の研究が進み、 喜怒哀楽 や恋心が 大脳辺縁系 の働きによるものであることがわかった。約六〇年前のことである。

ここでわたしが言いたいことは、「いま現在」私たちが常識としていることがらも、あと一〇〇年も経てば、あの当時は何もわかっていなかったと評される宿命を持っているということである。しかし、一歩一歩の汗と涙を流す研究が積み重なって「いま現在」がある。わたしが「知の創造」を和漢診療学に求めることの評価は、後世の人々によってなされるのである。

夏休みにNHKの「全国こども電話相談室」を通勤の途中で聞いていたら、小学四年生が「ボクは磁石を持っています。NとSはくっつくのに、NとNはくっつきません。どうしてですか」と質問した。物理学の先生の答えに、わたしは感動した。「それはね。わからないのです。昔からそういう力があることはわかっていましたが、説明ができないのですよ」と。幸いなことに、わたしの患者さんに東京メトロを開発した方がいるので「ほんとうですか」とおたずねした。なぜかというと、東京メトロはリニアモーターで動いている。磁石のNとSがくっつく力を利用しているからだ。答えは「先生ね、 奇術 のことを英語で magic と言うでしょう、磁石は magnet で語源がいっしょで不思議なことなのです」と。

舌苔の乾燥は、熱が体内に 籠 もっているときと、体内の水( 津液)が減少している場合にみられる。第一章の症例五「シェーグレン 症候群」では、 唾液 分泌 が低下しているので舌のみならず 口腔 内 が乾燥状態であった。後咽頭壁の乾燥は体の体液が不足( 津液 枯燥)している徴候で、 気管支 などの 腺 分泌 が減少している場合に多くみられる。カラ 咳( 痰 のでない咳)がみられることが多く、これは 麦門冬 湯 や 滋 陰 降 火 湯 を用いるときの重要な情報である。

大便の臭いも陰陽の 鑑別 に大切な情報で、ひどくくさい便は陽の状態であり、陰の状態にある人では鼻をつまみたくなるような臭いのある便は出ない。

自覚症状を軽視するもう一つの原因は、西洋医学では検査数値や画像診断こそ信頼すべきもので、計量化できない自覚症状は「当てにならないもの」という基本姿勢があると、わたしは考えている。

 漢方医学の病態のとらえ方が「全体性」を基本としており、部分を重視する西洋医学とはまったく異なったものであることを記してきたが、その診断によってとらえた体全体の 歪みを修復する手段である漢方方剤もまた、西洋医学の医薬品とは大きく異なっている。生薬が基本単位ではあるが、それを単一で用いることは極めて 稀 で、いくつかの生薬を規定の分量比で調剤して、方剤として用いるのである。

この単一生薬に頼らずに規定のレシピを用いる知恵はいかにも東洋的であり、その根本は一神教の世界と多神教の世界との相違によるものではないかとわたしは考えている。

それでは荻生徂徠がどのようにして知を獲得し、「 古文辞学」を確立したかというと、暗黙知の直接把握であった。暗黙知とは、ことばにしてあらわすことができない知である。たとえば皆さんが自転車に乗れるという知は体得したものであって、ことばで記されたマニュアルを読んで乗れるようになったものではないのである。  もう一つ身近な例を挙げると、友人や家族と顔を合わせたとき、「何となく元気がないな」と皆さんは察知できるが、どうしてそう感じたのか、その理由を聞かれると困ってしまうに違いない。ことばでは、そのすべてを記せないからである。つまり、「分解」せずに「全体性」を知るということが可能なのである。

黄耆 建 中 湯 ◎ 黄耆、 桂皮、 薬、 大棗、 甘草。 ☆ 気 虚 で消化管の機能がおとろえたもの。 根 湯 ◎ 根、 麻黄、桂皮、 薬、 生姜、大棗、甘草。 ☆ 感冒、インフルエンザの感染初期で、脈が充実し、首の後ろが 凝り、自然発汗のないもの。 加味 逍遥 散 ◎ 柴胡、 薬、 当帰、 茯苓、 山梔子、 牡丹 皮、 薄荷、 蒼朮、生姜、甘草。 ☆ 陽 で 虚 の 瘀血 のもの。ホットフラッシュや皮膚のトラブルを伴うことが多い。 荊芥 連翹 湯 ◎ 荊芥、 連翹、 黄 芩、 黄 柏、 黄連、 枳実、柴胡、山梔子、 地黄、 薬、 川芎、当帰、薄荷、 白芷、 防風、 桔梗、甘草。 ☆ 陽 で 実 の体内の熱を伴うもの。鼻炎症状があり、 血 虚 のサインを示すことが多い。

桂枝 加 桂 湯(医療用のエキス製剤はない) ◎ 桂枝 湯 の 桂皮 を増量したもの。 ☆パニック障害に似た 気 逆 に用いる。 桂枝 加薬 湯 ◎桂皮、 薬、 生姜、 大棗、 甘草。 ☆ 陰 で 虚 の消化管の機能がおとろえたもの。 臍 のあたりの腹痛に応用できる。 桂枝 加薬 大黄 湯 ◎桂皮、 薬、生姜、大棗、甘草、 大黄。 ☆陰で虚の消化管の機能がおとろえ、便秘するもの。腸管内にこびりついた 宿便 の排除に応用できる。 桂 枝 加 竜骨 牡蛎 湯 ◎桂皮、 薬、生姜、大棗、甘草、 竜骨、 牡蛎。 ☆桂枝湯に鎮静作用のある竜骨と牡蛎を加えた方剤。陽で虚の不安感、 焦燥 感 のあるもの。

桂枝 湯 ◎桂皮、 薬、大棗、生姜、甘草。 ☆ 感冒 の初期で、陽で虚のもの。自然発汗の傾向、軽い鼻炎をともなう。 桂枝 人参 湯 ◎桂皮、甘草、 蒼朮、 人参、 乾 姜。(注 人参は薬用人参である) ☆陰で虚の 下痢 するもの。 上 熱 下 寒、 心 下 痞鞕 を認める。片頭痛にも応用できる。 桂枝 茯苓 丸 ◎桂皮、 薬、 桃仁、 茯苓、 牡丹 皮。 ☆陽でやや実の 瘀血 のもの。女性では月経…

香 蘇 散 ◎ 香 附子、 蘇 葉、 陳皮、甘草、生姜。 ☆ 気鬱…

五 積 散 ◎蒼朮、陳皮、 当帰、 半夏、茯苓、甘草、 桔梗、 枳実、桂皮、 厚朴、 薬、生姜、 川芎、大棗、 白芷、 麻黄。 ☆ 気血 水 のすべてが不具合で、冷えて、 下肢 に 浮腫 のあるもの。女性では月経にともなうさまざまなトラブルで冷え症のものによい。 呉茱萸 湯 ◎ 呉茱萸、 人参、…

五 苓散 ◎ 沢瀉、 猪苓、 茯苓、 桂皮、 蒼朮。 ☆ 陽 で虚の 水 滞 で口渇と尿量減少をあらわすもの。 柴 胡 加 竜骨 牡蛎 湯 ◎ 柴胡、 黄 芩、 半夏、人参、茯苓、桂皮、大棗、生姜、 竜骨、 牡蛎、 大黄。 ☆陽で 実、 肋骨 弓 の下に抵抗と圧痛( 胸脇苦満)をみとめ、精神的に不安定なもの。 柴胡 桂枝 乾 姜 湯 ◎柴胡、黄 芩、 括 蔞根、桂皮、牡蛎、 乾 姜、 甘草。 ☆陽で虚、肋骨弓の下に抵抗と圧痛(…

柴胡 桂枝 湯 ◎柴胡、黄 芩、 半夏、人参、桂皮、 薬、生姜、大棗、甘草。 ☆陽で虚、胸骨剣状突起と 臍 の中間点に圧痛( 心 下 支 結)をみとめるもの。肋骨弓の下に抵抗と圧痛(胸脇苦満)をみとめることもある。詳細は第五章の 方 証 相対論 の項目に記した。 柴 苓湯 ◎柴胡、半夏、沢瀉、黄 芩、 大棗、人参、猪苓、蒼朮( 白朮)、茯苓、甘草、桂皮、生姜。 ☆ 少 陽 病期 で胸脇苦満があり、水滞のサインを伴うもの。 三 黄 瀉 心 湯 ◎黄 芩、…

滋 陰 降 火 湯 ◎蒼朮、 地黄、 薬、 陳皮、 当帰、 麦門冬、 天門冬、 黄 柏、 知母、甘草。 ☆陽で虚、体内の水が不足( 津液 枯燥)のもの。カラ 咳 をともなうことが多い。 四 逆 散 ◎ 柴胡、 薬、 枳実、 甘草。 ☆ 陽 でやや 実、 肋骨 弓 の下に抵抗と圧痛( 胸脇苦満)をみとめ、腹直筋が緊張しているもの。精神的ストレスによる心身の不具合に用いる。 四 逆 湯 ◎甘草、 乾 姜、 附子。 ☆ 少 陰 病期 の代表的方剤。中心部体温(core temperature) が低下し、 下痢、 四肢 の冷…

四 物 湯 ◎ 当帰、 川芎、 薬、 地黄。 ☆ 血 虚 をなおす基本方剤(補血剤という)。 炙 甘草 湯 ◎地黄、 麦門冬、 炙 甘草、生姜、人参、 桂皮、 阿膠、 麻 子 仁、大棗。 ☆気虚と血虚があり、不整脈などがみられるもの。 十全 大 補 湯 ◎人参、桂皮、川芎、 地黄、白朮、 黄耆、当帰、 薬、茯苓、甘草。 ☆気虚と血虚が同時にみられる( 気血 両 虚)…

小柴 胡 湯 ◎柴胡、 半夏、生姜、 黄 芩、人参、大棗、甘草。 ☆ 少 陽 病期 の代表的方剤。肋骨弓の下に抵抗と圧痛(胸脇苦満)をみとめるもの。 小 青竜 湯 ◎半夏、 麻黄、 薬、 桂枝、 細辛、乾姜、甘草、 五味子。 ☆陽で虚、 五臓 論 でいう肺臓が冷えたもの。鼻炎症状、うすい 痰 と 咳 をともなう。 真 武 湯 ◎茯苓、 薬、蒼朮、生姜、附子。 ☆ 少 陰 病期 の代表的方剤。冷えと全身 怠 感、 浮腫 傾向のあるもの。 清 上 防風 湯 ◎ 防風、 桔梗、 連翹、 白芷、 川芎…

清 熱 補 気 湯(医療用のエキス製剤はない) ◎ 人参、 白朮、 茯苓、 薬、 当帰、 升麻、 玄参、 五味子、 麦門冬、甘草。 ☆陽で 虚、体内の水が不足( 津液 枯燥)のもの。口内炎、 口腔 乾燥をみとめるもの。 疎 経 活 血 湯 ◎ 薬、当帰、 地黄、 蒼朮、 桃仁、川芎、 茯苓、 牛膝、 陳皮、 威霊 仙、 防已、 羗活、防風、 竜胆、白芷、 生姜、甘草。 ☆陽でやや実の 瘀血 で関節痛、筋肉痛などを示すもの。 大黄 牡丹…

大 柴胡湯 ◎ 柴胡、黄 芩、 薬、 半夏、 大棗、枳実、生姜、大黄。 ☆陽で実、 肋骨 弓 の下に抵抗と圧痛( 胸脇苦満)と、 心窩 部 に抵抗と圧痛( 心 下 痞鞕)をみとめるもの。 大青 竜 湯 ◎ 石膏、 麻黄、 杏仁、 桂皮、甘草、生姜、大棗。 ☆ 太陽 病期 で実。はげしい頭痛、関節痛を示すもの。 釣 藤 散 ◎石膏、 釣 藤 鉤、 橘皮、半夏、麦門冬、茯苓、人参、…

猪苓 湯 ◎ 猪苓、茯苓、 沢瀉、 阿膠、 滑石。 ☆陽でやや実、尿路系統( 腎盂、 膀胱、尿道)に炎症のあるもの。 通 脈 四 逆 湯 ◎甘草、 乾 姜、 附子( 四 逆 湯 の乾姜を増量)。 ☆四逆湯の証で、さらに 四肢 の冷えが強く、脈が弱いもの。 桃 核 承 気 湯 ◎ 桃仁、 桂皮、 硝、 大黄、 甘草。 ☆ 陽 で…

当帰 飲 子 ◎ 当帰、 地黄、 薬、 川芎、 蒺藜 子、 防風、 何首烏、 荊芥、 黄耆、甘草。 ☆ 血 虚 があきらかで、皮膚のかゆみのあるもの。 当帰 建 中 湯 ◎当帰、桂皮、 薬、 生姜、 大棗、甘草。 ☆ 陰 で 虚、胃腸虚弱があり、 気 虚 と血虚のみられるもの。 当帰 四 逆 加 呉茱萸 生姜 湯 ◎当帰、桂皮、 薬、 木通、 細辛、大棗、甘草、 呉茱萸、生姜。 ☆陰で虚、 四肢 がひどく冷えるもの。下腹部痛を伴うことが多い。 当帰 薬 散 ◎当帰、 薬、 茯苓、 蒼朮、 沢瀉、川芎。 ☆陰で虚の瘀血のもの。…

人参 養 栄 湯 ◎当帰、白朮、 熟 地黄、茯苓、人参、桂皮、 薬、 陳皮、 遠志、甘草、 五味子。 ☆気虚と血虚があきらかなもの。 麦門冬 湯 ◎ 麦門冬、 半夏、 粳米、大棗、人参、甘草。 ☆陽で虚、体内の水が不足( 津液 枯燥)のもの。カラ 咳 をともなうことが多い。 八 味 地黄丸 ◎地黄、 山茱萸、 山薬、沢瀉、茯苓、 牡丹 皮、桂皮、 附子。 ☆陰で虚、 五臓 論 でいう 腎臓 のおとろえたもの。 半夏 厚朴 湯 ◎半夏、茯苓、生姜、 厚朴、 蘇 葉。 ☆陽で虚、 気鬱 のもの。 半夏 瀉 心 湯 ◎…

半夏 白朮 天麻 湯 ◎ 茯苓、 白朮、半夏、 陳皮、 生姜、 天麻、 黄耆、 沢瀉、 麦芽、人参、 黄 柏、乾姜。 ☆ 陰 で虚、 気 虚 に 気鬱 をかねそなえているもの。 白虎 加 人参 湯 ◎ 石膏、 粳米、 知母、人参、甘草。 ☆ 陽 明 病期 の代表的方剤。中心部体温(core temperature) が上昇する危険があり、これを冷却するために多飲、多尿となっているもの。…

茯苓 飲 合 半夏 厚朴 湯 ◎茯苓、蒼朮、人参、陳皮、 厚朴、枳実、半夏、 紫蘇 葉、生姜。 ☆茯苓飲の証があり、 咽 のつかえる感じがあるもの。 茯苓 四 逆 湯 ◎茯苓、甘草、人参、乾姜、 附子。 ☆四逆湯に茯苓と人参を加えた方剤。気虚が明らかで 四肢 の冷えるもの。 防已 黄耆 湯 ◎ 防已、黄耆、蒼朮、生姜、大棗、甘草…

防風 通 聖 散 ◎ 滑石、黄 芩、 甘草、 桔梗、石膏、白朮、 大黄、 荊芥、 山梔子、 薬、 川芎、 当帰、 薄荷、 防風、 麻黄、 連翹、生姜、 硝。 ☆陽で 実 の、便秘傾向のある肥満と、その随伴症状(肩こり、のぼせ、動悸)のあるもの。 補 中 益 気 湯 ◎人参、蒼朮、黄耆、当帰、 柴胡、陳皮、大棗、生姜、甘草、 升麻。 ☆陽での気虚を改善する代表的方剤。 麻黄 湯 ◎ 麻黄、 桂皮、 杏仁、 甘草。 ☆ 太陽 病期 で 実 のもの。頭痛、発熱、 咳、関節痛を伴う。 麻黄…

木 防已 湯 ◎ 石膏、 防已、 人参、桂皮。 ☆ 陽 で実、胸部に水が滞った( 水 滞)もの。 抑 肝 散 ◎ 蒼朮、 茯苓、 川芎、 当帰、 柴胡、甘草、 釣 藤 鉤。 ☆陽で 虚、 五臓 論 でいう肝臓の失調状態のもの。 六 君子 湯 ◎人参、 半夏、茯苓、 大棗、 陳皮、甘草、 生姜、蒼朮。 ☆ 気 虚 を改善する代表的方剤。 良 枳湯(医療用のエキス剤はない) ◎茯苓、…

苓桂 甘 棗 湯(医療用のエキス剤はない) ◎茯苓、桂皮、大棗、甘草。 ☆陽で虚、発作性の気逆を起こすもの。 苓桂 朮 甘 湯 ◎茯苓、桂皮、蒼朮( 白朮)、甘草。 ☆陽で虚、水滞に気逆をともなうもの。 苓桂 味 甘 湯( 苓桂 五味 甘草 湯 とも。)(医療用のエキス剤はない) ◎茯苓、桂皮、 五味子、甘草。 ☆陽で虚、気逆にともない冷えのぼせ( 上 熱 下 寒)のあきらかなもの。 六味丸 ◎ 地黄、 山茱萸、 山薬、 沢瀉、茯苓、 牡丹 皮。 ☆…

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Posted by ブクログ 2015年12月10日

日本の漢方第一人者の最新刊。

漢字が多くわかりづらい、漢方の世界を
平易な文章でわかりやすく解説している。

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Posted by ブクログ 2019年07月18日

 最近になって急に漢方に興味を持ち始めたので、入門書として購入してみた本。具体的な症例をあげながらも、漢方の基本的な考え方から、西洋医学との違い、また漢方をきちんと論理的に考える姿勢も示されていた。興味を持ち始めた漢方を、さらに詳しく知りたいと思わせてくれた本。

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Posted by ブクログ 2018年02月25日

漢方医学の視点をベースにしつつ、西洋医学の科学的研究成果も活用した「和漢診療学」というあらたな医学の体系を、和漢診療学を実践する医師である著者の臨床経験も踏まえて、解説。
非常にわかりやすく、和漢診療学(漢方医学)の考え方、実践例が紹介されている。本書を読み、「分解」に機軸を置く西洋医学に対して、「...続きを読む全体性」に機軸を置く和漢診療学(漢方医学)の可能性を強く感じた。また、漢方薬の効果を科学的に解明しようとする試みも興味深かった。一度、(できれば著者の)和漢診療学による診察を受けてみたいと感じた。

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Posted by ブクログ 2020年04月10日

具体的な症例、西洋医学的な病名と合わせて漢方方剤の効果の実例が記載されておりわかりやすかった。
ありとあらゆる証を頭に入れておくのは相当大変そうだ。
漢方は奥が深い。

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