感情タグBEST3
Posted by ブクログ
同時発売『サクラダリセット』最終巻と
どちらを先に読むか悩んでこちらから読む
作者の作品が同じ月に2冊も読めるとは幸せすぎる
しかもどちらもぶ厚くて素晴らしいな
とか思っていたが
良く見ると紙質が悪くなって厚くなっているだけだった
見返したら先月の『問題児』もそうだった
いままでわりと良い紙を使っていたスニーカー文庫だけに落差がすごい
そのわりには先月気付かなかったわけだが
『サクラダ』完結月までは良い紙を使って欲しかったかも(後はどうでも良いのか)
でこの作品だが
死神ものの一冊完結連作短編
学校の演劇部が採用しそうな教科書に載りそうなくらい上品上品質だが
これならより巧みに書ける作家はいるだろうと思うくらいではある
『死神くん』とか懐かしいなとカラスの諭吉をみて思い返す
そして分類に困る
生きていてそのうち死ぬのは「絶対」間違いなさそうな人間の
思いつく枠一杯に広がりえるこの話は
「小説」「連作短編」という下にどう分けようあるだろうか
Posted by ブクログ
ユニクロとコンビニが好きで、人を殺さない死神の少女なんて普通、いるとは思わないから、従来のイメージの死神と違って驚いた。
彼女と出会ったこれから死ぬ予定の四人は、それぞれ死に対する受け止め方も違うが、最期に大切なものを見つけることができてよかった思う。
「再び、プロローグ」を読むと、なんか心がほっとする。
全てが繋がっていたことが嬉しかった。
とても爽やかな読後感だった。
ジョニー・トーカーの本を読んでみたいかも。
そういえば、少し死神くんに似ているかもしれない。
ドラマ版を少しかじったぐらいしか知らないのでなんともいえないが…。
Posted by ブクログ
4つのお話からなる、連作短編集。
それぞれのお話で主人公がかわりますが、
必ず脇役に死神の少女が登場しており、誰かの死に方が語られています。
死ぬ前につくと決意した嘘、死ぬ前に自分がやるべきこと、
死ぬ前に諦めたくないこと、死ぬ前に守りたいもの。
書かれているのは死ぬ前から死の瞬間までですが、
それによって描かれているのは生き方なのだと思います。
綺麗な死に方、ひいては綺麗な生き方、
そういうものはどういう形をしているのか、思わず考えさせられました。
色々なライトノベルがあると思いますが、
個人的にはライトノベルの型だけには閉じ込めたくないと思える作品でした。
魂のリサイクルという人の死後の考え方や、
4つのお話の微妙なつながりも素敵です。
ちょっと澄ましたような文体も好みでした。
本の終わりには突然道が開けたかのような、
しばらく心に残る爽快感があります。
短編集なのでどこから読んでも間違いはありませんが、
1つめの物語から順に読み進めていくのがおすすめ。
Posted by ブクログ
連作短編集。どの話も切なくてやさしくてあたたかくて、すべての話で泣いてしまいました。死神の存在があくまでおまけで、各話の主人公たちの生き様や死に様のお話でした。淡々としているのに冷たくないあたたかい著者の書き方がとてもきれいで大好きです。命が循環して生まれ変わる。そんなことはどうでもいい。死神はいいことを言いますね。
Posted by ブクログ
表紙には黒髪の可愛らしい少女が描かれていて、ありきたりなライトノベルと思ってしまったことが恥ずかしい。とんでもない。この作品は名作と断言できる。
イラストに魅了されたのが理由でもいい。手に取って読んでほしい。この少女は目立たない脇役であり、肝心な部分は、彼女が関わる4人の主人公の繰り広げる、死との対面である。全ては衝撃のラストで綺麗に収まる(後味の良い本だ)。
Posted by ブクログ
誰かのために願い、祈る人々の姿のなんと美しいことでしょうか。
楚々とした語り口とも相まって、とても澄んだ世界観を通して見えるのは、やはり作者の誠実さでしょう。
今より前向きに過ごせるような、誰かに優しくなれるような、その後押しをしてくれる言葉に、この作品で出会えるかもしれませんよ。
Posted by ブクログ
ミニスカートと白いTシャツの死神の話、ということだけど……死神の女の子はあくまでおまけというか。物語のアクセントとして置かれているだけで、重要なのはそこじゃないです。4つの短編がそれぞれ少しずつ繋がって、なんかこう最後は良い感じにまとめる話。
こういう「綺麗な死」を扱った作品は少なからずあって、例えば電撃の『しにがみのバラッド。』とか、例えばSDの『テルミー』とか、例えばファンタジアの『神様のいない日曜日』とか。この作品は、それらと比べても頭一つ抜けていたと言って良いんじゃないかな。
死神だとか、魂の循環だとか、そういうのがなかったとしても。
生きている人、これから生まれてくる命が、死んでいった人たちの影響を受けて命を繋いでいくという事実だけは変わらない。
……という、まあ当たり前と言えば当たり前なんですが、それを非常に綺麗にまとめた作品だったなと思います。
Posted by ブクログ
死んだ人間の魂を集める死神の少女が出会った、4人の人間の物語。
素直になれない少年。
自分を殺す作品を出版し、その後本を書かなくなった作家。
突然の事故で命を落とす予定となった青年。
誇り高きクラウン、若しくは、誇り高きピエロ。
彼らは死神に出会い、自身の死を知らされます。
終わりが見えたからこそ見えてくるものもある。
ただ一言いうのなら、彼らの死に様、そして生き様は、見事なものでした。
そして、また、新しい物語が始まります。
ベイビー、グッドモーニング。
作者はサクラダ・リセットの河野裕。
淡々としていながらどこか透明感のある文章は健在です。
ぜひ多くの人に読んで欲しい作品ですね。
Posted by ブクログ
死神の少女とそれに出会った人々の様子を描いた連作短編が四編収録されています。
死神と出会った人たちというのはすでに近いうちに死を迎えることが決まっていてそのため読後感は少し寂しいものになるのかなあ、などと思いながら読んでいったものの決して虚無的に終わるだけではなく、どの短編も心に温かいものを残していってくれます。
どの話のメッセージもとてもまっすぐに感じられました。生と死というテーマながらも変に凝った方向にいかず一番綺麗なところでどの話も幕が閉められているなあ、と感じました。
一番印象的だったのが『八月の雨が降らない場所』この話の主人公となるハラダの「ねずみ講」の考えがとても好きです。そしてラスト数行も綺麗に話を締めてくれました。
ライトノベルといえば壮大なファンタジーやSF、またはコメディ要素の強い作品というイメージだったので、この作品の静かで少しシリアスな雰囲気は意外であるとともにとても好ましく感じました。
ライトノベルという概念に囚われずいろんな人に読んでほしい一冊です。
Posted by ブクログ
4つの魂の話を収録した連作短編。
基本的に話としては独立している感じだが、死神の少女(ユニクロの服着用)が看取る点他微妙に4つの作品が影響しあっているのがいい。
どれも清々しいというか綺麗で心が洗われるいいお話。
最後の「生」へもってくるところもいいね。
Posted by ブクログ
「四」 この数字は「死」を連想させる。そう、死神を。しかし、読みすすめるうちにもう一つ連想させられる。心臓は四つの部位でできている、即ち「生」を。そして生まれた物語に、命に、語りかける。「ベイビー、グッドモーニング。」
「生と死」ではなく「死と生」を描いてるのだ、この作品は。しかしその「生」はなかなかやってこない。各編で魂を集め新しい魂を創ると死神は語るのに、私たちは気付かない。隠しているからだ。強い「死」のイメージによって。だからこそ最後にやってくる「生」に、より強く心を、魂を揺さぶられる。そして「生」で終わることは、私たちに未来をもたらしてくれる。それが、河野裕の作品の透明感なのだと思う。
素晴らしい作品だった。サクラダリセットとあわせて、気持ちいい時間を過ごせた。これからweb小説の方も読もうと思う。また、次回作にも期待している。
Posted by ブクログ
この小説は答えを与えてくれない。ただ、柔らかい死と希望だけが残されている。
美しく儚く、透き通った言葉で紡がれる生命の物語はとても素晴らしい。
だけど妙に目が滑るというか…没頭できない自分もいる。
多分、大好きな作品だけど自分には合わないんだと思う。読み手側の問題なのでこれは申し訳ない
Posted by ブクログ
評価:☆4
サクラダリセットのコンビで送る短編集。
4つの短編からなり、それらは少しずつ繋がっていて最後に一つの物語となるという話。
どの話も切なく、だけどどこか温かい。読後感の爽やかさは流石といったところ。
ユニクロで買った白Tシャツとスカートに身を包んだ死神はやだなぁ。
容姿がうさんくさすぎて自分なら絶対信じないね(笑)
幸福のねずみ算みたいなのが繋がっていく世界になればいいのにね。
「子供たちは誰よりも優秀なクラウンだ。彼らが笑えば、誰だって笑う」
Posted by ブクログ
切ない話。
どんでん返しとかそういうのもないんだけど楽しく読める。各話の微妙な繋がりとかもいい。
死神は命を奪いにくるのではなく、死者を迎えにくる神様なのだなと思える話でした。
Posted by ブクログ
読み終わった後、思わず涙が出そうになる
陳腐な言い回しだけど、すごくいい話
河野先生の書く話は、
本当にやさしい人ばっかりで、
どれもほっこり温かくなって
ちょっぴり切ない
Posted by ブクログ
ひとつのテーマにもとづく4つの掌編を収録した短編集。
作品を振り返ると設定が「しにがみのバラッド。」と似かよるんですが、両者の一番の相違はキャラクターの描写ですかね。
こちらは一人称でありながらその表現はどこか淡々としていて、だからこそ死神が絡んで話が進むと感情の表裏が見えてきて面白いです。
また、四編はすべてどこかで関連しているため、順番に読み終えたときの読後感がよかったです。特に最後。
サクラダリセットぼどの読後感は得られなかったですが、同種の感覚を覚える一冊でした。
Posted by ブクログ
4作の短編集。
物語の主人公はそれぞれ異なるが、全編に共通して死神が登場する。アイスが好きでユニクロの服に身を包んだ少女の死神である。
正直他の作品に比べて、微妙だった。
表現が回りくどいというか、稚拙というか。
それぞれの作品が微妙にリンクしているのはいいのだが、全体をひっくるめたオチは少々弱い印象。
あまりオススメはしない。
Posted by ブクログ
『死』がテーマの連作短編。
死神が出てきますが主役も語り部もヒトです。
ザッピング要素はそこまで重要じゃないきがします。
それぞれの生き方死に方。
明確な答えは読者に委ねられてる感じがする。
ほわわ~んとした感じ。
でもそれが良い。
この作品も好きなんですが『サクラダリセット』が★4なんで相対的に★3
一冊で完結してるの本あまり読まない人にオススメするらこっちかな。
河野裕さん作品のちょっとキザっぽい文章や、風景の描写が、凄く好き。
合わない人もいると思いますが、合う人はハマるんですよね。
ということで他のかたのレビュー見てて気づいたんですが、良い作品はレビューが良い。(今更
)
Posted by ブクログ
名前も知らない誰かの魂が巡って新しい魂に生まれ変わる。こんな風に考えることができたのなら、死を受け入れることもできるようになるのだろうか。それはとても残酷で、優しいことのように思える。