【感想・ネタバレ】西陣の女のレビュー

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Posted by ブクログ

西陣織が関連している小説を読んでみたいと思って、検索して見つけた。
ウィキペディアをみると、1962年の著作。
物語は、昭和27年、西陣の帯地問屋「山地商店」の当主地引佐太郎が信濃の有明村を訪ねたところから始まる。
有明紬の原料となる山まゆ糸をは「ヤマコ」という蚕からとれる。
山に植林したクヌギに蚕をはなし、自然の中でクヌギの葉を食べさせまゆ糸をとる。
厳しい自然の中で、希少な美しい生糸がとれる。

そのヤマコから糸をとる仕事をしている少女刈田紋は18歳。京都に奉公に出たいという希望がある。山地としても、西陣は人手不足のおり、若く美ぼうの少女紋を連れて、京都へもどることとなった。

この紋があまりに美しく、純朴な性格出であったために、数奇な運命に翻弄されていく。

戦後、西陣の業界が復興をかけて奔走する中で、今ならありえない(とも言えないのか?)セクハラとパワハラにあいながら、言いたいことも言えず、周りに気を遣うあまりに、どんどん思いもよらぬところにまきこまれていく紋。

まるで昼ドラみたいやわ。
と、思っている調べると、昼ドラでやってたみたい。1975年のFNNとあるので、「牡丹と薔薇」とか、「真珠婦人」の枠だ。
どんなドラマだったんだろう。見てみたい。

山地の店が今出川浄福寺。
紋のおもいびと、綴織職人松吉が勤める宍戸工房が寺ノ内新町。
紋が嫁ぐ絵師今畑冬葉の屋敷は仁和寺。
クライマックス、紋と松吉を決定的に引き離すきっかけを作ってしまう和江が岩倉。

岡崎の京都会館の緞帳の話がでてきたり、
帯地の展示会を相国寺の庭でやるというくだりがでてきたり、
町並みが脳内でばっちり再生される。

どんなドラマやったんやろう?
ほんま、
どこかで見れないかなぁ。

とにかくナチュラルな紋の立ち居振る舞いと美しさが、有明紬と西陣織の融合のなかで際立っていくという、表現。

読み終わって、うーー。となった。

0
2015年12月01日

購入済み

悲しい

物悲しいが、なぜか感動した。
紋に或いは松吉に。

0
2018年04月08日

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