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室町時代の臨済宗の僧侶、一休宗純が活躍する時代伝奇もの。作者は「異形コレクション」の短編においても、この有名な実在の僧侶を活躍させているが、今回は文庫書下ろしの長編をその舞台としている。
絶大な権勢を振るった室町幕府の三代将軍、足利義満。彼が臨終の際に漏らした、天下を逆しまにする“ほしみる”。その在り処を探らせるべく、四代将軍義持が遣わせたのが一休だった。そこに、同じく“ほしみる”を狙う邪教立川流の行者や、幕府隠密、くの一らが絡んでくる……。
私の世代ではTVアニメで活躍する賢い小坊主のイメージが強いが、朝松作品に登場する青年僧一休は、頭が切れて腕も立ち、クールでいてどこかに陰を背負うヒーロー色が強い。その姿は新鮮で、とにかく単純に格好いい。しかしそれにもまして、アニメでは間抜けで世間知らずだが憎めないオッサンとしか描かれていなかった三代将軍義満の、本作での怪物ぶりは非常に新鮮で、驚きすら感じた。
「袈裟衣 有難そうに見ゆれども これも在家の他力本願」(風狂)
ホラー色はそう濃くもないが、伝奇アクションとして十二分に愉しめる。
Posted by ブクログ
時代小説。伝奇。
戦う若い一休さん。しかも強い。美形。
彼は天下をひっくり返すという「ほしみる」という存在を探している。
当人はそんなものがあるとはまったく思ってない。
四代将軍から依頼されたとき。
「妄説。信じかねる」
あほらしいと思っている。
でも母親を人質に取られて、仕方なく探すたびにでるのだった。
邪淫教立川流の怪物たちが彼の行く手を阻む。
こりゃ、大事だ。隕石でも降らせられそうな代物じゃないのか?
ところが!
わりとフツーにスキャンダルな文書でした。
おいおい。
実際にありそうな大事でした。
あれだけ化け物出しておいて、生々しくなっちゃいましたね。
だったら化け物出さなけりゃいいのに。