【感想・ネタバレ】世界最強の女帝 メルケルの謎のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ドイツの首相メルケル。

メルケルのことをほとんど知らなかったので、新書で簡潔に色々知ることができて、全編興味深く読めた。

東ドイツ出身でロシア語に堪能。
もともとは学者なのにある時期から政治に興味を抱き、政界に。

メルケルを支援した政治家たちは失脚していくが、それに康応するようにメルケルは力をどんどんつけ、ヨーロッパを代表する、唯一無二の存在になっていく。

流石に色々多様な側面を持ち、一筋縄ではいかない柔軟さ、タフさが垣間見える。

メルケルは最初の夫の名字というのも知らなかった。

0
2019年05月04日

Posted by ブクログ

[読めぬ思惑,曲げぬ思念]第8代ドイツ連邦共和国首相として,2005年からその座を守り続けるアンゲラ・メルケル。謎に包まれた彼女の生い立ちと思考に迫りながら,外政を中心とした近年のドイツ政治を概観した作品です。著者は,ベルリンやハンブルク支局で時事通信社の記者として働いた経験を持つ佐藤伸行。

その影響力に比してあまり日本では伝えられないメルケル首相の横顔が簡潔にまとめられているだけでも大満足。そして,「メルケルとは◯◯である。」と竹を割ったような解説をしておらず,多面的な評価を与えている点にも好感が持てました。タイトルからはなんとなくゴシップ感が漂ってきますが,内容はしっかりとしたものですので念のため。

〜誰かが言っていたが,「メルケルには誰もたどりつけない島がある」。〜

今年に選挙が控えているということもあり☆5つ

0
2017年03月15日

Posted by ブクログ

ドイツで長いこと首相を務めるメルケルについて書いた本。
2016年出版。

東ドイツ出身でリケジョという異色の肩書きながら、今やEUの大統領みたいな位置づけの彼女について知ることができた。

0
2019年07月06日

Posted by ブクログ

メルケルという人物をもっと知りたくて手にしたが、やはり「良くわからない」。,謎の東ドイツ時代・物理学者から突然政治への鞍替え・中国との蜜月関係など、メルケルへの興味が、読書をする前よりも読書後の方が持つことができた。

0
2018年10月11日

Posted by ブクログ

「メルケルさんと一緒にどこかお店に行って、もっと気の利いた洋服を
買って着せなさい」

東ドイツの副報道官に就任した時、東ドイツ最後の首相デメジエール
にこんな言葉を言わせた女性が、ドイツ初の女性宰相になるとは誰
も想像しなかったのではないだろうか。

だぶだぶのスカートにサンダル履き、無造作な髪形。外見を気にしな
さ過ぎる女性が、自分の副報道官だと知った時、デメジエールはさぞ
驚いたことだろう。

元々は物理学者だったアンゲラ・メルケルが何故、ドイツ首相になり、
EUのみならず世界の指導者のなかでも無視できない存在にまで
登り詰めたのかを読み解くのが本書。

なのだけれど、読んでもやぱり分からないことが多いんだよね。
政治家にしてはその道に入ったのが35歳という遅咲き。それまでも
目立った活動はしていない。

ただ、政治家として登場した時期が時代の変化に合致しているのは
確かなのだろう。自分を引き立ててくれた男性政治家たちがスキャン
ダルに見舞われるごとに彼女の地位は確実に上の段階に進んで
いるのだもの。

著者はこれをメルケルによる「父親殺し」と表現しているのだけれど、
私は「たまたま」って気がしないでもないんだよな。メルケル首相自身、
自分のことをほとんど語らない人だから真相は謎だけど。

興味深かったのはドイツと中国の関係。技術大国・輸出大国である
ドイツは巨大市場として中国との関係を重んじているということ。え?
日本?「無視」ですって。

これはメルケル首相の段違いの中国訪問回数の多さが明確に表れて
いるものな。日本に来たのは3回だっけ。

日本って結構、ドイツに親近感を持っていると思うんだけれど、これって
日本の片思いってことなのかしら。反日どころか、相手にもされてない
なんて悲しい…。

イギリス・フランスというかつてのヨーロッパの覇権国の集落が著しい
昨今、ドイツは益々存在感を大きくしている。そこには見た目の安心感
とは裏腹のメルケル首相の「すべてはドイツの為に」という熟慮した
戦略があるんじゃないかな。

私は好きなんだけどな、メルケル首相。各国首相の会議などで彼女の
姿があるとほっこりするもの。「鉄の女」と言われたイギリス・サッチャー
首相のような洗練さはないけれど、安定感は抜群だもの。

しかも、ロシア・プーチン閣下にすばっと物を言えるのもメルケル首相く
らいじゃないか。閣下が絶賛するくらいロシア語に堪能なのだそうだ。

尚、先日、日本の外交委員会での自民党・松島”うちわ”みどりセンセイ
の態度の悪さが話題になった。答弁している外務大臣・副大臣の隣の
席で大あくびをしたり、携帯電話をいじったり、居眠りをしたり、本を読ん
だり。

その時、松島センセイが読んでいたのが本書なのだそうだ。確かに
答弁を聞いているより面白いかもしれないけれど、本書を読んでも
メルケル首相のようにはなれませんよ、松島センセイ。器と頭脳が
違い過ぎます。

0
2017年08月23日

Posted by ブクログ

4選しそうな状況で一気に読み終えた。
マルケルの謎というよりも、
なぜメルケルの本がこれほどまでに少ないのかも謎だったが、
これを読むことでその理由も理解できた。

ドイツ統一も「そういやこうだったな」も思い出せてよかった。
今ってなんかバラ色すぎるでしょ、
壁が崩れた瞬間だけピックアップして、
の後の困難ほとんどないよね。
何年かぶりにトラバントという単語を思い出した。
(本にはトラバントは出てこないけど)

ドイツと中国は歴史的に見ても親密だが、
なぜか日本ではその認識がないことは大きな問題。
きちんとした歴史認識が必要という著者の主張もよくわかる。

でも結局メルケルってなんなの、というのはよくわかんらなった。
理系女子のマキャベリストという結論も納得はしたけど。
謎すぎんだろメルケル。

0
2017年08月11日

Posted by ブクログ

これはよい本だった。
日本人は漠然としたドイツへの親近感を持っているものの、その実、ドイツのことはよく知らない。いわんや、メルケルという政治家をや。

メルケルという政治家を通じて、ドイツとEU、ドイツと中国、ドイツと日本というものを理解する助けになった本だと思う。

無邪気にドイツに親近感を感じていたことを恥ずかしく思うばかりだ。

0
2017年01月29日

Posted by ブクログ

2005年にドイツ首相に就任したアンゲラ・メルケルについての本。
前半は彼女の生い立ちと首相になるまでを主に、後半は彼女の外交など首相としての機能について述べている。

メルケルが東ドイツ出身だという事実すら知らなかった自分にとって、色々なことを知ることができた。もちろんこれはあくまで一個人としての意見ということを踏まえても、たくさんの知識を得ることができたと思う。
読書ラッシュの先駆け(これから読書を本格的に始めようとする自分)にとっても、小さなトピック毎に話がまとまっていて非常に読みやすい作品だった。
ただ1つ気になったのは、著者がつい1年前に大学教授に就任したばかりだということ。若干ムムッ⁉︎となった部分もあったがまぁ読書ビギナーの自分にとってはちょうど良い作品だったかと。

0
2016年11月14日

Posted by ブクログ

メルケルのこと知らなかったんで,前半の経歴部分,勉強になる。
西独で出生後,牧師である父の仕事の関係ですぐ東独へ移住,壁崩壊までひっそりとリケジョをやっていた。
壁崩壊ごろ政治活動開始,「東独出身の女性」ってことで,統一ドイツ誕生とともに大抜擢。
東独最後の首相デメジエール,東独出身で統一ドイツの閣僚クラウゼなど,メルケルに目をかけて引き立ててくれた先輩たちが過去のシュタージへの協力や不正会計で失脚していく中,メルケルの躍進は止まらない。
最終的に彼女は政治的大恩人,コール首相を告発で蹴落とすことで遂に党首にまで昇り詰める。
ちなみにメルケルは前夫の姓で,離婚後も3年使ったその姓を元には戻さず使っている。
その最初の結婚は学生結婚で,当時の東独では恋愛の結果ではなく「生活のため」に学生結婚するのがごく普通だったらしい。
いかにも東独な感じで,MASTERキートンのエピソードに出てきても不思議でない話だとか思った。
やはり東独時代の監視社会であまり政治に手は出さず,黙して語らずストイックに物理学をやっていた,というのが統一後の彼女の躍進に大きく寄与した,ということのよう。
彼女のこと,物理学者だったというくらいしか知らなかったけど,人間社会にはそういう力学もあるのだなぁ。

0
2016年05月08日

Posted by ブクログ

ドイツの現首相アンゲラ・メルケルの生い立ちや政治の分析等を通じて、彼女の「謎」に迫るとともに、現代ドイツの政治的・経済的なパワーや、その問題点にも触れる。

東ドイツで育ち、30代半ばまでは地味な物理学者に過ぎなかったメルケルは、突如政治の世界に飛び込み、瞬く間に頭角を現していき、今や「欧州の女帝」と言っても過言ではなくなった。

本書は、メルケルの生い立ちから現在のドイツ政治に至るまで彼女を追いかけていくが、結局、彼女が何者なのかはよくわからないという結論に達する(原因の1つとして、彼女に関する文献や資料の乏しさが挙げられるだろう。)。
例えば、彼女が関わった大物政治家たちは皆失脚していったというのは、オカルトチックではあるが、少なくとも結果的にはそのようになっているようであり、彼女の「神秘性」を基礎付けるエピソードの1つと言える。

欧州の中心に位置し、地政学的パワーの増大した現在のドイツにおいて、彼女の展開する政策や外交が持つ意味は大きく、本書はその理解の一助となる。

メルケルの「個人史」としても、現代ドイツ論としても興味深い。

0
2016年03月24日

Posted by ブクログ

そんなにおもしろーい!てほどでもなかったけど、メルケルさんというか、ドイツ統一後のドイツの政治状況が概観できて良かった。
しかしプーチン大統領はえげつないなあ…

0
2019年02月22日

Posted by ブクログ

女性グローバルリーダーのトップに君臨するメルケルさんですが、詳細全く知らなかったので読んで見たら逆に謎が深まってしまった。。。
シュタージによる徹底監視の東ドイツで育ったことで、安易に人を信じず人を見る力を養い、自分のことも謎に包む姿勢は性格と環境がいかに大きいものかと知った。ドイツでは珍しくないというが別れた夫の姓をここまで世界中に示すのも現在の夫とのプライベートを隠すためなのだろうか。

語学や記憶力、探究心が高いだけでなく、タイミングを待ち、ドイツ国民のためにブレない姿勢がたくましいので、やはりリーダーとしてはついていきたくなる人なのだろう。歴史的な罪の意識を抱えつつ、折れない所を見極める力は、すごい。幼少期のプール飛び込みを考え抜いて、最終的に飛び込むエピソードは分かりやすかった。

ドイツ国民がメルケルのことをどう見てるのかが気になった。

ドイツと中国、ロシアとの親和性は、ますます日本を疎遠にさせるものだと感じた。フランスがドイツを経済的に追い込むためにユーロ圏を作ったにも関わらずその中で独り勝ちしたドイツ。倹約家がなせたものだったのだろうか。物理学者出身として、長期ビジョンよりも処方箋を好むとあったが、本当に長期ビジョンはないのたろうか。内に秘めてるものがありそうな気がする。

またプーチン、サルコジ、ベルルスコーニなど各代表と馬が合わなかったようだが、ビジネスライクなのか演じているかも不思議だった。

0
2017年11月20日

Posted by ブクログ

著者も告白するように核心には迫れていないけれども、バイアスで見逃している事実を教えてくれもする、凡庸であるが不誠実でもない本だ。

メルケルの政治の原理をとらえるのが困難であった代わりに読者に差し出されたものとして、特徴的なのは2つほどある。

1つは関わった権力者たちが次々と失脚してきた、あるいはその引き金を引いてさえいるメルケルの足跡や、プーチンのモノマネをするお茶目な姿といった、ややゴシップよりの記事。もう1つは、ドイツの歴史および地政学を踏まえたドイツ政治そのものの変遷。

これら2つはともに中々興味深いものを選んでおり、「メルケルの謎」というタイトルに近づかなくても一応これで満足はできる。

前者のトピックスでは、ちょっとした面白いことから、政治の世界の業の深さ、闘争の激しさ、執拗さを見ることができる。犬に噛まれて犬嫌いになったメルケルに犬攻撃を仕掛けるプーチンの話などたまらない性格の悪さである。

後者のトピックスではバイアスをリフレッシュするような事実の記述が光る。たとえば、ウクライナとドイツの因縁は、冷静に考えれば見えるべきものなのに、西側にいるつもりになるとロシアの脅威ばかり見えてしまう。また日本から見ると、枢軸同盟を組んでいたのはドイツにとって(それは日本にとってもそうだけれども)ごく例外的な時期であったということも見落とす。

このように作者は外堀を埋めようとしながらも、しかし、たどり着くことはなかった。正直に言えばメルケル本人の言葉がもっと欲しかった。だが、私見を挟むなら、東独時代に抑圧された記憶からごくナイーブに生存権の確保を目指す政治ではないかと思う。だから、誰も反対ができないような正論を取り出し続けることができる。

日本とドイツの戦後史の動きは似ている部分もあれば違う部分も大いにある。そこには戦後統治のあり方の違いもあるし、地政学的なものの違いもある。しかし、政治に対する切実さと誠実さにはメルケルに見るべきものがあると思う。

0
2016年05月03日

Posted by ブクログ

松島みどり議員が、国会中にこの本を読んでいたことが何かの記事に書いてあったので、読んでみた。
メルケルってよく知らなかったが、なぜこの人がドイツの最高権力者に上り詰めたのか不思議に思う。この本を読んでもその秘密は分からない。

0
2016年04月24日

「ノンフィクション」ランキング