【感想・ネタバレ】ことばの発達の謎を解くのレビュー

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Posted by ブクログ

気になった部分。
語彙は巨大なシステム。このシステムは以下の「発見」「創造」「修正」のプロセスによって作られていく。特に創造はスーパーコンピュータにも出来ないもの。人間は赤ちゃんの時からこれを繰り返し言葉を身につけていく。

・分析と発見
 単語を覚え、暫定的にそれに意味をつける。覚えた単語の間に共通するパターンを見つけようとする。
・創造
 単語の間に共通するパターンをみつけたら、多少の間違いをしてもよいからその知識を新しいことばの学習に使い、語彙を増やし、成長させようとする。
・修正
 語彙の中の単語の数を増やしたら、さらに単語の 間の共通性を分析し、手がかり自体をアップデートする。

言葉を身につけるために子どもがしている思考は、科学的な思考と大きく重なる。子どもは言語を学習することで、科学的な思考をトレーニングしている。

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2023年07月05日

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赤ちゃん〜学齢期前の幼児が、名詞や動詞、助詞などをどのように学習するか、具体例を交えてわかりやすく説明する。中学生くらいでも読めそう。赤ちゃんの言葉の発達を通じて、自らの日本語の使い方への理解についても気が付かされる。「あげる」「もらう」「くれる」を無意識に使い分けてるのも、結構複雑なんだなと感じた

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2022年12月07日

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赤ちゃんが言語システムを獲得していく過程を様々な実験から明らかにしていく。
実験の方法がおもしろい。メケ。
言語システムが物事の考え方を規定してしまうという指摘は重要。

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2022年08月31日

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本書は、ちくまプリマー新書シリーズということもあり、中高生向けの本であるから、非常に易しい文章で書かれている。新書を初めて読むような人にもおすすめできる。
一番おすすめしたいのは、未就学の子どもがいる人だ。自分の子どもがなぜ言い間違いをしたのか、科学的な観点から理解できる。この本を読み終えたあとは、子どもと会話をするのがもっと楽しくなると思う。

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2022年07月15日

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自分が大人だから単語と物を結びつけることで新たな言葉を取り入れることが簡単に出来るが、言葉のシステムすら知らない子供がどのように言語を獲得していくのかを詳しく解説してくれている本
母語毎に文法などが全然違うにも限らず、親や周りと話すことでそれぞれの文化に合わせた言葉を覚えていくのを不思議に思っていたが、赤ん坊の脳がどれほど模索して改善して更新していくのかということを知れてとても良かった
赤ちゃんに向けてオノマトペを使うことを今まであまり良くないのではと思っていたけれど、きちんとそれにも意味があって納得。

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2022年06月29日

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赤ちゃんが、音の区切り・母音子音、名詞、動詞、形容詞、と母語を学び使いこなせるようになる過程が詳細に書かれています。

チンパンジーに単語とその意味を1対1で結ばせることはできるけれど、ことばを使うようにすることはできない。

ことばを学ぶとはどういうことか、
単に単語の意味を知って、文法を知れば足りるわけではなく、システム全体(「英語独習法」では、「スキーマ」と表現されているものですね)の存在を推測し、自分の考える全体像に沿って実践し、それがそぐわない場面に出会うたびに都度修正しながら全体像を完成させて行く、それがことばを学ぶということ、そして、ことば以外の学びにも通じる人間にしかできない活動、と理解しました。

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2021年12月31日

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娘の語彙から、ひとがどうやって言葉や概念を獲得していくのか……みたいなことが気になって、前にも読んだことのある今井むつみさんの本を手に取ってみました。
これがめちゃくちゃ面白かった!赤ちゃんが言語を獲得していく過程や、母語と外国語が同じように習得できない理由、語彙と心的辞書のシステムの話から、概念の獲得、思考の道具に至るまで、ぜんぶ興味深いし、心のへぇボタン押しすぎて壊れたぐらい。
ヘレン・ケラーの「Water」のエピソード、あれによって彼女が何を得たか、という話もめちゃ面白かった。ことばは単なるラベリングではない、とあって、なんかすごく嬉しかったしうかうかしてられないとも思う。
心的辞書(レキシコン)が気になるので関連書籍を読んでみたい。

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2021年05月16日

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人は生まれたときから辞書を引きながら言葉を獲得するわけではなく,
生活の中で言葉を獲得していくのですが,
そのプロセスがよくわかる本です。
私には,ちょうど幼稚園に入るころも子供がいるので,
「なるほど,そう覚えたのか」
という体験も相まって,
楽しく読めました。

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2021年03月22日

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最近、連続5つ星が続いているが、この本も本当に面白い。

子どもがどのように「ことば」を覚えていくのか、論理的・科学的に説明されていた。
生まれたばかりの赤ちゃんはまず名詞から覚える。
名刺と言ってもコップや机などの形のあるものが一番覚えやすいそうだ。
水や空気などの不可算名詞や目に見えないもの、固有名詞などはその後になる。
そして、ある程度名詞を覚えだすと、動詞や形容詞に進んでいく。

このように簡単に言うけれど、一つ一つのことばを覚えるのはめちゃくちゃ難しい。
例えば「赤」といっても、薄いピンクよりの赤〜濃い茶色よりの赤まで様々でグラデーションんがあるし、「コップ」といってもガラス製や陶器製、取手のついているものやついていないもの様々あるもの全てがコップだ。

そんな曖昧な世界をある一つの「ことば」で切り取る作業が言語の習得なのだ。
ある具体的事象のことばを覚えたとしても、それが他の場合に使えるかはわからない。だから、覚えた言葉を実際に使ってみて、合っているか間違っているか試していく。そして試しながら修正していくのだ。
そういったアナロジーを試しては正解を探していく。トライアンドエラーの精神に似た作業を赤ちゃんのときからひたすら繰り替えてしているのだそうだ。

この言語習得の過程は科学の探究に似ていると著者は書いていたが、僕自身もまさにその通りだと感じた。
言葉や概念がない世界に言葉という武器をもって意識できるように変えていく。
この行為をわれわれ人間は小さい頃からずっと繰り返してきたはずだから、自らの思い込みで自分には科学が向いていないだとか思わずに、どんどん新しく思いついたことを試して失敗すればいいのだろう。

まだまだ、書きたらないことが多いので続きはnoteに書くことにする。

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2019年11月13日

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☆☆☆☆☆私がこの本を手にしたのは、子どもを見ているときにふと閃いた「人間が言葉を獲得していく過程は人間の観念の世界を拡張していく姿のようだ」と思ったことがきっかけだった。
自分が言葉を身につけてきた記憶はどうにも辿ることはできないが、子どもや孫たちのことばを身につける姿には何か不思議なモノを感じさせられていた。
「彼等は何のために、何に向かってことばを身につけていこうとしているのだろうか?」という疑問だ。

そう思った時に、この言葉の獲得の過程をもっと理論立てて知ることから始めてみようと思い、この本にたどり着いた次第です。

初めは『ことばを覚えるしくみ』を読んで見たが具体的過ぎて、学問をしているような感じだったので、その本でも勧められていたこの本を読んでみることにしました。

子どもの成長段階の各ステージで、必ず発する誤ったことばの使用を、楽しみながら「今、彼等には何が起きているのだろうか?」彼らの見つめている世界を覗くと、そこには人間の完成形に近づこうとするモガキみたいなものが感じられた。

本当に幼児期の成長の各段階、そして、“名前”や“固有名詞”、“動詞”などの具体的で視覚で捉えられる初期に覚えることばや、“形容詞”や“数字”などの抽象概念を要求されることばにわけて、どうやってことばの獲得に子どもたちが奮闘していくのかをよく描かれている。

子どもはことばを獲得していく過程で様々なエラーを犯しながら膨大なことばの世界を消去法で、ひとつひとつ潰していく。彼らはひとつのことばを獲得する過程で、そのひとつのことばを覚えるにとどまらず、その背景にあることばのシステムの全体に少しづつ近づこうとしている。

そして、一番印象的だったのは、最終章

「ことばが新たな概念を生む」
というタイトルの章では、私が期待していたことを 今井むつみ先生が語っていたこと。
ことばを覚えていくしくみと、物事を思考して何かを発見する姿勢の共通性を述べた部分

〜〜大事なことは、よく理解されている現象とまだ仕組みが分かっていない現象を対応づける時には、二つの現象の間の表面上の類似性(見た目の類似性など)ではなく、要素の間の「関係の類似性」を当てはめるということです。
二つの現象をそれぞれシステムとして考え、そのシステムを構成している要素そのものの共通性ではなく、要素どうしの類似性をそぎ落とした要素間の関係性の類似性、つまり二つのシステムの間の構造の共通性を考えるわけです。〜〜

“ことばの発達の謎”は“人類の存在の謎”を垣間見せてくれるものなんだなぁ。
なんか、迷宮へ入り込んだ様な感覚だ。
2016/12/23

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2016年12月23日

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本当に興味深く面白い一冊!
もうすぐ2歳になる子供がちょうど言葉を覚え始めていて、どのように言語を習得していっているのか興味があり、選んだ一冊でした。子供が言葉を習得する過程を知ることができただけでなく、言語というものがどれほど奥深いものかを改めて知ることができました。普段何気無く使っている言葉ですが、それがどれほど複雑で、獲得するのが難しいのか。それなのに子供は自分で考えながら習得していってしまうなんて、ほんとに天才だなと感じてしまう。
この本を読んで、子供の言語獲得のことだけでなく、大人になってからの第二外国語の習得がどうしてこんなにも難しいのかも、さらに理解できました。
子供がいるいないに関わらず、ぜひ読んでみてほしいな思う一冊です!

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2014年08月01日

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ネタバレ

 この本はタイトルの通り、幼児に対する実験からどのように言葉を発達させていくかを記したものである。著者の専門が認知科学であるため、世に溢れている主観だけの教育本とは一線を画している。

 言葉の発達の謎を解いていくと、私たちに有益な教育方法を示唆してくれる。
 例を見てみよう。「走る」という動詞がある。こどもがこの動詞のつづりを覚え、意味を覚えれば、その言葉を理解し使えるようになるだろうか?そうはならないのである。
 言葉を覚えるときにはいろんな要素がある。幼児が母国語を覚えるときには、発音・文型を捉え、「走る」だったら「歩く」との違い、犬が走るのと人間が走るのはなぜ同じなのかなどを、分析しながら使いそして修正していく。そしてやっと、「走る」という単語が理解できて使えるようになるのだ。
 
 それでは私たちが苦労していることばの代表である、英単語を学ぶ際にはどうすればばいいのだろうか?一番良いのは1日じゅう英語を聞いてしゃべることである。がそんなことはできない。
 そこで私たちは、英単語を覚える際には、しっかりした発音、意味、文型、例文、対義語、そのときの場面を思い浮かべるなど様々な要素を意識して取り組りくむことが必要だ。当たり前すぎて落胆するだろうか。それほどことばの習得とは地道な作業なのである。

 幼児はことばを数えきれないほどのトライアンドエラーを通して身につけていく。私は年を重ねてエラーが怖くなっているように思う。成長したいならば失敗を恐れずに取り組んでいかければならないのだ。

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2016年11月10日

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普段意識せずに使ってる言葉をどうやって習得したか、それによって世界をどのように体系化して捉えてきたかということを理解する一助となった

今後子供ができたらどのように言葉を覚えていくのか意識してみてみたいと感じた

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2024年04月13日

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言語習得のメカニズムをわかりやすく解説。ヒトの脳の可能性に驚くしかない。外国語習得にも参考になるが、もう無理だと言われている気もしないでもない。

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2023年06月29日

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子どもが言葉を学習するメカニズムを知ることができる。
哲学や言語学ではなく、認知科学の視点から実験の結果をベースとしているため、素人が読んでもわかりやすい。

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2022年12月11日

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ことばって不思議、ということ、そして、その不思議な言葉を子どもがどうして習得していくのか、それもさらに不思議。それがシステムとして言葉を習得していくという観点だと思うのだが、この観点は、外国語学習にも活かせそうだと思った。

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2022年07月07日

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ことばはどう獲得されていくのかを探った本。

子どもの言葉の言い間違いは、複雑な言葉の仕組みを子どもが一生懸命理解しようと奮闘している過程の表出であることがわかって感激。言葉を獲得する過程ってすごいなあ。言葉ってやっぱすごい。子どもすごい。子どもたちの言い間違いにもっと着目しよう。

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2022年06月11日

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ネタバレ

印象深かったのが、胎児は母国語をリズム(だったか文節だったか)で記憶しているという話。
だから生まれた後、母国語を一番に理解できるらしい。

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2021年02月06日

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子どもがどのようにして言葉を習得していくのかについて、実証実験と共に紐解いていく。
子どもはお腹の中にいる段階からリズムやイントネーションを通じて言葉のパターンを学んでいく。そこから名詞を習得する。それもまずはざっくりと似たものを分類しながら学んでいく。その後に動詞や形容詞を自分で導き出したパターンをもって習得する。繰り返し学びながらパターンを高度化するという点では機械学習と同じだが、人間は言葉のシステムそのものを少ない単語数から推論しては繰り返し修正し構築していく点が大きく異なる。

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2020年04月05日

Posted by ブクログ

はじめに
第1章 アラミルクガホシイノネ――単語の発見
第2章 ヘレン・ケラーのwater事件――ことばの世界の扉を開ける
第3章 歯で唇をフム――動詞の意味の推測
第4章 血圧がヤスイ――モノの性質、色、位置関係の名前の学習
第5章 ことばの発達の謎を解く――発見、創造、修正
第6章 言語が思考をつくる
終 章 読者のみなさんへのメッセージ

2章で名詞→3章で動詞→4章で形容詞。
んでその前後でシステムという観念の獲得と修正。
目新しい話ではないが、きれいに整理されている。
ちょうど2歳終盤の子供を見ていて、思い当る節が大有りで、そのへんも面白い。

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2019年02月28日

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発達心理学、認知科学の視点から、言葉の謎を紐解いていく。これを読めば、「言葉って凄い!」と感心すること間違いなしです。

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2013年10月11日

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主に1~4歳くらいの子どもが言語を獲得する過程を追う中で、言語と世界認識の謎に迫っていく。


普通、初めて言語を獲得する時、聞こえてくる音が何らかの意味を持つ単語に分けることができ、それを組み合わせて文を作り、複雑な意味を伝えているということすら分からずに、学習を始めなければならない。
その「言語の全体像」すら知らない子どもたちは、それを知っている僕らよりも遥かに早く言語を獲得していく。
この「ことばの発達の謎」を解いていくのが本書の概要である。


認識と言語と世界を「言語のシステム」として見る。
ものの名前は「もののシステム」、色の名前は「色のシステム」、数の名前は「数のシステム」として、言語の世界の整序が世界をシステム化していく。

最後の一章、言語と思考の共通したアナロジー的な性格の話が最も面白かった。次が序盤に出てくるヘレン・ケラーの話。
何にせよ、言語を使うということが世界観に及ぼす影響を語っている点で、認知心理学の立場から見た言語学の姿を顕にしていて興味深かった。

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2013年09月05日

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 赤ちゃんが言語を獲得していくさまが,人類が科学を発見していくプロセスに似ているというのは新しい発見だった。はじめまったくつかめなかったシステムの全体像が,次第に明らかになっていく過程。適用できる概念(語彙)が増え,知らず知らずのうちに差異の体系が構築されていく。
 赤ちゃんの発達を間近で見守る人にはうってつけの一冊。こないだお邪魔した東大赤ちゃんラボ(開研)の研究員の方も,著者の今井むつみ先生はよく御存じのようでした。

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2013年03月22日

Posted by ブクログ

こどもの言語獲得をつうじて言葉を覚える、理解できるとはどういうことかを解きほぐす。母親のお腹にいるときからすでにリズムやイントネーションを覚え、受け身ながらもアンテナを研ぎ澄まして自分の中に言葉のシステムを築きあげていることなど、幼い子の言語理解についてのいろいろと工夫された実験がおもしろい。
3人の子を育て言葉の獲得過程はずっと見守っていたものの、文法の獲得過程などごく表面的なことしか観察できていなかったので、音の連なりから単語を切り出し、語の意味をどう推測するかという根本的なプロセスがあらためて興味深かった。
ことばの学習過程を研究することで人間の心や脳の仕組みを科学的に明らかにしていこうという研究の姿勢やそのおもしろさもよく伝わってきたし、そこから導き出される子どもの言語獲得や外国語学習における知見も納得のいくものだった。

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2013年01月18日

Posted by ブクログ

同期から、面白かった本
さらっとななめ読み。
へぇーって感じ。
(しっかり読む時間と興味がなかった…)

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2023年11月25日

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オノマトペは乳幼児が言葉を理解することに非常に重要。言語発達の面から考えると積極的に使った方が良い。

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2023年06月22日

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大人になってから多言語を学ぶにはその言語を使う国の文化や生活も分かってないと使うのが難しいし、逆に分かれば感覚的に使えるようになる。結局机上で勉強するよりも移住しちゃった方が手っ取り早いんだろうな。

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2023年04月24日

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ことばがどう発達していくか。4歳の息子がいてるので、乳幼児期の話題については、そういうことだったのかと謎が解けた。また、わざわざ言い方を大人が修正しなくても、子どもの中で整理されていくところが興味深かった。
「発見・創造・修正」

ことばの発達から、英語の学習まで、そのとおりだと感じた。英語のときも、ただ単語を単一に覚えるでなく、結合・繋がりを意識して学び身につけていきたいと感じた。「要素とシステムの連合」wearとput on

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2022年05月21日

Posted by ブクログ

2022-04-22
ほぼ「あかちゃんは言葉をどう学ぶのか」と被った内容。当たり前か。終盤の、抽象概念の言語化の話が興味深い。やはり、数なんだよ。(なにが?)

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2022年04月23日

Posted by ブクログ

題名通りの内容。名詞や動詞、形容詞をどういう様に身に付けるかを分かりやすく書いている。ただし途中かったるい。という事で星三つ。

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2013年02月24日

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