【感想・ネタバレ】好きなようにしてくださいのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

相談のほとんどは、読むに値しないレベルの、くだらない内容です。鼻で笑えるものばかり。本当に真面目な顔をしてこれを書いて送ってきたことを考えると、ゾッとする内容が多いです。
それに真正面から、よくこんなに書けるなと驚くくらいの文章量で回答してくれる楠木先生がおもしろい。楠木節炸裂。そんでもって、全て納得できる。おもしろい上にためになる。本の値段以上に学びがありました。
仕事をするにあたっての基本中の基本は、全てこの本に書いてあると言っても過言ではない。たまに読み返して、自分もこの相談者たちと同じようになっていないかどうか、振り返るきっかけにしたいと思います。

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2023年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「仕事は、自分以外の人のためにするもの」
というのが何度も出てくるので、言われてみれば当たり前だけど忘れがちだったことを教えてくれた。
だけど、誰のために仕事するのかは自分で選んでいい。
どの仕事を選ぶのが正解なのかは、やってみないとわからない。
自分の好き嫌いや思い込みで、仕事を決めて良い。
やってみて向いてなかったら次(ただし似たような職種で)にチャレンジする。やる前から悩んでも、わかりっこないので無駄。
という考えがなるほど〜と思った。

それと、「怒るな、悲しめ原則」の話が好き。
威張ってくる人に遭遇した時、「こいつ!」と怒らずに、「うわ、こんなに威張るんだ」「この人どんだけつらいことがあったのかな」と想像して、その人の寂しさに思いを馳せる。

各回答が、質問者への的確な突っ込み満載で面白かった。

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2023年10月20日

Posted by ブクログ

楠木さんのうちはうち、よそはよそ、みたいな感じで一貫して主張を貫いてる感じがたまらなく好きですね
丁寧な皮肉に何度もくすっとしてしまった
仕事で迷ったらまた読みたい

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2023年10月01日

Posted by ブクログ

◎「女を抱いたことのない男の恋愛指南」

楠木さんの仕事に対する信念とユーモアが溢れる最高のメタファーだ。
 
女を抱いている人を相当に見ている、女を抱いている当人には成し得ないこと。

その論理が世で悩むある男にとって助け舟となることが彼の仕事の意義。

「理屈じゃないから理屈が大切」
私が好きな守破離の言に通づる。
言語化とユーモアに優れた思考の深さに触れることで仕事に対する洞察を深めることができた。

「川の流れに身を任せ」「時の流れに身を任せ」
キャリア論争をぶった斬る最高の思考ヒントです!

◯目的がなければ手段は評価できない

仕事の本質は他人の役に立つこと、対価(成果)が発生して初めて仕事となり得る。
趣味は自分のため(自分さえ満足すればそれでいい)

◎何をやるかより、何を捨てるか。
 何をやりたいかより、何をやりたくないか。
 不要なもの、嫌いなものはその対極にあるエッセンスと紙一重。

◎結論ありきながら、ユーモア・DCN(いい意味です笑)個性も交え論理立ててズバズバ悩みを切り捨てていく回答が超爽快。

読み終えた頃には誰もがそう思う。
"好きにさせてもらいます!"

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2023年07月17日

Posted by ブクログ

3年以上積読してやっとページを開いたら、今の私にピッタリの内容で面白すぎて(funnyとinterestingどっちも)ニヤニヤしながら読んでいます。3年前に読んでいたらこんなに面白くなかったかも…。この本に出会わせてくれた職場の人に感謝です!(お礼言いたいけど調子に乗って面倒になりそうなので言わないでおく…)

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2022年02月24日

Posted by ブクログ

自分はどんなふうに生きていきたいか、仕事においては誰にどんなふうに貢献したいか、を考える良い材料になると思いました。
今感じている「好き」とか「嫌いではない」とか「心地よい」みたいな直感に従って無理なく人に貢献しながら生きていこうと思いました。と同時に「好き」なことはどんなことかを常に意識し続けることが肝要だと思いました。

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2021年11月26日

Posted by ブクログ

最近仕事でしんどく、続けるかやめるか本気で悩んでいたけれど、なぜしんどいのか?心の底からやりたいワクワクすることがないからだったのかもしれない。
というよりも、相手に気に入られようとしすぎて、自分の信じる道を突き進まなかったからだった。
アウトサイドインではなく、インサイドアウト。
自分の得意なことは努力を努力と思わないほど継続できることにあると。

自分の信じる仕事をしていこうと改めて思った。

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2021年09月30日

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『好きなようにしてください』と言うタイトルから、無責任に相談者を突き放す本かと思ったら全然違った。つまり相談者には既にやりたいことが見えていて、そのまま『自分のやりたいことをおやりなさい』と言っている。物事の判断基準を、すべきかどうかではなく、したいかどうかで決めて良いと言うこと。一理はあるのだが、人生したいことだけやっていては、その内しっぺ返しが来そうだから皆悩むのであって、心の欲する所に従っても矩を踰えなくなるまでは好きなようにはできないかな。でも内容は純粋に面白い。

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2021年08月28日

Posted by ブクログ

むちゃくちゃ面白かった。
本質的だし、実はとても優しいメッセージに溢れている。

特段コレが印象的だった!というものは無いのだが…
つまるところ、キャリアや幸せについての悩みは全て人と自分の価値観が違うから発生しているということ。

バリバリ六本木で働いてる人がカッコいい…のはカッコいいが、正しいわけではない。

自分の価値観に自信を持つこと。
これに尽きる。

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2020年12月29日

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ネタバレ

楠木先生が、Newspicks読者から寄せられて仕事などに関する質問に回答するという形式で書かれた一冊。
読者の悩みが自分の悩みとシンクロする部分も多く、楠木さんの回答が歯に衣着せぬ口調でわかりやすく明確なので、大変面白く一気に読み進んでしまった。
やはり自分の根底にある価値観(好き嫌い)に素直に生きていかなければならないと再確認。

人生において起こる全てのことは自由意志。自分で選択している。誰からやれと頼まれたことなんて何もない。サーブ権は常に自分にある。
普通、仕事について考える時は、自分の好きなことや得意なことが先にあるはず。「こういうことなら人の役に立てる」、「こういうことをやりたい」と自分から提供するものがあって、だとしたら具体的にどこでどういう仕事をするべきかと考えるのがまっとうな順番。

何が良いことなのか、悪いことなのか、それは人によってそれぞれ。結局は好き嫌いがベースで決定をしている。

努力の娯楽化。本当に好きなこと、やりたいことだけに集中する。

ダイバーシティは多様性を成果に向けてまとめる力が最も重要

3年やってメガでないのであればセンス無し。さっさと次のサーブを打つ。
良い仕事=人の役に立つこと。人に価値を提供すること。
過去の先人が何故人々をひきつけ、偉大な経営者になれたのか、理由は「いい仕事をする」ということ。自分以外の誰かの役に立ったということ。大きな仕事を成し遂げたということは、すなわち自分以外の誰かに対して大きな価値をつくったということ。

夢と欲は違う。仕事と趣味の違い。利他たのか利己なのか?の違い。欲は自分でお金を払う。利他は他人に価値を提供して対価をもらう。

WorkはLifeの一部である。働くという事は自分の人生においてどういう意味を持つのかを大局的に見ないとキャリアとは言えない。


自分を変える方法(大前研一)
時間配分を変える、住むところを変える、付き合う人を変える。
最も意味がないのは、変わるぞ!と決意することである。

位置エネルギー、運動エネルギー。
川の流れのように♪、時の流れに身をまかせ♪


どんな分野でもプロとアマの違いは持続性なり頻度にある。アマでもツボにはまると一回や二回はうまくいくことがある。ただし、調子がいい時も悪い時も、状況がフォローでもアゲンストでも一定のレベルの仕事を維持できるかどうか、ここにプロとアマの決定的な違いがある。「悪い時でも悪いなりに。。」がプロ意識。
長く(高頻度)続けているとフィードバックを受けることが多くなる。仕事である以上、必ず受け手がいる。受けたは必ずあなたを評価します。


受け手にとってわかりやすい。これは自分の仕事にとって最大の生命線。この仕事をしている以上は20数年に亘り、毎日呼吸をするように「なるべくわかりやすく、自分の考えが伝わるように、、」という意識で書いたり喋ったりする作業を繰り返している。蛇の道は蛇。

よい文章を書く要諦は実に簡単。自分で面白い、どうしても伝えたいと思うこと以外は書かない。話ことばも同様で「何をどのように話すか」よりも「何を話さないか」こちらに集中すれば伝え方の質は向上する。

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2020年06月21日

Posted by ブクログ

痛快。
大抵の物事は好きなようにすればいい。
好きなようにしてみて、ちょっと違うなと思ったら
ほかの方法で好きなようにすればよい。

仕事と趣味の違いは真理を突いていると感じる。

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2020年05月22日

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愛溢れる放任主義
「好きな事だけやる。それは仕事じゃなくて趣味は、蓋し名言。
一見楽しそうでない仕事も楽しみたい。

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2020年05月12日

Posted by ブクログ

10年ほど前に、「ストーリーとしての競争戦略」を読もうとして、その文章、日本語に拒否反応を感じ、どうしても読み進めることができなかった。

今回、職場の人に勧められて半信半疑で読み始めたが、お悩み相談を書籍化したということもあり、この口調が逆に良い方向に際立って、とても読みやすく、面白かった。

の私に一番刺さったのは、「ラインマネージャーか専門職か」というくだり。私も上司との人事面談のたびに聞かれて、状況に応じてどちらの要素も必要だと思うので、一概に決められない、といった回答をしていると、会社としては育成方針もあるからどちらか決めないと、と言われ、何ともしっくりこない気持ちでいたが、楠木先生の回答を読んですっきりした。こんな粗々な分類にこだわるのではなく、自分の向き不向きや好き嫌いに忠実に、自分を定義することの方が重要なんですね。

ストーリーとしての競争戦略、リベンジでもう一度読んでみようかな。

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2020年04月26日

Posted by ブクログ

チャレンジをするもしないも選択の自由。
やれば辛くとも得るものがあり、やらなくばのうのうと退屈な日々を送ることになるという当たり前なことを、改めて強く気づかせてくれる本。
また、やりたいことがあるなら、いろんな武器を揃えてからチャレンジするのでなく、早く飛び込んで経験したもの勝ちという考え方も、非常に私の経験に照らしてもメイクセンスでした。

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2020年02月12日

Posted by ブクログ

ビジネススクールでの講義が面白かったので買ってみた本。楠木さんと私は思考回路が結構似ているのですがそれをバシッと言語化してくれるのがありがたいです。文章はまったりしているので嫌いな人は大キライでしょうね。ま、当然ですけど。一緒に昼飯のときに世間話しましたが話題の引き出しが多くて楽しい先生でした。

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2020年01月02日

Posted by ブクログ

これってよく聞く悩みだよなぁ(大企業か、スタートアップか、など) というものに対して、好きなようにしてください、とあっさり回答しつつ、その理由を主に相談者の思考回路を紐解きながら行われるツッコミが、さすが研究者という感じのロジカルさで読んでいてわかりやすい。

大体の悩みが思考の底の浅さからくるもので、悩みというレベルじゃないんだなぁ、と思った。

よくネットで人生相談ものを読んだりするけれど、人生経験豊富な人が上から目線で回答するものとは異なり、ロジカルであるがゆえにスッと入ってきた。

これを読んだ後には、自分がうっすら抱えていた悩みって悩みじゃないんだよなぁ、とか、もっと自分の好き嫌いに敏感になって、自分にとって頑張らずに楽に出来る仕事をしたいと思った。

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2019年08月04日

Posted by ブクログ

好きなようにしてください、という本人が一番好きなようにしているからこそ、
この書籍がまさに、Write like talking なスタイルを体現していて、だてにハゲを長くやっていないんだと思わせてくれる(失礼!)。
最高に痛快な書籍。
でも、仕事とは何かに悩む若者が読むのも良いと思います。
きちんと、仕事とは何かを記載してありますからね。

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2019年06月13日

Posted by ブクログ

最高に面白く、目からウロコのマインドにワクワクしました。責任と自覚、プロフェッショナルの基本ってこういうことなのかなと気づかされました。

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2019年04月04日

Posted by ブクログ

主に仕事にまつわることに関して、好きなようにするを切り口にとてもバランスの取れた有効な考え方を提示してくれている。とりわけ無努力主義の原則は好きこそものの上手なれであり、努力しようと思った時点でもう向いていないのだ。

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2019年02月23日

Posted by ブクログ

結局人生を決めるのは自分。人生の選択に悩んでいるときに後ろから背中を押してくれるような内容が書かれている。

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2018年10月13日

Posted by ブクログ

 大好きな楠木先生の著書。NewsPicksで先生に寄せられた仕事にまつわる相談に応えるもの。こういう仕事は受けなさそうなのに、そして、相談者の質問に愚問が多いのにもかかわらず、かなり真面目にかつ丁寧に回答していることに驚いた。でも、相談に対する回答は、的を得ており、切れ味抜群で、面白かった。

「特殊読書」の悦び
 極私的な趣味ですが、僕は「イヤな気分」になることが嫌いではありません。むしろ、わりとスキ。いや、時と場合によっては大スキといっても過言ではありません。
 たとえば読書。本には面白いものとつまらないものがあります。当然、面白いものは読みたいし、つまらないものは読みたくない。ところが僕にとってはそれとは別に「イヤなもの」というカテゴリーがあって、それは結構読みたい。私的専門用語で「特殊読書」と言っています。
 たとえば、石原慎太郎の「わが人生の時の人々」。良し悪しでなく個人的な好き嫌いなのではありますが、僕にとっては最悪の意味で最高です。俺様系自慢話のオンパレード。実にイイ感じでイヤな気分になれます。…
 この捻じ曲がったヘンな感情はどういうことなのかな、と自分でも時々不思議になるのですが、ある人から「イヤになるというのは、どこかにひっかかりがあるからだよ。自分の興味関心の奥底に触れる何かがあるから、読んでいて面白いんじゃないの」と言われたことがあります。
 なるほど、と思いました。イヤな気分になるということは、どこかで自分に深く関わっている。まったく何も関心がなく、自分と考え方が違うだけなら、イヤになる以前に、ただの「つまらないもの」としてスルーされるという成り行きです。

・新浪さん
 三菱商事時代の若い頃は「あいつは生意気だ」と周囲から責められたりいじめられたりする。ある時に新浪さんは、それまでを振り返って自分を責めてきた人をリストアップしてみたそうです。…
 …要するに「攻撃してくるのは暇な連中」。自分にやるべき仕事があって、それに没頭している人は人のことをいちいち気にしてああだのこうだの言ってこない。責めてくるのはその人にたいしてやることがなく、暇だからだ、というわけです。これに気づいた新浪さんは「外野の声は一切に気にしなくていい」と割り切ったそうです。

・結婚生活に重要な三つのこと(楠木バージョン)
 「結婚に重要なことは三つしかない。第一に我慢、第二に忍耐、第三に耐え忍ぶ心」

・人が勉強する目的
 大学に限らず、人が勉強する目的は、究極的には一つだけだと僕は考えています。「自分の頭で考え、自分の意見を持ち、それを自分の言葉で表現する」、これに尽きる。「自分なりの価値基準を持って生きられるようになる」と言ってもよい。もっとあっさり言えば、「教養」です。僕が言うのもちょっとアレですが、やっぱり人間的な深みというものがありますね。いい時も悪い時もぶれない「知的体幹の強さ」。それはやはり広い意味での教養がもたらすものです。

・自分にとっての幸せとは何か
「自分にとっての幸せとは何か」ということを何よりも先に考える。これが真っ当な順番です。この問いに対する答えは、言うまでもなく子どもによってまるで違います。幸せになるためには、こんな仕事や生活がしたくて、こんな仕事をするには、こういう大学がいいのではないか。この真っ当な順番で物事を考えられるようにと子どもを導いてあげる。折に触れて子どもに「自分の幸せとは何か」を自分の頭で考える機会を与える。親にできることはそれぐらいしかありません。
 ポイントは、仮に「自分にとっての幸せとは何か」を起点に考えたとしても、そんなの高校一年生でわかるわけがない、ということです。そんな答えがちょっと考えたくらいではすぐには出ないことを子ども自身が知る。ここに最大の意義がある。

・仕事の原則10か条
1「仕事と趣味は違う」
2「自己評価はなしよ」
3「客を選ぶのはこっち」
4「誰も頼んでないんだよ」
5「向き不向き」
6「次行ってみよう(ただし、近場で)」
7「自分に残るのは過程」
8「仕事の量と質」
9「誘因と動因の区別」
10「無努力主義の原則」

・子どもとのコミュニケーション
 確かにお子さんとのコミュニケーションを増やす必要はある。しっかり向き合って話をするには時間もいる。人間の時間は総量が限られていますから、毎日23時帰宅なら、それは子どもと向き合いにくいでしょう。…
 子どもと向き合ってじっくり話をするにしても、一日五時間毎日話をする必要はない。一時間で十分。ただしその一時間はできうる限り真剣に向き合うべきです。毎日でなくてもかまいません。23時まで仕事をする日があってもいい。そうでない日は時間をとって、じっくり一時間は子どもと向き合うと決めればいいだけの話です。
 お子さんと話す時は、まず徹底的に向こうに好きなだけ好きなことをしゃべらせましょう。自分の子どもが相手だと、どうしても「何であなた、そんなことするの」と言いたくなる。その気持ちはよーくわかりますが、そこをぐっとこらえて、まずはお子さんにできるだけ話をさせることが大切です。
 毎日の生活の何が不満で、どういう問題を抱えているのか、こちらから「こうしなさい、ああしなさい」という前に、最初は徹底的に子どもの考えや意見を聞く。このことだけを気をつけて、あとはご自分が一番いいと思う方法でお子さんと話し合ってください。

・イラッとするのは幼児性の現れ
 僕が言う「幼児性」の中身には以下の三つがあります。
 一つ目は世の中に対する基本的な認識というか構えの問題です。身の回りのことごとがすべて自分の思い通りになるものだという前提で生きている人を「子ども」といいます。物事は自分の思い通りになるべき。思い通りにならないことは「問題」であり、間違っている。これが子どもの世界認識です。
 一方の大人は、「基本的に世の中のすべては自分の思い通りにならない」という前提を持っているものです。
 これだけ多くの人間が、それぞれ違う好みとか目的を持って、利害ある中で生きている。世の中で自分の思い通りになることなど、ほとんどありません。そういう前提で生きていれば、思い通りにならなくてもいちいちイラッとすることもない。むしろ、たまに思い通りになることがあると、わりと嬉しくて思わず「ニコッとする」。大人はイラッとせず、ニコッとするものです。
 本来は個々人の「好き嫌い」の問題を手前勝手に「良し悪し」にすり替えてわあわあ言う。これが幼児性の二つ目です。…
 人はそれぞれ自分の好き嫌いで生きています。「人は人、自分は自分」です。自分と反対の考えの人がいても、イラッとはしません。「へー、そういう人もいるのか。世の中は面白いねえ……」と受け止めるのが大人です。前に「怒るな、悲しめ」の原則の話をしましたが、「怒るな、面白がれ」が大人の流儀です。
 …幼児性の三つめは、他人のことに関心を持ちすぎるということです。繰り返しますが、仕事の部下としてその人のことを気にかけるのは上司として当然のことですが、仕事を離れればみなそれぞれに独立した人間です。…
 なぜそうなるかと言えば、本当にその人が気になるというよりも、自分の中に何かの不満や不足感があって、その埋め合わせという面が大きいのではないかと思います。自分の仕事や生活に何かさみしさや不満、鬱憤、鬱屈、屈託があって、いま一つ充実していない。そういう人は他人の欠点や問題、もっと言えば「不幸」を見て心の安らぎを得るというか、鬱憤晴らしをするところがあります。

・問題の不在
 …部下が七人いて、そのうち五人が「日々スクープを取ろう、あるいは自分の専門職を出そう、別の切り口を展開しようなどと、大変に仕事熱心」。残りの二人も最低限の仕事はこなしている。上司として、こんな楽なことはありません。こんなに上司として恵まれた職場は、世界でもトップ5%に入るでしょう。おめでとうございます。
 …七人中七人がデフォルトでやる気満々というような職場は世の中にほとんどありません。いま一つのやつがパッと出てきた時に、それを束ねて動かして成果を出すのが上司の仕事です。
 あなたが言っていることは、要するに「この二人はハズレ引いちゃったな」という状況論です。全然部下に向き合っていない。問題の認識が他人事になっている。

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

普段この手の本は読まないものの、夫の本棚で目についてちょっと覗いたら面白くてそのまま借りました。

これはキャリアに悩んでる時に読みたい!(まさに今)
NewsPicks読者?からの質問に、ほぼ全て「好きなようにしてください」と回答笑
ちょっと突き放してるようで、背中を押してるようで、そして余談が非常にタメになったり自分自身ハッと気付かされることもあったり。
自分も転職すべきか?自分に向いてる仕事は?などなどキャリアについての悩みは尽きない。
本書に何度か出てくる、「川の流れに身を任せ」がめちゃくちゃ刺さった。機が熟したらその時の流れに身を任せていけばいいや、と思うと幾分気が楽になる。
お悩み事によって、刺さる内容も異なりそう。また10年後くらいに読んでみたい本。
あーおもしろかった!

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

NewsPicksの意識高い系読者の質問に対し、楠木先生が「好きなようにしてください」とゆるーく返答していく本です。

特に印象的だった点
・時の流れに身を任せて生きていくスタイル
・人生経験の少ない若者ほど環境決定論に翻弄されやすい
・意識高い層が転職を煽っても、自分が現職が居心地いいなら留まるのもあり
・著者のアフリカ育ち故?のゆるゆるさ

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2023年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

好きなようにしてください 2016/2/4

経営に法則はないけれども論理はある
2016年12月25日

楠木建氏による著作。
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。
1964年東京都目黒区生まれ。南アフリカ共和国ヨハネスブルグで子供時代を過ごす。
1987年一橋大学商学部卒業。1992年同大学院商学研究科博士課程単位修得退学。
一橋大学商学部専任講師、同助教授、一橋大学イノベーション研究センター助教授、
ボッコーニ大学ビジネススクール(ミラノ)客員教授、
一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授、准教授を経て、2010年より現職。

ストーリーとしての競争戦略が最も有名であろう。
本作はnewspicksでの連載(キャリア相談)をまとめたものである。
一見分厚い本になっているけれども意外にすいすい読める感じである。
基本は全て「好きなようにして下さい」としかコメントしていない。
しかしなかなかどうして・・参考になる文章を引用してみたい。

人生はトレードオフ。
その本質は何をやらないかを決めること。
環境の選択は無意味。
最適な環境は存在しない。
趣味と仕事は違う。
自分以外の誰かの為にやるのが仕事。

繰り返し出て来るのだが、仕事と趣味を区分けすること。
他人からお金を貰う以上、決定的な差がそこにはある。
仕事の自己評価は意味がない。仕事を評価するのはあくまでお客さん(もしくは周り)
営業力はレジュメだけでは測れない総合芸術的な能力です。
仕事における総合格闘技、それが営業といってもいいでしょう。
日本だろうがアメリカだろうが人間社会であれば仲良しグループというものは必ず存在します。
ビジネスには儲けるという客観的な目標があります。派閥がどうあろうと商売がうまくいかないと会社としてはどうしようもありません。
好きなことをして下さい=嫌いなことをしないで下さい
自分が嫌なこと、イヤなことは若い人であってもわりと確信をもって認識できるのではないか。
部下の評価は上司の仕事の中核です。
部下を評価できての上司。
評価無くして育成なしです。
ビジネスで一番大切なのは人間に対する洞察。
人間を観察して私が最も感銘を受けたのは、首尾一貫性の欠如していることである。
首尾一貫している人など私は一度も見たことがない。同じ人間の中にとうてい相容れないような諸性質が共存していて、それにも拘らず、それらがもっともらしい調和を生み出している事実に私はいつも驚いてきた(サマセット・モーム)
人間は勢いで結婚するものです。
お互い見つめ合っている期間なんていうのはほんのわずか。
結婚に重要なことは3つしかない。
第一に我慢。 
第二に忍耐。
第三に耐え忍ぶ心。(楠木建)
経営に法則はないけれども論理はある。
変わらない何かとしての論理が大切になる。
この数十年間、新聞紙上で激動期で無かった時代などない。
newspicksのコメントの読みすぎはしない。
変に意識だけが高いのは駄目。
実際の毎日のしごとは小さいことの積み重ねに他ならない。
ビジネス、商売である以上、本当に仕事が出来るということは、
商売丸ごと全部を動かして、稼いでこれられるということです。
稼いでくる奴が一番偉い。
一番頼りになる。
これが古今東西変わらないビジネスの現実。
稼げる人=商売まるごと全体を構想して動かせる人のことを意味している。
世界一は頑張りますと同義。
夢ではなく地に足のついた目標であるべき。
ジョブローテーションで足し算、引き算、そして掛け算。
掛け算をすればするほど視点が経営者のそれに近づいていきます。
担当がないのが経営。
あらゆることに手をつっこみ、あらゆる可能性をとらえて売上を上げるかコストを下げるか、その両方を行う。

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2021年12月27日

Posted by ブクログ

面白かった。清々しいというか、楠木さんのいい感じの力の抜けた、飾らなさ・容赦のなさが、他人事として読む分には「張り詰めて色々考えなくても良いのかな」という風に思えた。こういう境地に達することができたらすごく生きやすいだろうなと。結局、誰に何を言われてそうしたところで、その結果がどうなろうと自分が受け入れるしかないのだから、悩むにしてももうちょっと力抜いて良いのかもなと思えた。

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2021年09月11日

Posted by ブクログ

厳しいが温かい、何度か読みたい、一冊。
かなり良かった。深いのかどうかはよくわからないが、バカかお前はと罵ってくれる本。嬉しい。

「好きなようにしていいんだ、悩んでるの馬鹿みたい」と感じる。仕事を辞めるか(あるいはいつ辞めるか)、自分の夢を追求するか、転職するか、大学を辞めるか、部下や上司とどう付き合うか、などのキャリアの悩みは、相談者自身が大体答えをもう持っている。それに対して自分の選択によってどんな「損」があるかわからないから怖がっているけど、本質的には戦争と疾病以外にそんなに怖いものはなく、また環境の平均的な特徴によって自分の本質に損得が関わってくることはまずないから、とにかく直感的に「好きなようにしてください」ということだった。とはいえべつに衝動的に好きなことをするのがベストと言っているわけでもなく、自分がとにかくいいと思う道で好きにやりなさい、失敗してもいいじゃないの、好きな道なんだから!というような感じで、言っちゃえば無責任なおじさんである。

その一方でその無責任おじさんのいいのは、「現実的なアドバイス」をしてくるおじさんもどうせ無責任であるから、とにかく納得いく「自分が好きな道」をお勧めしてくれるところが心を軽くしてくれてありがたい。「あなたも若いんだったら自分の人生が大事で仕方ないでしょう」(みたいな感じだったが完全な引用ではない)と言っているところに痺れる。たしかに自分も自分のことが大切過ぎて、自分の得になるような策を張り巡らしたくて、効率良く、ベストな解答を求めて、近道したくて、承認される最短ルートを追いかけている。それに対してそれっておかしくね?ってちゃんと話してくれるおじさん、僕は好きになった。

で、このおじさん独特の(?)自信に溢れた陽気な感じは嫌いじゃない。とはいえやっぱり男女の特徴的みたいな問題になるとこの人も自覚している通りだけどまあややステレオタイプ的な発言が目立つ。それは気に入らない。言いたいことを言うのは悪くないし本の趣旨ともあってるし、ボトムライン間違ったことを言ってる感じはしない。だけど、男女の2分法系はなんかむず痒い。別に面白くもないし。ここら辺の好き嫌いというか、そんなこと言っていいワケ?シラーという感覚はなかなか通じねえなと思った。

4点にしているのは僕はもっと皮肉っぽい捻くれた人とかクソ野郎だけど賢そうな人が多分好きだからで、この人はめちゃくちゃ素直に色々書いているので気持ちいいんだけど気持ち悪さがいい感じに足りないから1点引いてしまった。あと痛いところを突かれて悔しいからもある。

というわけで自由に考える(感じる)応援歌のよつな本であった。大学に入る前に読みたかった...!悔しいが今出会えたことに感謝したい。とにかく端的には「(あなたの選択なんだから)好きなようにしてください」っていう話。一読の価値ありですよ!この人の他の本も読んでみたい!

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2021年05月10日

Posted by ブクログ

普通に読んでいて面白い。
何事も「決め」だなと思わされる
正解探しをしてしまう自分を戒めるために読む

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2020年08月26日

Posted by ブクログ

NewsPicksに寄せられた様々なお悩みに答える楠木先生。どんな悩みであっても、基本「好きなようにしてください」と答えるが、その後の考察が面白い。「当然ですけど。」が小気味いい。印象に残ったのは①息子に自分と同じ思いをさせたくないと心配する必要はまったくない。子供は独立した人間であり、親とは違った人生を歩む②一番いけないのは、「○○せざるをえない」と勝手に思い込むこと。誰に頼まれたんですか?③才能があるか見極めるには、3年という期間が1つの目安。④威張らずにはいられない人には、「怒るな、悲しめ原則」

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2019年11月02日

Posted by ブクログ

明確なキャリアプランなど不要であるという立場から、悩みを抱える質問に対してズバッと、「そのままでいい、だいたい、人生はそのようなものだ」という観点から話す論。

就職活動をしていて感じる違和感や疑問を肯定してくれるだろう。私個人も「自己分析ってなんだ? 働いた事無いのに、自分に向いてる企業なんて分かるかよ」「キャリアキャリアって、そんなに大事なのか。 べつに、これといってやりたいことなんてないぞ。」ような疑問を思った。

楠木先生ならこう答えるだろう。「好きなようにしてください。多分、どの企業に行っても良いと思う部分もあるし、違うと思う部分も出てくる。そこでまた、考えればいい。」


孫正義、坂本龍馬など、具体的な志を立てて一生を生きることとは正反対。川の流れのように、生きることを説いている。

仕事に関する解釈も就職を控えた私個人にとっては秀逸。「仕事の評価基準は他人。自分のためにやるのは趣味。ここの認識を誤ると、いらん悩みがでてくる。」

「自分が働きたい職場どうか」という、自分ばかり見てきて就活をする学生にとっては、ハッと気づかされる一言。

P.S 再読して思ったこと、めちゃいいフレーズ
■キャリアや働き方なんて、どこまでも自己中心的な問題なので、そもそも他人の評価や平均値、ランキングを気にすることほど無意味なことはない
→そりゃそうだ。好きなアーティストのライブに行くとき、「周りの人も、このアーティストのことが好きなのかな?」」とか、考えるわけがない。考えたって意味がない。キャリアはどこまで行っても、好き嫌いで考えられるべき事象。そういった、あっけらかんとした考え方に、ものすごく、背中を押された


ただ、一つ疑問に思ったのは、先生は「好きなようにしてください」というスタンスにこだわるあまり、悪いアドバイスをしていないかということ。作中の中で、「自堕落な生活をしてしまう自分を変えたい。分かっちゃいるけどやめられない。どうすればいいか。」というような趣旨の質問があった。これに対しても先生は「好きなようにすればいい。その自堕落な生活があなたのやりたいことなのだ。健康的で規則的な生活をホントにあなたが望んでいるなら、すでに実施しているはず。そうしていないということは、あなた自身がさして望んでいないということだろう。だから、いまのままでいい。」というような、解答をしていた。これは、近視眼的な考え方だと思う。楠木先生も著書の中で言っていたがが、もっと時間的スケールを持って捉えるべきだ。
 怠惰的な生活は、そのプロセスは楽しいが、全く蓄積がなく、結果として何も結実しないことにある。だからこそ、相談者は変えたいと思っている。知識レベルでは理解できているものの、理性が負けている現状について、困っているということだ。したがって、自堕落な生活を続けて数十年も経てば、その一分一分は楽しいが、振り返ったときには、悔いしか残っていない。

「好きなようにする」ためには、かならず短期的ではなく「長期的にみて、好きなことか、望ましいことなのか」を抑えたうえで行動するべきだろう。

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2019年05月26日

Posted by ブクログ

【星:3.5】
NewsPicsでの読者から著者に寄せられた相談と、それに対する著者からの回答を1冊の本にしたもの。

まあ、読んでいて飽きない程度に面白いが、本の内容の性質から読んでいてためになるとかそういった類ではなかった。

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2022年04月03日

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