【感想・ネタバレ】奇譚を売る店のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

楽譜の方を先に読みましたが、あちらは世界各国回って華やかなのに比べて、こちらはちょっとマニアックというか…何か著者の好きなものいっぱい詰め込んだんだろうなあ、というかんじ。
構成がとても好き。全編最初の文章が同じだったり、最後のまとめ方も好み。
「人は本のみに人生をささげたりしない」という一文がなぜか気になって、しばらく凝視していた。でもそのすぐ後に、もう物理的に身体をささげていて、なるほど、と思うなど…

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2023年06月03日

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現代に懐古趣味がまざった怪奇幻想系の連作短編集。隠れ長編の赴きもあるので、最初から順に読むのがおすすめ。古本を媒介に、虚構が境界線を越えて現実に迫ってくる方向性かと思いきや、そんな単純な仕掛けではなかった。各話の「私」は同じ古本屋で購入したのか、という疑問も最後まで読むと吹っ飛んだ。一編ごとにゾワリとする。夜にひとりで読まない方がいい。できれば、同じ空間にペットでもいるほうが安心する。

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2020年09月18日

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怪奇幻想小説や、日本のレトロな雰囲気が好きな人にとっては、この本の醸し出す、なんとも言えない匂いたつ雰囲気がたまらなく心地よいはず。

まずもって題名がいい。
『帝都脳病院入院案内』『這い寄る影』『こちらX探偵局/怪人幽鬼博士の巻』…などなど、江戸川乱歩を彷彿とさせるレトロなセンスを感じさせる。

とある埃っぽい古本屋から、「私」は毎回古本を買ってしまう。
本の中身は多種多様であるが、いつの間にか本の中身にのめり込んだり、不思議な出来事が起こったり、奇怪な体験をしていく。

個人的には二作目の『這い寄る影』のなんとも言えない展開が好き。この話は、売れない作家の、貧相な作家性の哀れみが真に迫ってるし、いつの間にか、駄作である一連のシリーズを追ってしまうという、よくわからない好奇心が興味深い。

読んでいる最中には、たまらなく古書を手に取りたくなり、古本屋の持つ本来の魅力の一端を感じ取ることもできる。

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2020年01月24日

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短編で読みやすいです。
不思議で少しゾッとするようなお話し揃い。
最後は驚きの結末で若干のホラーでした。

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2016年11月24日

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作家が古書店で見つけた本にまつわる物語に巻き込まれていくような話が綴られた短編集。この作家の作品を読むのは初めてだが、あと書き読む限りではかなり私小説的な要素があるらしい。
古本屋通いハマったことのない自分には分かり得ない心境がなんとなく入り込めなかった理由か。この手の不可思議物語はドラマや映画、小説でいろいろとあるだけに、一つ一つの物語の世界に引き込まれていかないと、十分楽しめない。
最後の物語、奇譚を売る店、ということで短編集をまとめる展開は面白いと思ったが、あとがきや解説は無い方が謎めいてよかったかな。まあ、文庫本だからこんな感じというところか。

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2024年06月08日

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町の小さな古本屋で見つけた1冊の本、パンフレットから雑誌、上下巻の本まで、名著とは程遠い物を手に入れ、開いたことから、その書物の中に取り込まれていく一人の作家の短編6篇。

アナクロな雰囲気で、1960年くらいの話かと思いきや、突然ネットオークション等の話が始まる、現代の話である。ただ、全体的に江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズや、桑田次郎の『まぼろし探偵』を意識したような世界観に、取り返しのつかないような絶望的な幕切れに、現代のミステリやホラーにはない、退廃的な空気を感じる。

6篇のそれぞれが独特の世界観であるが、やはり”ムラ”を感じてしまうのは致し方ないところ。昭和の漫画を解説する部分はややもたつく感じがあり、一方で『時の劇場』のスピード感は魅力的である。

最後の章はどうなの?という話では有るものの、全体には最近あまり見ないタイプの作品で、満足度は高め。ただ、あとがきはともかく(その時点ですでにやりすぎ)、解説でも同じネタを引っ張るのはどうなんだろうねえ。

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2023年11月25日

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古書を買う人々を恐怖の世界に引き摺り込む、奇譚を売る古本屋。
買ってしまった本にどんどん吸い込まれていくその様子が不気味でした。
やはり「帝都脳病院入院案内」が一番面白かった。

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2023年05月27日

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「また買ってしまった。」古書店で一冊の書物を手に取った古書マニアの''私''は、読んでいくうち、奇妙な世界に落ちていく。そして読み手の自分までも、''私''に引き摺り込まれていく感覚。そして最終章、ようやく現実に戻ったかと思われたが…。短編6話。楽しい読書体験だった。

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2022年05月22日

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単行本を手に取った瞬間、オッと思います。
どこかノスタルジックな装幀。全体は薄っぺらいにもかかわらずがっちりした表紙の厚みにも雰囲気が有ります。そしてちょっと変わったフォント。なかなか凝っています。
「また買ってしまった―。」と古本屋を出た時のつぶやきで始まる6編の短編。ストーリー的にはどこか大正・昭和を思わせる幻想奇譚なのですが、その雰囲気の割にインターネットが出てきたりして時代は新しい。そして最後に物語がぐるり廻って・・・。
所謂「奇妙な味」に分類される作品ですが、切れ味はイマイチかなぁ、というのが私の感想。でもそれは最初に装填で期待してしまった反作用かもしれません。ぴったり嵌る人には堪らない作品のような気がします。ちょっと変わったB級奇譚をお望みの方に。

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2021年05月12日

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芦辺拓氏が「小説宝石」に連載されていたものを2013年にまとめて発表した古書店と古書を巡る連作怪奇短篇集の文庫版。第14回「酒飲み書店員大賞」を受賞。いずれの作品も現実と非現実のちょっとした隙間に迷い込んでしまった「私」がひどい目にあっています。全体的に少し懐かしい匂いがします。テンプレートは決まっているようですが、微妙にそれぞれの作品にカラーがあるので好きなタイプを探すのも楽しいかも。世にも奇妙な物語で映像化とかしたら良さそう。

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2019年03月03日

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初めての芦辺拓。

「幻想怪奇の魅力を横溢させた、全六編の悪魔的連作短編集!」
という煽りに期待して読んだらガッカリする。

この世界観、嫌いじゃない。嫌いじゃないんだけどなんか残念。

【こちらX探偵局/怪人幽鬼博士の巻】
【青髯城殺人事件 映画化関係綴】
は好みだったのに、オチとなる表題作でしらけてしまった。すごく蛇足に感じる。

作者のあとがきと解説まで込みの作品なんだろうけど、本編で盛り上がらなかった読者には逆にあの煽りにイラっとします。

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2016年11月03日

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『また買ってしまった─』からはじまる短編集。
古書怪異譚とあるだけあって本好きはもうそれだけで惹かれるものがあります。

装丁やタイトル、発想はすごく好みでワクワクしましたが本編はもちろん悪くはないもののなんだか物足りない感じというかなんというか…。
予想外の突飛な展開とか驚くような展開はなかったように思います。

さらっと肩肘張らず読めるので怪異譚とか不思議系の話、古本が絡む話なんかが好きな人は一読を。

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2016年10月06日

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